ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

百日咳ワクチンを接種しても百日咳にかかる?

2009-01-16 21:19:20 | 予防接種(ワクチン)
百日咳ワクチンを接種しても百日咳にかかる?

 コメントで百日咳のワクチンを含む三種混合ワクチンを接種しいていたのに百日咳になってしまった。とのコメントを頂きました。そこで、百日咳ワクチンの必要性について考えてみます。
 このようなコメントを頂けると、blogに書く記事の無いように悩まなくて良いのでありがたいです。
 さて、三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風ワクチン)をしていれば百日咳にならないわけではありません。
 ひきた小児科クリックでも秋くらいから百日咳の方が何名か受診しておりますので、この地域は流行とまで行かないまでも散発しているようです。そして、当院に受診した百日咳に感染したお子さんは全員ワクチンを接種していました。そして、お母様も百日咳になっておられた方が数名おりました。そして一名は接種歴が不明でかなり重症になっていました。そして、伊勢崎市の患者さんで咳が止まらないため当院に受診した方が多く、桐生市と伊勢崎市で半分半分くらいです。当院は桐生にあるため多くの患者さんは桐生の方ですので、伊勢崎の方が半分というのは特別に多いなと感じます。
 話が脱線しましたが、百日咳ワクチンをしても感染してしまうのならワクチンは必要かという話になります。
百日咳のワクチンに関して歴史的に振り返ると、昭和25年頃より百日咳ワクチンが始められ、39年より三種混合ワクチンが開始されて、それまで年間患者数が5万人をこえて、死亡者数も2000人を数えていたのが、急激に減少して昭和49年には患者数は200人、死亡者は無くなりました。しかしこの年にワクチンのトラブルで接種見合わせなどがあり昭和50年から54年に大流行が起きて3万人の患者と113名の死亡者が出ました。56年には改良ワクチンが開発されワクチンが普及して現在は患者数1500名程度まで減少しています。この歴史的事実だけでもいかに有効であるかご理解いただけると思います。

また、母胎からの百日咳の抗体は生後1~2か月で消失するため乳児期早期から感受性があり、とくに6か月未満の乳児では重症化する危険性が高いです。生後3か月を過ぎたら、なるべく早くワクチンを接種することが望ましいです。7か月検診や、1歳6か月検診で三種混合ワクチンを接種していないと、私はお母様に早く接種してくださいと話します。しかし、お母様の中にはもう接種した方が良いのですか? と質問する方もおります。基本的に3か月を過ぎたら早急に接種すべきです。そして、可能であればヒブワクチン(アクトヒブ)と同時接種が望ましいです。
百日咳は幼若乳児で、無呼吸発作、けいれん、呼吸停止することがあり、合併症として肺炎や、脳炎、脳症を発症することもあります。私は普通の百日咳もたくさん診療していますし、百日咳により自宅で呼吸を停止したお子さんも診療したことがあります。これら方は幸い救命できましたがワクチンは必要であると実感しています。

ひきた小児科クリニックでは、三種混合ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、インフルエンザワクチン、ヒブワクチン(アクトヒブ)、他などが接種可能です。基本的に診療時間内であればいつでも、接種いたしますが小さなお子さまであれば2時~3時の予防接種・乳児健診・育児相談の予約外来では風邪の患者さんは来院しないため安心して来院いただけます。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www.hikita.sx3.jp/


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