ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

おたふくワクチンの接種前に検査は必要でしょうか?

2009-01-12 11:56:29 | 予防接種(ワクチン)
おたふくワクチンの接種前に検査は必要でしょうか?

 おたふくのワクチンの接種前におたふくの免疫があるかどうか血液検査をする必要があるでしょうか、とのご質問を頂きました。
 ときどき質問されますが、基本的には血液検査は不要です。ワクチンを接種されていなければ早めにワクチンを接種することをお勧めいたします。検査を希望される方には検査も致します。理由などはコメント欄に記載いたしました(コメント欄はこちら)。

ひきた小児科クリニックでは、おたふくワクチン、水痘ワクチン、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、インフルエンザワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www014.upp.so-net.ne.jp/hikita/

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5 コメント

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Unknown (のーたんママ)
2009-01-11 17:11:18
インフルエンザについてご質問です。毎年ワクチンを接種しております。でもインフルエンザにかかってしまいます。その子に抗体が出来ずらいのか…薬剤師さんがうっても抗体ができずらいこがいるとききまして。ワクチンをうってあれば軽く済むのかなとも思いますがなぜ二回もうってもなってしまうのかなぁとちょっと残念な感じもします。高いお金を払ってと思ってしまいます。 家族も予防していても気付いた時には感染してますよね?お答えしていただればと思います。
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Unknown (のーたんママ)
2009-01-12 15:31:18
コメントありがとうございました。とてもよくわかりました。接種していると熱が下がるのも早いですね。家族に感染しないことを願い早く良くなるといいです。
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Unknown (のーたんママ)さんへ (ひきた小児科クリニック)
2009-01-13 23:34:29
Unknown (のーたんママ)さんへ

 Unknown (のーたんママ)さんに「コメントありがとうございました。」と書いていただいた後にコメントを書き足したら順番がずれてしまいました。ごめんなさい。というわけで、コメント加筆しました。

 ご質問ありがとうございます。ひきた小児科クリニックでもインフルエンザワクチンを接種して、接種後にインフルエンザに感染してしまった方が受診しております。簡単な説明としては「インフルエンザワクチンの有効率はどんなに高くても8割から9割程度なので感染してしまう方はおります。しかし、おそらく重症化は防げますよ」と説明しています。
 当然、Unknown (のーたんママ)さんも、同様の説明をされたと思います。
その上で質問が来ているので、おそらく別のことが知りたいのだと思います。
まず、お子様がワクチンを接種しても免疫を獲得しにくい子供なのではないかと言うことでしょうか? これに関しては確定的なことは言えませんが、毎年接種をしていてもという文章から2年以上ワクチンを接種していると考えられます。するとおそらく2歳以上だと思います。もし2歳までに重症感染症をくりかえして入退院をくりかえしているのであれば、免疫がおかしい可能性もありますが、そうでなければ特別な体質であるかと心配する必要は無いでしょう。
また、ワクチンを接種して感染してしまったことが残念とのこと、もっともです。しかし、ワクチンは接種したら、その病気にならないというものではありません、先に麻疹・風疹、おたふくに関して書きましたが100%の有効率ではありません。
別の例ではBCGは結核の予防接種です。BCGを接種すれば結核にならないのであれば結核はもっと少なくなっているでしょう。残念ながらBCGを接種しても結核には感染します。それでは何故に接種しているのでしょう。それは、乳幼児が罹患すると致死的な重症結核(結核性髄膜炎、粟粒結核)を発症してしまうからです。
インフルエンザは通常に罹患すると高熱が出ます。短ければ数日、長ければ1週間程度は高熱が続きます。しかし、治ってしまえば通常の風邪と変わりません。最近は抗インフルエンザ薬が使用されることが多くなりましたが、以前は家でおとなしくしていれば治る風邪の一種とも考えられなくはありません。しかし、通常ではなくて重症化することもある感染であるために注目され予防接種が開発され使用されています。

 インフルエンザワクチンの効果について

 インフルエンザワクチンは1976年から1993年まで定期接種として子供に接種され、1994年から任意接種になりました。当時は有効性が疑問視され社会的に批判されていました。しかし、任意接種となり摂取率が著しく低下ました。すると摂取率が低下したことによりインフルエンザ死亡者が増加していることが明らかになりました。これは高齢者の死亡が抑えられていたと解釈され、現在の日本の主な接種対象は高齢者のみです。桐生市でもワクチンは公費負担になり1000円で接種することができます。これは高齢者では肺炎、心肺機能低下、他の慢性疾患の悪化などによって死亡することがあるからです。
では小児ではどうでしょうか、確かに過去には接種した方が良いというデーターはありませんでした。しかし、最近は6か月以上の小児で有効であったという研究結果が出てきました。このため、米国では老人などだけでなく5歳未満の幼児にまでインフルエンザワクチンの接種対象を拡大し(原則として無料)、今後は18歳までの学童・学生の全員接種を目指すことにしたそうです。さらに、5歳未満の乳幼児のいる家庭では家族全員の接種が推奨されています。
 日本は乳幼児には脳症という重篤な合併症が多発しているにもかかわらず、任意接種のままで積極的な推奨がされてないことは残念です。
私個人的にはインフルエンザ脳症の患者さんを多く診察して、残念ながら死亡例も経験しております。現在でも後遺症で苦しんでいる患者さんの診療も続けております。最近は有効な治療方が模索されつつあり、私もインフルエンザ脳症に対する治療法に関する研究をしており2008年に発表しました(インフルエンザ脳症に対するステロイドパルス療法の検討  疋田敏之 他 http://shoni-iji.com/papers/0811.html)。しかし、残念ながら治療が有効でない場合もあり、インフルエンザワクチンは接種した方が良いと思っています。

ひきた小児科クリニックに受診して、気になることがあれば気軽にご質問ください。
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任意接種について (ママ)
2009-01-22 09:47:57
ちょっと質問させてください。
任意接種(水疱瘡、おたふく風邪)について、とある先生は、もしかかっても今は優秀な薬があるから、二、三日で来院すれば重症にはならないし、障害になる子はほぼいない。そして、そうゆうのは、生まれつき何かある子がなりやすいのかなぁ…とゆうような説明をしているようです。
これはどうなんでしょう?小児科医であっても、任意接種に対して説明が違うと、なんだかどれが正しいのか、何を信じればよいのかと思ってしまいます。
返信する
任意接種について (ママ)さんへ (ひきた小児科クリニック)
2009-01-22 20:39:15
任意接種について (ママ)さんへ

任意接種について (ママ)さんご質問有り難うございます。

おたふくワクチンに関して、そのようなことを言っている小児科医がいるのは大変残念です。
もっとも、任意接種について (ママ)さんから見たら、「とある先生」を信じるか、「疋田先生」の言うことを信じるか悩むかと思います。

まず、おたふくに関しては優秀な薬はありません。
私がこう書いても、信じて良いか分からないと思います。そこで、現在新聞で報道されているインフルエンザに関しては厚生労働省/国立感染研究所の情報を元に報道されています。そこで、国立感染研究所のホームページを見てみます(http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_35.html)。治療の項目を見ると「流行性耳下腺炎およびその合併症の治療は基本的に対症療法であり、発熱などに対しては鎮痛解熱剤の投与を行い、髄膜炎合併例に対しては安静に努め、脱水などがみられる症例では輸液の適応となる。」とあります。つまり、「ねつさましを使って、安静にしていて、脱水になるなら点滴をしましょう」とのことですから、とくに優秀な薬があるわけではありません。さらに、予防接種に関しては「有効な抗ウイルス剤が開発されていない現状においては、集団生活に入る前にワクチンで予防しておくことが、現在取り得る最も有効な感染予防法である。」とあり、有効な抗ウイルス薬が無いことが明記され、かつ予防接種が有効であることも明記されています。

おたふくの合併症は無菌性髄膜炎が多く、中には髄膜脳炎になることもあり後遺症を残すことがあります。難聴は高度な感音性難聴となり、発症すれば治ることはありません。脳炎は希ですし、発症した場合の死亡率も0.5-2.3%と高くないものの死亡することもあります。このようなことが起きてから後悔しても間に合いません。
私も日本で医療をしているので厚生労働省が定期接種にしないものを絶対にやらなくてはいけないとは言いません。しかし、世界を見回すと日本のような経済的に恵まれている先進諸国のほとんどで、おたふくワクチンは定期接種(公費で全員接種)になっています。この事実だけでも接種した方が良いと感じます。例えば米国に行くときに予防接種をしていなければ、子供は幼稚園にも学校にも入れてもらえません。それくらい基本的なワクチンです。この経済的に豊かな日本で定期接種になっていないのは残念なことです。
有効性に関して国立感染研究所のホームページに記載されておりますが、この文章は2003年で少し古いのですが、有効であることが明記されています。先に書きましたように最近は合併症で難聴が多いことが判明し、この記事が書かれた頃より、さらに積極的に接種すべきであると考えられます。もちろん、片耳の難聴は、そんなに困らないというのであれば別ですが、実際に聴力を失ったら大きなストレスだと思います。もちろん、ワクチンは万能ではありません、おたふくワクチンは髄膜炎になることが知られています。しかし、難聴などは極めて希とされており有効と考えられます。

水痘ワクチンに関しても有効であることは先に記載しました。
これも、私を信用して良いか分からないと思います。
そこで、私の所属する日本小児科学会のホームページを見てみます(http://www.jpeds.or.jp/saisin-j.html)。日本小児科学会では厚生労働省に平成20年7月に「予防接種に関する要望書(日本脳炎・百日咳・Hib・水痘)」を提出しており、このなかで「水痘、ムンプス、Hibなどについては、1類より勧奨の程度を緩めた2類疾病として定期接種にすることが討議されておりますが、インフルエンザを除いては将来の問題として、残されそのままとなっております。 世界では感染症の予防について新たなワクチンの開発導入が進んできております。わが国においてHibワクチンの導入、水痘ワクチン等の接種の考え方に関する見直しが必要と考えられる中、これら類型化および予防接種費用の負担などの問題点についても、この機会に議論を尽くされることを強く要望します。」となっております。
 日本小児科学会がこのように考えているのですから、水痘ワクチンは接種費用の問題がなければ接種した方が良いと学会会員であれば思うでしょう。
 水痘は確かに抗ウイルス薬が有効です。しかし、感染しない方が良いことは言うまでもなく、脳炎になれば抗ウイルス薬など使用していても後遺症を残します。また、ワクチン接種で将来の帯状疱疹になる可能性が1/100程度になることも知られております。水痘脳炎は極めて希で私も数名しか診療したことはありませんが、高度な後遺症を残しており恐ろしい病気と認識しています。

はっきり言って「もしかかっても今は優秀な薬があるから」というのは、おたふくに関しては間違えです。「二、三日で来院すれば重症にはならないし」というのも、全く根拠がありません。脳炎などは受診していても起こりますし、おたふくの難聴は受診していても起こります。「障害になる子はほぼいない。」おたふくで難聴に関しては多い統計では1/1000です。1000人に1人は「ほぼいない」と言えるのでしょうか? それに、もっと少ない脳炎も少ないから良いのでしょうか? 「そうゆうのは、生まれつき何かある子がなりやすいのかなぁ…」、個々で言う合併症は生来健康な方に関する話しです。医学的に何の根拠もない理由です。

ひょっとすると「とある先生」は、お金を儲けたいと考えているのかもしれません。予防接種より、感染して来院してもらって薬をたくさん出した方が儲かります。「とある先生」は予防接種をしないで感染して来院して欲しいと考えているのかもしれません。私はこういう医者を許せません。

私は、日本小児科学会認定の小児科専門医でこども達の健康を第一に考えております。現時点で得られる情報からは、これらのワクチンは接種した方が良いと考えています。また小児科医として数多くのおたふく、水痘を診療し、さらに大きな病院に長くいたために重症の患者さんの診療にも当たってきたために、予防できる病気は予防したいと考えています。

もし、「とある先生」の名前が分かりましたら、日本小児科学会の小児科専門医名簿で名前があるか確認してみてください。ホームページで小児科専門医の名簿を見ることができます(小児科専門医名簿(PDF)http://www.jpeds.or.jp/pdf/meibo_senmoni.pdf)。小児科医は医師であれば誰でも名乗れますが、小児科専門医は認定されなければ名乗れません。もし、「とある先生」が小児科専門医でなければ小児科専門医の私の言うことを信じていただければよいと思います。
任意接種について (ママ)さんが、小児科専門医の名簿を見て「とある先生」の名前が載っていたら日本小児科学会会員の私としては残念です。お名前は乗っていましたでしょうか?
そして、ワクチンは接種した方が良いと思いましたか?

長文になってしまいましたが、ここまで読んでいただけたのであれば幸いです。できれば、「とある先生」が専門医であったか、ワクチンを接種した方が良いと思ったか思わなかったか、に関して回答をいただければ思います。また、ほかに質問がございましたらコメントに書いていただければ嬉しいです。
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