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イカットの島 / バリ島に暮す / 風に吹かれながら

バリ島ウブドの小路は手工芸にあふれています。バリヒンドゥーの信仰に息づく暮らしに触れながら手織りの時を楽しみたい。

腰機 ( 輪状式原始機 ) の織り方 整経と織り

2016年02月16日 | 腰機 Back tension loom / in Bali / 2016年
織りの企画 
腰機の腰あてベルト
織り幅 10cm、長さ 75cm

機台のない腰機 ( 無機台腰機 ) Back-strap Loom で
平織りを織る道具です。
整経台


下から
1. 腰あて 
2. チマキ 布送具 ( おりひめ手織機、前巻棒代用 )
3. ヌキ  緯越具 
4. トウジョ 刀杼  
5. 下糸ソウコウ 
6. 中筒 
7. チキリ  経送具 ( おりひめ手織機、後巻棒代用 )


整経
148本 ( 1cm=約12本 )
120cm 

1. 両端の整経台は万力を使って机に取り付けます。
  長さは半分の60cmの間隔です。
  間に3本の整経台を立てます。
  ( 両端の万力で固定する丸棒と台は息子の手作りです。
   間の自立型は手織り工房SOXで購入 )
2. 上糸はグリーン、下糸はイエローの2本どりです。
  左側2本目のコイルからスタートします。
  下糸ソウコウのコイルに下糸イエローをかけ、
  上糸コイルに上糸グリーンをかけ、右側のコイル、
  左側のコイルにかけて、一周です。
  148本の半分の74回を回します。




  2作目の上糸コイルは中筒を通すだけなので、巻き付け
  ないでかけるだけにしてみました。
  移す時に抜けないように注意します。


下糸と上糸の交差が綾になります。


74周しました。




3. 切らずに輪のまま、機に移します。


4. 手前のコイルはそのまま、上糸のコイルは持ち上げて
  中筒を入れます。抜けないように両端を結びます。
5. 足を伸ばして座り、身体に機をセットします。
  上糸と下糸が間違っていないか綾を出して確認します。
  (2作目の写真)


6. 下糸ソウコウを作ります。
  ダルマレース糸40番を使用しました。


下糸コイルはそのままで、下糸を拾っていきます。


全て作り終わってから両端を結びます。


下糸コイルは抜きます。




7. 緯糸の準備をします。
  丸棒に糸を巻き付けたのがヌキですが、
  今回は Dukuh Village で作った板杼を使ってみました。
  緯糸は上糸と同じグリーンです。


8. 平織りを織り始めます。
  上糸から。
  上糸は中筒 ( 長すぎてバランスが悪いので白い筒
  に換えました ) の上を通ります。
  中筒との空間に刀杼を差し込み、立てて、
  右側から板杼を通します。






9.  下糸。
   膝を少し曲げて、経糸の張りを緩め、下糸ソウコウを
   持ち上げます。
   空間に刀杼を差し込み、足と腰で経糸を張り
   打ち込みます。
   刀杼を立てて、板杼を左側から通して、一往復です。






10.  繰り返しの上糸です。
   下糸ソウコウと中筒を添わせて、少し手前に
   引き寄せてから上部に送り綾をとります。
   中筒との空間に刀杼を差し込み、打ち込みます。
   刀杼を立てて、右側から板杼を通します。
   

11.  下糸ソウコウを持ち上げて刀杼を差し込み、
    打ち込み、立てて、板杼を通します。
    これを繰り返します。
    上糸のグリーン、下糸のイエローと
    交互に出てきます。経糸の密度が詰まるので
    緯糸はあまり目立たないようです。


途中、経糸を浮かして色糸を通しました。


織り始めがチキリから出てきました。
輪の半分が足の長さになりますので、織れる
長さが決まってきます。


織り始めと終わりはヘムステッチでかがります。


織り上がりました。



課題
〇 織り始めは経糸の張りが定まらず、経と緯が
  曲がってしまいました。
〇 両端の糸幅が一定にならず、上手く出来ません。
  筬がないので織り幅は糸の幅に詰まって
  きます。伸子は使いませんでした。
  定規に巻き、1cmに約12本でしたので120本の整経が
  段々と織り幅が小さくなり10cmの予定が7cm前後
  となりました。


〇 織り進めるうちに手前コイルが離れてしまい、
  織れる長さが短くなりました。
  右端のスタートの糸は手前コイルに掛からないので
  中筒にかけています。


  その後、右端の経糸を繋いで織り進めました。


〇 麻糸を使いましたが、下糸ソウコウと下糸の接点がこすれ
  毛玉が出来、前後に動きづらくなりました。



参考
〇 腰機によるブータンの織りの講習と腰機、整経台は
  工房で購入しました。通信での販売もしています。
  手織工房SOX
  工藤 いづみ先生
  180-0003
  東京都武蔵野市吉祥寺南町1-27-6
  メゾンコモラント103号
  Tel / 080-2093-6496
  HP http://www.teorikoubousox.biz

〇 縦横無尽 
  タテとヨコ 色のかたちのフィールドワーク
  腰機 1 ,2
  吉本 忍

〇 輪状式原始機の研究
  東村 純子





腰機 ( 輪状式原始機 ) で織る

2016年02月11日 | 腰機 Back tension loom / in Bali / 2016年
久しぶりの織りです。
ブータンの織りで習った腰機に再度、挑戦します。
整経を思い出せるか心配で、イロイロと調べてみました。
ソンケットを織る機には筬があり、筬をつける整経が
出来ないのかどうかなどです。
調べると、アイヌの機には筬があり、弥生時代に
伝わった機には筬がありません。直状式と輪状式の
二つがあると分かりました。
ブータンの整経は擬似輪状整経だそうですが難しいので、
輪状式で習いました。
違いを簡単な図にしました。


中国南部から東南アジアにかけては
現在でも輪状式腰機が使われているそうです。

試し織りの簡単な記録です。

腰機の輪状式整経の手順 ( 平織り )
長さ120cm、 織幅10cm、 約50回の100本
1. 5本の棒を立てます。両端の長さは半分の60cmの
間隔です。
2. 手前のコイルから上 糸 ( インディゴ ) 、
下糸 ( インディゴ ) の2本どりで
スタートします。
3. 50回、回します。
4. そのまま、機にセットします。
5. 手前のコイルはそのまま、上糸のコイルを
持ち上げて中筒を入れます。
抜けないように筒の中にひもを通して、
結びます。下糸のコイルから下糸ソウコウを作ります。
6. 緯糸の準備をします。
7. 織り始めます。上糸から。
上糸は中筒の上を通ります。中筒の空間に
刀杼を入れ、立てて、右から緯糸を通します。
8. 下糸は下糸ソウコウを上げます。
刀杼を入れ、打ち込みます。立てて、緯糸を
左から 通します。一往復が終わりました。
9. 繰り返します。
中筒との空間に刀杼を入れて、打ち込みます。
刀杼を立てて、右から緯糸を通します。

試し織りの途中です。
万力を止める場所が階段しかなく、ここで座って
織っています。




7cm×55cmの仕上がり



シドゥメン村へ行った時に糸屋さんに寄りました。
ソンケット織りの機の道具も売っています。
竹の筬を買ってきました。RP.100,000 ( 約1000円 )
直状式の腰機で使ってみるつもりです。






緯糸を通す道具トゥンダ Tundak ( RP.20,000 ) も
買いました。
糸を巻いた丸棒を差し込んで使います。





織りを始めたきっかけとなりました
作品展が今年も開かれます。
よろしかったら、お出かけください。
私は写真での参加となります。

第9回 手織り仲間の手織り展
平成28年2月22日(月)~24日(水)
府中グリーンプラザ 分館 ギャラリー
府中市寿町1-1
Tel / 042-340-0211
京王線府中駅ケヤキ並木方面出口 徒歩2分

ブータンの織りを習う

2014年09月03日 | 腰機 Back tension loom / in Bali / 2016年
     写真   ブータンの織り
          (両側と真ん中の3本が経浮織、あいだの2本が片面縫取織り 同時に織り進められていることが驚きです)


去年、おりひめ工房の友人に誘われてブータンの織りを紹介する集まりに参加しました。
それ以来、会報がメールで送られてきます。
手織工房SOX でブータン織りのワークショップのお知らせがあり、行ってきました。
1日目は片面縫取織りで、2・3日目は経浮織です。どちらも腰機です。
自信はありませんが忘れないように書きとめてみました。

「片面縫取織り」 サンマ (ティマはチェーンステッチのように見えます)

片面縫取織りのサンマは緯糸が浮きでて、サテンステッチ刺繍のように見え、裏側に模様はでません。
腰機の仕組みはソンケットと少し違い、両端に丸棒を通し輪で織ります。筬は無く中筒を差し込みます。
中筒の上を通る糸が上糸で中筒の高さの開口をそのまま使い、中筒の下を通る下糸だけを糸綜絖します。
2本づつ交互に上・下糸をとり、開口に刀杼を差し込み、地糸を通します。
開口したままモチーフを浮かし、色糸を通します。上・下糸の平織りを繰り返します。
ソンケットは平織りを閉口して色糸を通し、見えている面は裏になるので違いがあります。
 


「経浮織」

平織りの上・下糸の他に、浮いて模様となる経糸を同時に整経します。
整経後、腰機にセットして模様となる2パターンと平織りの下糸の糸綜絖をつくります。
模様の糸綜絖を交互に上げてモチーフの糸をすくい平織りをします。

表地の模様の反対柄が裏地に出ます。
  

左の白い中筒(平織りの上糸が上を通る)。後ろは浮織模様の中筒(平織りの上糸と浮織模様糸が上を通る)
 
浮織模様の中筒を手前にして平織りすると浮織模様がでます
 

伸子は竹の先を尖らせています。腰のテンションで引っ張っているので、織り幅がよってきます。頻繁に伸子の位置を替えています。
 


模様を織ります

左側 模様A(2本どりで5本の浮糸が出ます)の糸綜絖を上にあげ開口、細刀杼を差し込みます。横から見たところ。 
右側 模様B(2本どりで4本の浮糸が出ます)の糸綜絖を上にあげ開口、細刀杼を差し込みます。
      

「模様A」 模様A・糸綜絖を上げた開口に刀杼を差し込み、はたきます。
 

刀杼を立てて、地糸の子管を通します。
 

中筒に沿わせます。手前に綾が出ます。綾は指ではじくとなくなります。
  

模様Aの細刀杼を上部に動かします。模様A・中筒の開口に刀杼を差し込み、はたきます。
    
 
刀杼を立てて、地糸の子管を通します。平織り1往復です。
 
 



左側  「模様Bの一部」 模様Bの糸綜絖を上げ開口に細刀杼を差し込みます。2本どりで4本の浮経糸が出ます。
     差し込んだ細刀杼を手前に近づけて、絵図どうりに浮経糸をすくいます。
右側  模様A/模様B の交差から絵図どおりに浮経糸をすくいます。
    

すくった棒を平織りの糸綜絖の近くに沿わして一緒に開口します。
 

刀杼で強くはたきます。刀杼を起こして地糸を通します。
 

中筒を開口してすくった棒を近づけて一緒に開口します。
 

刀杼で強くはたきます。
 

刀杼を起こして地糸を通します。平織り1往復です。
 


3日間のワークショップでした。腰機を以前から学びたいと思い実現しました。
整経から機にかけ、腰のテンションで織り進めます。楽しい作業でした。
織りあげるよう3週間ほど腰機を貸し出していただけます。続きは家で織りました。


織り始めは左側によってしまいました。腰での引っ張りが均一ではなく左に傾いていました。
 

連続して模様を織りました。伸子を始めて使いました。両端が波うち、上手く出来ませんでした。
 


ブータンの織り(片面縫取織・両面縫取織・経浮織)に触れることが出来る数少ない、工房だと思います。
夏期講習ではボリビア模様を織るコースもあり、イカットも学べます。

手織工房SOX
 工藤 いづみ先生
 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-2-6
 メゾンコモラント103
  080-2093-6496
 詳細はホームページをご覧ください。



ブータン専門のガイドさん (ブータンへのオリジナル旅を企画)
ヤクランド  久保 淳子さん
 予告  ブータン プナカの春祭り 染織の旅
      8日間   2015.2.23~3.2 
      旅行代金 38万円前後
 詳細はホームページをご覧ください。