政権交代がしたいのかもしれないけれども、やってしまったことに対して、徹底的に責め上げたところで、政府がイラクから撤退することにはつながらないでしょう。
本日の参議院本会議における白眞勲議員(民主党・新緑風会)の質疑を聞いてそのように感じました。
すでにイラク戦争は間違いであったと、大量破壊兵器なんてなかったと、ブッシュ大統領も認識している。さらに久間防衛大臣も核兵器をイラクが保有しているという予測は違っているんじゃないかと認める発言をした。
それで、そこをせめてどうになるものでもない。単に民主党の自己満足だ。
本当にイラクから自衛隊を撤退させたいというのであれば、政府をイラク撤退に誘導させるべきである。だが、野党はまず真っ向から対立し、「政府は悪である。民主党政権になったら世の中こんなによくなるんだ」と、つまりイラクを撤退させるそのものよりは、民主党政権になることを彼らは望んでいる。だから、国のことよりも党のことが優先されている。
また安倍首相も、間違ったこととは知りながら、民主党にそこまで言われてしまうので意地になるしかない。なんとか正当性を一生懸命探さなければならなくなる。そして、ますます頑なに米国ととともにイラクに専念する事になる。
こうした悪循環があるのだと思う。
安倍首相はイラクに自衛隊を送り込む事は、何ら間違っていないと信じているだろう。そこへさらに民主党が、自分の政権ほしさに政府を非難すれば、ますます安倍首相は自分の信念が正しいのだと再認識していく。
内閣法制局とて、今の安倍内閣が憲法解釈として間違っていることは知っていても、そんなことを民主党議員が質問して、まともに答えを引き出すことなどできないだろう。うやむやな解答が帰ってくるだけだ。そして、そのうやむやな解答を期待して、「みてください。安倍内閣ってダメな政権でしょう」と証明するためにやっているわけだ。
安倍政権がダメであることは、民主党になんか言われなくてもわかっている。国民だって不支持のほうが高い。だからといって、民主党に政権を任せたいなどと思っている人は極めて少ないのも現状である事をよく認識したほうがよい。
アメリカと一蓮托生が嫌だというのであれば、日米安保条約を守るといっている民主党には大きな矛盾を抱えている。
社民党は、守るといったり守らないといったり一定していない。国民新党は、郵政の問題で自民党を出ていってしまってから、今まで自分たちが仲間としてやってきた内容全てにケチをつけている。
これからすると共産党は筋が通っているが、国連信仰という面では、他の政党と何ら変わらない。国連主義、国際社会の協調を言いながら、戦争組織たる国連を賛美するわけで、彼らはこの辺が間違っている。
公明党が論外なのは言うまでもない。
日本には日米安保条約があるゆえに、イラクに自衛隊を派遣せざるを得ない。また憲法9条があるゆえに、日本はこうしたところに後方支援という形で、自衛隊を送り込まざるを得なくなる。日本は肩身が狭いのである。
平和党は、国連平和維持活動などもそうだが、海外の武力紛争地域に自衛隊を派遣することは一切禁じるべきとしている。その国にはその国の自治権があり、彼らに例え内紛が発生したとしても、介入すべきではない。国内で紛争が起きたのも、その国の国民の責任である。
そのような中で、貧困や病気によって飢え等にいたる人もあるだろう。それらは救済すべきものであるが、国家権力に対して介入すべきではなく、彼ら国民自体に向けて、救い出すべきだ。北朝鮮への食料援助なども政府向けにして行っているから、金正日などが独り占めして北朝鮮国民には行き渡らなくなるだけである。
イラク特措法には反対するが、反対討論のやり方をもう少し変えたほうが良い。最初に制定されたときと同じような反対討論を述べるので何の進歩もない。
イラク撤退には、政治的にもっと別のやり方があると思う。
ここが考えるスタートだと思う。
政治的見解には右か左しか存在していないと、現代では考えられているようです。
同じことを永遠に主張を繰り広げるためにはよいものだと思います。
それと同時に新しいものに対して発見していくことも必要です。