実はコマーシャルでした

2006年05月30日 | 日記・エッセイ・コラム

 内科なのに、泌尿器系の話題が多いとお叱りをうけました。

 実は、今月は前立腺肥大による排尿障害の改善薬、来月には2種類の頻尿治療薬と、泌尿器系の新薬が立て続けに発売されるのです。

 臨床治験や海外での使用報告では、これまでの薬と同等以上の効果が報告されており、たいへん期待のできる新薬です。

 これまでのお薬で良好なコントロールを得られていない方は、ぜひご相談ください。


Dear Friend

2006年05月29日 | 日記・エッセイ・コラム

 パシーンという音で目ざめました。

 手にはひりひりとした感触が残っています。

 友だちの頬をひっぱたいてしまいました。

 夢のなかの出来事とはいえ、あまりにリアルだったので、あわてておわびのメールをしたら、

 「痛かったよ」と返ってきました。

 夢のなかではずいぶん若かったけど、今度会うのが楽しみです。


水くさいお二人へ

2006年05月27日 | 日記・エッセイ・コラム

旅行好きの二人はインド旅行の長距離バスの中で出会いました。

日本人同士ということで会話がはずみました。

日本の路線バスの中古のようなバスで何時間も揺られていきます。

しかし空調もなく蒸し暑い車内では、ふたりの会話も続かなくなりました。

そのうち、彼女の顔色が青くなり、膝が震えてきました。

彼が大丈夫?と声を掛けても彼女はうつむいて首を振るばかりです。

まわりの席の旅行者も心配そうにみつめます。

彼は運転手にどこかでバスを停めて休ませるように交渉しましたが、インドには日本の高速道路のようなサービスエリアはありませんし、へたにバスを停めると、盗賊団に襲われてしまいます。

彼は自分のミネラルウォーターを彼女にすすめました。

暑いインドではミネラルウォーターが貴重品です。

彼女のボトルは既に空になっていました。

そのとき、彼は彼女の呼吸が荒くなり、力が抜けていくのを感じました。

そして、彼女のジーンズのジッパーのあたりの色が濃くなっていきました。

悟った彼は、ミネラルウォーターのボトルを、彼女のジーンズにこぼして

Sorry I spill my water

と言いました。

結婚式のスピーチでは、上から2行しか語られませんでしたが、今頃は水入らずの旅をなされていることを願っています。


フォーク並び

2006年05月25日 | 日記・エッセイ・コラム

 背中を向けて並んでいる男たちが臀部を震わせるのが、御仕舞の合図である。

 でもそこからが長い人もいて、何度も臀部を震わせているうちに、別のブースの若者のほうが先に離れていくこともある。

 年をとると切れが悪くなるということが、私も最近わかった。

 フォーク並びというルールができてから、誰が早く終わりそうかを瞬時に判断しなくてもよくなり、男たちの後姿をじっくり眺められるようになった。

 後ろ向きの両脚とその間から流れる水流の列も、フォーク並びです。

 動物にとってそれは敵に襲われる可能性の高い、危険な瞬間である。

 目を閉じてため息をついたりしながら、他人に無防備な背中をさらしているのをみると、人間がいかにルールに飼いならされて、野生を忘れてしまったかを感じる。

 私は背中の向こうがやっぱり落ち着かなくて、すばやく終わらせて立ち去りたいのだけれど、あまり急ぐと、年齢からくる切れの悪さから、もっと気持ち悪くて恥ずかしいことになってしまうので、周知に耐えながら何度も臀部を振るしかありません。


一休さんのお買いもの

2006年05月24日 | 日記・エッセイ・コラム

 時計好きの友人にすすめられて、開院2周年のときに「自分にご褒美」で、オメガの時計を買いました。

 人は時計で判断されるというのが、彼の持論です。

 ちなみに彼は200万円以上する時計をしています。

 私が買ったのはオメガでいちばん安いモデルですが、生涯で上から数えて5本の指に入る高い買い物でした。

 先日学会の事務局員になったのですが、会議に着ていくスーツがありません。開院してからスーツを一着も買っていなかったので、これを機に買うことにしました。

 Tシャツにジーンズというラフな格好で、オメガの腕時計をして、渋谷の某高級ブランド店に入ってみました。

 今までこのショップでは、店員さんに声すらかけられたことがありません。

 ところが、今回は接客に寄ってきて、熱心にすすめてくれます。

 一休さんがお金持ちの家に招待されたときに、ぼろの衣を着ていくと、門前で追い払われたので、今度は天皇からもらった錦の衣を着ていったところ、丁重にもてなされました。宴席でご馳走が出ると、一休さんは錦の衣を脱いでご馳走の前に置き、「このご馳走は、この衣に出していただいたものです」と帰ってしまった、という話をおもい出しました。

 私は、店員さんのすすめるオメガの時計より高いスーツを笑顔でやんわり断って、丸井に行きました。