平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

メーチー・サンサニー

2005年07月17日 | Weblog
 報告が少し遅くなりましたが、7月10日に新宿で開かれたメーチー・サンサニーさんの講演会に行ってきました。

 メーチー・サンサニーといっても、日本ではその名を知る人はまだ少ないでしょう。彼女はタイでいま最も注目されている修道尼です。

 彼女は、トップモデル、テレビの司会者などとして、華やかで幸福な人生を歩んでいましたが、あるとき、人生の意味について深い懐疑に襲われ、世俗の生活を捨てて、仏門に入りました。日本でいえば、瀬戸内寂聴さんと似たような経歴ですね。

 その後、彼女はバンコクの荒地を手に入れ、樹木を植えて、そこを彼女の修道院として発展させ、瞑想によって心の平和を教えながら、孤児や、家庭内暴力や性的暴力を受けた女性たちを救済する活動を行なっております。

 最近、アメリカで、彼女の生涯を映画化した作品「A Walk of Wisdom」(智慧の歩み)が作られ、講演会のあとでDVDが映写されました。

 彼女はまた、墨の一筆書きのアーティストでもあり、禅の高僧の墨筆を思わせる絵も描きます。

 サンサニーさんは、まったく偉ぶることのない、どこまでも穏やかでやさしい尼さんでした。一緒にいると、自然と肩の力が抜けてくるような人でした。まさに「平和の人」そのものの方でした。

サンサニーさん関連のHP

日本語 http://www.sansanee.org/jp/
英語  http://www.sansanee.org/indexE.html

ミリからの贈り物(2005年6月号)

2005年07月06日 | バックナンバー
 『ミリからの贈り物』(中央文化出版)という絵本は、文章は「みどりかわみり」さん、絵は「みどりかわきよみ」さん。ミリさんもキヨミさんもペンネームで、ミリさんはキヨミさんのお子さんである。ミリさんの言葉にお母さんがとてもすてきな絵を添えている。

 お母さんの前書きから――

 「現在小学四年生の娘が、五才位の時でした。
 悩んじゃいけないよ。
 苦しい時は、どうすればいいか考えればいいんだよ。
 悩んじゃうと、あー、もうだめだとか、がっくりきちゃうよ。
 だから、悩んじゃいけないよ。
 考えるようにすれば、自分の心が必ず助けてくれるよ。
 自分を信じる事が大事だよ。
 こんな言葉を、当時仕事で悩んでいた私に語りかけました。
 この本の言葉は、その後、現在まで娘が語った言葉の数々です。
 最初はどうして五才の娘が、このような言葉を知っているのか、とても不思議でした。
 しかし、日々、娘やまわりの子供達をみていると、もしかしたら、子供達は皆、こうい う言葉を知っているのではないかなっと思うようになりました。
 子供達の声に、ひとつひとつ耳をかたむけたら、私達を癒やしてくれる色々なメッセージが語られているような気がします。」

 お母さんがおっしゃるように、とても五才のお子さんの発言とは思えないような、素晴らしい言葉の数々である。いくつかを紹介してみよう。

 「嬉しい事もいっぱい、悲しい事もいっぱい、いろいろ経験出来たら、それは、とても良い人生なんだよ。両方から、いろいろな事を学べるから。」
 「本当の自分自身を思い出したらいいよ。そうすることで、自分の心が助かるよ。」
 「何のために、人間は生まれてきたの? それはね、自然を学ぶ事と、心の奥深くをよみがえらせるためだよ。ただ、それだけの事だよ。」

 今の世界には、深い愛、知恵、直観をもった子供たちが誕生しつつあると言われている。そういう子供たちは、インディゴ・チルドレンとか、クリスタル・チルドレンと呼ばれるが、ミリさんもその一人なのだろう。

 大人たちは過去の体験、知識、固定観念に縛られて、なかなか現状を変えることができない。戦争、テロ、環境破壊、核兵器などはみな、これまで大人たちが作りだしてきた問題である。私たちは今、子供たちの叡智に素直に耳を傾ける時ではないだろうか。