院長のおすすめサプリメント  その1 「オルニチン」~疲労回復のサプリメント

2015年08月31日 | 日記・エッセイ・コラム
「肝臓に良い食材」としての認知度が高いシジミの有効成分が、オルニチンであると考えられます。オルニチンはシジミだけに飛び抜けて多く含まれているのです。
「オルニチン」は肝臓で活躍するアミノ酸です。オルニチンは、肝臓の働きを保ち疲労回復をもたらすことが期待されています。
オルニチンを摂取すると、腸で吸収され、肝臓や腎臓、筋肉などに運ばれます。肝臓にたどり着くと、「オルニチンサイクル(尿素回路)」というアンモニアを代謝する経路で働き、アンモニアの解毒を促進します。アンモニアは生命活動のエネルギーとなるATPの産生や、脳を動かす主要なエネルギーであるグルコースの生成を妨げる有害物質です。オルニチンはオルニチンサイクルの働きを活発にすることで、ミトコンドリアの働きを助け、肝臓全体の本来の機能を保つと考えられます。エネルギー産生や糖新生といった代謝、有毒物質の解毒を順調にし、肝臓疲労、ひいては全身疲労の回復を促進すると考えられます。
またアルコールを摂取すると、「NADH」という物質が増加します。脳のエネルギーである糖とケトン体が作り出されるのをこのNADHが邪魔することで、脳がエネルギー不足に陥る可能性があります。オルニチンには飲酒後の疲労を抑える効果が示されています。オルニチンの働きでアンモニア解毒がスムーズに進むと、その過程でNADHが消費され、脳のエネルギーをつくり出すための阻害要因が取り除けると考えられます。

院長のコメント)
ついつい寝不足で二日酔いの私、毎日オルニチンをのんで頑張ってます。

協和発酵バイオ社オルニチン(250mg×90錠、1日6錠目安で15日分)を税込1500円で販売しています。
受付にてご相談ください。

中学生、高校生からの胃がん予防

2015年08月28日 | 日記・エッセイ・コラム
ピロリ菌と胃がん
胃がんになる方の95%以上はピロリ菌に感染しています。逆にピロリに感染していなければ胃がんの発症はほとんどありません。
1603名の方を10年間の調査したところ、感染者のグループからは5%の胃がん発見がありましたが、非感染者からは胃がんが見つかりませんでした。

ピロリ菌はどうやって感染するの?
ピロリ菌は今のところ人の胃の中からしか発見されていません。
何らかの原因で、胃の中のから出たピロリ菌が、別な人の口から胃に入ると考えられていますが、確実な感染経路はまだわかっていません。
現在、母親が口移しで食事を与えたりと食事を介しての感染経路が有力です。その他には糞便から出たピロリ菌が井戸水に混入したり、糞便が肥料として使われた野菜に付着する、といった経路も考えられています。実際ピロリ菌は家族内感染が多く、下水道の整備状況と感染率に相関があるという報告もあります。
ピロリ菌は幼少時に感染する!
ピロリ菌感染は4歳以下の幼少時に起こることがわかっています。
大人になってからも感染することはあるのですが、一時的な感染で終わることがほとんどです。胃粘膜萎縮から胃がんに至る持続する感染は、免疫力の弱い幼少時の感染で起こります。幼児期にピロリ菌に感染しなければ、胃がんにはならないのです。
早いピロリ菌除菌治療で胃がんが予防が期待できます!
ピロリ菌感染によって胃の粘膜が萎縮して胃炎が進むと、胃がんが発生しやすくなることは、動物実験においても、実際の臨床データからも明らかになっています。
胃がん検診は40才以上で受ける方がほとんどで、ピロリ菌検査もその年代で行われることが多いのですが、40才以上では胃粘膜萎縮が進んでしまっていて、ピロリ菌除菌による胃がん予防効果が低くなることがわかっています。
もし、ピロリ菌に感染していても、胃炎が進む前にピロリ菌を退治してしまえば、胃がんになる危険度は極めて低くなります。
ピロリ菌除菌は若い時期、特に20歳未満で行うことで、胃がんの危険度を限りなくゼロに近づけることが期待できます。

中学生、高校生のうちに、ピロリ菌検査を受けましょう!
若いうちにピロリ菌検査を受けて、感染があれば除菌してしまうことが必要です。免疫が十分に発達し検査の偽陰性(感染しているのに、検査で陰性になること)が少なく、大人と同じ除菌の薬をのむことができる、中高生になった時点で、ピロリ菌検査を受けることをお勧めします。
中高生世代のピロリ菌感染率は、北海道大学の調査で平均8.3%と報告されています。ピロリ菌感染があっても、胃がんになるのは50歳以上になってからがほとんどなので、中高生には現実味がないかもしれませんが、この世代のピロリ菌感染者を除菌してしまえば、将来わが国から胃がんを撲滅することも夢ではありません。

ピロリ菌感染は、簡単な尿検査で診断できます!
ピロリ菌検査は血液、尿、便、呼気、胃粘膜を使って診断することができますが、中高生には採血がいらず簡便な尿検査をお勧めしています。尿検査の診断精度は98%以上です。
尿検査で陽性だった場合には、さらに精度の高い呼気テストを行い陽性であれば、除菌療法を検討します。
尿検査で陰性だった場合でも、ご両親にピロリ菌感染がある、同居していた祖父母が胃がんだった場合など感染伝播の可能性が高い場合には、他の方法での検査を追加して、確実に診断します。
ピロリ菌除菌は薬を1週間飲むだけです!
ピロリ菌除菌は、胃酸を抑える薬と2種類の抗生物質を組み合わせて、朝夕2回1週間飲んでいただきます。主な副作用は下痢で、10%程度にみられますが、飲み終えればほどなく改善します。
治療を途中で止めると、ピロリ菌は耐性菌といって薬が効きにくい菌に変異してしまう可能性があるので、薬を飲み始めたら、もし下痢をしても1週間しっかり飲み切ることが大切です。
学校のない夏休みはピロリ菌検査を受けて除菌するチャンスです。

中高生のピロリ菌検診を実施しています。費用3,000円(税込)。
尿検査で、20分で結果がでます。尿をご持参いただいても大丈夫です。