立派なお骨

2018年05月15日 | 日記・エッセイ・コラム
 往診で痛み止めの注射をするしかなかった98歳の腰痛患者さんが、なんとか外来にいらしてくださいました。
 骨盤や腰椎の異常を疑っていたのですが、レントゲンでは、軽度の椎間板ヘルニアだけで骨には異常なし。年齢的にもしっかりとした椎骨でした。
「大丈夫、お骨(ほね)は立派ですよ」
 レントゲンを指差しながら、そう説明したのですが、患者さんは怪訝な表情です。
 私は、シマッタ、と気が付きました。お、が余計だったのです。
「立派なお骨(ほね)」、これは火葬場で、仕上がったときによく使うセリフでした。