山行記録 71.巻機山 その2
ニセ巻機から見えた巻機山は遠かった。
ニセ巻機からいったん避難小屋に向かって下るのだが、小屋など影も形もない。
雪の下だろう。
シールを外さず、最後の登りに備えてそのまま下った。
相変わらず、足を攣りながらの苦しい登り。
でも、もうそこが山頂だ。
雪のない最高地点と思えるところには山頂標もなにも見当たらない。
GPSも山頂を示しているし、そばにあった石積み(ケルンとは呼べない)を山頂としよう。
お決まりのパチリ1枚。
本当は、金正日風のオーバーグラスを掛けているのだが・・・・・・記念写真の時は外さなくては。
気取っている時ではなかった。
本当の話をしよう。
両足の両太ももを攣った。
動けない。
痛い。
必死にマッサージしたり叩いたりした。
石積みのそばでひっくり返った。
攣っているんではなくて、筋でも切れたんでは・・・・?
よりによって最高地点でこんな体になろうとは・・・・。
下山ができない。
「遭難」の2文字が浮かんだ。
しかし、足を「攣りました。」では話にならない。
少なくとも「足を折りました。」ぐらいでなくては救助要請などできるわけはない。
幸いなことに、天気は最高。
時間もまだある。
なんとか回復させなくては・・・・・。
そんなこんなの辛い山頂だったのである。
景色は良かった。
ニセ巻機などずいぶん下に見えた。
勉強不足でどこの山か判らないがとにかく素晴らしい展望だった。
方角的には妙高・火打~北アルプスであろうか。
ようやく動ける程度になった。
あとは下るだけだぞ。
なんとかなる。
山頂からは一下り。
2名の後続登山者があがってきた。
ああ、まだ登りがあった。
ニセ巻機への登り返しだ。
必死につぼ足で登る。
3名の登山者。
食事をとっている方と、ペアで来られた方。
男性はボーダーで、彼女を残してピストンで巻機に向かった。
ザックを下して座り込み、、ショッツをいただく。
ワイルドビーン味のすごく甘いショッツも雪と一緒に頬張ると最高においしい。
一気に回復するかもしれない・・・・・。
そうならなかった・・・・・・。
さらに悲惨な地獄が続くのであった。
いよいよ急な下り。
ここはおとなしく下って・・・・。
8合目付近の緩いバーンは自分のようなスキーの技術でも楽しめる。
適度に緩んだ雪で、シュテムボーゲンでも通用するのだ。
なんとかなったのはここまで。
この先の樹林帯では、少し下っては座り込んで足のマッサージ。
とにかく攣りっぱなし。
しかもボーゲンでハの字にスキーを開こうと思えは、太ももはいちころ。
運動不足。
体力不足。
反省の言葉。
もっと精進しなければ。
とにかく、こんな厳しい下りは初めてだ。
ところで・・・・・転がって休んでいる時に、目の前にあったザックをパチリ。
これは、先日、友人からいただいたもの。
ディナフィット:ザックを背負ったままスキーを担ぐことができる優れもの。
ハナタレ爺さん。
これはアスリート用ですよ。
ザックなど決して降ろさないで登り・滑り続ける人向けでしょう。
足を攣りっぱなしのような素人さんの使うものではありませんとも。
だって、ひっくり返って休んで、ザックはすぐにほっぽり出しますから。
素人用の、ぱっと降ろせるザックを見つけて下さいな。
でも、スキーは着けやすかった。
ありがとう。
必死の思いで下り続け(休み続け)写真を撮っている暇がない。
5合目付近でニセ巻機を振り返る。
途中、ちらっと見えた山。
東洋のマッターホルンと言われる大源太山ではないだろうか?
とにかく、やっとの思いで下山した。
厳しい山行だった。
橋を渡って、除雪された林道を下る。
ほどなく駐車場到着。
辛い1日であった。
帰京途中、塩沢石打のサービスエリアにて。
4月18日と言うのにこの雪の状態。
今年はいかに積雪が多かったか。
巻機山のログ ↓
◆◆◆今日の感想◆◆◆
厳しかった。
辛かった。
痛かった。
参った。
帰りの高速運転中にも、オートマのため動かしていない左足が突然攣ってあせった。
でも、とにかく展望は最高だった。
思い出深い登山となった。
■今回のコースタイムです。ただし酷過ぎて参考になりませんので。
05:59 駐車場出発
11:09 ニセ巻機山
12:04 巻機山
12:57 ニセ巻機山
15:09 駐車場帰着
■そして今回の費用です。
2300円 道路通行料・行き 八王子IC~塩沢・石打IC
3500円 道路通行料・帰り 塩沢・石打IC~八王子IC
4000円 ガソリン代(走行距離456km。燃費17km/L・ガソリン150円/Lとして)
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9800円 合計(飲食費含まず)
日本百名山 第71座 巻機山 終わりました。
さてさて、次は、どこを目指そうか。
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