
【 72 -13- 1ヶ月フリーパスポート=21 】 昨日の東京での会議の合間に、徳島の友人と話していたんやけど、地方ではまず試写会なんて応募のチャンスすらない、1月に数十本も映画を観るなんてもともと映画がそれほどたくさん上映されていないからあり得ない、映画をたくさん観たら「無料」なんてそんなシステム以前に映画館がない、とのこと。
まったくその通りだ、高知県四万十市(旧の中村市)も今はもう映画館が無くなってしまって、映画を観たいと思えば120㎞離れた高知市内まで行かないといけない。
伊豆下田に住む☆mitsu☆ちゃんも映画を観るとなるとちょっとしたトリップのようだ。
映画が「日常」の頃は、地域の単館で十分に採算も取れたのだろうけど、レンタルで映画が見れたりする昨今では、映画がもうすでに日常ではなく、そんな単館は潰れていったんだ。
しかしここんとこ、最近の集客力ある土地に雨後の竹の子のように発生するシネコンのおかげで映画自体は盛り上がっているようだ。
地方の映画文化をぶっ壊した結果なんかな・・なら悲しい。
観たい映画をいち早く大きなスクリーンで観れるという「ある意味幸せ」は噛み締めておかなくてはならない。
といいながら、基本的にはあんまり興味がないラブコメディ分野の映画、だからこれもフリーパスポートだから観に行ったようなもんだ、ごめんなさい。
というわけでこの映画が、TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスポート鑑賞の最後の映画となった。
夫の浮気が発覚し、40歳で離婚に踏み切った専業主婦のサンディは、2人の子どもを連れて郊外の住宅地を離れNYでアパートを探し、憧れのスポーツ・チャンネルに就職を決める。一方、大学は出たもののいまだに両親の家で暮らすアラムは、失恋の痛手に就活にも身が入らない24歳。そんなアラムがサンディにベビーシッターとして雇われる。共に苦い別離を経験した2人はやがて年齢差を超えて恋に落ちるのだが…。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズが演じるサンディが離婚するきっかけが超笑える・・・ΣΣ┏(_□_:)┓iii
そして彼女の愛くるしくて小生意気で小憎たらしい娘と息子が、大いに笑わせてくれる。
当の主人公のサンディやアラムはけっして笑いを狙っておらず真剣そのもの、コミカルな映画のはずの部分はすべて子供達が担ってくれていて、で、結果、主人公2人がおかしなことになっているというストーリー構成。
だから、自分としてはクライマックスに行く手前のところの6年間分を凝縮しすぎてダイジェストタッチにしてしまったことが大いに不満で、悪くはないハッピーエンドであっても、なんだか食べ足らない空腹感が残ってしまったのが残念。
知的でスマートで小綺麗に、淡いセレブリティな香りで仕上げてあるという全体の空気感も、少し鼻についていたんだなあ、自分の場合。
しかしこの映画の原題が「THE REBOUND」だということをエンディングで知って、実は妙にストリー全体を納得したのだった。

40歳と24歳、16歳の年の差、男が年上で女が年下なら大した年の差ではないのかも知れないが、それが反対だったら・・・俺の愛すべき妙齢の女友達たちは「ありえない」と口を揃えたように言っているこのパターン。
ほんとうにあり得ないのかな?キャサリン・ゼタ=ジョーンズだったらあり得そうだけど、では日本人の有名人で40歳を探してみたらどうなのかな。
鈴木早智子、大黒摩季、マルシア、かとうれいこ、芳本美代子、杉浦幸、千堂あきほ、ヒロコ・グレース、葉山レイコ、鈴木杏樹、渡辺美奈代、山瀬まみ、浅香唯、富田靖子、石田ゆり子、中村江里子、有働由美子、森高千里、伊藤みどり・・・あり得るのとあり得ないのとがいるなあ・・・あ、違った、今の自分の基準で考えてどうするんだ!
この人たちと、「今、24歳のきみ」、どうや?いける?(誰に聞いているんだか。)この映画の中で「妊娠」がストーリーの中で結果的におおきなキーワードになったんだけど、妊娠といえば、今読んでいる「塗仏の宴―宴の支度 京極夏彦」にジェンダーに関する興味深い記述があったからメモしておこうっと。
「子供を産むのは女だ--産むか産まぬかは女が、産む個人が決めるべきなのだ--と。茜はそれを聞いたときにも同じような違和感を持ったのだった。胎児というのは身中の他者である。ならば女が子供を産むのか、子供が女から生まれるのか、判断は難しい。否、どちらに決めることは出来まい。」
「女にとって出産とは、個人の意志の下に行われる行為であるけれど、個人の意志を無視した生理現象でもあるのだ。だから子供を産むことは女の役割と云う考え方は、そもそも間違っていると茜は考える。それを役割と見なすと云うことは、精神は身体と乖離したものであると、暗黙のうちに認めていると云うことだからである。・・・」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます