赤く細長い花弁を整然と上向きに反らせて咲き誇る曼珠沙華、その少し朱が混じった赤い色は、自然のものとはおもわれない気味悪さを感じます。
曼珠沙華という名前も不気味です。暴走族の落書きのようなこの名前は法華経に語源があり、摩訶曼陀羅華と摩訶曼珠沙華が、会い難い仏縁に会ったことを喜んで、天から降り注いだということによるそうです。昔の人もこの花に抹香臭さを感じていたのでしょう。
恥ずかしながら、この曼珠沙華と彼岸花が同じ植物であることを最近知りました。名前だけは知っていて、彼岸という語感から、カスミソウみたいな淡い小さな花を勝手に想像していましたが、あの真っ赤な花とわかったときには本当に驚きました。
お彼岸の頃に墓地によく咲いているということで、彼岸花。曼珠沙華と同じく仏教的な由来ですが、ずいぶんイメージが違います。
おそらく、彼岸の季節に境内に咲く赤い花を、僧侶や知識層が曼珠沙華と呼び、庶民は彼岸花と呼んでいたのではないでしょうか。
はしかを医学用語の「麻疹」と呼ぶ習慣がついてしまっていたのですが、開業医になってお母さん方と話す機会が多くなり、「はしか」を使うようになりました。
実は医学生になるまで、はしかを麻疹と呼ぶことは知りませんでした。水ぼうそうは水痘、おたふくかぜは流行性耳下腺炎、三日はしかは風疹です。
麻疹は麻の実のような細かい発疹がでることから付けられた病名ですが、一般名の「はしか」はどうしてそう呼ばれるようになったのか全くわかりません。水ぼうそう、おたふくかぜは、症状そのままのネーミングですが、はしかについては想像がつかないし、習った覚えもありません。でもひょっとして彼岸花のように、知らないのは私だけなのではないかとおもい、恐る恐る周囲に聞いてみましたが、誰も知らなかったので、ほっとしました。
はしかの語源ははっきりしないようです。
稲や麦の花にある針のような突起を芒(はしか)といい、のどにできる小さな斑点がこの芒に似ていることからか?と、大言海にありました。これはコプリック斑という麻疹特有の症状のことで、医者なら絶対に見落としてはならないもの。「はしかは命定め」といわれるぐらい恐れられていた死病でしたから、昔の人は子供に熱と発疹があると、口の中をよく観察していたのかもしれません。でもこれは医学の知識のある人が、こじつけた説のような気がします。
信憑性があるのは、瘡の先端が赤いことからハシ-アカ、これが「はしか」になったという、古今要覧考にある説。これだと使われているうちに語源がわからなくなったとしてもおかしくない感じがします。でも先の赤いデキモノはたくさんあるのに、「はしか」をとくにハシアカと呼んだのはなぜ?
「はしか」の語源をご存知の方は教えてください。
info@himonya-naika.jp まで。
曼珠沙華という名前も不気味です。暴走族の落書きのようなこの名前は法華経に語源があり、摩訶曼陀羅華と摩訶曼珠沙華が、会い難い仏縁に会ったことを喜んで、天から降り注いだということによるそうです。昔の人もこの花に抹香臭さを感じていたのでしょう。
恥ずかしながら、この曼珠沙華と彼岸花が同じ植物であることを最近知りました。名前だけは知っていて、彼岸という語感から、カスミソウみたいな淡い小さな花を勝手に想像していましたが、あの真っ赤な花とわかったときには本当に驚きました。
お彼岸の頃に墓地によく咲いているということで、彼岸花。曼珠沙華と同じく仏教的な由来ですが、ずいぶんイメージが違います。
おそらく、彼岸の季節に境内に咲く赤い花を、僧侶や知識層が曼珠沙華と呼び、庶民は彼岸花と呼んでいたのではないでしょうか。
はしかを医学用語の「麻疹」と呼ぶ習慣がついてしまっていたのですが、開業医になってお母さん方と話す機会が多くなり、「はしか」を使うようになりました。
実は医学生になるまで、はしかを麻疹と呼ぶことは知りませんでした。水ぼうそうは水痘、おたふくかぜは流行性耳下腺炎、三日はしかは風疹です。
麻疹は麻の実のような細かい発疹がでることから付けられた病名ですが、一般名の「はしか」はどうしてそう呼ばれるようになったのか全くわかりません。水ぼうそう、おたふくかぜは、症状そのままのネーミングですが、はしかについては想像がつかないし、習った覚えもありません。でもひょっとして彼岸花のように、知らないのは私だけなのではないかとおもい、恐る恐る周囲に聞いてみましたが、誰も知らなかったので、ほっとしました。
はしかの語源ははっきりしないようです。
稲や麦の花にある針のような突起を芒(はしか)といい、のどにできる小さな斑点がこの芒に似ていることからか?と、大言海にありました。これはコプリック斑という麻疹特有の症状のことで、医者なら絶対に見落としてはならないもの。「はしかは命定め」といわれるぐらい恐れられていた死病でしたから、昔の人は子供に熱と発疹があると、口の中をよく観察していたのかもしれません。でもこれは医学の知識のある人が、こじつけた説のような気がします。
信憑性があるのは、瘡の先端が赤いことからハシ-アカ、これが「はしか」になったという、古今要覧考にある説。これだと使われているうちに語源がわからなくなったとしてもおかしくない感じがします。でも先の赤いデキモノはたくさんあるのに、「はしか」をとくにハシアカと呼んだのはなぜ?
「はしか」の語源をご存知の方は教えてください。
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