ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

インフルエンザ流行中

2009-01-22 11:25:51 | 流行状況
インフルエンザ流行中

 桐生市のインフルエンザ患者数は急増して注意報が発令されています。当院に受診される方もインフルエンザの患者さんが多くなりました。今のところ全員がA型インフルエンザです。残念ながらワクチンを接種していても感染しています。ただし、重症なかたはおりません。また、37度台で高熱でないのにワクチンが検出されることもあります。もっとも、高熱でもインフルエンザが検出されない患者さんもおります。
 年齢によって処方する薬は異なりますが、相談するとタミフル耐性のウイルスが検出されているためリレンザを処方する機会が多くなってきました。必要に応じて漢方薬も処方しております。

ひきた小児科クリニックでは、インフルエンザワクチン、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。基本的に診療時間内であればいつでも、接種いたしますが小さなお子さまであれば2時~3時の予防接種・乳児健診・育児相談の予約外来では風邪の患者さんは来院しないため安心して来院いただけます。


ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hikita/

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群馬県の感染症発生動向

2009-01-21 08:15:34 | 流行状況
群馬県の感染症発生動向

 群馬県の感染症発生動向

 インフルエンザに関しては患者報告数が増加して注意報が発令されています。
(桐生ではありませんが、館林では注意報より多いという警報の基準値を超えました)
Aソ連とA香港が検出されています。

また、桐生地区では感染性腸炎が流行しています。

 ひきた小児科クリニックでもA型インフルエンザの検出される確率が高くなりました。

 予防にはワクチンですが、ワクチンをしていても感染することがあります。うがい、手洗い、十分な睡眠と栄養をとって、人混みを避けましょう。
 発熱などの症状があったら、早めに ひきた小児科クリニックに受診してください。

ひきた小児科クリニックでは、インフルエンザワクチン、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。基本的に診療時間内であればいつでも、接種いたしますが小さなお子さまであれば2時~3時の予防接種・乳児健診・育児相談の予約外来では風邪の患者さんは来院しないため安心して来院いただけます。


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ワクチンを接種していればインフルエンザ脳症や肺炎は起こりにくいか?

2009-01-20 20:32:05 | 予防接種(ワクチン)
ワクチンを接種していればインフルエンザ脳症や肺炎は起こりにくいか?

 ワクチンを接種していればインフルエンザ脳症や肺炎は起こりにくいか? ワクチンを接種していない小さな乳児が感染したらどうなるか、潜伏期間はどのていどかとの質問をコメントで頂きました。少しワクチンについて私見も含めて考えてみます。

インフルエンザワクチンを接種した子供は脳症や肺炎になりにくいかということが気になります。まず、脳症に関しては過去の調査では「急性脳症発症者の中にはワクチン接種を受けたものの中に少数含まれていますが、圧倒的多数は未接種者でした。しかし、この年令層におけるワクチン接種者数が全体に少ないため現段階では統計的な意味合いがあるかどうかわかっていません。」となります。また、肺炎に関してはデーターがありません。小児喘息患者では有効であったとの報告があります。
 「統計的な」というのは「数学的に確立された」と言うことで、現時点では数学的に可能性が低くなるとは言えないと言うことです。
私の個人的な経験では脳症になる方はワクチンを接種していないですし、感覚的にはワクチンを接種していると症状は軽いように思います。

 さてワクチンを接種できない小さい乳児のがインフルエンザに感染したらどうなるでしょう(ワクチンは生後6か月以降です)。なんとなく、重症になりそうだと思われがちです。しかし、一般的にはそんなことはありません。1歳未満の乳児は感染しても症状が軽いことが一般的です。そして一歳未満は脳症もまれです。少なくとも私は1歳未満の脳症は見たことがありません(乳児のインフルエンザはたくさん見たことがあります)。

 さて、ワクチンを接種している、していないにかかわらず、インフルエンザに感染してしまったらどうしたらよいでしょうか?
これは、ワクチンを全種していようとしていまいと同じです。インフルエンザに感染してしまったら発熱の他に、咳、鼻、下痢、食欲低下、頭痛、体の痛み、だるそうなどの症状が出る可能性があります。症状が出たらなるべく安静にするのがよいでしょう。もちろん、症状が出たらひきた小児科クリニックに受診してください。
インフルエンザは熱性けいれんを比較的起こしやすいですが、この場合は冷静になってどんなけいれんか観察しながら時計を見て下さい。長く続くようでしたら救急車を要請することをお勧めします。数分でおさまるならやはりすぐに小児科受診してください。
 また、インフルエンザはウイルスをもらって感染すると通常は1~3日以内に発症します。

 ちなみに、私のこどももワクチンを接種していてもインフルエンザになりました。タミフルを使用したので良く分かりませんが、軽くすんでいる気がします。

ひきた小児科クリニックでは、インフルエンザワクチン、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。基本的に診療時間内であればいつでも、接種いたしますが小さなお子さまであれば2時~3時の予防接種・乳児健診・育児相談の予約外来では風邪の患者さんは来院しないため安心して来院いただけます。


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ヒブワクチン(アクトヒブ)に副作用はあるのでしょうか?

2009-01-19 21:16:04 | 予防接種(ワクチン)
ヒブワクチン(アクトヒブ)に副作用はあるのでしょうか?

コメントでヒブワクチンに副作用があるのでしょうかとご質問を頂きました。
ヒブワクチンは生後2か月以上で5歳未満のおこさんは絶対に接種した方が良いワクチンです。このワクチンは殆どの国で10年以上前から三種混合のよう全員に定期接種されています。日本でも2007年に認可され2008年12月から接種できるようになりましたが、定期接種(公費で受けられる)ではなく任意接種(自費です)です。
ヒブワクチンに副作用があるかとのことのご質問に対する答えは簡単で「副作用はあります」となります。
これはヒブワクチンに限らず、全てのワクチンで副作用があります。ヒブワクチンで多いのは三種混合ワクチンやインフルエンザワクチンと同様に接種部位が腫れることです。他にもアレルギー反応が起きたり、熱が出たりといった一般的な副作用があります。
ヒブワクチンにだけに起こる可能性のある副作用が一つあります。
この副作用は世界中で使われていても起こったことは過去に無いので、副作用と言って良いのかどうか分かりません。しかし、一応説明することになっているので接種前には説明しています。ヒブワクチン(アクトヒブ)がフランスから輸入されており、製造過程でウシの成分を使っているため伝達性海綿状脳症伝播のリスクが理論的に存在します。ただし、世界100カ国で過去14年間に1億5000万回接種されていますが、1例もこの副作用は報告されていません。起こらないと考えて全く差し支えないでしょう。たとえばこの伝達性海綿状脳症伝播は日本の牛肉を食べたりミルクや牛乳を飲んだりしても可能性はあるわけですし、私自身、ヨーロッパ産のチーズを食べることがありますが、チーズの方が危険性は高いでしょう。
副作用があるから三種混合やBCG、ポリオ、麻疹ワクチンを受けないということでなければ、同等以下の副作用しか考えられませんので接種することを強くお勧めします。基本的に小さなお子さまほど早く接種したほうがよいので対象年齢のお子さまのいるご両親は早めに御連絡ください。私個人的にはヒブ感染で亡くなられた方の診療をしたこともありますし、後遺症で苦しんでいる方の診療をしているため、可能であれば、お子さま全員に接種したいと考えています。
ワクチンに関して、ご不明な点がございましたらスケジュールなどは電話で、詳しいことは予防接種外来にご来院いただければ説明させていただきます。

ひきた小児科クリニックでは、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、インフルエンザワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。基本的に診療時間内であればいつでも、接種いたしますが小さなお子さまであれば2時~3時の予防接種・乳児健診・育児相談の予約外来では風邪の患者さんは来院しないため安心して来院いただけます。

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群馬県桐生市での乳児健診について

2009-01-18 19:16:08 | 日記・メモ (Weblog)
桐生市での乳児健診について

 乳児健診は3か月、7か月、1歳半、3歳が集団で行われています。
私は東京と埼玉で長いこと診療をしており、多くの健診は個別健診で、10か月検診も公費でした。他にも1歳健診、2歳健診を希望されるお母様もおりました。桐生で診療していると10か月検診や1歳健診に見えられる方はおりますが、2歳以降は少ないように感じております。もちろん、育児について心配がないのであればそれに越したことはありませんが、ご希望がございましたら受診いただければ思います。
乳児健診は通常の診療枠でも行えますが、なるべく乳児健診・予防接種・育児相談の14時から15時の予約外来枠に来院することをお勧めします。また、栄養相談や、乳児の湿疹などは育児相談として14時から15時の時間に予約の上、受診していただければと思います。

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群馬県の感染症発生動向

2009-01-18 19:10:28 | 流行状況
群馬県の感染症発生動向

 群馬県の感染症発生動向

 インフルエンザに関しては患者報告数が増加して注意報発令基準を超えました。Aソ連とA香港が分離されているそうです。
感染性胃腸炎も未だに多く報告されています。
 ひきた小児科クリニックでもA型インフルエンザの検出される確率が高くなりました。新聞記事によるとタミフル耐性Aソ連型が多く検出されているようです。もし、夜などに高熱が出たらなるべく安静にして翌日、ないしは休み明けに医療機関を受診しましょう。

タミフル耐性が話題になっていますがタミフルが市販されたのは最近のことです、それ以前はタミフル使用せずともインフルエンザは改善していました。合併症さえなければ安静にしているのが一番の治療かも知れません(もちろん、タミフルが有効なウイルスも検出されていますし、リレンザや他の薬もあることを付記しておきます)。

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タミフル耐性インフルエンザについて

2009-01-17 14:23:43 | 新聞記事など
タミフル耐性インフルエンザについて

 タミフル耐性のインフルエンザに関して記事が出ていました。これによる日本国内のAソ連型ウイルス35株のうち34株(97%)が、治療薬タミフルに耐性を持つウイルスであったとのことです(記事はこちら)。A香港の方にはタミフルは効くのかも知れませんが、Aソ連とA香港の両方のウイルスが流行している群馬県の小児科医としては悩むところです。もちろん、インフルエンザはタミフル無しで治療できますし、耐性のインフルエンザでタミフルを飲んで特別悪いことはありませんので、ご家族と相談して使用するしないを検討することになりそうです。
 ちなみに、本日私の娘がA型インフルエンザになりました。もちろん、ワクチン2回接種していました。タミフル内服していますが効果無いかもしれないですね。

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百日咳ワクチンを接種しても百日咳にかかる?

2009-01-16 21:19:20 | 予防接種(ワクチン)
百日咳ワクチンを接種しても百日咳にかかる?

 コメントで百日咳のワクチンを含む三種混合ワクチンを接種しいていたのに百日咳になってしまった。とのコメントを頂きました。そこで、百日咳ワクチンの必要性について考えてみます。
 このようなコメントを頂けると、blogに書く記事の無いように悩まなくて良いのでありがたいです。
 さて、三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風ワクチン)をしていれば百日咳にならないわけではありません。
 ひきた小児科クリックでも秋くらいから百日咳の方が何名か受診しておりますので、この地域は流行とまで行かないまでも散発しているようです。そして、当院に受診した百日咳に感染したお子さんは全員ワクチンを接種していました。そして、お母様も百日咳になっておられた方が数名おりました。そして一名は接種歴が不明でかなり重症になっていました。そして、伊勢崎市の患者さんで咳が止まらないため当院に受診した方が多く、桐生市と伊勢崎市で半分半分くらいです。当院は桐生にあるため多くの患者さんは桐生の方ですので、伊勢崎の方が半分というのは特別に多いなと感じます。
 話が脱線しましたが、百日咳ワクチンをしても感染してしまうのならワクチンは必要かという話になります。
百日咳のワクチンに関して歴史的に振り返ると、昭和25年頃より百日咳ワクチンが始められ、39年より三種混合ワクチンが開始されて、それまで年間患者数が5万人をこえて、死亡者数も2000人を数えていたのが、急激に減少して昭和49年には患者数は200人、死亡者は無くなりました。しかしこの年にワクチンのトラブルで接種見合わせなどがあり昭和50年から54年に大流行が起きて3万人の患者と113名の死亡者が出ました。56年には改良ワクチンが開発されワクチンが普及して現在は患者数1500名程度まで減少しています。この歴史的事実だけでもいかに有効であるかご理解いただけると思います。

また、母胎からの百日咳の抗体は生後1~2か月で消失するため乳児期早期から感受性があり、とくに6か月未満の乳児では重症化する危険性が高いです。生後3か月を過ぎたら、なるべく早くワクチンを接種することが望ましいです。7か月検診や、1歳6か月検診で三種混合ワクチンを接種していないと、私はお母様に早く接種してくださいと話します。しかし、お母様の中にはもう接種した方が良いのですか? と質問する方もおります。基本的に3か月を過ぎたら早急に接種すべきです。そして、可能であればヒブワクチン(アクトヒブ)と同時接種が望ましいです。
百日咳は幼若乳児で、無呼吸発作、けいれん、呼吸停止することがあり、合併症として肺炎や、脳炎、脳症を発症することもあります。私は普通の百日咳もたくさん診療していますし、百日咳により自宅で呼吸を停止したお子さんも診療したことがあります。これら方は幸い救命できましたがワクチンは必要であると実感しています。

ひきた小児科クリニックでは、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、インフルエンザワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。基本的に診療時間内であればいつでも、接種いたしますが小さなお子さまであれば2時~3時の予防接種・乳児健診・育児相談の予約外来では風邪の患者さんは来院しないため安心して来院いただけます。

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インフルエンザの流行、インフルエンザワクチンの効果について

2009-01-14 00:46:49 | 予防接種(ワクチン)
インフルエンザの流行、インフルエンザワクチンの効果について

 昨日の診療からインフルエンザ検査でA型が検出される確率が高くなりました。
 お友達や家族にインフルエンザの方がいたという場合が多いように感じました。一方で40度以上の熱が続いていてもインフルエンザ検査陰性の方もおり、インフルエンザ以外の高熱を呈するウイルスも流行しているようです。

 また、タミフル耐性のインフルエンザが検出されたと報道されて国内ではそれほど耐性率は高くないようですが(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090111-00000019-khk-l04)、今後も注意する必要がありそうです。
 インフルエンザワクチンを接種していてもインフルエンザに感染している患者様もおり、このblogでもインフルエンザワクチンを接種しても感染してしまって残念とのコメントを頂きました。もっともだと思います。インフルエンザワクチンの必要性について下にまとめました。

 インフルエンザワクチンの効果について

 残念ながらワクチンは接種したら、その病気に絶対にならないというものではありません、先に麻疹・風疹、おたふくに関して書きましたが100%の有効率ではありません。
例えばBCGは結核の予防接種です。BCGを接種すれば結核にならないのであれば結核はもっと少なくなっているでしょう。残念ながらBCGを接種しても結核には感染します。それでは何故に接種しているのでしょう。それは、乳幼児が罹患すると致死的な重症結核(結核性髄膜炎、粟粒結核)を発症してしまうからで、これらの重症結果が予防できるためです。

インフルエンザは通常に罹患すると高熱が出ます。短ければ数日、長ければ1週間程度は高熱が続きます。しかし、治ってしまえば通常の風邪と変わりません。最近は抗インフルエンザ薬が使用されることが多くなりましたが、以前は家でおとなしくしていれば治る風邪の一種とも考えられなくはありませんでした。しかし、通常ではなくて重症化することもある感染であるために注目され予防接種が開発され使用されています。もちろん、ワクチンによって重症化だけでなく、個人の発症そのものもある程度抑制されます。

 インフルエンザワクチンは1976年から1993年まで定期接種として子供に接種され、1994年から任意接種になりました。任意接種となった当時は有効性が疑問視され社会的に批判されていました。そして、任意接種となったため摂取率が著しく低下ました。すると皮肉なことに摂取率が低下したことによりインフルエンザ死亡者が増加していることが明らかになりました。これは高齢者の死亡が抑えられていたと解釈され、現在の日本の主な接種対象は高齢者のみです。桐生市でもワクチンは公費負担になり1000円で接種することができます。これは高齢者では肺炎、心肺機能低下、他の慢性疾患の悪化などによって死亡することがあるからです。
 では小児ではどうでしょうか、確かに過去には接種した方が良いというデーターはありませんでした。しかし、最近は6か月以上の小児で有効であったという研究結果が出てきました。このため、米国では老人などだけでなく5歳未満の幼児にまでインフルエンザワクチンの接種対象を拡大し(原則として無料)、今後は18歳までの学童・学生の全員接種を目指すことにしたそうです。さらに、5歳未満の乳幼児のいる家庭では家族全員の接種が推奨されています。
 日本は乳幼児にはインフルエンザ脳症という重篤な合併症が多発しているにもかかわらず、任意接種のままで積極的な推奨がされてないことは残念です。
 私個人的にはインフルエンザ脳症の患者さんを多く診察して、残念ながら死亡例も経験しております。現在でも後遺症で苦しんでいる患者さんの診療も続けております。最近は有効な治療方が模索されつつあり、私もインフルエンザ脳症に対する治療法に関する研究をしており2008年に発表しました(インフルエンザ脳症に対するステロイドパルス療法の検討  疋田敏之 他 http://shoni-iji.com/papers/0811.html)。しかし、残念ながら治療が有効でない場合もあり、インフルエンザワクチンは接種した方が良いと思っています。

ひきた小児科クリニックに受診して、気になることがあれば気軽にご質問ください。

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おたふくワクチンの接種前に検査は必要でしょうか?

2009-01-12 11:56:29 | 予防接種(ワクチン)
おたふくワクチンの接種前に検査は必要でしょうか?

 おたふくのワクチンの接種前におたふくの免疫があるかどうか血液検査をする必要があるでしょうか、とのご質問を頂きました。
 ときどき質問されますが、基本的には血液検査は不要です。ワクチンを接種されていなければ早めにワクチンを接種することをお勧めいたします。検査を希望される方には検査も致します。理由などはコメント欄に記載いたしました(コメント欄はこちら)。

ひきた小児科クリニックでは、おたふくワクチン、水痘ワクチン、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、インフルエンザワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。

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おたふくワクチン(流行性耳下腺炎予防接種)について (接種しない方が良い???)

2009-01-11 11:44:16 | 予防接種(ワクチン)
おたふくワクチン(流行性耳下腺炎予防接種)について (接種しない方が良い???)

 診療中に「おたふくワクチンを接種しましょう」と説明すると、「接種しない方が良いと聞きました」と答えるお母さんがおります。
 また、おたふくワクチンは「髄膜炎になるから辞めた方が良い」と言われたといわれたかたもおります。
 これは現在では科学的に理論の通っていない理由す。
 しかし、診療していると髄膜炎とは別の理由でワクチンを止めなさいと言われた方が何人かおります。お母さんによると、「おたふくワクチンをすると完全な免疫が得られないから、やめた方が良い」と言われていてワクチンを接種しなかったそうです。これは、完全な間違えです。

 ワクチンで一生の免疫が得られないことがあるのは良く知られています。良い例が麻疹(はしか)です。ワクチンをしていたのに罹患してしまったことが問題になって新聞報道もされました。しかし、麻疹の問題は日本では過去にワクチンを1回しか接種しなかったために起こったことで、海外では以前から麻疹ワクチンは2回として全員接種として解決していました。つまり、日本は長年1回しか公費での摂取ができずに、しかも定期接種とは言っても摂取率が低いために起きた悲劇です。
事実、日本以外の世界中の国で麻疹は2回接種であり麻疹の発生は見られず。日本人が海外に麻疹を持ちだして問題になっていました。最近になりようやく日本もワクチンを1回しか接種しないことは間違えであると気がついてようやく2回接種になりました。
 おたふくに関しても同じです。多くの方はワクチンを接種すれば免疫がつきます。免疫がついた方は、おたふくから免れますし、仮に感染してしまったとしても、髄膜炎や難聴などの合併症からは逃れられます。
 ちょっと考えれば完全な免疫がつかなくてもワクチンを接種した方が良いことが分かります。

1) 仮に、ワクチンを接種しなければ、日本ではおたふくの流行が見られますから、いずれおたふくになるでしょう。たしかに完全な免疫が得られますが。一部の方は合併症で髄膜炎になったり、聴力を失ったりします。

 2)ワクチンを接種した場合、多くの方はおたふくになりません。一部の方は免疫が得られなかったり、免疫が弱かったりします。これらの方がおたふくウイルスをもらうと、多くの人は症状が出ないで軽く感染を起こして完全な免疫が得られます。そして、一部は、おたふくになります。しかし、ワクチンにより軽症で済みます。

 以上の1)と2)を比較して1)が良いという人はいないと思います。それに、心配であれば海外のように、おたふくワクチンも2回接種すればより確実です。

 科学的には接種した方が良いワクチンです。おたふくワクチンは日本以外の多くの国で定期接種になっています。
 おそらく接種しなくて良いなどと言う、意見のために、おたふくになってしまって髄膜炎になったり聴力を失ったりした患者さんが多くいると思います(聴力は片側であれば気がつかないことが多いです)(先に書きましたように10年以上前はワクチンによる髄膜炎が問題になり接種を控えた時期もあります)。
 またワクチンを接種するのであれば小児科専門医を受診しましょう。

ひきた小児科クリニックでは、おたふくワクチン、水痘ワクチン、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、インフルエンザワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。

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水痘ワクチン(水疱瘡みずぼうそう予防接種)について2

2009-01-09 12:45:57 | 予防接種(ワクチン)
水痘ワクチン(水疱瘡みずぼうそう予防接種)について2

 水痘の患者さんを診察するとお母さんから「兄弟がまだかかっていないのですけれどかかりますか?」と聞かれることがあります。当然の質問です。もちろん、「かかる可能性があります」と答えます。すると「今からワクチン接種したら間に合いますか?」と尋ねられることがあります。

これは、よくある問答です。もちろん、お母さんも水痘は発疹がたくさん出て大変な病気と知らなかったからなのかも知れませんが「水痘になった患者さんも、兄弟も早めにワクチン接種しておいたほうが良かったのではないかなと」と私は思います。

 ちなみに、流行性耳下腺炎は無効ですが水痘は患者さんと接触後3日以内にワクチン接種すると、効果が出て発症しない可能性があります。もしくは、抗ウィルス薬を内服することによって発症を予防することが出来る可能性があります。もちろん、待っていて水痘になることもできますが、兄弟例では2番目にかかる子どもの方が重症になります。決まりはないので個人的には情報を伝えて親の判断と言うことになります。

 しかし、くりかえしますが、水痘になってから心配しても遅いので、ワクチンを接種することをお勧めします。

ひきた小児科クリニックでは、水痘ワクチン、おたふくワクチン、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、インフルエンザワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。

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感染性腸炎について

2009-01-08 00:33:50 | 流行状況
感染性腸炎について

 コメントで感染性腸炎はどの程度回復したら周囲の人に感染しないのでしょうかと質問を頂きました。
 一般的には、嘔吐、下痢の症状が無くなるまでと考えて良いと思います。と回答させていただきました。
 しかし、一般的にと断ったように上に書いた回答は厳密には正しくはありません。それは、感染しているウイルスの種類によって異なるからです。さらに、今回はお母様が感染したとのことでしたが、腸炎になった方が、子供か、大人かでもウイルスを排菌する期間が変わってきます。
 例えば、昨年末から流行しているノロウイルス感染症によるウイルス性腸炎では症状があるのは数時間から長くて1週間程度で、普通は数日です。しかし、便中のウイルスを調べると2-3週間検出されることもあります。乳幼児では1か月以上検出されることもあります。しかも、このウイルスは10-100程度ととても少ない量の感染性ウイルス粒子で感染が成立します。(それではずっとダメなのかと言うことになります。しかし、先の文章に反しますが、実際には家族1人が感染すれば数日内に家族の多くに感染してしまいます。もし、数日内に発症しなければもう感染しないと思うしかないと思います。もちろん感染する可能性はあるのですが、現実的に子供の世話を数種週間しないというわけにはいかないと思います。もちろん、手洗いとうがいは続けてください)。
 一方、ロタウイルスによる胃腸炎は下痢は5~7日程度続きますが、便中のウイルス抗原は通常一週間程度で消失します(しかし、他の感度の良い検出法だともう少し長く検出されるという報告もあります)。
 さらに、ノロウイルスとロタウイルス意外にもアデノウイルス、エンテロウイルスなどの感染で感染性腸炎になります。さらに、ウイルスだけでなく細菌性である可能性もあります。
 これらの全てのウイルスを論ずることはできませんので、一般的には嘔吐と下痢が改善するまでと考えていただければ良いと思います。(飲食業などに従事される方はまた話が変わってきます。)

 私は2年前までノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルス等による感染性腸炎に関する臨床研究もしていたので(疋田敏之,他 当院に入院した軽症胃腸炎に伴うけいれん37例の検討)、もっと詳しいことも書けなくはありませんが、本日は一般的なことプラスアルファくらいにしておきたい思います。

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小児科医師派遣枠削減について

2009-01-07 12:50:17 | 新聞記事など
小児科医師派遣枠削減について

 以前から話題になっていましたが、小児科派遣医師枠の削減について再度新聞で記事になっていました(記事はコチラhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090107-00000020-san-l10)。
 記事によると館林厚生病院(館林市)など8病院に派遣する常勤医枠数を、計11人縮小するようです。加えて群大病院内も2人の常勤医枠を削減するそうです。
 減らされる病院のまわりの方は大変だと思います。一方でこの決定をした群大も大変だったと思います。
 派遣病院の派遣を減らすだけでも、大変なことです。大学病院の常勤を減らすというのは通常ではあり得ない話で、本当に小児科医が足りないのだなと思います。
 むしろ新聞記事には足りなくなってしまった理由を考えて書いて欲しいと思います。

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医師不在日について

2009-01-07 12:49:06 | 医師不在日(スケジュール)
医師不在日について
ひきた小児科クリニックには小児科専門医が3名いるため休診になることはありませんが、3名のうち1名が桐生市の乳児健診や学会などで不在にすることがあります。ご参考までにスケジュールを提示します。
1月の不在日 
院長 疋田博之 (ひきたひろゆき)
決定しましたら後日書きます。

副院長 疋田敏之 (ひきたとしゆき)
7日(水曜日) 2時-3時30分ごろ  桐生市 3ヶ月健診
9日(金曜日) 2時-3時30分ごろ  桐生市 3歳検診
14日(水曜日) 2時-3時30分ごろ  桐生市 7ヶ月健診
15日(木曜日) 11時30分から午後  大学病院専門外来
29日(木曜日) 11時30分から午後  大学病院専門外来

女性医師 疋田房子 (ひきたふさこ)
20日(土曜日) 午前中  ひかり保育園

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hikita/

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