平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

私の先輩の死

2006年02月28日 | Weblog
白光真宏会の大先輩の佐久間筆八さんが2月26日に享年98歳で逝去しました。

お通夜 3月1日午後6時より
告別式 3月2日午前10時~11時
場所  月光城(新館)
    江戸川区西小岩1-7-8 JR総武線小岩駅北口より徒歩8分

佐久間さんは五井先生の長年の直弟子でした。佐久間さんには色々なエピソードがありますが、私がいちばんすごいと思うのは、昭和55年8月17日の佐久間さんの態度です。

この日は日曜日で、市川市の聖ヶ丘道場の統一会でしたが、この日の朝、五井先生がお亡くなりになりました。突然そのことを発表すると、集まった会員さんの動揺が大きすぎるだろう、ということで、統一会が終わり、皆さんが道場からお帰りになったあとから、電話で連絡が回りました。

私は北海道にいて、この日の行事には出ていませんでしたが、行事に出た方から様子を聞くと、その日は、「五井先生と昌美先生は修庵でお祈りしています」というアナウンスがあり、佐久間さんが講話をなさったそうです。いつものように飄々としたお話で、皆さん、何の異変も感じなかったということです。ちなみに、瀬木理事長(当時)は明らかにいつもと様子が違っていたそうです。

五井先生はいつも、肉体は霊の器にすぎないのであって、人間は肉体が死んでも霊として永遠の生命を生きつづけるのだ、と教えていました。私たちは教えとしてはそのことはよく理解していましたが、実際に身近の人が亡くなれば、やはり悲哀の想いにとらわれることもありました。ましてや、心から敬愛していた五井先生が突然お亡くなりになったのですから、みなさんのショックは大きかったのです。

しかし、佐久間さんは、肉体の五井先生にとらわれる想いをすでにはるかに超越していたのでしょう。普段と少しも変わりがなかったそうです。

その佐久間さんも、90歳を過ぎて、足が不自由になってきました。そして、昨年末あたりからだんだん食事がとれなくなってきたそうです。

お見舞いに行った友人のIさんが、「佐久間さん、いつまで生きるつもりだい」と尋ねたところ、「200歳まで」というユーモラスな返事。そこでIさんは、「もう早くあっちに行きなよ」と言ったとのこと。佐久間さんもIさんも、もうすっかり肉体の生死を超え、自他の死に恐怖も悲哀もなしに、笑いをもって向き合っているのです。佐久間さんは、死は悲しみではない、ということを身をもって示してくれました。私もこういう素晴らしい先輩たちに見習いたいと思います。

天皇陛下の作文

2006年02月27日 | Weblog
ご記憶の方もいるかもしれませんが、今上陛下の学習院初等科時代の作文が発見されました。2005年12月の報道です。

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 天皇陛下が皇太子時代に学んだ学習院初等科の教師が残した資料が見つかり、山梨県甲州市の笛吹川芸術文庫(2007年開館予定)が5日、報道関係者に公開した。
 陛下のものとみられる作文の写しなどが含まれ、学習院大の斉藤利彦教授(教育学)は「天皇陛下の少年時代の心の動きが分かる大変貴重な資料」としている。
 1926-66年に初等科で教えた故鈴木弘一教授が残した資料で、段ボール箱4個分。同文庫の代表取締役で、東京の古書店主幡野武夫さん(61)が96年に古書市で入手、整理した。
 天皇陛下は40年4月から46年3月まで初等科で学び、43年から鈴木さんが国語や歴史を受け持った。資料約16点は、43年4月から翌年1月に陛下が書いた作文の写しとみられ、留意点など指導内容も書き込まれていた。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051205-00000188-kyodo-soci

朝日新聞には次のような記事が出たそうです。

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【「乃木大将」という題の作文では、「私は乃木(希典・学習院)院長のおほめになるやうなりつぱな人にならうと思ひます」とあった。44年正月の様子を描いた「新年」は、正月料理をいただいてゲームを楽しんだことが記され、「のどかなありがたい正月を迎へることので来(き)るのは戦地の兵隊さんが命をすてて働いて下さつてゐるからです」と結ばれている】(朝日)
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http://www.janjan.jp/media/0512/0512045929/1.php

ちょっと考えてみると、ずいぶんおかしな話です。そもそも生徒の作文のような個人情報が古書店に流出することが問題ではないでしょうか。そういう資料を発見した関係者は、陛下ご自身か学習院に返還するのが筋でしょう。

「同文庫の代表取締役で、東京の古書店主幡野武夫さん(61)が96年に古書市で入手、整理した」とありますが、どうやらそこにはお金での売買がからんでいたと推測できます。

たとえば、もし私が学校の先生で、たまたま教え子の中に有名になる人物が出て、手元に保管していたその生徒の作文や答案をマスコミに売ったら、これは教師として許されない行為ということになります。それと同じような話ではありませんか。

Jさんが2月8日の「皇室の慶事と皇室典範」につけてくださったコメントにも関連しますが、陛下が公的立場の存在であるとはいえ、国民への公表を前提としないで書かれた子供のころの作文を、陛下が生存しているころから公開することも、問題ではないでしょうか。もしどうしても公表したいというのであれば、陛下ご自身の承諾を得てからにするべきでしょう。

こういうことをどこのブログも指摘していないようなので、ここに書いておきます。






(4)プルサーマル

2006年02月25日 | エネルギー問題
六ヶ所村(4)

プルサーマルについて、原子力安全白書は、次のように説明しています。

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 軽水炉におけるプルトニウム利用(プルサーマル)に係る安全技術については、原子炉内の全燃料に対するMOX燃料の割合が1/3程度までは、既に述べたように、これまでのウラン燃料に係る安全技術をベースとして科学的、技術的知見が蓄積されてきており、その技術的基盤は十分に整っていると考えられます。また、改良型沸騰水型原子炉では、全燃料をMOX燃料とした場合にも、現在の安全設計・評価手法を使って原子炉における安全を確保することができるという検討結果が得られています。
 プルトニウムを軽水炉内で利用することは新しいことではなく、現在稼働中の軽水炉で得られるエネルギーのおよそ3分の1は、実は、プルトニウムからのものです。ウラン燃料が原子炉の中で核分裂を起こしエネルギーを生産するとともに、その一部がプルトニウムに変換され、変換されたプルトニウムがまた核分裂を起こしてエネルギーを生産しているからです。プルトニウムを初めから軽水炉の燃料として使うものがプルサーマルですが、プルサーマルと現在のウラン燃料利用との違いは、従って、最初からプルトニウムを燃料の中に入れてあることと、プルサーマルの方がプルトニウムの混合割合が高いことです。
 このプルサーマル技術には長年にわたる国際的な経験があります。そのような経験にも示されていますが、プルトニウムとウランの原子炉燃料としての特性に違いはあるものの、決定的な違いではありません。
 しかしながら、実際の設計に当たっては、燃料中心温度や制御棒の原子炉停止余裕等について、計算値の不確かさを見込みつつ安全余裕をとることが必要になります。具体的には、設計値・運転制限値・管理値の設定が規制値を満足する上で十分な余裕があることや、海外での実績や実験結果を活用するなどにより、設計における計算方法の信頼性等を事前に確認することが必要です。また、より一層の安全確保のため、引き続きMOX燃料の利用についてデータ収集を図ることが有効と考えています。
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http://www.nsc.go.jp/hakusyo/hakusyo13/15.htm

「このプルサーマル技術には長年にわたる国際的な経験があります」とあるように、ヨーロッパでは1960年代からすでにプルサーマルが行なわれています。プルサーマルを行なっている原子炉が重大な事故を起こしたという話は聞いていません。プルサーマルは高速増殖炉ほどの技術的困難さはないと考えられます。

しかし、日本では、プルサーマルに対する反対が根強い状況です。そもそも原発そのものに対する不安がある中で、MOXという今までとは異なった燃料が使われるのですから、その不安がよけいに高まるのは自然です。日本の原発ではたびたびトラブルが起こる上に、その情報公開が不十分です。不十分というよりも、情報隠しさえ行なわれたことがあります。これでは、地元住民がプルサーマルを受けいれがたいのも当然だと思われます。


おめでとう、荒川選手

2006年02月24日 | Weblog
荒川選手の素晴らしい演技は、まさに「無心」がもたらしたものだと思いました。ほかの優勝候補の選手たちがプレッシャーの中で次々と失敗する中、荒川選手は何も考えずに演技そのものに集中している感じがしました。

練習に練習を積み重ねてきた努力――それはほかの選手たちも同じです。しかし、最後の違いを生むのは、心という目に見えない働きなのでしょう。

(3)熱中性子と高速中性子

2006年02月24日 | エネルギー問題
六ヶ所村(3)

プルサーマル(plutonium thermal use)というのは、和製英語なのだそうです。

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熱中性子(thermal neutron)によりプルトニウムを燃焼させることを指す。もんじゅのような高速増殖炉では高速中性子によってプルトニウムが燃焼させられるが、軽水炉では熱中性子によって反応することから、このような名称が作られた(和製英語)。
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Wikipediaより

※インターネットを検索してみると、海外のサイトでも「plutonium thermal use」という語が見出されます。

プルトニウムを核分裂させるためには中性子がぶつからなければなりませんが、中性子は、その速度によって熱中性子と高速中性子に分けられるのだそうです。

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 核分裂によって発生した中性子は高いエネルギーを持ち平均秒速2万キロメートルで走る。これを高速中性子と呼ぶ。軽水炉などでは水などの減速材でこの高速中性子を平均秒速2.2キロメートルくらいまで減速させU-235の核分裂を起こしやすくする。速度を遅くした中性子を熱中性子と呼び、この熱中性子により核分裂連鎖反応を起こさせる原子炉を熱中性子炉という。現在、実用化されている原子炉(発電炉)はほとんど熱中性子炉である。
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原子力百科事典より
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/dic_0642_01.html

これに対して、高速中性子を利用した原子炉が高速増殖炉です。

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高速増殖炉(こうそくぞうしょくろ Fast Breeder Reactor:FBR)とは、核分裂で発生した中性子を減速せずに次の分裂に入る方式を言う。 通常の原子炉における燃料転換率は1未満であるが、高速増殖炉においては、燃料転換率(燃料増殖率)1.4を実現している。

使用前のMOX燃料には、燃料となるプルトニウム239と微量ウラン235、および核分裂を起こさないウラン238とが含まれている。高速増殖炉は、このうちのウラン238をプルトニウム239に転換するのに適した原子炉で、プルトニウムの燃焼による発電をしながらにして、燃料を使用前以上に増やすことが出来るという画期的な原子炉である。

核分裂反応に必要な中性子は、熱中性子というエネルギーの低い中性子で、通常の原子炉では減速材を用いて高速中性子のエネルギーを落として熱中性子に変える。一方プルトニウム239に転換するのに必要なのは高速中性子である。ゆえに、高速増殖炉では減速材を用いずに、高速中性子を増やすことでプルトニウム239への燃料転換率を高めている。
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Wikipediaより

核燃料には、核分裂を起こさないウラン238が含まれていますが、高速増殖炉では、高速中性子がウラン238を高い比率でプルトニウムに変換するので、消費したプルトニウムよりももっと多くのプルトニウムを作る(増殖させる)ことになります。

しかし、高速増殖炉には大きな技術的困難さがあります。

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しかし、冷却材である金属ナトリウムの管理に高い技術が必要であること、通常の原子炉よりも費用がかかる事、現在開発中の炉の多くが何らかの事故を起こしていることなど、経済性や安全面から開発を断念する国が後を絶たない。日本でも、高速増殖炉原型炉もんじゅでナトリウム漏洩があって以来、高速増殖炉開発および、プルサーマル計画は中断されたままである。 また、ウラン燃料は、ウラン235の半減期が約7億年と長く、通常状態において殆ど放射線を出さない一方、プルトニウムを含む燃料は、プルトニウム239の半減期が約2万4千年とウラン235と比較して非常に短いことから放射能が極めて強いこと、あるいはプルトニウムの海上輸送そのものに対する反発の声が高まっているため、高速増殖炉の開発は一層困難な状況である。
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Wikipediaより

高速増殖炉の開発を目指していた原子力大国のフランスでさえ、高速増殖炉を断念しています。日本でも高速増殖炉「もんじゅ」はトラブル続きでした。そこで、高速増殖炉の代わりにプルサーマルが計画されているわけです。

(2)ウランとプルトニウム

2006年02月23日 | エネルギー問題
六ヶ所村(2)

E=mc2というアインシュタインの相対性理論が示しているように、質量とエネルギーは相互転換可能です。原子核が分裂する際に、質量の一部がエネルギーに転化します。原子力発電は、ウランやプルトニウムの核分裂を利用します。

ウランには、ウラン235とウラン238という2種類の同位体があります。このうち、核分裂を起こすのは、ウラン235です。しかし、自然界にはウラン235は0.7%しか存在せず、残りの99.3%は核分裂を起こさないウラン238です。

「軽水型」と呼ばれる原子炉では、ウラン235が多く含まれる「濃縮ウラン」が燃料として使用されます。これは、ウラン235の比率を3~4%まで高めたものです。濃縮作業の過程で、ウラン235の比率が自然界の0.7%より低いウラン部分が副産物として発生しますが、これを「劣化ウラン」といいます。砲弾に用いると貫通力が強いので、対戦車砲弾などに使われます。湾岸戦争や最近のイラク戦争では劣化ウラン弾が大量に使われました。

ウラン235が核分裂する際に中性子が放出され、その中性子がウラン235に当たると、そのウラン235も核分裂を起こし、中性子を発生します。次々と起こる核分裂を連鎖反応といいます。それが一気に進むと原爆ですが、中性子をコントロールして徐々に核分裂を起こさせるのが原子炉です。

原爆の場合は、ウラン235の純度を100%近くに高めてあります。原爆と原子力発電では、ウラン235の純度がまったく違います。

核分裂を起こさないウラン238に中性子が当たると、何段階かの変化をへて、プルトニウムという物質ができますが、これは核分裂を起こします。これも原爆や原子力発電の原料になります。

自然界にはウラン235は少なく、ウラン238のほうが圧倒的に多いので、ウラン235だけを使っていては、ウラン資源がすぐに枯渇します。そこで、ウラン238から生まれたプルトニウムも原子力発電に利用することが考えられました。ちなみに、現在、世界に存在する核兵器の大部分は、プルトニウムが利用されています。

再処理の目的は、いったん使用した核燃料の中から、燃え残りのプルトニウムを抽出し、それを核燃料として再利用することです。プルトニウムを核燃料として利用するためには、現在の技術では、それをウラン235に混ぜてMOXという材料にし、それを「燃やし」ます。これを「プルサーマル」といいます。


六ヶ所村(1)

2006年02月21日 | エネルギー問題
気象異変の原因は、二酸化炭素=CO2の増加による地球温暖化だと言われています。京都議定書(1997年)は、温室効果ガスの排出量を先進国全体で、1990年を基準にして、2012年までに5%削減することを目指しています。

※京都議定書については2005年2月18日、9月8日にも書いています。

CO2は、石油、ガス、石炭などの化石燃料を燃焼させるところから生じます。化石燃料の使用をやめ、別のエネルギー源を開発すれば、CO2を減らすことができます。そのために、風力、地熱、太陽光、バイオマスなどの新エネルギーの開発が進められていますが、いずれもまだ石油やガスに代わるほどのエネルギー源にはなりえていません。

現在、日本をはじめ世界の工業国で、石油に次ぐエネルギー源になっているのが、原子力です。日本では、総発電量の約30%が原子力発電です。フランスでは総電力における原子力発電の比率は75%にのぼります。原子力発電がなくなったら、先進国の電気に依存した便利な生活は成り立たなくなります。

もし原子力をすべてやめて、その分を化石燃料で代替すれば、膨大な量のCO2が発生します。むしろ、できるだけ原子力発電を増やし、化石燃料の使用を抑制したほうが、その分だけCO2を減らすことができ、地球環境にとってプラスだ、と考える人もいます。ガイア仮説の提唱者で、環境保護運動に熱心なジェームズ・ラブロック博士などもその一人です。

ただし原発には、放射性廃棄物、いわゆる核のゴミが発生します。現在のところ、これを安全に処理する方法はありません。せいぜい地中深くに貯蔵することができるだけです。原発を稼働させれば、どんどん核のゴミが増えていきます。環境循環型ではない原子力は、決して望ましいエネルギー形態ではありません。

また、チェルノブイリのような重大な事故が起こると、大規模な環境汚染が引き起こされる危険性もあります。とくに、地震多発国である日本では、大地震の際に原発が破壊され、放射能が環境に放出される恐れがあります。とくに心配されているのが、東海地震の直撃を受けるかもしれない御前崎市にある中部電力の浜岡原発です。浜岡原発は老朽化が進み、またコンクリートの強度にも問題があると言われています。もし放射能が漏れると、偏西風に乗って首都圏にまで到達すると予測されています。

※浜岡原発の危険性について http://www.stop-hamaoka.com/
※最近、中部電力は浜岡原発1号、2号機の停止を3年間延長することを発表しました。
http://www.chuden.co.jp/corpo/publicity/press2006/0127_2.html

ドイツは、環境重視の「緑の党」が連立政権に参加し、これまで脱原発を進めていましたが、最近は、やはり原発なしではエネルギーが不足するということで、脱原発政策を見直しはじめているようです。

原発から出た核のゴミを再処理すれば、そこからプルトニウムを取り出すことができます。プルトニウムはウランと同じ核分裂物質なので、これを原発に利用することが可能です。広島に落とされた原爆はウラン型爆弾であり、長崎に落とされた原爆はプルトニウム型爆弾でした。プルトニウムを原子炉の中で「燃やす」ことができれば、その分だけウランの使用を減らすことができます。

この再処理を日本は今までイギリスとフランスに委託していましたが、それを国内でも行なうために作られたのが、青森県六ヶ所村の再処理施設です。




地球シミュレーター

2006年02月20日 | Weblog
今、NHKテレビで、日本のスーパーコンピュータ「地球シミュレーター」による、近未来の気象予測に関する番組をやっています。北極圏での海氷の減少とか、南米でのハリケーンの発生とか、アマゾン流域の乾燥化とか、地球シミュレーターの予測を裏づける事象が次々と起こることには驚かされます。地球の気象がまさに大異変を迎えていることがよくわかります。このまま地球シミュレーターの予測どおりの地球になったらどうなるのか、正直言って、暗澹たる気持ちになります。

世界の政治指導者は、この番組を見て、真剣に地球環境問題に取り組んでほしいものですが、アメリカのブッシュ大統領をはじめとして、権力の座にある大部分の政治家は、環境問題よりも、石油をじゃぶじゃぶ使って景気をよくすることしか考えていないようです。環境問題に真剣に取り組んでいる人々は、政治の壁に阻まれて、自分たちのビジョンを実現できないでいます。

このまま地球は、人類の無為無策のために破滅の淵に流されていくのでしょうか。

私利私欲、党利党略、国利国益よりも、人類全体の利益、地球の保護を優先させる人々が、世界各国で指導的立場に立たなければ、世界は救われません。今のままの政治・経済のシステムを続けていてはいけない、という意識が広範に生まれ、21世紀にふさわしい人物が政治の表舞台に立つようにならなければなりません。

そのために私たちができるのは、日々、世界の事象を直視し、それを世界平和の祈りにふりかえることしかありません。祈りが人類の集合意識に浸透し、いつか大きな意識の変容が起こることを待ちましょう。心の世界の目に見えない陰の働きが、ある日、ベルリンの壁が開くような巨大な変動を、現象の世界に引き起こすことになるのです。

テレビ朝日の報道操作

2006年02月18日 | Weblog
評論家の立花隆氏は、いま日本に起こっている問題を「BLT」としてまとめています。
http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/060211_blt/

B BSE(狂牛病)問題と防衛庁の談合汚職問題
L ライブドア事件
T 天皇(皇室)問題と耐震偽装問題

立花氏は時々トンチンカンなことを言う人ですが、こういうコピーの作り方はうまいですね。

ライブドア事件は、いよいよ政界との関係が浮かび上がってきました。民主党の永田寿康議員が発表した堀江氏の「送金メール」です。

これについては、小泉首相は「ガセネタ」だと切り捨てました。もちろん、このメールが贋もので、永田氏が騙されたという可能性も捨てきれません。しかし、ホリエモンと武部幹事長の次男との親しい関係は、以前からうわさされていましたから、ホリエモンがこういうメールを送ったとしても、全然不思議ではありません。

民主党は今のところ、送信者や受信者の項目を黒塗りしたメールしか公表していません。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060218-00000001-san-pol

民主党が情報提供者の名前を隠しているのは、

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問題のメールについて、「受信記録は8月26日15時21分35秒」と説明。「(ライブドア)関係者から、ある記者を通じて入手した」と語り、「協力者については『自分は野口さんの二の舞になる』と怖がっており、詳しく言えない」と語り、情報提供者がエイチ・エス証券の野口英昭副社長の沖縄怪死を気にしていることを明らかにした。
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http://www.zakzak.co.jp/top/2006_02/t2006021624.html

からだそうです。関係者は、野口さんの死は自殺ではないと感じているようです。

「8月26日15時21分35秒」が、また謎を生みます。この日のこの時間帯は、ホリエモンは広島6区の街頭で選挙運動をしたので、メールなど打てない、という反論が出されています。

ホリエモンの選挙運動は大きく取り上げられましたから、その時の様子を写したビデオがあります。テレビ朝日の「報道ステーション」がそれを流したそうですが、どういうわけか「8月26日15時21分35秒」の前後数分だけ、映像がないのだそうです。不思議ですね。

ところが、ある視聴者は、もとの放送をおぼえていて、そのときホリエモンは携帯電話を操作していたというのです。つまり、メールを打っていたわけです。テレビ朝日は意図的にその場面を隠して、「送金メール」を「ガセネタ」するために、情報操作をした可能性があります。

「じねん」
http://csx.jp/~gabana/Zaakan/hibi0602/hibi-niisi-060217.htm

テレビ朝日はまた、野口さんの家族が、野口英昭さんの死を自殺であると納得したかのように思わせる番組を流しています。「世に倦む日日」がこう指摘しています。

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空港四人の合流情報について沖縄県警がどういう始末をするのか注目していたが、今回、途方もない方法で瞞着の一手を打ってきた。ブログ読者はすでに経緯をご承知のとおりだが、遺族一同を沖縄に呼び寄せて、県警本部の一室で何も映っていない監視カメラ映像を見せて、その「事実」を妻の口からテレビで証言させるという挙に出たのである。実に周到で狡知で、かつ大胆で図々しく驚愕絶句と言うほかない。この事件を何があっても「自殺」で固めて世論を捻じ伏せようとする警察のデモーニッシュな権力意志に、ただ呆然とさせられて身が竦む。しかもその報道をしているのが、二週間前に沖縄県警から「空港四人」のスクープ情報をもらって報道ステーションのトップニュースで流したテレビ朝日なのである。警察とテレビの国民を愚弄する欺瞞芝居も、ここまで来ると狂気と倒錯の極致だ。日本じゃない。フィリピンや中国以下だ。北朝鮮と同じである。
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http://critic2.exblog.jp/d2006-02-16

「世に倦む日日」は、野口さんの家族になぜ適切なアドバイスをしなかったのか、と「きっこのブログ(日記)」の責任も追及しています。
http://critic2.exblog.jp/2778728#2778728_1

これに対し、2月17日の「きっこの日記」は、野口さんの奥さんがテレビ朝日に対して、自殺という説明には納得していないことを何度も言ったのに、その場面はすべてカットされて、あたかも自殺に納得したような映像にされてしまったことを、奥さんのメールを紹介して述べています。
http://www3.diary.ne.jp/user/338790/

都合のいいように情報を加工し、操作するマスコミの手口がよくわかります。テレビ朝日も、何としてもこのライブドア事件をうやむやに終わらせたいようです。

こういう露骨な虚偽報道に手を貸しているジャーナリストやテレビマンは、さぞかし心が痛んでいるでしょう。彼らの本心が一日も早く目覚めるように祈るものです。


一介の小説家、一介の株屋

2006年02月16日 | 三島由紀夫について
今、もと白光真宏会職員のSさんの『ある日の五井先生』という原稿を本にするお手伝いをさせてもらっています。これは、五井先生の身近で過ごした方しか体験することができなかった、数多くの珠玉のエピソードが集められています。今年中には出版されるでしょう。どうぞお楽しみに。

その中で、五井先生が三島由紀夫の割腹事件について触れた話があります。この事件については私も詳しく書きましたので、まだお読みでない方はお読み下さい。

私は五井先生の聖ヶ丘の講話しか聞かなかったのですが、Sさんは職員室でも五井先生からそのお話をうかがっているようです。そこでは五井先生は、

「あれは他殺だよ。背後から抱きかかえられるようにして切腹させられたんだよ。だいいち一介の小説家が切腹なんて出来るわけないよ」

とおっしゃったそうです。

「一介の小説家」という表現が面白かったです。

話は変わりますが、ライブドア事件関連で「自殺」したと言われているエイチ・エス証券の野口英昭さんですが、「きっこの日記」をお読みの方は、これがとうてい自殺ではありえないことを感じていらっしゃると思います。

あと、ブログ「世に倦む日々」もこの問題を詳しく扱っています。
http://critic2.exblog.jp/

警察発表では、野口さんの死因は、腹部の傷だそうです。ということは、野口さんは包丁で割腹自殺したということになります。

切腹というのは、自殺法として非常に下手な死に方です。切腹だけではなかなか死にきれないので、武士は「介錯」を受けたのです。腹を切るというのは、いわば形の上の作法なのです。憑依された三島でさえ、介錯を受けています。そういうことを考えると、「一介の株屋」に「切腹なんか出来る」ものだろうか、という疑問が浮かびます。

沖縄の警察には、この事件をどうしても「自殺」にしなければならない、何かの理由があるのでしょう。その闇が白日のもとにさらされてはじめて、野口さんの死は無駄死にでなかった、ということになります。


祈りの国旗

2006年02月15日 | Weblog
国旗の話題の続きです。

私の家内は、国旗作りのボランティア活動をしています。

今から10年ほど前になるでしょうか、Hさんという方が中心になり、世界各国の国旗を製作しはじめました。世界190数カ国の国旗を、毎週2回、十数名の方で、1年かけて手作りで作るのです。出来上がった国旗セットは、世界各国の平和団体に寄贈されます。

私の家内は昨年からこのグループに参加させてもらっています。彼女は、週1回だけの参加です。

この国旗製作は、祈りに始まって祈りに終わるといいます。製作を始める前に、世界190数カ国すべての国の平和を、「アフガニスタンが平和でありますように」というように、ともに声を出して祈ります。それから国旗の製作が始まります。製作も祈り心で行なわれます。製作の最中に雑念が入ると、どこかで失敗し、その国旗はやり直しになるといいます。

国旗の中には、弓矢や大砲など、武器が描かれているものもあります。それは表面的には戦争や闘争のシンボルです。しかし、その国旗を作っていると、その奥に、その国の歴史や、独立までの苦しみや、国民の誇りや、そして何よりも平和と繁栄を願う気持ちが感じられて、心が熱くなるといいます。

こうして作られた国旗には、1枚1枚、祈りがこもっています。

すべての国旗が出来上がったとき、その達成感は何物にもかえがたいといいます。そして、すべての国旗がなんと美しいのだろう、と思うそうです。

こういう国旗が世界各地に寄贈され、その国の平和行事に使われているのです。


トリノにひるがえる国旗

2006年02月14日 | Weblog
イタリアのトリノで冬期オリンピックが始まりました。

オリンピックで素晴らしいと思うのは、開会式です。開催国の趣向を凝らした演出はいつも楽しみにしています。

ヘルメットから火を吐きながら滑るスケーターも、人文字ジャンプも、「イマジン」も、パバロッティの独唱も素晴らしかったですが、その中でも私が感動したのは、国旗を先頭に行なわれる各国選手団の入場です。

入場行進自体は、毎回、似たようなもので、とくに変わった演出があるわけではありません。とくに面白いものではありません。しかし、数百人の大選手団の国も、数人の国も、自国の国旗を誇らしげに掲げ、そこにはいかなる差別もなく、各国の間にはいかなる対立もなく、全体として大調和します。多にして一です。そこには、未来の世界平和の姿が先取りされているような感がします。

国旗は自国中心主義の象徴だから、そんなものはなくしてしまえ、と言う人がいます。

たしかに、国旗の扱いをめぐって国際紛争が起こったこともあります。しかし、地上に国という制度が存在しているかぎり、国旗はなくならないでしょう。国旗があるならば、それを集めて、世界の大調和のシンボルとして活用すればよいわけです。

どんな人にも自分の家族を愛し、仲間を愛し、郷土を愛す気持ちはあります。甲子園の高校野球になると、やはり地元の高校を応援したくなります。そういう仲間びいきの気持ちが拡大されたものが愛国心なのだと思います。ですから、オリンピックやサッカーのワールドカップなどになると、どこの国の人も自国を応援します。日本人が日本を応援するのは当たり前です。

愛国心と愛国心のぶつかり合いが戦争にまで発展してはたいへんですが、スポーツ競技で発散されるのはけっこうなことです。

それにしても、今年の冬期オリンピックは、日本勢はあまり元気がないですね。せめて1本くらい、日の丸が揚がるのを見たいものですが、日本人はオリンピックなどにうつつを抜かしている時ではない、ということなのかもしれません。


(21)一人一人の選択によって

2006年02月11日 | 食の安全
狂牛病(BSE)と狂鹿病(CWD) (21)

ニュースのリンクだけにしておきますが、アメリカでは今でも、BSE感染の疑いがある「へたり牛」が食肉化されています。

<BSE>へたり牛20頭が食肉処理 米農務省対策監査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060209-00000003-mai-bus_all

これだって、ほんの一部にすぎません。

BSE問題の根本にあるのは、強欲な人類の異常な家畜飼育方法です。そして、この問題は牛肉だけにとどまらず、はてしなく広がっています。

米国産牛肉は、輸入再開されても買わなければいいだけですが、加工食品でははたしてどんな肉が使われているのかわかりません。メキシコ産と言われている牛肉は、どこへ流れているのでしょう? 自分は牛肉は食べていないと思っていても、牛由来の様々な成分がカレールーやスープやスナック菓子やカップラーメンやインスタント食品や薬品のカプセルや医療品などに幅広く使われています。野菜やお米にも農薬が使われています。汚染された食品をいっさい口にしないというのは、現代ではおそらく、絶食でもしないかぎり無理だろうと思います。食べるときは、人間のために命を捧げてくれている動植物に心から感謝して食べましょう。

アメリカに比較すれば、日本の状況はまだ安全なほうです。そういう状況を外圧に負けて変えてはいけないと思います。この国の政治家が、日本国民の方を向いているのか、別の方向を見ているのか、しっかり見定めて、次回の選挙の判断材料としましょう。

私がこの連載を書いたのは、食べ物の世界に起こっている、自然の摂理に反した出来事を一人でも多くの方が知り、このままではいけない、という認識を持っていただくためです。一人の意識は何らかの形で世界に影響を与えます。(このブログで「ラズロ博士」で検索してください)

お釈迦様は人間の苦の原因を無明=無知に見ました。そして正しい見解を持つことが大切だと教えました。しかし、現在までの世界は、正しい見解を持とうにも持ちえない、虚構の情報が支配する世界でした。

「今まで人類の多くは、それらの虚構をあたかも真実のように思い込み、信じ込み、それら虚構にエネルギーを与えつづけてきた。おかげで、それらはあたかも真実であるかの如く、人類一人一人の心の中に刻み込まれていったのである。そして人類一人一人はそれらの虚構に踊らされ、縛られ、翻弄され、苦しめられ、痛めつけられてきた」(白光誌、2006年2月号)

情報を制する者が世界を制します。これまで情報は常に一握りの権力者の手に握られてきました。権力者は自分に都合のよい虚構の情報しか表に出しません。真実を伝えようとする個人は、圧倒的な権力の前に沈黙を強いられてきました。しかし、インターネットは権力者による情報独占に風穴を開けました。

インターネットの世界には、おかしな情報があふれていますが、多くの石ころの中には光る玉も混じっています。

人類は、いつまでも無知なまま、サイコパスの指導者や大企業、真実を隠蔽し、虚構の情報で洗脳しているマスコミの言うがままになっていてはいけません。

たとえ日常生活の買い物といったわずかなことでも、自分のできる範囲でなるべく正しい選択をするように努力すべきです。その積み重ねが、狂牛肉を食材にしても恬として恥じない企業を市場から退場させていくのです。

どういう企業が問題かというと、まず、この連載の最初に紹介した「米国産牛肉全面的早期輸入再開を求める会」に入っている企業です。一覧はここです。
http://kaikin.jp/gaiyou.php

その中でも、外食産業の集まりである「社団法人日本フードサービス協会」に入っている企業は、「きっこの日記」によると、ここから検索できます。
http://page.freett.com/banc/jf_list.html

「きっこの日記」2006年1月5日
http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&log=20060105

中にはコーヒー会社のような牛肉とは無関係な企業もありますが、外食するときの参考にはなるでしょう。

これをもちまして、「狂牛病(BSE)と狂鹿病(CWD)」は一応、終わりとさせていただきます。



ちいさな奇跡

2006年02月10日 | Weblog
紀子様ご懐妊に吉兆がありました。

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秋篠宮さま手植え「プリンセス・キコ」偶然の開花
 
 名古屋市中区の市立「ランの館」で一昨年、秋篠宮さまが手植えされたラン「プリンセス・キコ」が、紀子さまの第3子ご懐妊の報道があった直後の7日夜から8日朝にかけて開花した。職員らは「こんな偶然があるとは」と驚いている。

 プリンセス・キコは中南米原産で高さ約30センチ。花は、紀子さまをイメージしたような清楚(せいそ)な姿で、白色で縁に薄紅色がほんのり入っている。

 2鉢あるうち、横地修館長が植えた1鉢は、昨春から咲いたのに対し、秋篠宮さまが植えられた鉢は開花が遅れていた。9日から同館アトリウムで特別展示される。

(読売新聞) - 2月8日22時24分更新
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060208-00000516-yom-soci

2鉢のうち、一つは昨年咲き、もう一つが今年咲くというのは、念入りですね。

上記サイトではランの写真も見ることができます。



(20)『週刊文春』の米国産牛肉の記事(2)

2006年02月09日 | 食の安全
狂牛病(BSE)と狂鹿病(CWD) (20)

『週刊文春』2006年2月9日号の記事から。題は「アメリカ牛「メキシコ迂回」疑惑」。

・アメリカでは、年間百万人以上が、牛肉によりサルモネラ菌やO-157の食中毒を起こし、500人以上が死んでいる。日本では食中毒の死者は年間2名程度。

・米国農務省が実施した調査で、2000トン以上の給食用挽肉がサルモネラ菌に汚染されていることが発覚してから、ようやく規制がかけられることになった。

・汚染肉が見つかっても、企業は罪に問われない。

・アメリカには、「正当な科学的根拠なしに農産物を批判することを禁止する」という「農産物名誉毀損法」という州法がある。農場が多いコロラド州では、これに違犯すると、民法ではなく、刑法で処罰される。

・山田正彦議員の調査によると、アメリカからメキシコへ30カ月以上の牛や内臓がノーチェックで輸出されている。

・米国産牛肉が輸入禁止になる2003年末まで、メキシコから日本への牛肉の輸入はゼロに近かった。ところが、その後2年間で急激にメキシコからの輸入が増えている。

・米国からメキシコへの牛肉の輸出が、この2年間で10万トン近く増えている。

・糖蜜飼育に関しては以前に引用したので、省略。

・メキシコ産牛肉に関しては、原産地証明に欠陥がある。

・メキシコでは糖蜜飼育は行なわれていないのに、メキシコ産糖蜜飼育牛が日本に輸入されている。

・メキシコは養豚は盛んだが、牛肉は輸出できるほど多く生産していない。

・米国産牛肉がカナダを経由して日本に入ってくる可能性もある。

・アメリカでは日本で禁止されている合成ホルモン剤も使われているが、日本政府は残留基準値を設定して認めている。これは矛盾。

・アメリカでは、殺虫・殺菌のために、豚、鶏、牛の肉への放射線の照射が認められている(食中毒が多いため)。放射線が未知の物質をつくり出し、発ガンの危険性も指摘されている。

・人間に対しては年間900トンの抗生物質が使われているが、家畜に対しては1万2千トンの抗生物質が使われている。

・アメリカの食中毒は、抗生物質の過剰使用による耐性菌の蔓延がその一因と見られている。

「農産物名誉毀損法」には驚きましたね。こうメモしてきますと、日本もさることながら、アメリカ国民の健康が本当に懸念されます。アメリカ人がまず自国の実態を知ることが先決です。