報道？ ワイドショー？

　3日前、イギリス人リンゼイさん殺害の容疑者の身柄が大阪で確保された。その報道を見て思ったことを少し。

　このニュースに接したのは入浴を済ませ、さて晩酌でもと思った頃で、どの局も「夜の顔」と自負する報道番組がすでに始まっていたので、午後10時は過ぎていたと思う。

　この時間帯の報道番組は、筑紫さんが他界されてからちょっとパワーが落ちたと感じていた。いまは元官僚がキャスターを勤める番組を見ることが多いかな。

　この時間帯、件の報道を見て、？？？と思ったのは自分だけではないのではないだろうか。
　それは、容疑者の身柄が拘束されたことはニュースだし、現場に記者が集まるのは分かる。
　しかし、新幹線による移送中、同乗した記者から「いまどこどこを通過しました」とか、「この分だと定刻通り到着予定」といった報告は、わざわざ番組を変更して流すことでもあるまい。

　東京駅に到着後はもっと笑ってしまった。
　わざわざ本事件に関するコメンテーターをメインキャスターの横に座らせ、本件についてのコメントを求めていたわけだが、そのお粗末加減にはもう笑うしかない。
　「容疑者は11号車に乗車しています。16号車から降車させるようですが、いまどのあたりでしょうね」とメインキャスター。この質問に答える方も答える方で、「一般客の降車はすでに済んだようなので、いま○号車あたりではないでしょうか」と真剣な顔でやっている。
　あなたは、車内移動時間計測の専門家？

　ある意味特別番組の様相を呈した訳だが、本事件に関してまともな解説や新事実を伝えた局はひとつもないように見受ける。

　いくら「数字を取るため」には外せない、とはいっても、局が総力をあげて制作している看板番組が聞いてあきれる。
　さすがにＮＨＫはどんと構えていたような気がする。

　さらには、容疑者降車後の現場の様子。あれはもはやある意味、捜査妨害に近い行為ではないだろうか。




　リンゼイさんの冥福を心よりお祈り申し上げます。