平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

母の力――月刊『致知』(2005年5月号)巻頭言より

2005年04月16日 | 最近読んだ本や雑誌から
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 母に愛された記憶こそ、一人ひとりの生きる力の根源である。その母の力こそ、ひいては日本という国を支えた根本である。そう思わないわけにはいかない。

 近年、母の力の衰えが感じられてならない。虐待、養育放棄、果ては子殺し。頻出する事件はその突出した表れのようである。かつて児童福祉施設は親を失い、寄る辺ない子どものための施設だった。だがいまでは、虐待する親から子どもを引き離し、守るための施設と化しているという現実が、母の力の衰えを端的に示している。

 規範を失い、混乱する現代の世相の根本にあるものは、母の力の衰弱と無関係ではない。母の力の覚醒が求められてならない。
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