ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

抗生物質の使い方

2009-01-26 23:14:49 | 新聞記事など
抗生物質の使い方

 抗生物質の使い方に関して記事が出ていました(記事はこちらhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090126-00000031-mai-soci)。記事によると

 「感染症の治療に使われる抗生物質などの抗菌薬を処方された患者の4割が、途中で治ったと思い込んで服用をやめた経験がある」そうです。
さらに「抗生物質はむやみに服用すべきでないが、一度使ったら必要量を集中的に飲まないと、生き残った病原菌が耐性化して治療が難しくなる恐れがあるということで、さらに日本では肺炎球菌や中耳炎などを起こすインフルエンザ菌が耐性を持つ割合が急増している」と書かれていました。

 私が診療していて驚くことの1つに、抗生剤を良く内服していることです。ちょっとした風邪にも必ず抗生剤が処方されていて、その様な患者さんに抗生剤を処方しないと、処方して欲しいと言われます。もちろん、私も100%の確率で抗生剤の必要性を診断できるわけではありませんので、抗生剤を希望されれば処方します。しかし、「多くの風邪はウイルスの感染によるもので、基本的にウイルス性疾患に抗生剤は必要ありません、それはウイルスには抗生剤が効かないからです。」と説明すると多くの方は「抗生剤は風邪に効かないのですか?」と驚きつつも納得されます。例外的にインフルエンザや水痘など一部のウイルスには有効な薬があります。
個人的なことを書くと、私は感染症に非常に厳しい先輩に教育されて、ウイルス感染か細菌感染か判別できるため、細菌感染であれば抗生剤を処方して、ウイルス感染であれば不要な抗生剤は処方しないことにしています。もちろん、判別できない場合は、とりあえず抗生剤を処方することもあるのかと思いますが、過去に内服している薬をたずねると最新の強力な抗生剤が使用されているので戸惑っています。抗生物質の使い過ぎも病原菌の耐性化を促進しますし、本来、体で良い働きをしている菌を消してしまうので、こどもにとっては良くないことです。
 抗生剤の使い過ぎと、自己判断の休薬は健康に良くないので控えましょう。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
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B型インフルエンザ

2009-01-26 18:53:18 | 流行状況
B型インフルエンザ

 今までひきた小児科クリニックで検出されたインフルエンザ抗原はA型インフルエンザばかりでしたが、本日B型インフルエンザが検出されました。これからB型も流行するのでしょうか。
 抗インフルエンザ薬のシンメトレル(アマンタジン)を使用していた頃はB型が出るとなんとなく嫌でしたし、タミフルもB型には比較的効果が弱い印象がありました。現在はタミフル_もA型に効かない耐性ウイルスが多くなり、リレンザを使用するとすればB型でも大きくは変わらないかも知れません。もちろん、抗インフルエンザ薬を使用しないのであれば、Aでも、Bでも変わりません。若干症状が違いますが、高熱が問題になる点は変わりません。

 国立感染症研究所のホームページに1/19日付で、今からでも予防接種が推奨されるとのことであったため、薬屋さんにワクチンの在庫を確認したところ、まだ残っているそうです。

ひきた小児科クリニックでは、インフルエンザワクチン、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。基本的に診療時間内であればいつでも、接種いたしますが小さなお子さまであれば2時~3時の予防接種・乳児健診・育児相談の予約外来では風邪の患者さんは来院しないため安心して来院いただけます。

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