東京にすごいバンドがあるらしい

2018年05月03日 | 日記・エッセイ・コラム
 新聞の一面に写真付き、三面記事では見開きで紹介されるほどのバンドが日本にあったことを、知りませんでした。
 今回、そのメンバーの一人が不祥事を起こしたらしいのですが、
 大勢の記者を前にして、「彼の音が無ければ、自分たちの音楽はない」と他のメンバーが涙ながら語り、今後の音楽活動をどうするか、決めかねているそうです。
 そんなすごいベーシストがいたのか・・・。
 日本の首都の名を冠するほどのバンドです、DONT MIND。
 キングオブロックロール、チャックベリーは、14歳の少女を監禁して売春させて有罪判決を受けた過去がありますが、服役後も活躍し、彼の残した楽曲は時代を超えて世界中のミュージシャンに影響を与え続けていますよ。
 

真珠と漫画とマーガリン

2018年05月02日 | 日記・エッセイ・コラム
 マルガリータ、テキーラにオレンジリキュールのコアントロー、そしてライムジュースを加えてシェイク、グラスの縁に食塩をまぶしたスノースタイルで提供するカクテル、名前の由来には諸説ありますが、考案者の恋人の名前に由来するというのが有力です。よく間違えられるのが、ピザのマルゲリータ。バジリコの緑、モッツァレラチーズの白、トマトソースの赤でイタリア国旗を表しているようだ、ということでイタリア王妃マルゲリータの名を戴いています。
 マルガリータ(Margarita)はスペイン語、マルゲリータ (Margherita)はイタリア語で、英語だとマーガレット(Margaret)で、鉄の女サッチャー英国首相のファーストネーム、若草物語のお姉さんのメグはマーガレットの短縮形、グレタ・ガルボのグレタもマーガレットの短縮形、日本では少女漫画雑誌の名前でも有名です。
 マーガレットはキク科の花の名前ですが、ギリシャ語のマルガリテが語源で、真珠という意味。そこから花の名前に転じたようです。
 パンにつけるマーガリンも、開発したフランスの科学者が、真珠のように輝くということから名付けたとのこと。
 これだけ世界中で広く使われてしまうと、日本語の木春菊は、出る幕がないのも当然ですね。

キールのおもいで

2018年05月01日 | 日記・エッセイ・コラム
 ある地方都市の市長に当選した友人と、バーカウンターでのこと。
 彼は中央官庁の役人をしていましたが、父親の市長が亡くなり、急遽地元に帰ることになりました。
 当初無風の選挙とおもわれていたのが、若い農家出身の対立候補が登場し、想定外の混戦になってしまいました。
「家の方は、大丈夫?」
「妻はいつかは戻るって、覚悟してたけど、子供がね」
 当選しても、私立に入れていた子供たちは東京に残して、彼は単身赴任の予定だったのですが、あまりの辛勝に、地元住民との関係を改善するために居を移し、子供も地元の学校に転校させることになりました。
「早く言ってくれれば、俺は出なかったのに。役所でやり残した仕事もたくさんある」
「でも、おかげで市民の本音がわかったんじゃないの?」
「農家を敵に回してしまったからなあ。こんなことなら農水省に入っておけばよかったよ」
「門外漢だから、逆にやれるんじゃないのかな?これで農水出身なら、かえってかわいくない(ここは彼の地元の方言で言ってあげました)とおもうよ」
 カウンターにグラスが置かれました。
「赤ワイン?」
 私は首を振って、彼にも勧め、自分でも一口飲みました。
 華やかな甘みが口の中に広がり、程なく酸味がそれを引き締めてくれます。
 キール、白ワインとクレームドカシスのカクテルです。
 フランスブルゴーニュ地方のアリゴテという品種を使った白ワインは不人気で、販売に苦戦していました。
 そこで、地元ディジョン市の市長、フェリックス・キールはアリゴテの白ワインに地元特産のカシスを使ったリキュール、クレームドカシスをミックスしたカクテルを考案し、ディジョン市の公式行事には必ずこのカクテルを供することで農業振興を図り、このカクテルは市長の名前から「キール」と呼ばれるようになり、今では世界のスタンダードカクテルです。ちなみにキールロワイヤルは、キールのアリゴテの白ワインをシャンパンに変えたバリエーションで、オーストリアのバーテンダーの創作です。
 フェリックスキールは5期、90歳までディジョン市長を務めました。
「90歳まで? 勘弁してよ」
 そう言いながら、彼は2杯目のキールを頼みました。