ひろきち劇場NEO

ソフトウェア開発から写真、旅行、ダイビングまで寄せ鍋風にお届けするブログ。ええダシが出てる・・・かな

認知科学とユーザビリティ

2008年07月22日 | ◆仕事
少し前から認知科学といわれる分野についていろいろと調べています。というのも、いま仕事でデジタルAV機器のユーザーインタフェースの設計をやっていて、より使いやすく、誰でも簡単に使えるようにするにはどうしたらいいかという問題に日々直面しているからです。

ビデオの録画の仕方が分からないのはオカンが機械音痴だから、ということで放置されるような傾向がありますが、やはり技術が進歩するに従って機械はより便利にならなければいけないと思うのです。機械が使う人を選んでいて何がユビキタスだ、と思うのです。

D.A. ノーマンの「誰のためのデザイン?」という本で認知科学という学際的領域の研究分野があることを知りました。

誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 (新曜社認知科学選書)
ドナルド・A. ノーマン,D.A. ノーマン
新曜社

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認知科学は心理学から人工知能、脳科学、哲学などかなり広い領域にわたっているのですが、この分野について学ぶことはユーザビリティの改善に大いに役立つだろうと思います。で、いまその手の本を読み漁っているわけです。

中でも、アフォーダンスという概念を理解してそれを応用することはとても有用だと思います。佐々木正人氏の「知覚はおわらない」にはアフォーダンスを理解する上で助けになるであろう多くの例が登場します。

知覚はおわらない―アフォーダンスへの招待
佐々木 正人
青土社

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失明した人が何を頼りに町の中を歩いて目的地に到達するのか、両足を失った人がどのようにして義足を自分のものにしていくのか。こうした例が、普段われわれが当たり前のように利用していて気づかないでいるアフォーダンスというものを理解する助けになります。

そしてアフォーダンスを理解し、制約や対応付けなどとうまく組み合わせて応用することで、誰でも簡単に使える便利な機器を実現することが出来るのではないかと期待しています。そうすればユビキタスというものがもっと身近になりますよね。

で、勢い余って「ヒューマンインタフェース学会」というのにも入会しました。年会費を1万円も払うのですが、きっと有用な情報が手に入るだろうと思っています。だめだったら退会すればいいだけのことです。まずはやってみましょうということで。シンポジウムに参加する場合は別途参加費が必要だったり、書籍代なども含めて結構な投資になるのでちゃんと回収できるようしっかり勉強したいと思います。




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