「酸化マグネシウム」をお飲みになっている患者さんへ

2008年12月29日 | 日記・エッセイ・コラム

 新聞やテレビで報道されたように、酸化マグネシウム製剤の長期服用による副作用が報告されています。

 重篤な高マグネシウム血症が25例報告されており、うち4例は死亡例でした。

 高マグネシウム血症の主な症状は、吐き気、口の渇き、血圧の低下、脈拍の低下、皮膚の紅潮、筋力低下、眠気ですが、呼吸が止まったり、意識を失ったり、心停止に至る場合もあるので、注意が必要です。

 「酸化マグネシウム」は胃炎、胃潰瘍、便秘の治療薬ですが、当院では主に便秘の患者さんに下剤として、「マグラックス」(錠剤)、「酸化マグネシウム・モチダ」(錠剤)、「重質酸化マグネシウム」(粉薬)の名称の製剤を処方しております。

 死亡例があったことで、大きく報道されましたが、昔から使われている薬で、市販の胃腸薬や便秘薬の成分にもなっています。年間約4500万人の方が服用されており、服薬している患者さんの数からすると、副作用の発現比率は極めて少ないとおもわれます。

 今回副作用の報告された患者さんのほとんどが、ほかの合併症をお持ちの方で、複数の要因が重なって、副作用が出たことが考えられます。

 当院では、今後も症状に応じて、「酸化マグネシウム」製剤の処方は続けますが、投与が長期に渡る人や、腎機能障害などの合併症のある方には特に注意をし、必要に応じて血中マグネシウム濃度の測定を行います。

 副作用の疑いのある症状のあるかた、ご不安な方は、いつでもご来院、お問い合わせください。