平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

六ヶ所村(1)

2006年02月21日 | エネルギー問題
気象異変の原因は、二酸化炭素=CO2の増加による地球温暖化だと言われています。京都議定書(1997年)は、温室効果ガスの排出量を先進国全体で、1990年を基準にして、2012年までに5%削減することを目指しています。

※京都議定書については2005年2月18日、9月8日にも書いています。

CO2は、石油、ガス、石炭などの化石燃料を燃焼させるところから生じます。化石燃料の使用をやめ、別のエネルギー源を開発すれば、CO2を減らすことができます。そのために、風力、地熱、太陽光、バイオマスなどの新エネルギーの開発が進められていますが、いずれもまだ石油やガスに代わるほどのエネルギー源にはなりえていません。

現在、日本をはじめ世界の工業国で、石油に次ぐエネルギー源になっているのが、原子力です。日本では、総発電量の約30%が原子力発電です。フランスでは総電力における原子力発電の比率は75%にのぼります。原子力発電がなくなったら、先進国の電気に依存した便利な生活は成り立たなくなります。

もし原子力をすべてやめて、その分を化石燃料で代替すれば、膨大な量のCO2が発生します。むしろ、できるだけ原子力発電を増やし、化石燃料の使用を抑制したほうが、その分だけCO2を減らすことができ、地球環境にとってプラスだ、と考える人もいます。ガイア仮説の提唱者で、環境保護運動に熱心なジェームズ・ラブロック博士などもその一人です。

ただし原発には、放射性廃棄物、いわゆる核のゴミが発生します。現在のところ、これを安全に処理する方法はありません。せいぜい地中深くに貯蔵することができるだけです。原発を稼働させれば、どんどん核のゴミが増えていきます。環境循環型ではない原子力は、決して望ましいエネルギー形態ではありません。

また、チェルノブイリのような重大な事故が起こると、大規模な環境汚染が引き起こされる危険性もあります。とくに、地震多発国である日本では、大地震の際に原発が破壊され、放射能が環境に放出される恐れがあります。とくに心配されているのが、東海地震の直撃を受けるかもしれない御前崎市にある中部電力の浜岡原発です。浜岡原発は老朽化が進み、またコンクリートの強度にも問題があると言われています。もし放射能が漏れると、偏西風に乗って首都圏にまで到達すると予測されています。

※浜岡原発の危険性について http://www.stop-hamaoka.com/
※最近、中部電力は浜岡原発1号、2号機の停止を3年間延長することを発表しました。
http://www.chuden.co.jp/corpo/publicity/press2006/0127_2.html

ドイツは、環境重視の「緑の党」が連立政権に参加し、これまで脱原発を進めていましたが、最近は、やはり原発なしではエネルギーが不足するということで、脱原発政策を見直しはじめているようです。

原発から出た核のゴミを再処理すれば、そこからプルトニウムを取り出すことができます。プルトニウムはウランと同じ核分裂物質なので、これを原発に利用することが可能です。広島に落とされた原爆はウラン型爆弾であり、長崎に落とされた原爆はプルトニウム型爆弾でした。プルトニウムを原子炉の中で「燃やす」ことができれば、その分だけウランの使用を減らすことができます。

この再処理を日本は今までイギリスとフランスに委託していましたが、それを国内でも行なうために作られたのが、青森県六ヶ所村の再処理施設です。




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