
【27 試写会6】女手一つで惣菜店を切り盛りし、2人の子供を育て上げたエラン(イ・ジュシル)は、ふがいない息子ギュヒョンの姿が自分勝手だった亡き夫に重なり、小言の多い毎日を過ごしていた。それでも家族のために日々料理を作り続けていたが、認知症の兆候が表れ始める。母を施設に入れることにしたギュヒョンが家を片付けていたとき、レシピが書かれた母のノートを見つける。
認知症の母がのこした料理帖から、母の家族への愛情が浮かび上がるヒューマンドラマ、キム・ソンホ監督が自身の母との体験を生かし、不器用な親子関係や老いの問題、家庭料理の温かさを描いた映画。
試写会で鑑賞、予備知識無しで見ていたが、最初は、だめな息子と厳しくも優しい母との親子物語かと思って観ていた。
しかし母に認知症の兆候が出てきてからは呆けた母の押し付け合い家庭内どろどろ物語の様相を呈してきて、こりゃひょっとしたら鑑賞後ずっぽり沈んでしまうお話ではないか、とちょっと辛くなってきたが…。

いやいや、そうではなかった!
一冊の料理帖に遺された心と体に美味しい韓国の家庭料理の数々、そのレシピに込められた記憶の断片、家族への愛。
料理帖が繋ぐ、家族への複雑な想いと愛情を描く物語で、思いも掛けなかったラストもよし。
料理に正解が無いように、家族の在り方にも正解は無いんだなあってしみじみ。

妻が韓流のドラマや音楽が好きでよく付き合わされて韓国に行くが、自分にとっては美味しいものがいろいろ食べられるからそれはそれで楽しい。
韓国料理って、どれもとっても味が複雑で手が込んでいて、そしてちゃんと作られた料理ならとっても身体に良い気がするが、この映画を観て、「そら、身体にええわ~」ってことにも妙に納得してしまった。
このお母さんの料理だけを食べていたら、病気にならない、病気になったとしても必ず治してくれそうだ!(でもお母さんは認知症になってしまったが…)
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