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【メモ】藤井聡京都大学教授「ライドシェア新法阻止」に向けたスピーチ

2024-03-12 | 書記長社労士 ライドシェア断固阻止!

 3月8日には電通会館ホールにてハイタクフォーラムは、「危険な白タクを合法化する『ライドシェア新法』絶対阻止! 3.8総決起集会」を開催。
その集会で「ライドシェア新法阻止に向けたスピーチ」をおこなった、藤井聡京都大学教授(都市社会工学専攻)の発言をメモしておく。

 ライドシェアの導入、現行の制度の範囲で導入される場合なら、いろいろな秩序の混乱というものがなく、タクシーの事業を運営してきた供給力の力をもって、ライドシェアのシステムを活用することで適正に事業が運営され、適切なサービスを提供する可能性が残されているだろう。
しかし、いわゆるライドシェア新法では、その自由な規制緩和によって、タクシー業界の秩序が崩壊することになることは確実であることが危惧される。
まかり間違ってライドシェア新法ができてしまって、それが万が一にも問題がタクシー業界だけの秩序が崩れてしまうだけで、公益が確保されるのなら、その規制緩和は甘受されるかもしれないが、しかし、それに止まらず、タクシーサービスの質が劣化してしまい、最終的には地域の利益、公的な利益、そして国益を根底から損なうことは明らか。

 こういった理不尽かつ非合理的な、理性を全く顧みないイメージだけで、利用者等の国益や国益を棄損するような規制緩和が行われるという失敗は、これまでも何度も行われてきた⇒しかし、日本でタクシーにおける安全や公益は検討され強化されてきている⇒そこに、そういった失敗がまた一つ追加されれば、日本全体の秩序が激しく傷つく極めて巨大なリスクにつながる⇒今さら公益を損なうライドシェアなるものを是認できるものではない。
いわゆるライドシェアで、公益が増進することは極めて難しい、改定する理由がない⇒考え直していただきたい⇒政府関係閣議に心からお願い申し上げたい。

 岸田総理のライドシア解禁論がうんざりするほどに愚かし代物である。
残念ながら公益が増進することは極めて難しいどころか、公益が毀損してしまうことは確実だ。


①タクシー運転者の賃金が安いことが公益を棄損している。
 タクシーの業界の人間はこれについて深く理解しているし、私自身も国交省等の審議会でタクシー特措法なんかを作るときに議論をさせていただいた関係者として、

〇タクシー運転者の賃金が十分に高くない⇒運転者のなり手が不足する⇒供給が不足する⇒消費者の利益が、利用者の利益が毀損する⇒さらに、賃金が安いというのは、これドライバーの皆さんが不利益を被るわけでありますし、ドライバーのみならず日本経済から考えると、特定の業界の賃金が安いということでデフレ圧力になり、日本全体の賃下げ不況の圧力を加速することにもなる⇒高齢化を進めたり、いわゆるアウトサイダーと呼ばれる方々の脱法的な、コンプライアンスを逸脱するような危険な業態を加速させる⇒この10年20年なんとか規制緩和のせいでこれがもたらされた。
すなわち、運賃の引き下げ⇒運転者が不足する

〇ライドシェアを導入すると車両が増える⇒さらにシステムで運賃が安くなる⇒ライドシェアのほうが安くなる⇒全体のさらなる運賃の引き下げ圧力
「運賃上げる⇒賃金が上がる⇒供給力が上がる」⇒国土交通省をはじめ、政府の力も含めて、なんとか賃金を上げて、供給力を一定程度確保し、そして高齢化を防ぐ、そしてブラック業態をなくす、そして安全な輸送サービスを適切に提供する⇒このスパイラルに冷や水をぶっ掛けて、担い手不足が進む⇒そんなものは到底是認できないというのは真っ当な常識を持った人間、万人の共通認識ではないか⇒真逆のことをやろうとしている。

 運賃が少し上がり、賃金が少し上がるだけで数100人オーダーで乗務員が増えるということになった⇒逆に言うとライドシェアが不適切な格好で導入されれば、賃金が下がり、数100人オーダーで瞬く間にドライバーが失われていくということになる⇒ライドシェアを導入することで供給力を提供すると推進論者は言っているが、真逆の帰結を導く⇒ということは、バカが考えてもわかる。
だから、彼らが馬鹿でないとしたら、何も考えていないということ⇒状況を何も知らんということです⇒「ライドシェア、外国で乗ってきたで」とか思ってやってる⇒「いいんちゃいまっか」とか言うとる⇒まあ、バカでなければこういうのはアホということになるわけだ。
問題は、賃金が引き下がって、担い手不足がさらに加速するということ。

②タクシー業界は二種免許というプロライセンスを育てる教育機関にもなっている⇒ライドシェアを活用して人を集め二種免許を取らせて運転者増加につなげていく⇒業界の管理のもとソフトランディングさせていく⇒この4月からの制度はよいかもしれない。
 しかし、新法では、その管理を運転者個人に置きかえる⇒これ業界から完全に切り離されたものが運用されるわけだ⇒アメリカではそもそも業界というものがないし、タクシードライバーの管理がないからタクシーでもライドシェアでも同じで、日本とは状況が違う⇒日本の場合はそういう格好で秩序を守り、乗務員の皆さんをしっかりと教育し、安全安心をお届けするという格好で、これを戦前からやってきた⇒新法では日本でも運転者の管理がなくなる(誰が運行管理する?安全管理をする?)⇒その人は酒飲んだのかもしれへんし、2週間とか30時間だか連続でやっとるかもしれない⇒これはめちゃめちゃな話なわけだ⇒今の、タクシーサービスの質には到底及ばないものが提供されることになる⇒タクシードライバーが提供している安全安心は、ライドシェアでは提供できない⇒公共の福祉を毀損するものである。
 ライドシェア推進者は「この規制緩和が公益を増進する」これ一点だけ主張している⇒彼らが邪悪な人間ではないと一応仮定して、単に愚かな人間であると仮定して⇒何が問題か教えてあげなければならない⇒だから、かわいそうな人なんです⇒だから、あなたは優しく言ってあげたらいいんです⇒挙げしまったこぶしを下せるようにしてあげなければならない。

③京都ではインバウンドによるタクシー不足だと言われている⇒実はタクシーはたくさん並んでいる⇒山ほど並んでる⇒3台ずつ乗れるのに1人ずつ乗る⇒それで滞る⇒客がタクシーに乗り慣れていないだけ⇒これは乗り場の問題であってタクシー不足はデマ⇒だから、あなたが言ってる公益増進のポイントは間違っているんだということ。
 大阪万博でタクシーが足らなくなると言う⇒万博とは特別需要⇒そもそも足りるか足りないかきちんと計算したのか?⇒大阪でのタクシー最大実車率(乗客を乗せている時間の率)は55%と言われているが、現状の実車率は45%⇒需給(需要と供給)は10%余っている⇒しかし推進者は「需給ってなに?」そのレベル⇒今この賃金が上がっている状況をしばらく放置しておけば運転者は増える⇒ここでライドシェアなんか入れて、その流れが止まって、また賃金が下がってくるんだったら、また供給は減る⇒工学的に、需要と供給のバランスとはこういうことだ⇒担い手不足という話が疑わしい。
 過疎地にはライドシェアが必要だろう…⇒地域で安全・公益に増進の確保について慎重に検討しているのか?検討して乗合タクシーやデマンドタクシーになるのはしかたない⇒しかしなぜ、ライドシェア?
⇒万博なら、関西圏の広い範囲でタクシー車両を調達する等、特定期間の特別需要にだけ対応すればよい⇒ま、ほんとうに万博に客が来るならばだが…⇒いや、ほんとうに開催ができるのならだが…。
推進論者は「ライドシェア導入ありき」で公益は言い訳⇒郵政民営化ありきと一緒⇒アメリカのなんかといろいろとかあったんですけど…⇒不正義は許してはならない!

④岸田内閣の政策の一丁目一番地は「実質賃金の上昇」⇒今物価が上がってきて、賃金が上がらへんから、みんな苦しい⇒だから「物価上昇率を上回る賃上げを実現するのでありまーす」と言ってるんですよ⇒ライドシェア入れたら賃金下がるやないかということ⇒何やってるん?全く逆だ!
 ライドシェアってそもそも何かわかっているのか?⇒世界の流れにおけるライドシェアの、要するにアプリシステム⇒普通の人(ライドシェアを外国で利用して便利だったと言っている人)がライドシェアだと思っているものは日本でもすでに入っている⇒導入したタクシーサービス提供による利便性の増進というものは、業界の独自の取り組みによって相当程度進んでいる⇒システムがちょっと違うだけ⇒タクシーに乗ったことがあるのか?

⑤「ライドシェアだとかなんか新しいみたいな」⇒「デジタルトランスフォーメーションみたいな」⇒そんな中二病みたいな話は置いといて大人の話をしよう。
 タクシーの規制のあり方というものは不断の見直しが必要⇒緩和すべきは緩和し、強化すべきは強化し、形成すべきは形成し、撤廃すべきは撤廃したらいい⇒乗客の安全を守るために逆に規制強化しなければならないものもある⇒時代は変わっていく、新しい技術も入って来る⇒公益を増進することを考えればよい⇒最も適切なタクシーサービスの秩序を形成し、公益を最も増進するような仕組みを考えればいい。


 せっかく賃金が上がってきた⇒それによって供給力も上がってきた⇒まだタクシーの遊休車輛はある⇒さらに運転者を確保していく⇒適切なサービスを提供し、適切な都市活動・地域活動をサポートし、公益を最大化していく、そのことを考えればよい。

 ライドシェア導入論を言っている者に対して、しっかりした理論で説得していく⇒言論の府である国会で徹底的に論じていただければ、どんな案が出てきても、日本人が理性的である限りにおいて、数の力は無関係にそういう理不尽なものは認められないはず⇒ライドシェア推進論は人々に迷惑をかけていることを分からさなければならない⇒日本人の「民度」が試されている⇒日本人の理性を信じたい。

❶賃金はイコール供給力の確保、賃金が下がると供給は確保できない、❷「足らない」だけではだめで「足らない」はデマ、❸賃金・運賃を下げてはダメ、安全が確保できない、❹いわゆるライドシェアと同様のタクシーサービスは既に日本にもある。



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