ゴールデンウイーク(4.27~5.6)は午前中診療いたします。

2019年03月22日 | 日記・エッセイ・コラム
2019年4月27日(土)~5月6日(月・祝)は午前診療、午後休診です。

5月1日(水・祝)・4日(日)午後5時~10時(9時半診療受付終了)
目黒区鷹番休日診療所(03-3716-5311)
を担当いたします。
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タミフル?イナビル?ゾフルーザ?

2019年01月25日 | 日記・エッセイ・コラム
 インフルエンザの流行が本格的になっています。
 今シーズンは1回服用で効果のある新薬「ゾフルーザ」が登場し治療の選択肢が増えましたが、ゾフルーザの販売は、従来薬に対する非劣性(劣っていない)が条件で承認されており、優れているという評価ではありません。
 当院では以下の理由で、今のところゾフルーザを院内採用していません。(どうしてもゾフルーザをご希望される方には、院外処方にて対応しています)
1)価格が高い
2)耐性ウイルスの懸念
3)服用後の嘔吐への対応が難しい、未知の副作用のリスク
 
 ゾフルーザのメリットは1日1回服用と簡便なことと、従来の治療薬、増殖したウイルスをその細胞の中に閉じ込めることによって拡散を抑制する薬、とは作用機序が異なり、ゾフルーザはエンドヌクレアーゼ酵素阻害薬(ウイルスの複製を抑制する薬)で、「ウイルスそのものの増殖を抑える」ため、より速やかな効果が期待される点です。また、服用後のウイルスの排出量が従来の薬よりも少なく、まだ未検証ですが、周囲への感染予防効果も高い可能性があります。またタミフル、イナビルには耐性ウイルスがありますが、ゾフルーザはそれらにも効くとされています。
 しかしながら、1)薬の価格が従来薬より高く設定されており、成人の投与量で比較すると、
 タミフル5日分2,720円、イナビル2キット服用4,280円に対し、ゾフルーザ1日分4,789円です。
 この価格差に見合うメリットがあるか?ということが処方するかどうかのポイントとなります。
 その新薬でなければ治療できない、新薬の方が圧倒的に効果がある、ということであれば別ですが、従来薬で十分であれば高価な新薬を使う必要はないと、私は考えています。これはインフルエンザだけでなく、すべての疾患について同じ考えです。
 自己負担3割では個人にとっては600円の差に過ぎませんが、保険が残りの1400円を負担して、掛ける全国のインフルエンザの患者数となると、国の医療費負担は相当の額になります。
 また、2)耐性ウイルス出現の可能性は開発時より指摘されてます。従来薬タミフル、イナビルにも耐性ウイルスが出現していますが、ゾフルーザはその作用機序から耐性ウイルスをより生じやすいことが懸念され、すでに1月24日、国立感染症研究所は「ゾフルーザ」を使った患者から、治療薬に耐性をもつ変異ウイルスが検出されたと発表しています。これは直ちに服用者の不利益になるものではありませんが、近い将来、治療薬のない耐性インフルエンザが流行してしまう恐れがあります。細菌感染に対する抗生物質の濫用が薬剤耐性菌を生んでしまいましたが、ウイルスは細菌よりもずっと変異が起こりやすいので、更に心配です。
 3)「服用後吐いてしまったが、どうしたらよいか?」という問い合わせが多いのですが、タミフルであれば残りの薬を継続する、イナビルは吸入薬なので、服用後に嘔吐しても効果に変わりはない、のですが、1回服用のゾフルーザを吐いてしまったあとの対応は難しい。どの程度身体に吸収されたかわからないので、追加処方はリスクが大きいですし、少なくとも保険診療で追加薬を処方することはできません。
 また、いまのところゾフルーザの重篤な副作用は報告されておりませんが、今後どのような有害事象があるかはわかりません。これまでも承認販売から時間がたってから有害事象が報告され販売中止になった薬はたくさんあり、ゾフルーザがそうならないとは限りません。インフルエンザは従来薬で十分効果が得られているので、未知の副作用を懸念しながらあえて新薬を使うまでもない、小児や、合併症やそれに対する併用薬のある患者さんに対しては特にそうおもいます。
 以上の理由から、私はゾフルーザの処方に積極的ではないのですが、大きな期待も持っています。
 現在、学校保健安全法で子供たちの出校停止期間はインフルエンザ発症から5日と決められており、大人に関しても多くの企業がこの基準に準じて出社停止としているようです。ほとんどの患者さんは服薬から2~3日で熱も下がり元気になって、残りの待機期間を過ごされています。もし、ゾフルーザ服用後の周囲への感染予防効果が証明され、出校出社停止期間が短縮されれば、その経済効果は薬価差を上回るかもしれません。
 
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Silent night, sorry night

2018年12月24日 | 日記・エッセイ・コラム
日産のゴーン元会長が逮捕勾留されていますが、どんな悪いことをしたのか、新聞を読んでもよくわかりません。中国の携帯電話会社の創業者の娘がカナダで逮捕された、に至っては、スポーツ新聞の広告に出ている熟女系写真集のモデルみたいな方、というところで思考停止です。
 理由はよくわからないけど、立場を利用して大金を儲けていたんでしょ、クリスマスも正月も拘束されていてざまあみろ、という気分が正直なところちょっぴりあるのは庶民の悲しさ。
 今日の新聞の見出しに「ゴーン容疑者16億円架空支出」とありましたが、昨日の有馬記念の売り上げ437億円、ブラストワンピースの1着賞金3億円ですから、関わっている人を分母に割ってみると、ゴーンさん1人で16億円は、うーん許しがたいかなあ。
 3億円事件から50年ということで、真犯人の手記もどきが話題になっていますが、ゴーン会長や中国の熟女が悪者で、3億円犯人がどうしてヒーロでいられるか、ということを考えてみると、3億円犯人は肉体労働で現金を運んでいる、というのが共感のポイントです。
 一万円札1枚は約1グラムですから、3億円は30キログラム。ゴーンさんの16億円なら160キロです。ゴーンさんが常に160キログラムを背負って働いていたなら、許してあげてもいいかなあ、という気にもなります。
 16憶の利益を出すため自動車を何台作らなくてはならないか、それにどれだけの労働者がかかわって、彼らはどれだけの賃金を得ているのかを考えると、そこが怒りの原点です。
 人間一人が生きるのに必要な空間、食事の量など、生きるコストはゴーンさんも日産の下請けの工場労働者もほとんど変わらない。
 感情、感覚で人を裁いてはいけないけれど、何が悪いかよくわからない犯罪以前の「行き過ぎた格差」が問題なのではないかしら。
 政府が推進するキャッシュレス社会に水を差すようですが、そろそろ、実際に運べる現金の量で個人の収入をキャップするぐらいのことを考えてもいいのではないか、とおもいます。
 
 
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Gastro-Health Now 55号(2018.11.1)あとがき

2018年10月26日 | 日記・エッセイ・コラム
おかげさまで、認定NPO法人「日本胃がん予知・診断・治療研究機構」は設立10周年を迎えることができました。厚く御礼申し上げます。

東京大学、東邦大学で10年間継続した厚生労働省研究班(三木班)の胃がんリスク層別化に関する研究報告は、平成17年日本対がん協会賞特別賞(朝日がん大賞)、平成20年高松宮妃癌研究基金学術賞をいただくことができ、この賞金をもとに、これまでの成果を社会に還元すべく、当法人を設立いたしました。
このたび、日本の胃がん検診の総本山ともいえる「早期胃癌検診協会」の榊信廣先生から、胃がんリスク層別化の手法が、これからの胃がん検診に有用であるというご提言をいただき、意を強くしております。
「1)ピロリ菌感染に由来する、2)胃粘膜萎縮が3)胃がんのリスクであるという理論を、検診に応用する」 
我々がやってきたことはたったこれだけのこと、なのですが、
1)ピロリ菌感染診断キットが複数出回るようになり、全てのキットに対しての、胃がんリスク層別化に最適な基準を設定できていない。
2)胃がんリスク層別化に最適な胃粘膜萎縮診断の手法を確立できていない。
3)胃がんリスクの層別化を検診に応用する具体的手法を提案できていない。
ゴールが見えているようで、実は道半ば、どころかようやくスタートラインに立てた、という気持ちでおります。
この10年の成果は「解決しなくてはならない課題が明らかになった」ということです。

残された時間をこれらの課題の解決に捧げ、胃がんリスク層別化の手法を、完成された形で次世代に伝えることをお約束いたします。

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12月20日(木)よりインフルエンザ予防接種を再開予定です。

2018年09月27日 | 日記・エッセイ・コラム
12月20日(木)よりインフルエンザ予防接種を再開予定です。
今年度もワクチンの入荷が遅れ、大変ご迷惑をおかけいたしました。
インターネット予約は実施いたしませんので、診察時間内に直接ご来院ください。
価格はネット予約の場合と同額にいたします。
在庫がなくなり次第、接種を終了いたします。

接種量と回数)

 3才未満: 1回0.25cc × 2回接種(2~4週間隔で)

 3才~13才未満: 1回0.5cc × 2回接種(2~4週間隔で)

 13才以上: 1回0.5cc (通常1回接種)

費用※すべて税込)

○インターネット予約http://himonya.atat.jp/i/f.phpしていただいた場合

 3才未満: 2回で3,000円(2回目に、1回目接種の領収書を持参した場合のみ、ご本人に限ります)

 3才~13才未満(小学6年まで): 1回目3,000円、2回目1,500円(1回目接種の領収書を持参した場合のみ、ご本人に限ります)

 13才(中学生)以上:  1回3,000円

 インターネットによるご予約は http://himonya.atat.jp/i/f.php にアクセスしていただき、「インフルエンザ予防接種」をクリック→「再診予約」をクリックし、ID番号と生年月日をご入力ください。5名まで一緒に予約できます。

○インターネット予約なし、直接来院の場合

 3才未満: 2回で3,500円(2回目に、1回目接種の領収書を持参した場合のみ、ご本人に限ります)

 3才~13才未満(小学6年まで): 1回目、2回目とも3,500円

 13才(中学生)以上:  1回3,500円

※65才以上で、目黒区の接種券(青色の書類)をご持参の方は、1回2,500円です。ご予約の必要はありませんので、書類をご持参のうえ、診察時間内にお越しください

※東振協専用インフルエンザ予防接種利用券をお持ちの方もご予約は必要ありません。書類をご持参のうけ、診察時間内にご来院ください。割引額は、会社によって異なります。 
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当院のバルサルタンはJG社製で、自主回収対象製品(あすか製薬製)ではありませんので、ご安心ください

2018年07月25日 | 日記・エッセイ・コラム
あすか製薬の高血圧症治療剤、バルサルタン錠20mg・40mg・80mg・160mg「AA」の原薬に、WHOにおいてヒトに対しておそらく発がん性がある物質であると分類されている、N-ニトロソジメチルアミン(以下、当該物質)が混入している可能性があるということで、あすか製薬が自主回収を行っています。
 バルサルタンという薬そのものの問題ではなく、あすか製薬が使用している原薬製造過程での問題なので、当院採用のJG社製バルサンタンなど、あすか製薬以外の製品については問題ありませんので、ご安心ください。

(本件問い合わせ先)
あすか製薬株式会社 くすり相談室
TEL:0120-848-339   受付時間:9:00~17:30(土日含む)
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6月1日より目黒区特定検診、各種がん検診を実施いたします。

2018年05月25日 | 日記・エッセイ・コラム
6月1日より(11月30日まで)、目黒区特定検診、各種がん検診(大腸がん検診胃がんリスク検査肝炎ウイルス検診)を実施いたします。
当院で受診ご希望の方は、お電話(03-5704-0810)にてご予約ください。
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『週刊東洋経済』5月26日号 特集「医療費のムダ」より

2018年05月21日 | 日記・エッセイ・コラム
ほとんどの風邪には抗菌薬(抗生物質)が効かないことは、医者の間では常識だ。風邪の原因の9割はウイルス感染症とされるが、細菌に効き感染症の治療にかかせない薬である抗生物質はウイルスにはそもそも効かない。

 だが、風邪で通院すると、今でも「フロモックス」や「クラビット」などの抗生物質が処方されることが少なくない。「抗生物質が風邪の特効薬だと誤解している患者はまだ多い。『なぜよく効く薬をだしてくれないのか?』といぶかしげな表情で迫られると、つい経営のことも考えて希望どおりに処方してしまう」とある医師は打ち明ける。

抗生物質を多用しないよう厚労省も動いた

 『週刊東洋経済』は5月21日発売号(5月26日号)で「医療費のムダ」を特集。命や健康を脅かす過剰な検査・検診、あふれる残薬、人工透析、整骨院、終末期医療といった、「聖域」だらけとなっている医療の現実を描いている。

 抗生物質の多用が続くと、薬が効かない耐性菌の広がりにつながりかねない。厚生労働省は昨年、重い腰を上げ、抗生物質の適正使用の手引を作成。細菌感染が疑われる重症のときに使用を限り、軽い風邪や下痢には用いないよう勧めている。今年4月の診療報酬改定では、乳幼児の風邪や下痢に際し、適切な説明により抗生物質の処方を避ければ、医師に報酬が支払われる仕組みが新設された。

 風邪に抗生物質を処方するような「過剰診療」「効果の薄い医療」が医療現場では蔓延している。過去の慣習や医療関係者の既得権益、世間の無理解などが背景として複合的に絡み合う。日本の医療費が膨張の一途をたどる中、このままでよいのだろうか。

 過剰な医療を見直す動きは、今や世界的な潮流だ。代表的なのは、北米の医師が中心となり治療や検査が過剰になってないかを検証する「チュージングワイズリー(賢い選択)」運動である。2012年に米国内科専門医認定機構(ABIM)財団が、賛同した専門学会からそれぞれ提示されたムダな医療の「五つのリスト」を公表し、本格的にスタートした。

 運動はカナダや北欧、豪州などにも広がり、70超の学会が約500項目のムダな医療のリストを打ち出している。2016年10月には佐賀大学名誉教授の小泉俊三医師(特集内でインタビュー)を代表に日本支部も立ち上がった。『週刊東洋経済』の特集「医療費のムダ」では医療経済ジャーナリストの室井一辰氏の協力を得て、同リストの中から、日本の医療現場でもよく行われている60項目をピックアップし解説している。

 米国で始まったキャンペーンに呼応し、日本でも総合診療指導医コンソーシアムが日本におけるムダな医療の「五つのリスト」を公表した。「通常の腹痛で腹部CT(コンピュータ断層撮影)検査を勧めない」「無症状で健康な人にMRI(磁気共鳴断層撮影)検査による脳ドックを勧めない」など5つのうち4つが検査・検診に関する提言となっている。

 「過剰医療は先進国の共通課題だが、中でも日本では検査や検診の過剰が深刻だ」。コンソーシアムの世話人を務める、群星沖縄研修センターの徳田安春センター長は語る。

 実際、日本医学放射線学会が指針で推奨していない「通常の頭痛を訴える人への頭部CT、MRI検査」を頻繁に行っている病院は、調査対象の半数を占めた――。昨年1月、順天堂大学の隈丸加奈子准教授がそんな調査を行った。隈丸准教授は「CTのような被曝を伴う検査のデメリットへの認識が、現場に浸透していない」と危惧する。経済協力開発機構(OECD)加盟各国中でも、日本のCT、MRIの台数は圧倒的だ。人口100万人当たりの機器台数は両者とも加盟国中トップに立つ。

検査するだけ収入が増す出来高払い

 日本の外来診療は検査をするだけ収入が増す出来高払いとなっており、病院経営者からすれば、こうした高額な機器を入れた以上、稼働率を上げようとなりがちだ。過剰検査の弊害は患者本人の不利益にとどまらない。検査が重なると、本当に必要な検査が後回しになったり、重要な指摘を見落としたりしかねないためだ。それは特定の病気の有無を調べるための検診でも同様で、典型的なのが胃がん検診だ。

 胃がん検診は1982年に開始され、2015年に内視鏡検査が選択肢に加わるまで、40歳以上を対象に年1回、胃部X線検査(バリウム検査)で行うものとされてきた。胃がん死亡者数は年約5万人と50年近くほぼ変わらず高止まりする中、国が一貫して推奨してきたバリウム検査だが、患者からも医師からも評判は芳しくない。

 患者にとっては発泡剤を飲み検査台上で無理な体位を求められる身体的苦痛に加え、バリウムによる排便障害もある。何より「胸部X線検査の数十倍から100倍近くの被曝量」(複数の医師)のデメリットは無視できない。

 医師にとっても現在、消化器内科の臨床現場で活躍するのはもっぱら内視鏡検査であり、バリウム検査はそれこそがん検診の場でしか扱うことはない。特に若手医師はほとんどが、学生時代にも臨床現場でもバリウム検査を学んでいない。

 そのため「経験がないから不安で、つい内視鏡での再検査に回してしまう。結果はほとんどが異常なし」(若手医師)。患者にとっては二度手間のうえ、医療保険財政にも負担をかけることになる。「内視鏡が未発達だった時代は、外からでも工夫して見ようとするバリウム検査の意義は確かにあった。だが内視鏡技術が著しく進歩した今もバリウム検査に頼っているのはおかしい」。NPO法人日本胃がん予知・診断・治療研究機構事務局長の笹島雅彦医師は話す。

 実は内視鏡検査を新たに推奨した現行の「胃がん検診ガイドライン2014年版」(国立がん研究センターがん予防・検診研究センター)の当初案では、推奨するのは引き続きバリウム検査のみで、内視鏡検査は推奨しないとなっていた。だが、臨床医たちからの猛反発を受けて、ようやく盛り込まれた経緯がある。数千万円するX線装置を積んだ検診車や検診センター、放射線技師など、バリウム検査にかかわる利害関係者への配慮が働いていたといわれている。

 ただ胃がん検診で内視鏡検査を行っている自治体は今も少数だ。内視鏡医の人手不足の問題が大きく、医師不足の地域ではより厳しい。そもそも全国民が一律に毎年胃がん検診を受ける必要性があるのか、という根本的な疑問の声も専門家からは上がっている。「胃がんは生活習慣病ではなく、99%がピロリ菌による感染症だと判明している。危険度が診断できるようになった以上、一律の検診は合理的ではない」。北海道医療大学の浅香正博学長は力を込める。

ピロリ菌と胃粘膜委縮双方が陰性なら?

 そのため一部の先進的な自治体や健康保険組合は「胃がんリスク層別化検査」(胃がんリスク検診)を導入している。ピロリ菌感染の有無と、胃粘膜萎縮の程度を血液検査で確認して、胃がん発症の危険度をグループ分けする。ピロリ菌と胃粘膜萎縮双方が陰性なら、胃がんのリスクはほぼゼロで内視鏡検査は基本必要ない。

 いずれかが陽性ならば内視鏡検査を受け、胃炎があれば保険適用で除菌治療を行う。ピロリ菌陽性率は4割弱とみられ、「検査が必要な人を絞り込むことで、確かな診断力を持った内視鏡医による対応が可能になる」(国立国際医療研究センター国府台病院の上村直実名誉院長)。

 「もし、もっと早い時期に胃がんリスク検診を経て、内視鏡検査を受けていたら、夫は助かったかもしれない」。スキルス胃がんの患者・家族の会「NPO法人希望の会」理事長の轟浩美さんは話す。轟さんの夫は毎年自治体の実施する住民検診でバリウム検査を受けていたが、見つかった時はすでに末期のスキルス胃がんだった。「全員検査でリスク分けもされず、流れ作業のようになっているバリウム検査では救える命も救えない」(轟さん)。

 大手企業の健康保険組合では、胃がんリスク検診への切り替えが続々進むが、市区町村の住民検診ではまだ限定的だ。厚生労働省が「死亡率減少効果が明らかになっていない」(健康局がん・疾病対策課)などとして、住民検診などでは胃がんリスク検診を「推奨しない」としているためだ。自主判断できる企業健保とは異なり、行政の実施する住民検診では「国の推奨と異なる選択には相当の覚悟がいる」(複数の医師)のが現実だ。

 厚労省が推奨しないとする根拠となっているのが、先の国立がん研究センターの胃がん検診ガイドラインだ。内視鏡検査こそようやく推奨に転じたが、胃がんリスク検診をほぼ名指しする形で「科学的根拠不明な検診」などと強い調子で批判している。

胃がんリスク検診導入を働きかけた医師の末路

 『バリウム検査は危ない』(小学館)著者でジャーナリストの岩澤倫彦氏によれば、関西のある市では基幹病院の検診担当部長だった消化器内科医が、胃がんリスク検診の導入を自治体に働きかけて実現手前までこぎつけた。だが突然理由も告げられず、検診担当部長の職を解かれ閑職に追いやられた。結果、同市でのリスク検診導入は白紙に戻った。この直前に、「国立がん研究センター検診研究センターの幹部が市を訪れていた」という複数の証言があるという。

 ただ、胃がんリスク検診を強く批判していた当時のガイドライン作成の担当者2人は、今春そろって退任。後任となった国立がん研究センターの中山富雄検診研究部長は「検診というかは別にして、リスク分類することの有用性は高い。どう検査としてシステム化するのか、運用面での支援を含め、対話を深めていきたい」と話す。

 旧来のシステムやしがらみに固執することなく、国民の命や健康を守るためにできることは何なのか。広く医療者に問われている。


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立派なお骨

2018年05月15日 | 日記・エッセイ・コラム
 往診で痛み止めの注射をするしかなかった98歳の腰痛患者さんが、なんとか外来にいらしてくださいました。
 骨盤や腰椎の異常を疑っていたのですが、レントゲンでは、軽度の椎間板ヘルニアだけで骨には異常なし。年齢的にもしっかりとした椎骨でした。
「大丈夫、お骨(ほね)は立派ですよ」
 レントゲンを指差しながら、そう説明したのですが、患者さんは怪訝な表情です。
 私は、シマッタ、と気が付きました。お、が余計だったのです。
「立派なお骨(ほね)」、これは火葬場で、仕上がったときによく使うセリフでした。
 
 




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麻疹(はしか)の予防接種の予約を中止しています

2018年05月10日 | 日記・エッセイ・コラム
 麻疹(はしか)のワクチン(MRワクチン)は現在品薄で、問屋在庫もない状況になっています。
 確保できた分に関しましては、予約順に接種を実施いたしますが、流通状況が改善するまで、新規の予約の受付を中止いたします。
 混乱している方も多いのですが、麻疹=はしか、風疹=三日はしか、MRワクチン=麻疹(はしか)・風疹混合ワクチンです。麻疹(はしか)の予防接種希望の場合には(風疹の予防接種希望の場合にも)、MRワクチンを使っています。
 これは、MRワクチンが小児・学童の定期接種になったため、麻疹(はしか)単体、風疹単体のワクチンがほとんど製造されなくなってしまったためです。麻疹ワクチンのみ希望(風疹は抗体がある)場合や、その逆の場合でも、MRワクチンを接種しても害はありません。
 予防接種ワクチンは製造に時間がかかり、急な増産には対応が難しい薬です。
 流通再開にはしばらく時間がかかることが予想されますが、供給され次第、接種を再開いたします。
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