平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

おめでとう、荒川選手

2006年02月24日 | Weblog
荒川選手の素晴らしい演技は、まさに「無心」がもたらしたものだと思いました。ほかの優勝候補の選手たちがプレッシャーの中で次々と失敗する中、荒川選手は何も考えずに演技そのものに集中している感じがしました。

練習に練習を積み重ねてきた努力――それはほかの選手たちも同じです。しかし、最後の違いを生むのは、心という目に見えない働きなのでしょう。

(3)熱中性子と高速中性子

2006年02月24日 | エネルギー問題
六ヶ所村(3)

プルサーマル(plutonium thermal use)というのは、和製英語なのだそうです。

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熱中性子(thermal neutron)によりプルトニウムを燃焼させることを指す。もんじゅのような高速増殖炉では高速中性子によってプルトニウムが燃焼させられるが、軽水炉では熱中性子によって反応することから、このような名称が作られた(和製英語)。
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Wikipediaより

※インターネットを検索してみると、海外のサイトでも「plutonium thermal use」という語が見出されます。

プルトニウムを核分裂させるためには中性子がぶつからなければなりませんが、中性子は、その速度によって熱中性子と高速中性子に分けられるのだそうです。

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 核分裂によって発生した中性子は高いエネルギーを持ち平均秒速2万キロメートルで走る。これを高速中性子と呼ぶ。軽水炉などでは水などの減速材でこの高速中性子を平均秒速2.2キロメートルくらいまで減速させU-235の核分裂を起こしやすくする。速度を遅くした中性子を熱中性子と呼び、この熱中性子により核分裂連鎖反応を起こさせる原子炉を熱中性子炉という。現在、実用化されている原子炉(発電炉)はほとんど熱中性子炉である。
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原子力百科事典より
http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/dic_0642_01.html

これに対して、高速中性子を利用した原子炉が高速増殖炉です。

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高速増殖炉(こうそくぞうしょくろ Fast Breeder Reactor:FBR)とは、核分裂で発生した中性子を減速せずに次の分裂に入る方式を言う。 通常の原子炉における燃料転換率は1未満であるが、高速増殖炉においては、燃料転換率(燃料増殖率)1.4を実現している。

使用前のMOX燃料には、燃料となるプルトニウム239と微量ウラン235、および核分裂を起こさないウラン238とが含まれている。高速増殖炉は、このうちのウラン238をプルトニウム239に転換するのに適した原子炉で、プルトニウムの燃焼による発電をしながらにして、燃料を使用前以上に増やすことが出来るという画期的な原子炉である。

核分裂反応に必要な中性子は、熱中性子というエネルギーの低い中性子で、通常の原子炉では減速材を用いて高速中性子のエネルギーを落として熱中性子に変える。一方プルトニウム239に転換するのに必要なのは高速中性子である。ゆえに、高速増殖炉では減速材を用いずに、高速中性子を増やすことでプルトニウム239への燃料転換率を高めている。
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Wikipediaより

核燃料には、核分裂を起こさないウラン238が含まれていますが、高速増殖炉では、高速中性子がウラン238を高い比率でプルトニウムに変換するので、消費したプルトニウムよりももっと多くのプルトニウムを作る(増殖させる)ことになります。

しかし、高速増殖炉には大きな技術的困難さがあります。

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しかし、冷却材である金属ナトリウムの管理に高い技術が必要であること、通常の原子炉よりも費用がかかる事、現在開発中の炉の多くが何らかの事故を起こしていることなど、経済性や安全面から開発を断念する国が後を絶たない。日本でも、高速増殖炉原型炉もんじゅでナトリウム漏洩があって以来、高速増殖炉開発および、プルサーマル計画は中断されたままである。 また、ウラン燃料は、ウラン235の半減期が約7億年と長く、通常状態において殆ど放射線を出さない一方、プルトニウムを含む燃料は、プルトニウム239の半減期が約2万4千年とウラン235と比較して非常に短いことから放射能が極めて強いこと、あるいはプルトニウムの海上輸送そのものに対する反発の声が高まっているため、高速増殖炉の開発は一層困難な状況である。
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Wikipediaより

高速増殖炉の開発を目指していた原子力大国のフランスでさえ、高速増殖炉を断念しています。日本でも高速増殖炉「もんじゅ」はトラブル続きでした。そこで、高速増殖炉の代わりにプルサーマルが計画されているわけです。