篠崎純一先生
私がこのお名前を意識したのは2010年の4月にアップされたこの記録が初めてです。
2010年7月に大朝日岳に行きましたが、その時知ったのがこの記録でした。
積雪期に日帰りであることの困難さは判りますが、真っ暗な沢を渡渉するくだりなぞ
この人、おかしいんじゃないかと思いました。
「婦日の山と仕事報告」を書かれている篠崎先生でした。
7大陸の最高峰を登頂された方でセブンサミッターと言われています。
仲間内ではDr7とかウルトラセブンと呼ばれ、山スキーで大いに遊ばれていた方です。
先日、私は、北海道の利尻岳・山スキーをプランしていた時、篠崎先生のこの記事を見て諦めました。
篠崎先生は、利尻岳に臨んで
「大きなザックにザイルからスノーバーまで登攀具一式積め込んで・・・・
5mほどの急な雪面をダブルアックスでクリア・・・・」などの内容から
「自分ではこりゃあかん。」と思いました。
「結局ザイルや登攀具は使わなかったが、わざわざ高山から重荷をここまで運んできた事
を馬鹿だと僕は思わない。それよりも使わずに済んで良かったと心底思う・・・・」
という記載から、おかしいのではなく充分に準備・安全の上にも安全を考えている方だと思いました。
篠崎先生は5月5日の西穂高岳周回の記録をアップ。
しかし、5月7日に奥穂高岳白出沢で落石のためこともあろうに亡くなってしまったのです。
5月7日にメーリングリストで訃報メールが入りびっくりしました。
もちろんお付き合いどころか面識もない方ですが、いつもウェブで拝見していてまったくの他人の様な気がしませんでしたので大変残念で仕方がありませんでした。
あらためてウェブのTOPを読み返すとこう書いてあります。
「今まで随分充実した毎日を生きてきたつもりですが、死んでしまえば自分の経験も全て誰も知らない事になってしまいます。そう思うと自分の生き様や思いを記録し、またリアルタイムに報告しておきたいと思いました。」
なんか万一のことを暗示しているような気がします。
そんなことはなかろうと思いますが、事故が起こってしまうとそう感じてしまいました。
この連休中は、山での遭難死が20名以上ありました。
この数字を見ると山は相当リスキーであることが判ります。
ベテランであっても間違いがあり、運が悪いこともあります。
篠崎先生のご冥福をお祈りいたします。