ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

インフルエンザ、万能ワクチン

2009-01-29 10:21:17 | 新聞記事など
インフルエンザ、万能ワクチン

新聞記事でインフルエンザ、万能ワクチンについての記事が出ていました。(記事はこちらhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090128-00000067-yom-sci)。医学の進歩は早いので、遠くない将来に万能ワクチンが登場するでしょう。だいぶ昔の話ですがリレンザが論文で発表されたときには結構驚きました。このころはインフルエンザの治療と言えばアマンタジン(シンメトレル)を処方するくらいでした。さらに、少し遅れてタミフルが発売されたときはこども用のインフルエンザ薬が開発されたと喜びましたが、数年で副作用の可能性が報道されて、使用回数が減少しました。そして、現在のタミフル耐性問題が浮上しました。

こうなると、やはり予防接種にたちかえるわけですが、日本では一部にインフルエンザワクチンは良くないと考えているかたも多く摂取率も上がっていません。米国のようにこどもが定期接種になる日は遠そうです。

 基本的にインフルエンザの予防接種は10月から11月くらいまでに済ませておいた方が良いと思っています。しかし、新聞などでタミフルは耐性であるがインフルエンザワクチンは有効であると報道されたためか、この流行期になってもインフルエンザワクチンの接種を希望される方が増えております。基本的に流行期でも感染していなければワクチンは有効ということになっています。ひきた小児科クリニックでは薬屋さんにはまだワクチンがあるため取り寄せて接種しております。残念ながら万能ワクチンではなくて通常のワクチンです。

また、厚生労働省もリレンザの追加供給を検討しているようです(記事はこちらhttp://www.sakigake.jp/p/news/science.jsp?nid=2009012801000790)。しかし、インフルエンザが対策としては、手洗い、うがいを励行する、ワクチンを接種するなども有効であり、万能ワクチンの開発が望まれます。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hikita/

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抗インフルエンザ薬のタミフルとリレンザ

2009-01-29 09:40:09 | 流行状況
抗インフルエンザ薬のタミフルとリレンザ

 先日のインフルエンザ警報発令中にも書きましたが、群馬県の1月以降のA型インフルエンザはAソ連型ばかりでA香港型は出ていないようです。Aソ連型の多くがタミフル耐性とのことですから、抗インフルエンザ薬を処方するときはリレンザを中心に処方しています。
 耐性の問題が出る前はリレンザ吸入が上手にできないことがあるためタミフル中心でした。しかしリレンザに切り替えても意外とお母様のがんばりか吸入できているようです。クリニックにある吸入器でリレンザを吸入していった患者さんもおりますが、多くは自力で吸入できています。
 ところが、ご両親がインフルエンザで他の診療所でタミフルを処方されていて、こどもが感染してひきた小児科クリニックでリレンザが処方されることがあります。吸入できる大人が効果のないタミフルを内服して、吸入が上手にできない可能性があるこどもがリレンザを吸入しているという医者の目から見ると一見不思議な状況を目にします。もちろん、大人でもひきた小児科クリニックに受診してくださっている方にリレンザを処方しておりますが。タミフルの内服を既に開始しているとリレンザに切り替えるのはためらわれます。

 もちろん、インフルエンザは抗インフルエンザ薬を使用しなくても安静にしていれば治りますので、もし、タミフル耐性のインフルエンザでタミフルを内服していたとしても、安静にしていれば回復します。でも、せっかく使用するのであれば有効である薬を使用したいものです。

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