平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

世界的に落ち目の無神論(宗教新聞2005年3月20日より)

2005年04月19日 | Weblog

UPIの記事の翻訳

 無神論にとって悩ましい問題は2つある。第一に、無神論が科学的根拠を失いつつあることだ。第二に、世界の数億人が無神論の下で被った不幸な歴史体験だ。〔・・・・〕

 筋金入りのヒューマニストだった英国の哲学者アンソニー・フルー氏は、年来の〔無神論的〕信念を覆す決心をした際に、次のように述懐した。「1例だが、単一の細胞がブリタニカ百科事典の全情報に勝るデータを保持しているという事実を、進化論で説明することはとうてい不可能だ」
 フルー氏はまだ聖書の神を受け入れていないが、ウィリアム・デムスキー氏ら学者が提唱する「インテリジェント・デザイン」理論の説明は妥当だと考えている。〔・・・・〕

 数年前に米国ハーバート大学とデューク大学が合同研究の成果として、信仰や祈りと病気治癒の相関関係を発表した時、欧州の科学者たちは忍び笑いをしたものだった。しかし、ドイツの学術誌『最新心理学(Psychologie Heute)』は、その後、世界中の研究機関が発表した1200件の研究・調査報告が、同様の結論を導き出していることを指摘する。

 ウィーン大学神学部のポール・ズレーナー学部長は、宗教社会学の世界的権威だが、次のように語っている。「欧州で無神論の信奉者は極めて少数のグループになってしまい、社会学の研究対象として扱うには不十分なほどだ」

 しかしズレーナー氏は、欧州の国々でキリスト教の復権が起きているわけでは必ずしもないことに留意している。「我々が目撃しているのは異教的信仰の台頭だ」(同氏)