消炎酵素剤ダーゼンが、製造販売元の武田薬品により自主回収され、今後処方することができなくなりました。
ダーゼンは、痰を切る効果や炎症を和らげ痛みを取る効果が効能として謳われ、40年以上使われてきた薬です。
経口薬は消化管から吸収され、その有効成分、もしくは代謝された有効成分が、血液中に一定時間、一定濃度を保つことで効果を発揮しますが、ダーゼン(薬品名セラペプターゼ)を服用しても、セラペプターゼやその代謝物が血中から検出されないことなどから、その効能はかなり前から疑問視されていました。
武田薬品が、慢性気管支炎と足関節捻挫の患者さんに対して、ダーゼンと、全く薬効のない偽薬を投与した2群の効果を比較する試験を行い、両者で効果に差が認められなかったため、ダーゼンは「効かない薬」と判断され、今回の自主回収となりました。
ダーゼンは副作用が少ないことから、当院でも処方していました。ダーゼンご指名で希望される患者さんもいらっしゃいました。そして、わたし自身も、服用していたのです。かぜ気味でのどや鼻が詰まったようなときには、恥ずかしながら、とてもよく効きます。今回の試験でダーゼンが効いていたのではなく、私が暗示にかかりやすいだけだった、ということがわかったのですが、40年間だましつづけたダーゼンの実力は、最新のお薬にも負けない、といえるとおもいます、ホントに。