ついに彼が捕まってしまいました。
不謹慎ですが、がっかりされている方も多いのではないでしょうか。実は私もその一人。
逃亡中の尾道の向島では、警察が大人数の捜査員を投入し戒厳体制の中、小さな窃盗などの痕跡を残しながらも、22日間も捕まらない。
地元の方は本当にたいへんだったとおもうのですが、もともと窃盗犯で、殺人などの凶悪犯ではないことや、模範囚として塀のない松山造船作業所に服役していたことなどから、判官びいき、そして国家権力をあざ笑うような逃走劇に痛快さを感じていました。
作業所の人間関係が嫌になったなどの動機や、泳いで本州側に渡ったことなどが供述されているようで、22日間をどう過ごしたかについて明らかになることが、これまた相当不謹慎なのですが、この連休中の最大の楽しみです。
警察にとっては怒り心頭だとおもうのですが、これだけのことを成し遂げた彼に、尊敬の念をもって、いきな対応がなされることを望みます。
これ以上書いていると、良識ある患者さんたちからお叱りを受けそうなので、逃亡もので印象に残っている作品のことを書きます。
「手錠のままの脱獄」1958年のアメリカ映画で、囚人護送車の事故で、白人と黒人の囚人が手錠でつながれたまま脱獄する。匿われた白人の母子家庭の母親と白人の囚人の恋愛、母親が手錠を切った二人のうち黒人をだまして窮地に陥れようとすることを知り、白人はこの母親を捨て、黒人の囚人を救いに行く。そしてようやく線路にたどり着き、鉄道に乗ろうとしたところ、白人が力尽き、黒人は白人と共に列車に乗ることをあきらめたところに、追手がやってきます。
「逃亡者」1993年のアメリカ映画ですが、1960年のテレビシリーズのリメイク。妻殺しの冤罪で逮捕された医師が死刑判決を受ける。護送車の事故で脱獄し、友人の助けを得ながら逃亡、そして自ら無実を晴らそうと奮闘するのですが、果たしてその友人が裏で犯行の糸を引いていたことがわかり、実は自分が殺されるはずが、誤って妻が殺されたことが発覚。
そして逃亡ものの最高傑作は、何と言っても丸谷才一の小説「笹まくら」でしょう。
大学の事務員として平穏な日を過ごしてる主人公は、実は徴兵忌避のため終戦までの5年間を身分を偽り全国を逃げていた過去を持っている。職を転々しながら愛媛の宇和島で女に匿ってもらい終戦を迎えた。その女が死んだという知らせを受け取るところから、主人公の回想が始まるのですが、逃亡者を襲うサスペンスの心理が迫ってきます。
人は皆、何かから逃亡しながら生きている、自分が逃げているものと立ち向かうこと避けている、そしてそのことを隠す、更には考えないようにすることで、平常心を保てているのではないかしら。
だから逃亡者に共感するのだとおもいます。
あの彼も「逃げるのがしんどかった」と供述しているということで、今は本当にゆっくり休んでほしい。
そして明日から楽しい供述をしてくれることを期待しています。(いい加減にしなさい!!)
不謹慎ですが、がっかりされている方も多いのではないでしょうか。実は私もその一人。
逃亡中の尾道の向島では、警察が大人数の捜査員を投入し戒厳体制の中、小さな窃盗などの痕跡を残しながらも、22日間も捕まらない。
地元の方は本当にたいへんだったとおもうのですが、もともと窃盗犯で、殺人などの凶悪犯ではないことや、模範囚として塀のない松山造船作業所に服役していたことなどから、判官びいき、そして国家権力をあざ笑うような逃走劇に痛快さを感じていました。
作業所の人間関係が嫌になったなどの動機や、泳いで本州側に渡ったことなどが供述されているようで、22日間をどう過ごしたかについて明らかになることが、これまた相当不謹慎なのですが、この連休中の最大の楽しみです。
警察にとっては怒り心頭だとおもうのですが、これだけのことを成し遂げた彼に、尊敬の念をもって、いきな対応がなされることを望みます。
これ以上書いていると、良識ある患者さんたちからお叱りを受けそうなので、逃亡もので印象に残っている作品のことを書きます。
「手錠のままの脱獄」1958年のアメリカ映画で、囚人護送車の事故で、白人と黒人の囚人が手錠でつながれたまま脱獄する。匿われた白人の母子家庭の母親と白人の囚人の恋愛、母親が手錠を切った二人のうち黒人をだまして窮地に陥れようとすることを知り、白人はこの母親を捨て、黒人の囚人を救いに行く。そしてようやく線路にたどり着き、鉄道に乗ろうとしたところ、白人が力尽き、黒人は白人と共に列車に乗ることをあきらめたところに、追手がやってきます。
「逃亡者」1993年のアメリカ映画ですが、1960年のテレビシリーズのリメイク。妻殺しの冤罪で逮捕された医師が死刑判決を受ける。護送車の事故で脱獄し、友人の助けを得ながら逃亡、そして自ら無実を晴らそうと奮闘するのですが、果たしてその友人が裏で犯行の糸を引いていたことがわかり、実は自分が殺されるはずが、誤って妻が殺されたことが発覚。
そして逃亡ものの最高傑作は、何と言っても丸谷才一の小説「笹まくら」でしょう。
大学の事務員として平穏な日を過ごしてる主人公は、実は徴兵忌避のため終戦までの5年間を身分を偽り全国を逃げていた過去を持っている。職を転々しながら愛媛の宇和島で女に匿ってもらい終戦を迎えた。その女が死んだという知らせを受け取るところから、主人公の回想が始まるのですが、逃亡者を襲うサスペンスの心理が迫ってきます。
人は皆、何かから逃亡しながら生きている、自分が逃げているものと立ち向かうこと避けている、そしてそのことを隠す、更には考えないようにすることで、平常心を保てているのではないかしら。
だから逃亡者に共感するのだとおもいます。
あの彼も「逃げるのがしんどかった」と供述しているということで、今は本当にゆっくり休んでほしい。
そして明日から楽しい供述をしてくれることを期待しています。(いい加減にしなさい!!)