平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

一介の小説家、一介の株屋

2006年02月16日 | 三島由紀夫について
今、もと白光真宏会職員のSさんの『ある日の五井先生』という原稿を本にするお手伝いをさせてもらっています。これは、五井先生の身近で過ごした方しか体験することができなかった、数多くの珠玉のエピソードが集められています。今年中には出版されるでしょう。どうぞお楽しみに。

その中で、五井先生が三島由紀夫の割腹事件について触れた話があります。この事件については私も詳しく書きましたので、まだお読みでない方はお読み下さい。

私は五井先生の聖ヶ丘の講話しか聞かなかったのですが、Sさんは職員室でも五井先生からそのお話をうかがっているようです。そこでは五井先生は、

「あれは他殺だよ。背後から抱きかかえられるようにして切腹させられたんだよ。だいいち一介の小説家が切腹なんて出来るわけないよ」

とおっしゃったそうです。

「一介の小説家」という表現が面白かったです。

話は変わりますが、ライブドア事件関連で「自殺」したと言われているエイチ・エス証券の野口英昭さんですが、「きっこの日記」をお読みの方は、これがとうてい自殺ではありえないことを感じていらっしゃると思います。

あと、ブログ「世に倦む日々」もこの問題を詳しく扱っています。
http://critic2.exblog.jp/

警察発表では、野口さんの死因は、腹部の傷だそうです。ということは、野口さんは包丁で割腹自殺したということになります。

切腹というのは、自殺法として非常に下手な死に方です。切腹だけではなかなか死にきれないので、武士は「介錯」を受けたのです。腹を切るというのは、いわば形の上の作法なのです。憑依された三島でさえ、介錯を受けています。そういうことを考えると、「一介の株屋」に「切腹なんか出来る」ものだろうか、という疑問が浮かびます。

沖縄の警察には、この事件をどうしても「自殺」にしなければならない、何かの理由があるのでしょう。その闇が白日のもとにさらされてはじめて、野口さんの死は無駄死にでなかった、ということになります。


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