焼き鳥屋さんも断る

2008年10月27日 | 日記・エッセイ・コラム

医師会での勉強会が終わって、みんなで復習をしていきましょう、ということで、学芸大学の焼き鳥屋さんの暖簾をくぐりました。

いつも混んでいるお店が、数人のお客しかおらず、よかったよかったと入っていくと、カウンターの向こうから、「今日はちょっと・・・」と店主が私たちを手で制します。

「え、今日はもうお仕舞い?」と常連のT先生。

「いえ、5名様は、ちょっと無理です」

テーブルはたくさん空いているので、怪訝そうな私たち。

「予約が入ってるんですかね」

私の声が聞こえたのか、

「人が少ないんで、5名様は責任が持てないんで・・・」

店主は申しわけなさそうに言います。

 「いいよ、いいよ、ビール飲んで、ゆっくりやってるから」

 幹事役のT先生は笑顔で、私たちを招じ入れようとすると、店主は再び制して、

 「申し訳ありませんが、今日はお引取りください」きっぱりと断りました。

 仕方なく私たちは店を出ました。

 「席空いてるんだから、入れてくれたっていいのにねえ」

と、T先生は、決まり悪そうに歩いていきます。

私たちは後を着いて歩きながら、

「ビールだけでいいって言ってるのに・・・」とS先生

 「煮込みと漬物だけ先に出してくれれば、焼き鳥は時間かかっても・・・」 と私。

 「商売へただよね、うちだったら患者さん、絶対断らないよ」と稼ぎ頭のR先生。

 「私、あのお店、また行きたいです」と紅一点、新入会のQ先生。

 「へえ、Qちゃん焼き鳥屋なんか行くんだ」とR先生。

 「ああやって、常連でも、ちゃんと断るのって、大事なことだし、腕に自信があるんだとおもいます」とQ先生は続けました。

 「安受けあいして、評判落とすより・・・」とS先生。

 「勇気いりますよね、断るほうが」と私。

 「焼き鳥、いつでも、お付き合いしますよ、Q先生」

 T先生はそう言いながら、次のいきつけのお店の扉を開きました。


「目黒のさんま」(Gastro-Health Now 2008年10月号より)

2008年10月24日 | 日記・エッセイ・コラム

 目黒駅を降りると、芳ばしい煙が漂ってきました。

白金方向に向かう歩道はいつにない人だかりで、それをかき分けながら、やっとのことで事務所のドアを開けると、部屋の中からも同じ匂いがします。

事務局のS君がおいしそうにさんまを食べていました。

「目黒のさんま祭り」で、宮古港から直送されたさんまの塩焼きが、通行人に振舞われているとのこと。

鷹狩り来た殿様が、住民が焼いていたさんまを食べてみたところ美味しくて、お城に帰ったあとも所望するも、出てきたさんまは、冷めて、骨が抜かれていてちっともおいしくない。どこのさんまか?と尋ねると、日本橋の魚河岸から取り寄せた上等なものとのこと。

「それはいかん、さんまは目黒に限る」

 というおちの落語噺、「目黒のさんま」に因んだお祭りです。

 S君はすっかり噺家口調です。

 「来週もあるんですよ、目黒のさんま祭り、今度は正真正銘の目黒のさんまです、このさんまはにせものなんです」

目黒駅は品川区にあり、品川区側の目黒駅前商店街が目黒のさんま祭りをやるのはおかしいと、さんまを平らげておきながら、S君は熱っぽく語ります。

「歴史的には、殿様がさんまを食べたのは、間違いなく目黒区側なんです。鷹番って地名も残っているぐらいですから」

殿様がさんまを食べたのが歴史的事実かどうかはさておき、目黒区民のS君にとっては譲れない様子です。

来週の目黒のさんま祭りは目黒区側の主催で、気仙沼のさんまが焼かれ、大根おろしも、すだちも、すべて品川側とは違う産地がスポンサーになっていて、2つのさんま祭りは昔から対立しているとのこと。

 S君、口をぬぐいながら、

「内視鏡とバリウムみたいなものです、どっちが内視鏡で、どっちがバリウムかは・・・」

 合点がいって、私がうなずくと、

 「実は来月、恵比寿でもやるんです、隣のさんま祭り、っていうんです」とS君が苦笑い。

 「じゃあ恵比寿のさんまが、ペプシノゲン法かね」と私。

 「先生、座布団1枚!」

 大笑いのS君です。


10月1日よりインフルエンザ予防接種を開始します。

2008年10月01日 | 日記・エッセイ・コラム

費用:

大人(中学生以上)2500

子供(小学生以下)2回で2500

※子供の2回目は、1回目接種から1ヶ月以内に1回目の領収書を持参した方に限り、2回目は無料で実施。

目黒区在住の65歳以上の方で、区の用紙持参の方は2200

実施時間:

 病気で来院されている方に迷惑がかからないように、そして予防接種のために来院された方が、待合室で患者さんからインフルエンザに感染することを防ぐために、今年度のインフルエンザ予防接種は以下のように実施いたします。

平日午前は、診察と平行して、ご来院順に実施します。なるべく電話で順番予約をして、院内で待つ時間を少なくしてください。順番予約の詳細は当院ホームページをご覧ください。

平日午後は、診察時間内には実施いたしません。

月・水・金は午後8時から830分に受付、火・木は午後6時から630分に受け付け、問診票を提出順に実施します。予約は必要ありません。

土曜・祝祭日は、診察時間内には実施いたしません。

午後030分~1時受付(ただし、第1土曜は、6時から630分受付)、問診票提出順に実施します。予約は必要ありません。

 診療の状況や、接種希望者の人数によって、お待たせしてしまうことがありますが、ご了承ください。

なお、診察や区検診と同時に接種の方、目黒区の用紙持参の方は、随時実施いたします。

(お願い)

 予防接種は同居家族全員が接種することで、効果が高まります。

 電車やバスで通勤されている大人が、家庭にウイルスを持ち込み、同居の子供やお年寄りに感染させてしまうことがあるので、子供やお年寄りだけでなく、家族全員で接種することをお願いいたします。

高校生以下の子供のいるご家庭、65歳以上のお年寄りのいるご家庭で、同居家族全員に接種していただいた場合には、当院スタッフも使用している感染防御マスクを1箱差し上げます。接種終了後、ご家族全員分の領収書をご持参ください。