あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

娘の旅立ち

2017-12-13 | 日記
娘が日本に旅立った。
初めての一人旅である。
何回か日本に行ったことはあるので、ある程度は勝手が分かってるのだろう。
一人で行くことに関して僕はもろ手を挙げて賛成である。
昔からよく言うではないか、可愛い子には旅をさせろ。
この一言につきる。
渋谷とか原宿へ行ってショッピングをしたいと言うのを止める理由なぞ無い。
「いいじゃん、行け行け。一人旅してみろ」
僕自身、若い頃に旅をした経験がある。
以前このは書いたな。
甘い思い出も辛い思い出もあるが、旅は人を成長させる。

数か月前、車を売ろうとした時に、僕はバックパッカーに張り紙を張りに行った。
その際社会見学と言って娘を連れて行った。
バックパッカーやユースホステルを何軒か回ったのだが、それぞれの宿に旅人が持つ雰囲気がある。
リビングで本を読む人、庭でビールを飲む人達、キッチンで何か作っている人。
それぞれにそれぞれの人生があり、同じ数だけそれぞれの旅がある。
娘はそこで何かを感じたのだろう。

娘の出発が決まり、僕はクィーンズタウンの仕事が始まり忙しい時を過ごしていた。
娘はバイトで稼いだ金を旅費にあてたようだ。
この親のスネはかじれないと思ってくれたらしめたものだ、娘は自立心が強い。
ちょうど娘の出発の前日にクライストチャーチで終わるツアーがあったので、出発前夜は話ができた。
娘のワクワクする気持ちが伝わってきてなかなか良い。
翌日、仕事の都合でクィーンズタウンへ戻る日の朝、妻と一緒に空港へ見送りに行った。
娘はあまり寝れなかったらしい。
まあそれもそうだろうが飛行機の中で寝るだろう。
空港で別れ際に娘の目から涙が一粒ポロリ、可愛いのお。

日本では最初の二日は古くからの友、龍崎家に世話になった。
ヤツの話も昔、このブログで書いたはずだが、探すのが面倒くさいから興味がある人は勝手に探して欲しい。
前回、僕が日本に行った時にはJCと一緒に成田空港まで迎えに来てくれたが、今回は娘がJRで最寄りの駅まで行きヤツに迎えに来てもらった。
きっと旨い物をご馳走してもらったことだろう。

夏の忙しい時が始まる前に僕は娘に旅の心得を話した。
先ずは自分の身は自分で守れ。
都会に行けば、泥棒、スリ、置き引き、詐欺、いろいろな悪いヤツもいる。
お前は女だからひょっとするとレイプされるような場面に出くわすかもしれない。
そうならないことを俺も願うが、そうならない確率はゼロではない。
お前が望まないでそうなった時は『乱暴はやめて!私が最初に口でしてあげるから』と言って相手を油断させろ。
男はバカだから絶対に隙が生まれる。その時に思いっきり相手のチンチンを噛め。蹴っ飛ばしてもいいぞ。
そうすれば男は動けなくなるからその隙に逃げろ。
そんな馬鹿男の腐れチンポより、お前の身の方が大切だからな。
中途半端にやると逆上して殺されるかもしれないからな、思いっきりやって相手の動きを止めろ。そして逃げろ。
俺の考えでは女を暴力でなんとかするような男は人間のクズだ。
爺さんも言っていた言葉だが「男は女性に手を上げてはいけない。なぜならそれは卑怯だからだ。男として生まれた以上、卑怯なことはしてはならぬ」
卑怯な奴は痛い目に会うのも仕方なかろうと俺は思う。
ただしこの作戦は相手が一人の時だけだ。
相手が二人以上いたら、臨機応変に別の作戦を考えろ。
とにかく自分の身は自分で守れ。
自分の行動の全責任を自分で持つ、というのが一人旅のルールだ。
そんな話をした。

犯罪などに巻き込まれないことを願うが、いざという時に心構えがあるかどうかでその後の結果も変わってくる。
いや、それよりも心構えがあることにより、悪い事が近寄ってこないこともあるだろう。
僕も旅をしている時にはいろいろあった。
ぼったくりにもあったし、置き引きもあったし、国境紛争に巻き込まれたり、騙されもした。
事が起こった時に、その場ごとに全力で対処する心構えがあれば怖れるものはない。
これは今の自分にも言い聞かせていることである。
何かあったらどうするの、と言って子供に旅をさせない親は多いと思う。
以前出会った人も16歳の子供が一人で行動したいと言っているのに、どこまでも子供に付いて行っていた。
まだ若いから、女の子だから、物騒だから、心配だから、なんやかんやと理由をつけるが結局は自分が子離れできないだけだ。
そういう親は自分自身を見ない。自分の生き様を見ない。
ひょっとすると自分が間違っていて子供が正しいかも、とは思わない。
常に自己正当化と言い訳の人生を歩むのもその人の責任。
親と子は鏡なので、そういう親の子はいずれそうなるのかもしれない。
幸いなことに最近では僕の周りにそういうバカ親が現れない。ありがたいことだ。

さて娘16歳、今頃は東京のバックパッカーに泊まり、一人旅を謳歌していることだろう。
女房にはマメに連絡をしているようだが、僕のところにはほとんど連絡がない。
『楽しくやってるか?』というメッセージを送ったが返答は『はい』だけだった。
まあ昔の格言で、便りの無いのは良い便り、とも言う。
父親は娘の一挙一動を知らなくてもよい。
娘のことだから新宿、渋谷、原宿など普段味わえない大都会で楽しくやっているだろう。
浅草には行くようだが、浅草園芸ホールには行かないそうだ。






コメント (4)
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