あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

フォークス日記 後書き

2011-07-15 | 
西海岸へ行ってから数ヶ月が経ってしまった。
この時は一気に書き上げるつもりだったのだが、この後にクライストチャーチの地震、そして日本の地震が起こり、ボクの身の回りにも大きな変化があった。
あの時歩いた大きなクレバス、ブルーミストはどうなったのだろうか。
氷に押されてつぶれてしまったかもしれないし、氷が開いて底なしのクレバスになったのかもしれない。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
物事は常に移ろいで行く。
なくなるからこそ愛おしいのだ。なくなった物事を嘆くのはちょっと違うと思う。
それに対しあの時、あの瞬間に感じた感動は永遠の物であり、今もボクの心の中に在り続ける。

以前ルートバーンを一緒に歩いた人が言っていた。
「自分は都会の団地に住んでいて、その環境はこの森とはかけ離れている。だけどたとえ日本の都会にいようと目を閉じて意識を飛ばせばいつでもこのルートバーンの森に帰って来られる。」
その言葉が忘れられない。
ボクも今はクライストチャーチだが、いつでも西海岸の氷河、土ボタルのいるトンネル、そしてリムの森へ飛ぶことはできる。
それは自分の経験という財産がそうさせるのだ。
そしてその経験は、その地に住む友によってより大きなものになる。
自然との繋がりと同じくらい人との繋がりは大切だ。
ボクは良い友を持ったことに感謝をする。
今さらだが、タイ、キミ、マー君、すばらしい夏休みをありがとう。
いつでもクライストチャーチの我が家に来てくれ。
次はボクが君達にもてなしをする番だ。
コメント (2)
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