Black＆White あまりにもお馬鹿すぎて大爆笑！

【=19 -1-】　この映画も最初はちっとも興味なかったのだけど、何度も何度も予告編を見せられているうちに「面白いかも」と洗脳された作品、ではでは「すかーっと笑わせて頂きましょう」ということで鑑賞。
封切りから3日目、雨の日曜日の11時台の上映、老若男女まんべんなくでそこそこの入り、マスコミとかの前宣伝はさほど活発だったと思わないので、この賑わいは少し意外だった。

　CIAの若き敏腕エージェントのFDRとタックは親友同士。そんな二人は闇商人を追うも失敗、謹慎処分を受けてしまう。暇になってしまったタックは、恋人紹介サイトでローレンという女性と知り合い電撃的に恋に落ちてしまうが、なんとFDRもローレンをナンパしていた。二人はローレンを巡って、最初は紳士らしくアプローチを開始するがやがてどんどんエスカレート、CIAの特権を活かし（？）ハイテク兵器を駆使したバトルに発展していく。

　この映画はまさに「史上最大の“職権乱用”」に尽きる。
荒唐無稽な設定だと分かっていても、でもここまでむちゃくちゃやったら笑えるでしょう！
スーパーハイテク機器と鍛え抜かれた身体能力と偵察力を駆使しての恋の鞘当て、女の気を引く為に使えるものは何でも使い倒して、相手を邪魔する為にあんだけいろいろなものを壊してしまって、そしてCIAのスタッフまで総動員して、っていったいぜんたいお前らなんぼ金使いまくるんじゃ、ってのも極端すぎて大爆笑。
意味あるのかないのか、あっちゃこっちゃに無駄に散りばめた伏線（ローレンの女友達・バケツ被ってグルグル回る少年・空手道場の親父・これを伏線といったら乱暴だけどハインリッヒの行動・FDRのいいスーツ・FDRの表向きのお仕事は船長などなど）が、あとで一応回収されていくのだけど、それでもやっぱり意味があるのかないのかが不明、ってな中途半端さにはなぜかジワーッと笑いがこみ上げる、ってとこもよい。

　アンストッパブルやスター・トレックのクリス・パイン、インセプションのトム・ハーディ、それぞれの映画では2人はむちゃくくちゃかっこよかったのだけど、この映画でも2人はもちろんかっこいいのだけど、しかしむちゃくちゃコミカルで、その落差のせいでなにやってもおもろい、この2人。
リース・ウィザースプーンも綺麗な出来る女キャラなのか、ダメダメな負け犬キャラなのか、そのどっちか掴みにくいってな演技が、またまた笑わせてくれるのだ。
ただ「この女」にここまでするか、という説得力がちょっと足らなかったし、2人のエージェントのすごさを確認させる為に取って付けたような国家的危機エピソードが中途半端すぎて興醒め、コメディなんやからいいやんとも思うし、長すぎず短すぎず程良い上映時間を考えたらあれで精一杯かとも思うけど。

　日本でこういう映画を作るとなると、もっとコメディに徹しないといけないのだけど、ハリウッドだとこんな作り方が許されるのだなあ、と妙なところを感心してしまった。
原題は「This Means War」、しかしなんで邦題は「Black＆White」、この邦題だとこの映画のお話しとはずいぶん違う印象になってしまうってのが疑問、原題が日本人には分かり難いとしても、もうちょっと違うのなかったのかな？
そしてあのオチはいかんでしょう！あれは言ってしもうたらあかんでしょう！アメリカ人って寛大なのかバカなのかよーわからん。