難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

要約筆記は何をするのか(メモ)1

2007年12月10日 21時57分08秒 | 要約筆記事業
071130_1633~01_Ed001.JPG要約筆記は、難聴者等が社会のいろいろな場面に「活動」する場合に、話された言葉をその場で文字により伝えることで、その人の活動を支援するコミュニケーション支援方法だ。

「活動」におけるコミュニケーションはいろいろな行動の元になる。その場でやり取りされている言葉を聞いて、最初の行動は記憶するとか、話している人に返事や相槌を打つことかもしれない。ノートなどの記録を取ることかもしれない。

会合、打ち合わせ、集会や授業であれば挙手するなり、発言するなりするだろうし、店頭や役所などであれば、製品購入やサービスの申し込みといった行動を取るだろう。

目の前に話し相手がいれば、普通はそこで言葉のやりとりが発生することが多い。黙ったままとか後で返事しますとかいう対応は考えにくい。今日の講演の記録を読んでからゆっり考えるということもあるだろう。


しかし、要約筆記は、その場のコミュニケーションを同時性を持って文字で伝えることで成立させ、難聴者等の「参加」支援するものだ。

同時性をもってコミュニケーション支援するが、「文字で」というのが、要約筆記というコミュニケーション支援方法の特徴を強く規定する。

聞こえた言葉を文字にするのは手書きでもタイプする場合でも、文字化するには困難がある。一定以上の早さで文字化するには、高速タイプや音声認識等の技術が必要になる。このことから、話し言葉を要約する必要があることは理解できよう。一部だけを文字化するのでは話し手の意図が伝わらずコミュニケーションが成立しない。これは文字化する側の問題だ。

同様に、文字化されたものを見る人、受け手側の問題がある。
人は聞いて理解するようには文字を読んで理解できない。それは、文字は読む必要があるし、読める必要があるからだ。
「読む」ということはその文字を知っていて、文字列の意味が分かり、文章全体の意味が分かる能力が必要だ。

読んでいる時の頭の思考は、聞くようには早くスムーズではない。話されている言葉を、ただ音素をそのまま文字に置き換えるだけでは、読みながら単語や文章に置き換える必要がある。漢字かな混じり文にし、冗長語を省き、句読点をつけ、改行しても、文字になった文章を読んでも意味を理解するのは聞くよりは脳の負担が大きい。
(続く)


ラビット 記




人工内耳の音入れ後5日目(12/9)。

2007年12月10日 07時40分53秒 | 人工内耳
071210_0137~001.jpg071209_0805~001.jpg朝起きて、人工内耳を装着したら、聞こえない(2007年12月9日8:00am)。コントローラーを見ると「H1」の表示が出ていた。マニュアルを見ると電池切れとある。12/4夕方から12/9の朝まで、単四電池2本で丸4日間電池が持続したことになる。夜も付けていたので起床時間だけだと5日間くらい持つことになる。
SANYOの1000mAhというハイパワー充電池を取り付けるが10分も経たないうちにまた切れる。これは事前に充電していない電池だった。

明日から、BTEという耳かけ型コントローラーを使ってみよう。どうも外れやすく感じられるのが不安だ。耳介にはめるオープンイヤーモールドみたいのがあればその方が安心だ。

聞こえの方は、テレビの字幕のないCMや字幕が遅れて出てくるニュースのアナウンサーの声も口が見えれば、ピッピッガガーが言葉としてくぐもった声に
「聞こえる」ように感じる。ちょうど補聴器で言葉が聞きとれないのと同じ感じだ。
車のウインカーの音はチカチカとやお勝手の包丁を使う音はトントンと、コップをおく音はカッとかゴトッと、金物を叩く音はコンコンかカンカンとそれなりの音?に聞こえるようになって来た。

昼間は、磁気ループで会合の話し合いを聞いてみた。まだ、ピピーガガーだが、口と手話を見ていると少し聞こえているように感じる。今日は1時間ちょっとしかその機会がなかったが、もう少し同じ人が話しているのを聞けば聞こえるようになるだろう。

深夜、何も音がしないはずだが、人工内耳で何か聞こえている。チーというのかシャシャーというのか表現しにくいが聞こえている。何の音か分からない。今までだったら耳鳴りかなと思うが、コイルを外すとピタッと聞こえないので何か聞こえている。


ラビット 記



「認知症」と難聴

2007年12月10日 01時14分31秒 | PHSから
071202_1801~001.jpg認知症予防が、難聴と関係があるのは初めて聞いた。

高齢者に皆聴力検診をするのは良いと思う。難聴がいろいろな病気の現れでもあり、早期の対応が重要だからだ。

手軽に、正確な検査が出来ればきちんとした検査を促すきっかけにもなる。
また社会に、逆に難聴になることが高齢化の印(しるし)と思われない啓発も必要だろう。余計に難聴を隠すようになっても困るからだ。


ラビット 記
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「認知症」予防に聴覚検診を活用

2005年版の「高齢社会白書」によると、65歳以上の高齢者が総人口に占める割合を示す高齢化率が過去最高の19.5%に達した。高齢になると、耳が
聞こえにくくなるという問題が起こりやすいが、これを放置したままでいると認知症の原因にもなりかねないという。今後、日本では高齢化がますます進んで
行く。こうした中、埼玉県の坂戸鶴ヶ島医師会が進めている「聴覚検診による認知症予防」の取り組みの現場を訪ね、実際の検診も受けてみた。(山田 利
和)
(2007年1月7日キャリアブレインニュースより)
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/5256.html





障害者権利条約がマスコミで頻出

2007年12月09日 23時18分53秒 | PHSから
071209_2056~001.jpg071203_1657~001.jpg「障害者権利条約」が、障害者から社会に発信されるようになり、マスコミもそうした動きを取りあげ始めている。

今までの国内施策の遅れ、社会の理解の遅れもあり、権利条約がそれらを変えるきっかけになると期待されているのは理解できる。しかし、「障害者」という
概念すら、今の法体系とかなり異なる。身体的、知的、精神的障害が長期にわたり固定されているというのが一般的だが、条約では妊婦もエイズの感染者も
「障害を持つ人」だ。

障害者側が、条約の内容をしっかり理解し、社会の種々の問題をどう変えていくのか関係者も含めて、大きな合意が必要だ。
社会の理解がなければ、国内法の整備もいびつなものになるのではないかと懸念する。

ホテルや旅館の聴覚障害者の情報保障のための取組みに、権利条約のことを業界側に説明するにしても、「権利」、「義務」と言っても
すぐには受け入れるのが難しい。頭で理解しても、費用の負担とかサービスの内容となると二の足を踏んで、その適用範囲を極力狭めようとするだろう。聞こ
えない人へのサービスは、国際標準になること、障害を持たない人へのサービスにもなること、顧客満足度を高めることにつながること、国に設備導入、改善
の補助金制度を作らせることを共同で呼びかける等の運動を展開すること等が考えられる。


ラビット 記
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>
> 手話は「言語」である
> 読売新聞
> そうした歴史と運動を経て、国連で昨年末に採択された
> 「障害者権利条約」で、「手話も言語の一つである」こ
> とが明記された。運動にかかわってきた者には画期的だ
> った。 ...
> http://hokuriku.yomiuri.co.jp/hoksub4/hokutaka/ho_taka_071202.htm
>

> 働く意欲尊重する社会を
> 公明新聞
> 障害者権利条約は、新しい権利を定めるのではなく、す
> べての人に保障される普遍的な人権を障害者の観点から
> 定めた点に特徴があり、教育や健康、労働などの誰もが
> 有する ...
> http://www.komei.or.jp/news/2007/1203/10233.html
>

> 「権利条約をもとに障害者差別撤廃を」
> キャリアブレイン
> 国連の「障害者権利条約」に日本が今年署名したことを
> 受けて、障害者団体などは12月1日、「障害者権利条約
> 採択の次にくるもの」をテーマとする「障害者政策研究
> 全国 ...
> http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=13363
>

> 自立支援法見直し案「評価できるが、その場しのぎとも」
> キャリアブレイン
> また、サービスの限度を規定する「障害程度区分」を見
> 直すとしていることについては、「個別のニーズに応じ
> てサービスを提供すべきとする障害者権利条約の考え方
> からも ...
> http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=13422
>

> 補助犬法改正 障害者の自立のバネに
> 信濃毎日新聞
> 改正法が成立した先月28日、竹前さんは会見で「国連の
> 障害者権利条約に近い内容が盛られ、感謝している」と
> 喜びを語った。
> 障害者差別を禁じ、社会参加を促す障害者 ...
> http://www.shinmai.co.jp/news/20071203/KT071130ETI090002000022.htm





人工内耳の音入れ後4日目

2007年12月09日 08時07分29秒 | 人工内耳
071202_1757~002.jpg人工内耳の音入れで退院してから、会社に二日間出勤して、補聴器と人工内耳で仕事をしていた。
仕事の上の簡単な会話や電話の受け答えは右耳の補聴器ですませている。
左耳は人工内耳を付けたままだがピーピーピッピッとうるさい。右耳で何を言っているのか聞こうとしている時に邪魔に思ったりする。


4日目で体験したこと。
午後から、地元の中途失聴・難聴者向け手話講習会で、聞こえとコミュニケーションに付いて、話しをした。手話の習得程度もまちまちなので、ホワイトボードを配って、私の質問に手元のホワイトボードで答えてもらう。自分の回答が聞こえや手話がまちまちな他の受講生にも分かる、自分も他の受講生の回答が分
かることで、皆が分かることがコミュニケーションということを中心に話しをした。
話している間は、人工内耳はピピーキッキッとしきりに「鳴いている」。


手話講習会で磁気ループを使っていたので、他の人の話している声をループで聞いてみたら、「聞こえる」。人工内耳のコントローラーの上矢印と下矢印のボタンを両方押すとTの表示になり、磁気ループの音を拾うようになる。

夜テレビのドラマを字幕放送で見ていると、字幕と出演者の口の動きで「聞こえる」。かすかに分かるという程度だが、ピッピッピー、キッキッチリチリとカン高く聞こえているのが言葉に聞こえるのは驚いた。

パソコンのキーボードを打つカチャカチャというのは、二日前はピッピッと聞こえていたのが今日はカチャカチャと聞こえる。
車を運転しているとピッピーガガーと聞こえているだけが、カーナビが「ピピーピッピッ」と違って聞こえたので何かと思ったらカーナビが「間もなく左方向に曲がります、先方を右方向に曲がります」と言っているのに人工内耳が反応したことが分かった。

音読テープ(朗読テープ)の代わりに落語のCDを買って聞いてみたが、補聴器側でも良く分からない。人工内耳でもピピキーキーと聞こえるだけだった。¥1250.

※「聞こえる」というのは、まだ聞こえたように分かるまたはそれらしく聞こえるという意味。 


ラビット 記



人工内耳の音入れ後3日目。

2007年12月09日 07時52分55秒 | 人工内耳
071202_1755~001.jpg人工内耳3日目で体験したこと。
自分の声は、聞こえるように感じる。頭の中を伝わって脳に蓄積されたデータのせいかと思ったが、医師によると発声が言語野に直接フィードバックして聞こえるように感じているためだろうと言う。これは、まだ良く分からない。

通勤途上、歌を歌ってみた。少し、音程とは言えないが抑揚が感じるように「聞こえる」。「千の風になって」は分からず、「Hey Jude」と「君といつまでも」はよく分かった。どちらも高校生時代に流行っていた歌でよく頭に刷り込まれているらしい。

夜は、ろう者と一緒の会議に人工内耳装着後初めて参加した。私の人工内耳を見て、「やったの?」という人もいた。難聴者のことを理解しているろう者の顔がちょっと疎遠に感じたのは気のせいか。普段は聞こえる手話通訳と一緒に仕事をしている人だがよく聞こえない難聴者が人工内耳をしただけで自分と違う世界の人に感じてしまうのだろうか。

このろう者とは、もう少し話し合ってみたい。聞こえる方がよいという価値観ではなく、全ての聴覚障害を持つ人がそれぞれのコミュニケーション方法、様式にあった形で権利が保障されるべきという価値観をお互いが持つようにしたい。

2007年12月7日の人工内耳の装用時間。8:00から3:00まで19時間。

ラビット 記




IBMの音声ー手話変換技術 ろう者の社会進出に

2007年12月08日 10時29分33秒 | 機器について
IBMが「シシ(SiSi)」という話した言葉が自動的に手話に変換されるシステムを開発したというニュースが出ていた(Youtube、2007年9月12日投稿)。
http://jp.youtube.com/watch?v=RarMKnjqzZU

手話は、デジタル化されたアニメーション、アバターが表す。
この技術は、仕事や教育の場面で話された言葉を手話で表示するのに役に立つという。

<object width="425" height="355"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/RarMKnjqzZU&amp;rel=1&amp;color1=0x402061&amp;color2=0x9461ca&amp;border=0"></param><param name="wmode" value="transparent"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/RarMKnjqzZU&amp;rel=1&amp;color1=0x402061&amp;color2=0x9461ca&amp;border=0" type="application/x-shockwave-flash" wmode="transparent" width="425" height="355"></embed></object>
IBM has developed a system called SiSi (Say It Sign It) that automatically converts the spoken word into Sign Language which is then signed by an animated digital character or avatar. This technology has the potential to enable a person giving a presentation in business or education to have a digital character projected behind them signing what they are saying.

これを見て考えたのは逆だ。ろう者が普通に仕事や教育に関わるためのシステムではないかと。手話を読み取って、音声に変えるシステムがあれば、ろう者も普通に社会で仕事や学校で教育に関わることが出来ると考えた。
アメリカのロチェスターはろう者が学ぶ大学がある町だが、町のデパートにはろう者が衣服を販売する店員になっているという映像を見たことがあるからだ。それを見た時はすごいショックだった。発想の転換と言うか、普通に手話で聞こえるお客さんに衣装を薦めている。

日本でも、ろう者が渋谷の109あたりのデザイナーズショップで
販売員をしていてもおかしくないと思う。案外、若い女性たちは手話が分からなくてもコミュニケーションしてしまうのではないだろうか。


ラビット 記


【問い合わせ】中途失聴・難聴者の相談支援事業の必要性

2007年12月08日 09時15分08秒 | 福祉サービス
071202_1120~001.jpg> 早速に有難うございます。区市行政担当者に中失難聴者の相談支援事業にどのように説明したら良いのでしょう
>

【お答え】
お疲れ様です
区に要望されるのですね

区市には、
中失・難聴者はコミュニケーションの問題と精神、心理的問題を合わせ持つ障害者で自立のために多角的な支援が求められていること、

コミュニケーション問題も聴力やコミュニケーション方法がまちまちであるため、補聴器と補聴援助システムの活用、筆談や要約筆記の文字によるコミュニケーション支援がその場面場面で選択して必要なこと、

高齢難聴者の場合は難聴の上に足などの老化があると外出もしないため、家庭内で差別や虐待すらあっても愁訴が出来ないため被害が表に出ないこと
などから様々な問題を抱えている。

ぜひとも相談支援に関われる専門員の配置や聴覚障害者自立支援センターと委託事業による支援がひであると
説明されてはいかがでしょうか

中失・難聴者の支援はなかなか難しいです。
自立支援センターは一人しかおらず、中失・難聴者は対応が難しいと言っています


ラビット 記



【問い合わせ】ホテルにおける火災警報の視覚化、触覚情報化の必

2007年12月08日 08時55分20秒 | バリアフリー
070908_2308~001.jpg> 忙しい中ありがとう、ホテルでは火災報知器は光りや振動で知らせる事、また情報は文字て知らせる必要性をどのように伝えたらよいですか?教えて下さ
> い。できれば午前10時までに


【お答え】
ホテルの機能は、宿泊だけではなく、レストランやバーの飲食、音楽、ホールでの集会、パーティ、エンターテイメント、ロビーでの談笑、待ち合い等多機
能になっており、多くの公衆が集合している。公衆に対して、危険を知らせるのはホテルの基本的責任です。多様な動きをしている公衆に対しては音だけで
はなく、光やその他の方法で危険信号を伝え、取るべき行動を知らせることはホテルの必須機能です。

情報を文字で知らせることは、文字情報は情報の持続性、反復性、伝達の同時性、静寂環境、騒音環境の中での可視性、伝達性があるので、聴覚障害者のみ
ならず、障害を持っていない人にも有効です。

最近の駅等のターミナルや交通機関で文字情報の提示が増えたのは新交通バリアフリー法で罰則の付いた義務になったからですが、多くの交通機関、建築物
利用者にとってもサービス向上になっています。つまり、設備とサービスのユニバーサルデザイン化とも言えます。


ラビット 記



【問い合わせ】国連の障害者権利条約とホテルでの火災警報の情報

2007年12月08日 08時49分57秒 | 権利
071205_1832~001.jpg071202_1117~001.jpg
>> 国連の権利条約にはホテルでは火災報知器は光りや振動で知らせる事、また情報は文字て知らせる事を明記していますか?教えて下さい。できれば今日中に。

【お答え】
権利条約では、第2条のユニバーサルデザインを「「ユニバーサルデザイン」とは、改造又は特別な設計を必要とすることなしに、可能な最大限の範囲内で、
すべての人が使用することのできる製品、環境、計画及びサービスの設計(デザイン)をいう。「ユニバーサルデザイン」は、特定の範囲の障害のある人のた
めの支援装置が必要とされる場合には、これを排除してはならない。」と定義し、第4条の一般的義務で「すべての人向けに設計された物品、サービス、備品
及び設備」は障害を持つ人にもアクセシブルであることを義務付けている。

その他、第9条のアクセシビリティ、第21条の情報へのアクセスでも具体的な義務を示している。

・・・・・
第9条 アクセシビリティ

1締約国は、障害のある人が自立して生活すること及び生活のあらゆる側面に完全に参加することを可能にするため、障害のある人に対し、他の者との平等
を基礎として、都市及び農村双方において、物理的環境、輸送機関、情報及びコミュニケーション(情報コミュニケーション機器及びシステムを含む。)並
びに公衆に開かれた又は提供される他の設備及びサービスへのアクセスを確保するための適切な措置をとる。このような措置は、アクセシビリティにとって
の妨害物及び障壁を明らかにし及び撤廃することを含むものとし、特に次に対して適用する。
(a) 建物、道路、輸送機関その他の屋内外の設備(学校、住居、医療設備及び職場を含む。)

(b) 情報サービス、コミュニケーション・サービスその他のサービス(電子サービス及び救急サービスを含む。)



第21条 表現及び意見の自由、並びに情報へのアクセス

締約国は、障害のある人が、他の者との平等を基礎として、自ら選択するあらゆる形態のコミュニケーション(第2条に定義するもの)を通じて、表現及び意
見の自由(情報及び考えを求め、受け及び伝える自由を含む。)についての権利を行使することができることを確保するためのすべての適切な措置をとる。こ
のため、締約国は、特に次のことを行う。

(a)
障害のある人に対し、適時にかつ追加の費用の負担なしに、アクセシブルな形式で、かつ、異なる種類の障害に適応した機器を用いて、公衆向けの情報を提供
すること。

(b)
公の対話において、手話、点字、拡大・代替コミュニケーション、並びに障害のある人が自ら選択する他のすべてのアクセシブルなコミュニケーションの手
段、様式及び形態を用いることを承諾し及び容易にすること。

(c)
公衆にサービス(インターネットによるものを含む。)を提供する民間主体が、障害のある人のために情報及びサービスをアクセシブルかつ使用可能な形式で
提供するよう勧奨すること。

(d) マス・メディア(インターネットにより情報を提供する者を含む。)が、そのサービスを障害のある人にとってアクセシブルにするよう奨励すること。

(e) 手話の使用を承認し及び促進すること。

ラビット 記





新情報通信法はアクセシブルか?

2007年12月08日 00時10分37秒 | バリアフリー
071207_1259~001.jpg071207_1300~001.jpg6日に、総務省の諮問的委員会が、2010年に放送法に替わる放送と通信を一体化する法体系を検討し、最終報告書を発表するという。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20071206AT3S0502C06122007.html

2010年というのはもちろんテレビのアナログ放送が終了してデジタル放送に変わる前年だ。

放送とインターネットなどで提供される番組などは共通の情報コンテンツと呼ばれ、料金体系はプラットホームと呼ばれるようになるらしい。

テレビ受信機で表示されているものがテレビなのかインターネットのコンテンツなのか分からなくなるだろう。
ホームサーバーに自動録画したものか、ネットワークに録画されたコンテンツをキーワードで検索して見る形が増えるだろう。

この九つの法律を変える際に放送と通信のアクセシビリティを保障する条文はあるのだろうか。
現行放送法は字幕放送、解説放送も義務つけられておらず、手話放送に至っては普及目標すらない。

テレビ放送、IPマルチキャスト放送にせよ、字幕放送、解説放送は必要だし、テレビ、インターネット、CS通信など他種のチャンネルとの連携「放送」(配信)を法的に可能とするようになっている必要がある。

電話はIP通信の両方でを視覚と音声の両方でリレーサービスを義務付ける必要がある。

この新情報通信法の議論に、障害者は関与していない。
議論の最初から、関わらせるべきだ。総務省の「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送のあり方に関する研究会」でも、聴覚障害者委員から、この審議に障害者が関わっていないことを指摘されている。総務省は、別の場で議論していると逃げたが、公的な研究会で指摘されたことの責任を果たすべきだ。


ラビット 記




聴覚障害者とワーキングプア

2007年12月08日 00時09分56秒 | 福祉サービス
071207_2245~001.jpgNHKの「ワーキングプア」が日本新聞協会賞を受賞した。
12月10日にNHKスペシャルで「ワーキングプアⅠ・Ⅱ」の再放送がある。
また12月16日には「ワーキングプアⅢ」が放送予定になっている。

障害者の雇用施策にも、短時間の派遣形態が導入されようとしているが、出来る範囲の出来る時間だけ働けるので、障害者にもメリットがあるようにみえるが、働くための障害者の立場にたったサポートなしでは結局安上がりの労働力として使い捨てにされかねない。

障害者雇用の権利擁護の仕組みが合わせて打ち出されなくてはならないが、厚生労働省の障害者雇用対策はどうなっているか。

中途失聴・難聴者の就労は目に見えない障害だけに、雇用側の理解とサポートは不可欠だ。
電話が出来ないとか会議の発言が分からないというだけで不採用にしたり、解雇するのは明らかに「差別」だ。
雇用側も難聴者側もで補聴器の電話回路を利用した補聴システムや要約筆記者の派遣(雇用側の費用負担になる)などの支援方法を知らないために、みすみす職を失ってしまうケースも多いに違いない。

こうした障害者雇用と就労支援の機関はあるが中途失聴・難聴者の就労問題をしらなさ過ぎる。
独立行政法人障害者職業リハビリテーションセンターですら、中途失聴・難聴者就労リハビリテーションプログラムは確立していない。

国連障害者権利条約が批准されて、国内法の整備が進む時に支援方法を指導出来る人材の確保、養成から始めないとならない。
相当なエネルギーが必要だろう。


ラビット 記




人工内耳対する社会の理解と支援体制

2007年12月07日 08時31分42秒 | 人工内耳
071202_1759~001.jpgSTのA先生から、「自分の声が聞こえたことに付いて」のメールの返事があった。

早速、昨夜は人工内耳を付け寝床で本を読んでみた。
「ある中途障害者の告白」の2章くらい。結構疲れる。やはり起きて読まないといけないようだ。

本の内容は、土木系のエンジニアが聴神経周りの腫瘍を摘出する手術で失聴したことにより、社会から断絶していく過程とコミュニケーションの障害の理解を求めるものだ。

寝る時も付けたままにしてみた。消灯してテレビも消すが何かしら、聞こえる。
睡眠学習というのがあるので、朗読テープか何かを聞いてみよう。
コードが断線すると聞こえなくなるが工夫したい。


2007年12月6日の装用時間。7:00~5:00の22時間

ラビット 記
………………………
今晩は。
いや、先生方の方こそ毎日朝から晩までいろいろな方とご対応され、さぞお疲れのことと存じます。

今日は出勤して、補聴器と併用していました。
人工内耳は相変わらずチュルチュル、ピピーガガー言っていますが、補聴器のボリウムを下げて人工内耳の音と補聴器の音が同じくらいにして聞いていました。

夜は忘年会でかなりうるさいのでボリウムは9→7に下げていました。感度は12のままです。
やはりピピーガガーのままで分かりませんが、周りの人たちが私の人工内耳の説明
に興味を持ってくれ、人工内耳の仕組みを理解してくれたのが収穫だと思って
います。
人工内耳はマイクで拾った「ごはんですよ」が「ピポパ」と聞こえるので、この
音がごはんですよと脳が理解するのに時間がかかること、ずっと聞いている必要
のあることの説明を聞いてうなづいていました。

部長、課長二人、男性のリーダーの四人なので社内に理解が広がることを期待し
ています。


人工内耳を使う人は聞こえのリハビリテーションを受けますがコミュニケーション
の考え方、コミュニケーションの意味については臨床心理やケアマネジメントの
支援になり、医療と違う支援が必要になります。
人工内耳の手術を受けた人、受けようとする人に対するこの体制がまだまだ弱い
と思います。

制度として誰もが適切な治療と支援が受けられるようにするのが私たち、先に手術
を受けたものの役割だと思っています。
いろいろな検討が必要ですね


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

ご連絡ありがとうございました。
おととい、、昨日は、本当にお疲れになったことでしょう。
ご自分の話された声が言葉となって聞こえるようになりはじめたのですね。
少しずつ、少しずつ、慣れていってください。
静かな場所でご自分の声をお聞きになるのは、とても良い練習です。
B先生もお勧めしているように、音読はとても良いトレーニングになります。

水の音、紙をめくる音、車の音、電車の音などは聞こえましたか?
聴こえた場合、どのようにきこえましたか?
感度、音量はどのような設定でお使いでしょうか?
はじめのうちのマップは、音が大きすぎる可能性があります。
耳鳴りが収まらないようでしたら、我慢せず、感度音量を下げてください。





対策中央本部の舛添厚生労働大臣宛の要望書

2007年12月06日 15時05分51秒 | 福祉サービス
071202_1757~001.jpg11月27日に、聴覚障害者自立支援法対策中央本部は舛添厚生労働大臣宛に要望書を提出し、その内容について、協議した。

聴覚障害者自立支援法対策中央本部のブログに写真と要望書が掲示されている。
http://blog.goo.ne.jp/houantaisaku/e/bf65eda5e680400d5c66e22365f9c266

(下記の要望書の改行はラビット)


ラビット 記
-------------------------------------------
2007年11月27日
厚生労働大臣
舛添要一様

聴覚障害者「自立支援法」対策本部
本部長安藤豊喜

障害者自立支援法の見直しと行政のバリアフリーの推進に関する要望書

時下、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
日頃より、聴覚障害者の福祉向上については、深いご理解とご配慮を
いただき、厚くお礼申し上げます。

さて、昨年施行された障害者自立支援法におけるコミュニケーション
支援事業は、聴覚障害者の社会参加を支援する手話通訳「派遣」の
体制の整備が進んではいるものの、手話通訳士(者)の「設置」

が進んでいない状況がみられます。このため、聴覚障害者が障害者
福祉サービスを利用するに際して、情報提供と相談・支援が不十分な
状況にあることが明らかになってきています。また、要約筆記事業の
伸展が遅れており、都道府県事業、市町村事業の役割分担などの
再編成により、コミュニケーション支援事業の派遣対象・範囲・
内容などに地域間格差が生まれている状況もあります。

コミュニケーション支援事業のもつ役割は、聴覚障害者の社会参加
支援にとどまらず、障害者福祉の現場で「聴覚障害者への対応が十分に
できる体制」を作ることであり、さらに、行政や地域のコミュニケー
ションバリアフリーに繋がる重要な意味を持っています。

今年9月28 日に政府が署名した「障害者の権利に関する条約」
では、
コミュニケーションの定義に手話、要約筆記を含む文字表示が位置
づけられており、それに基づいての一般原則、一般的義務などが明示
されました。このことは、前述の「聴覚障害者への対応が出来る体制
作り」が国内法整備の出発点となるものであると認識しています。

障害者自立支援法などの障害者施策が等しく享受できる体制作り、
聴覚障害者の社会参加支援などのため、下記の通り要望致しますので、
早急にその具体化をお願いします。

聴覚障害者「自立支援法」対策中央本部構成団体
財団法人全日本ろうあ連盟
社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
全国手話通訳問題研究会
日本手話通訳士協会
全国要約筆記問題研究会

【連絡先】
162-0801 東京都新宿区山吹町130 SK ビル8 階
財団法人全日本ろうあ連盟
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人工内耳で自分の声が最初に聞こえたことについて

2007年12月06日 01時10分23秒 | 人工内耳
今日の昼(2007年12月5日11:00)から、短時間を除き、右耳の補聴器はスイッチを切ったままにしている。

昨夜、自分の話した声が聞こえた(2007年12月5日21時頃)。

人工内耳の伝えている音を認識する際に、視覚情報があると認識しやすいことが指摘されている。
> http://poolpool.blog68.fc2.com/blog-entry-262.html
> http://blog.livedoor.jp/brain_network/archives/50757319.html
> http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2007/11/post_4d0b.html


人工内耳を付けた直後の一昨夜(2007年12月4日18:30から20:00)に手話を使う人と話しているとだんだん声がピポパと聞こえ始めた(ピポパが手話や口型と合ってきた)のは、視覚情報の読話と手話で言葉を読み取り、その言葉が頭の中に浮かんだ時にピポパが同期したために「聞こえ始めた」のではないか。

テレビのニュースのインタビューの声もテロップと口型を見て聞いていると「聞こえた」(2007年12月21時20分)のだ。

自分の声はこうした視覚情報がない。あるとすれば、発声時に声帯から直接聴覚器官に伝わる「音」の記憶しかない。発声した時、補聴器を使って来た右耳にも、補聴器をしていない左耳も同じように届いていたはずだ。聴覚的に増幅できない経路の音だからだ。
人工内耳をした左耳は聴覚がなくなったので、左耳には声帯からの音は「聞こえない」が、脳の中には左耳も右耳もその記憶があると思う。
昼間も話していたが人の話し声だったり、CDの音楽だったり、電車の音だったり、周囲の音がいろいろあった。しかし自分の声が聞こえたのは静かな夜道で
反響がないところだった。それで、人工内耳は自分の声だけを増幅して伝えたので、「聞こえた」のだ。

そうすると人の話しに耳を傾けるのと別に、静かな場所で自分でいろいろしゃべって自分の声を聞かせる方が良いかも知れない。自分の声も日本語なので、人工内耳の聞こえによる日本語のデータベースが構築されれば、他人の日本語を聞いた時の言葉のマッチングがスムーズになるのではないか。


早速、ドクターとSTの先生に報告しよう。

人工内耳を外したが、左耳は人工内耳をしているようなピピッピーガガーと「耳鳴り」(幻聴?)がしている。


ラビット 記
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駅から自宅まで歩いている時、声を出してみたら、自分の声はピピーガガーではなく、少し高い声だがちゃんと聞こえた。ヘリウムガスを吸った時の声のよう
に聞こえる。映画「未知との遭遇」のいわゆる宇宙人の声だ。
自分の声がそれなりに聞こえる。これには少し驚く。
自分の声は、人工内耳の声以外に骨伝導で伝わっている声(右だけだろう)も合わせてそう聞こえるのかもしれない。