ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

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ワクチンを接種していればインフルエンザ脳症や肺炎は起こりにくいか?

2009-01-20 20:32:05 | 予防接種(ワクチン)
ワクチンを接種していればインフルエンザ脳症や肺炎は起こりにくいか?

 ワクチンを接種していればインフルエンザ脳症や肺炎は起こりにくいか? ワクチンを接種していない小さな乳児が感染したらどうなるか、潜伏期間はどのていどかとの質問をコメントで頂きました。少しワクチンについて私見も含めて考えてみます。

インフルエンザワクチンを接種した子供は脳症や肺炎になりにくいかということが気になります。まず、脳症に関しては過去の調査では「急性脳症発症者の中にはワクチン接種を受けたものの中に少数含まれていますが、圧倒的多数は未接種者でした。しかし、この年令層におけるワクチン接種者数が全体に少ないため現段階では統計的な意味合いがあるかどうかわかっていません。」となります。また、肺炎に関してはデーターがありません。小児喘息患者では有効であったとの報告があります。
 「統計的な」というのは「数学的に確立された」と言うことで、現時点では数学的に可能性が低くなるとは言えないと言うことです。
私の個人的な経験では脳症になる方はワクチンを接種していないですし、感覚的にはワクチンを接種していると症状は軽いように思います。

 さてワクチンを接種できない小さい乳児のがインフルエンザに感染したらどうなるでしょう(ワクチンは生後6か月以降です)。なんとなく、重症になりそうだと思われがちです。しかし、一般的にはそんなことはありません。1歳未満の乳児は感染しても症状が軽いことが一般的です。そして一歳未満は脳症もまれです。少なくとも私は1歳未満の脳症は見たことがありません(乳児のインフルエンザはたくさん見たことがあります)。

 さて、ワクチンを接種している、していないにかかわらず、インフルエンザに感染してしまったらどうしたらよいでしょうか?
これは、ワクチンを全種していようとしていまいと同じです。インフルエンザに感染してしまったら発熱の他に、咳、鼻、下痢、食欲低下、頭痛、体の痛み、だるそうなどの症状が出る可能性があります。症状が出たらなるべく安静にするのがよいでしょう。もちろん、症状が出たらひきた小児科クリニックに受診してください。
インフルエンザは熱性けいれんを比較的起こしやすいですが、この場合は冷静になってどんなけいれんか観察しながら時計を見て下さい。長く続くようでしたら救急車を要請することをお勧めします。数分でおさまるならやはりすぐに小児科受診してください。
 また、インフルエンザはウイルスをもらって感染すると通常は1~3日以内に発症します。

 ちなみに、私のこどももワクチンを接種していてもインフルエンザになりました。タミフルを使用したので良く分かりませんが、軽くすんでいる気がします。

ひきた小児科クリニックでは、インフルエンザワクチン、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。基本的に診療時間内であればいつでも、接種いたしますが小さなお子さまであれば2時~3時の予防接種・乳児健診・育児相談の予約外来では風邪の患者さんは来院しないため安心して来院いただけます。


ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hikita/

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