難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

人工内耳装用者が補聴器?

2008年11月30日 15時10分03秒 | 人工内耳
081128-193924.jpg人工内耳装用8年目の女性が反対側に補聴器を付けて「聞こえる!」と言う。
以前からの人工内耳を使っている人は人工内耳に慣れてくると補聴器の音がじゃまと言って、はずしたということを聞く。
昔の補聴器は性能も今一つで人工内耳が補聴器の限界を凌駕したが、いまのデジタル補聴器の性能を考えると人工内耳装用者が補聴器を補助的に使うこともありなのかと思われた。

調整後、とある居酒屋で話し込んでいた。
隣のテーブルのグループがうるさかったが、室内に流れるピアノがジャズで、向かいの席の話も読話をしながらほぼ分かった。右側の人の話は右の補聴器で聞いた。
「打算」など幾つかの単語は聞き取れなかったが、人工内耳と補聴器の併用の効果は十分感じる。
いずれ低下する聴力も考えて、補聴器の限界を超えるために人工内耳を装用することは正解だったと思う。


物言えぬ子供たちは人工内耳をしていると補聴器をはずす傾向があるそうだが、われわれ成人の効果も参考にして欲しい。


ラビット 記




もうすぐ1周年、人工内耳装着から。

2008年11月30日 15時09分50秒 | 人工内耳
081128-194538.jpg昨日は、久しぶりに元の病院で人工内耳と補聴器の調整をした。人工内耳と補聴器の両方の装用を考えてくれる医師が転勤で、元の病院は月2回の診察日になり、4ヶ月ぶりの受診になった。

人工内耳を初めて付けた部屋に入った。懐かしい。あれから、もう1年だ。

人工内耳フリーダム5の新しい機能はウィスパー、アドロ、ASC(自動感度調整)、ビームがあり、一般環境、騒音下、音楽鑑賞などのモードでそれぞれ組み合わせて使うことが出来る。

1)ASCとアドロ
 会社の会議などでどの方向から発言があるか分からない場合、指向性機能のビームを使うと発言者の方向を見ていなくてはならない。資料や他の人を見る際には聞きにくくなる。ビームをはずして、ASCを設定した。

2)MT(磁気ループ、テレコイル用)
 スイッチを押さなくても常時Tモードになっている。マイク入力と磁気コイル入力の割合を1:3から1:4にした。磁気入力が大きくなっているはずだ。

3)アドロ、ビーム
 対面で会話をする場合に使用。比較的うるさいところでも前の人の話は聞きやすい。話し手の方を見る必要があるので、上司の隣席は痛し痒しだ。

4)ミュージック(ウィスパー付き)
 小さい音は小さいままで聞こえる。全帯域の音が聞こえる。通常は小さい音も聞こえるレベルに増幅するがウィスパーがあると小さいままだ。ヴァイオリンコンサートの時、小さな音は小さく聞こえた。演奏者の体の前の弦が高い音で反対側が低い音ということも分かった。


ラビット 記




補聴器とPHSの電話

2008年11月30日 10時58分47秒 | 補聴器
20081130105846.jpg昨日の補聴器外来で、補聴器でPHS、携帯電話を使う方法や補聴器の機能が初めて分かった。

今のデジタル補聴器は指向性の機能がある。補聴器の背に前後二つのマイクがあり、写真ではAが前、Bが後ろ、前後の音圧か時間差で音の大きさを比較しているとのことだ。
実はPHSで電話しているときに突然聞こえなくなってしまうことが続いていたので、この機種使わなくなってしまっていた。
初めは自動騒音抑制機能が効いていると思ったのだが、そうではなく、補聴器が電話の音を聞いて、あるいは周囲の音を関知して、背部の音が大きいと自動的に前のマイクだけにして前方の音を拾うようにしている。
PHSの受話部(スピーカー部)を補聴器のマイクの中間や背部のマイクで聞いていると大きい音を関知して後方のマイクを切ってしまうので聞こえなくなるのだ。

補聴器のマイクがこの位置にあることを理解していなかったのでPHS電話の聞き取りに苦労していた。

また、騒音のあるところでは何かの機能が働いてエレベーターなどで耳が詰まったような聞こえになるが変だ変だと思って屋内を歩いているとだんだん元に戻る。
この緩やかに変化するというのが初めて知った。

便利な機能には違いないがその仕組みを知らないと戸惑うことになる。

こうした補聴器の仕組みや使い方は丁寧に教わる必要がある。難聴者学級の必要な理由だ。


ラビット 記






障害者権利条約の合理的配慮

2008年11月29日 14時19分05秒 | 権利
081129-103640.jpgJDFフォーラム(東京)で、ティナ・ミンコウィッツさんの基調講演があった。彼女は、障害者権利条約の成立の過程で大きな力を発揮した世界精神医療ユーザー・サバイバーネットワークの共同議長だ。

彼女が強調したのは「合理的配慮」と「法的能力」だった。合理的配慮は、これまで障害者が社会に参加する、生活する場合に必要な措置と理解していた。
しかし、ユニバーサルデザインとの関係の説明を聞いてその本当の意味が分かった。
合理的配慮は、個人に対応する対応のことだ。ユニバーサルデザインは社会に一般的な障害を持っている人もいない人も利用できる施設、サービスの提供を表しているが、合理的配慮はそれをさらに個々のニーズに合わせる(調整)ことを言う。

障害者の障害を持っていない人との平等な権利を教授するためには、個々の障害者の状況にあった配慮が必要になる。その合理的配慮は環境側が相手が一方的に押しつけたりしてはならない。

視覚障害者が飛行機を利用するとき航空会社がサービスを提供するのに窓側が良いといっても視覚障害者が認めなければ実施してはならないという例が出された。

精神障害者にとって第12条の法的能力の問題は大きいが、難聴者にも似た問題と感じた。

その後のシンポジウムでも新しい理解が得られた。


ラビット 記




BSデジタル放送って?アクセシビリティは?

2008年11月29日 08時57分50秒 | 放送・通信
081128-194655.jpg081128-194426.jpg地上デジタル放送の強引な移行の陰にはこういう動きがあったのか。
こんなにたくさんの企業が参入しても、コンテンツの確保は大丈夫か。質の悪い番組は願い下げだが、それぞれの
企業が顧客囲い込み、獲得にメリットがあると考えているのだろうか。まさか総務省の天下り先ではないと思うが。

そうであっても、電波は国民の共同財産だ。最初の認可からきちんとアクセシビリティ確保の担保をすべきだ。

「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」の議論をしているさなかに障害者権利条約が採択された(2006年12月13日)。
障害者権利条約の条文が紹介された政府の最初の報告書だったのではないか。

3月に向けて研究会のまとめを議論する中でも民放の委員も障害者権利条約の意味は否定し得なかった。しかし、放送法に字幕放送の義務化は盛り込めず、手話放送についても全日本ろうあ連盟や全難聴の委員の度重なる要求にも「技術上の問題がある」として「研究の課題」とされた。

・2007年3月
平成19年3月30日
「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」報告書の公表
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070330_19.html
・2007年10月
平成19年10月30日
視聴覚障害者向け放送普及行政の指針の公表
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/071030_2.html

「デジタル放送・・・研究会の」報告書の後、政府は障害者権利条約に署名をした(2007年9月)。
ならば、当事者を交えた放送と通信の合理的配慮を議論し、放送法に変わる新情報通信法に対して、アクセシビリティの確保を義務付けるべきだ。

2月の情報通信審議会の地上デジタル放送の普及に関わる部会でも、視聴覚障害者が地上デジタル放送でテレビ放送が見られないことをあれだけ説明したが、非常に重要な問題だ、委員会としてもなすことがあると発言した村井純座長も含めて、沈黙しているのはどうしたことか。
全日本ろうあ連盟、全難聴など聴覚障害者関係6団体の度重なる要望書に対して、総務省、放送事業者は及び腰だ。

何か、大きなフォースが働いているのか。ならば、総務省、テレビ局包囲運動を起こさなければならない。


ラビット 記
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デジタル放送に関する Google ニュース アラート
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53事業者が次期BSデジタル放送の参入に意欲,総務省が調査結果を発表
ITpro
総務省は2008年10月17日,次期BSデジタル放送(2011年7月以降のBSデジタル放送)の参入希望調査の結果を発表した(発表資料)。今回の調査には,53の事業者が応募を行った。 このうち2011年から利用可能になる次期BSデジタル放送用周波数(第5,第7,第11,第19,第21, ...
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081017/317217/
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2011年7月開始の新BSデジタル放送に53社が参加希望
AV Watch
総務省は2011年7月以降に開始される新BSデジタル放送についての参入希望調査を実施。国内外の53社が参入希望を提出した。 新デジタル放送は2011年7月の開始を目指し、2008年11月ごろに基本方針や制度整備案の意見募集を開始、2009年内に委託放送業務の認定などを行なう ...
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20081017/soumu.htm




人工内耳のリハビリテーションとエンパワメント

2008年11月28日 20時48分15秒 | 人工内耳
081110-132446.jpg081110-132612.jpg人工内耳だけではないが、聴覚の活用を進める場合に聴覚機能そのものの向上とともに、本人の意識の持ち方を積極的なものに変えないと「環境」に耐えられないのではないか。

なぜなら、人工内耳をしている人、しようとしている人は音環境でも心理的な環境でもとてつもない過酷な環境にいるからだ。

人工内耳をしたばかりの聞こえは刻々と変わり、マップの調整が追いつかない。どう対処すべきか十分に教えられていないうちは、その変化とうるささに戸惑うばかりだ。
一般社会でも、マッピングとリハビリに通うことにも人工内耳の知識がない人たちから誤解、差別、嫌みなど受けることもある。


自分の聴覚障害を機能障害としてだけ見るのではなく、社会との相互作用の結果が「障害」となっていることを学び、聴覚障害それも難聴が故の困難さも理解し、必要な
支援サービスなどの社会資源を利用したり、開発することを学ぶ必要がある。

それは、聴覚補償リハビリテーションと自尊感情(セルフ・エスティーム)の確立、交渉力、アピール力、協調性など生活力強化ともいうべきエンパワメントプログラムが必要になる。
もちろん。多様な展開が出来るものが必要だろう。


ラビット 記





テレビの経営悪化と情報、アクセシビリティ

2008年11月27日 20時43分16秒 | 放送・通信

冬節約用品.jpg景気の急激な後退による広告料の激減の影響が出ているとのことだ。

テレビ放送事業者が一部の巨大スポンサーに収入を依拠しているのは衆知のことだが、報道の内容に批判をするスポンサー側から撤退を言われて、問題報道も出来ないでいる。

これでは、難聴者等向けの字幕放送、視覚障害者向けの解説放送が拡大どころか継続されるのかすら危うい。
テレビ放送のアクセシビリティは、放送法では義務化されているとは言えない。難聴者等向けの字幕放送、視覚障害者向けの解説放送が規定されているだけだ。罰則もない。手話放送は規定すらない。
地上デジタル放送になればどういう記述になるのか、当事者に提示もされていない。


テレビが社会の情報インフラであることは論を待たない。事業者の経営に関わらず、アクセシビリティが保障されるよう事業者に義務づけることが必要だ。


ラビット 記
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土俵際のテレビ業界、ニュースを守れ
2008年11月27日
「金融危機から発生した、経済悪化はテレビ局の報道環境をも包囲し始めた。

 元厚生官僚の連続襲撃についても、メディア舌禍だという意見が聞かれたが、まさしく本末転倒。行政府は、今回の問題をメディアに責任転嫁してはならない。そしてテレビ局も報道姿勢について、今回のような問題に過敏に反応することなく、また、スポンサーの発言に臆する事無く、テレビ報道の良心を守り、国民へのニュースソースを確保する事にプライドを見せるべきだろう。ここで腰砕けでは、民放テレビの報道についての信頼など木端微塵だ。テレビ報道は独自性が無いとの批判も多いが、少なくとも報道の威信とは国民へのニュースの多面性報道と質の確保である事を肝に命じなくてはならない。

正直梅太郎
東京キー局、編成、営業、映像投資業務に携わる。新規事業部門法人化に伴うスピンオフの責任者として、社内起業を体験。金融や投資ファンド関係者との業務も多くテレビ局らしからぬベンチャー企業勤務。 」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20081126/115391/?P=1





人工内耳とストラディヴァリウス演奏

2008年11月27日 12時24分30秒 | 人工内耳
081116-141100.jpg081127-080555.jpg天満敦子の無伴奏ヴァイオリン演奏会で紀尾井ホールに行ってきた。

バッハの6大ヴァイオリン無伴奏曲の3曲を聞いたが、初めてだ。
ヴァイオリンがこんなに豊かな旋律、音を出す楽器だとは知らなかった。弦楽器なのに管楽器も含む演奏に聞こえてしまった。
目をつぶると黄色や赤茶色のマーブル模様が円を描くように流れていく。街中にある紅葉した葉のイメージだ。
目を開ければ、天満敦子の操る弦の動きに合わせて、音が頭を駆ける。弱い繊細な旋律も入ってくる。

人工内耳フリーダムの音楽用のマップと補聴器のダヴィンチの両耳装用用のプログラムで聞いた。人工内耳の感度9、ボリュウム9と設定値の上限に、補聴器のボリュウムは通常値に設定してみた。
マップを換えてみたり、補聴器をオフにしてみたりすればまた違った聞こえになる。どれが本当の聞こえかと思いたくなるが、人工内耳は閾値が調整されているので最大に、補聴器は大きい音が入力されて抑制機能が働かないように低めにした。


最後の曲の演奏が始まった。ポルムベスクの「望郷のバラード」だ。ルーマニアの独立運動に加わって亡命した作曲家の数奇な運命の曲に天満敦子が生命を吹き込んだとされる。この作曲家の話は映画にもなった時にもなった。
最初の数小節で旋律の記憶がよみがえってきた。

天満敦子は、2004年の全難聴の全国大会「オープンカレッジ」の一環として開かれた演奏会で聞いた。磁気ループと各種補聴システムを駆使した「望郷のバラード」は難聴の聴衆の胸を揺さぶった。
正直なところ、その時は磁気ループが使えない補聴器でもあり自分に感動は感じなかったのだ。しかし、今回は名器ストラディヴァリウス、名ホール紀尾井ホールそして天満敦子、人工内耳フリーダムのmusic機能、デジタル補聴器ダヴィンチをして、4年ぶりにあの演奏と集いの感動をもたらした。


人工内耳により、クラシック音楽を聴くという新たな地平が見えた。


ラビット 記




人工内耳入門講座の講義録

2008年11月25日 08時45分10秒 | 人工内耳
081123-太郎123200.jpg東京都中途失聴・難聴者協会の「人工内耳入門講座」で、耳鼻科医の水足邦雄先生が講義した講義録が公開されている。

人工内耳の基礎的なことがコンパクトにまとめられていて、わかりやすい。

ただ、同大学の耳鼻咽喉科の外来は難聴の患者の呼び出しにもっと配慮が欲しい。


ラビット 記
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人工内耳入門
 慶応義塾大学医学部耳鼻咽喉科 水足 邦雄
http://www.tonancyo.org/jinkonaijikogiroku.html

はじめに
聴覚障害者の実態
耳の仕組みと難聴
人工内耳という方法と構造
人工内耳と補聴器
人工内耳装用者の実態
人工内耳手術について
手術と術後について
将来的な展望
最後に





聴覚補償リハビリテーションの研究

2008年11月22日 15時52分14秒 | 補聴器
081110-かんらん082400.jpg全難聴が、難聴者へのエンパワメントして、聴覚補償を考えるシンポジウムを開催する。
どのような聴覚補償リハビリテーションが必要かを今年提起し、どのようにリハビリテーションを受けるか、リハビリテーション体制をどうするかについては、次年度につなげる。


ラビット 記
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平成20年度独立行政・人福祉医療機構助成事業 シンポジウム
【聴覚補償リハビリテーションの研究】
http://www.zennancho.or.jp/info/event.html#20081206
※聴覚補償とは補聴器や人工内耳を使った聞き取りの活用を損します。

補聴器装用者、人工内耳装用者の聴覚リハビリテーションについて、聴こえの物理的、生理的、心理的側面から、その現状や課題、研究成果などを専門分野の先生方に講義していただきます。
聴覚補償に関造る補聴器や人工内耳装用者の聞き取りの改善の方策と事例を研究発表することを通造て、今後、私たちにとって、どのような聴覚補償リハビリテーションが望まれるのかを 問題提起します。

●日時 平成20年12月6日(土) 7日(日)
●会場 東京・戸山サンライズ 2階 大研修室
東京都新宿区戸山1-22-1
●交通 東京メトロ東・線 早稲田駅下車 10分
都営大江戸線 若松河田駅下車 7分
●参加費 無・ ※裏面の申込書をご利用ください
●定 員: 200名
●情報保障: 要約筆記、磁気誘導ループ、村話通訳

*** スケジュール *** (変更になる場合がございます)
■12月6日(土) 受付 12:30
13:00 オープニング、主催者あいさつ、存生労働省あいさつ(自立支援振興室 孫木憲司専門官)
実行委員長より事業経過報告

14:00 講義
1)聴能の心理的分野から:内藤 明(臨床福祉専門学校 言語聴覚療・学科長、言語聴覚士)

2)人工内耳関係:黒河 圭介(医療法人元気会 わかさクリニック理事長)

3)補聴器関係:石井 喬志(日本補聴器販売店協会専務理事)

4)語彙の研究など:坂本 修一(東・大学電気通信研究所)

16:30 1日目のまとめ その他

17:00 終了

■12月7日(日) 10:00 再開

10:10 パネルディスカッション
☆コーディネータ:中川 辰雄 (横浜国立大学教育人間科学部教授)

パネラー:内藤 明 (臨床福祉専門学校 言語聴覚療・学科長、言語聴覚士)

     黒河 圭介 (医療法人元気会 わかさクリニック理事長)

     滝沢 広忠 (札幌学院大学大学院臨床心理学研究科教授、臨床心理士)

     田内 光 (国立障害者リハビリテーションセンター病院 第二機能回復訓練部長)

     佐野 昇 (全難聴・補聴医療対策部長 補聴器装用者の立場から)

     高橋 はるみ (全難聴・補聴医療対策部員 人工内耳装用者の立場から)

12:10 昼食

13:10 パネラー・一般参加者との質疑応答、意見交換

14:30 ニューヨークリーグ(難聴者支援組織)訪問記
瀬谷和彦(全難聴・補聴医療対策部 副部長、弘前大学大学院医学研究科)

15:15 シンポジウム総括(まとめ)

16:00 閉会





障害者自立支援法訴訟と難聴者のエンパワメント

2008年11月22日 15時33分41秒 | 福祉サービス
081117-菊084534.jpg「障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会」から、ニュースが届いた。

これを読んで感じたのは、生きるのに必要な最低の生命維持サービスを受けるのにお金を請求される応益負担に半対する運動と難聴者が必要なサービスがないために受けられない問題とは同一線上にあるということだ。

難聴者が必要な事業は、聞こえのバリアフリー環境の整備、要約筆記や字幕支援などのコミュニケーション保障の他に、難聴者のエンパワメント事業が必要だ。
エンパワメントの内容は、聴覚補償リハビリテーション、手話、読話などのコミュニケーション手段の学習、コミュニケーション論、障害者権利条約に基づく権利意識の確立、憲法、社会福祉法の制度の学習などにあたるだろう。

エンパワメントによって、自尊感情の確立、QOL向上のための自立行動が出来る難聴者になる。
難聴である人がエンパワメントによって、難聴者になるためのサービスがない。


ラビット 記

━━━VICTORY━━━━VICTORY━━━━VICTORY━━━
  ◆障害者自立支援法訴訟の勝利をめざす会◆
      ニュース 2008.11.4号
   http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/
━━━VICTORY━━━━VICTORY━━━━VICTORY━━━
1)障害者自立支援法訴訟が一斉に提訴されました!
  8地裁 原告30名
  2008年10月31日は、新しいはじまりです。

 10月31日、全国8地裁(福岡、広島、神戸、大阪、京都、大津、東京、埼玉)で30名が、障害者自立支援法が成立してから3年目の日に、障害を理由とした支援サービスの1割を強要する「応益」負担は、生存権や幸福追求権の侵害であり、憲法に違反すると一斉に提訴しました。

 東京地裁では、東京と埼玉の原告8名が、竹下義樹弁護団長、藤岡毅弁護団事務局長などの弁護士とともに記者会見を行いました。
「私が原告になったのは、障害者はこのままでは生きていけないから」など当事者の切々たる訴えがつづきました。

2)マスコミも一斉提訴を大きく報道
 勝利する会のホームページで、インターネット上で現在確認できる各社の情報をリンクしています。ご活用ください
 http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/

 毎日新聞(東京版 兵庫版 滋賀版 広島版 京都版)、朝日新聞、共同通信、読売新聞(福岡版 広島版 滋賀版)、日本経済新聞、産経新聞(広島版、京都版)、東京新聞、埼玉新聞、中国新聞、神戸新聞、時事通信、赤旗、山陰中央新報(論説)、西日本新聞(社説)、NHKテレビ、フジテレビ

3)インターネット上で見られる動画
インターネット上の YouTube でつぎの動画が見られます
 障害者自立支援法は違憲とし障害 者が全国8カ所で一斉提訴(1)  http://jp.youtube.com/watch?v=r74GETJuFsQ&feature=related

 障害者自立支援法は違憲とし障害 者が全国8カ所で一斉提訴(2)  http://jp.youtube.com/watch?v=gqmkD_jteFg&feature=related
  
4)勝利をめざす会への入会続々(^_-) みなさんの声から勝利をめざす会への入会が先週末から続いています。
みなさんからの声を少し紹介します。

○障害者自立支援法の応益負担については、最低限日常生活をおくるための入浴、食事等に一部負担を強いる障害者の生存権に関わる問題だと思っております。私も脳性まひによる頚椎症で年齢とともに身体介助の度合いが増してきておりますので、この裁判には訴訟以外あり得ないと期待しております(大阪)

○福祉施設の職員です。自立支援法は、地域での障害者の自立を阻むと同時に、施設での生活も破壊しています。まさに、障害者の生きる権利を否定する憲法違反の法律です。司法の場に訴えること大いに賛成です(岐阜)

○愛知は、第一次訴訟には参加できる原告はいませんが、引き続き、学習を重ねながら訴訟について、考えていきたいと思います(愛知)

○私は重度障害者です、20年自立生活をしていますが、就労支援が末端までとどいていないのが実状、ヘルパー不足、住居不足でなぜこの法案が施行されたのか(愛媛)

○人並みの生活を保障してこその自立支援です。今のは名前だけです。だからやめるしかない!(新潟)

○10.31歴史に残るものでした。みんなの怒りの声が結集され、訴訟には、ぜひ勝利を手にしたいです(島根)

○自立支援法訴訟の報道写真の女性は、私の教え子です。頼もしく思いました。会の活動の進め方ですが、明るく楽しく進めていきたいものです(滋賀)

○障害者自立支援法を勉強したいと思って法学部へ進学しました。絶対に勝訴してほしいです(東京)

4)入会の申込方法、カンパの宛先です
「よびかけ」にご賛同いただける方はどなたでも入会できます。
http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/suit/yobikake.html

入会者には電子メールによる「メールニュース」(このメールです(^_-))を送らせていただきます(希望がある場合は FAXも可能です)

個人の場合は、1)お名前、2)連絡先ご住所、3)電話番号、4)電子メールアドレス、5)ご意見・ご要望などをご記入の上電子メールで
 syouri_mezasukai@nginet.or.jp 
へお送りください。
団体の場合は直接事務局にお電話ください=03-5287-2346(日本障害者協議会内)

◆郵便振替口座
 口座番号 00120-4-484666
 口座名称 めざす会
◆振込先 ゆうちょ銀行 
 口座番号 10060-25823761
 名義人  めざす会(メザスカイ)

▲▽▲▽ 事務局
ニュース第2号です。
10.31日比谷野音では「もうやめようよ!障害者自立支援法10.31全国大フォ-ラム」に6500名がつどいました
 http://www.normanet.ne.jp/~ictjd/1031.html
自立支援法訴訟の勝利をめざす会の参加を多くの人たちに広めましょう!




JOOSTとアクセシビリティ IP放送

2008年11月21日 10時23分58秒 | 放送・通信
081121-000905.jpgグーグルでJoostがヒットしたが、Joostって何?っという感じだった。
テレビ放送がインターネット上で見られるにしても、アクセスが集中したら見られないことは先日の防衛庁トップの国会中継でも話題になった。
このJoostが軽いという評判だが、手話ニュースをネットで配信する仕組みを作りたい。聴覚障害者が自分で情報を発信も受信も出来るような。

スカイプを開発した人がネット放送を専用アプリではなく、ブラウザで見られるようにしたというニュースがあった(2008年9月22日)。


ラビット 記
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IP放送に関する Google ニュース アラート

新しくなったJoost、迷走する動画配信ビジネスの台風の眼になるか?
CNET Japan
電波を使った放送による配信であるテレビに対して、ストリーミングや通常のダウンロード方式の配信では送り手のコストが過大になりビジネスとしての採算が取れない。
PtoPはそれを解決する有効な手段になり得る。そしてPtoP配信でも有効なDRMが必要とされている。 ...
http://japan.cnet.com/column/pers/story/0,2000055923,20383930,00.htm
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「Joost」ブラウザから動画の視聴が可能に
9月22日(月)17時37分配信 ネタフル
タグ:Joost動画サービスインターネットテレビウェブブラウザインストール専用ソフトバージョンStandardPremium提供動画サービス「Joost」がブラウザで視聴可能に、戦略を大きく変更という記事より。
KaZaAやSkypeの創業者が創業したことで知られる動画サービス「Joost」は18日、専用ソフトを使った動画サービスという同社のビジネスモデルを根底から変更し、ブラウザから動画を見られるようにしたと発表した。
(以下、略)
http://opinions.news.yahoo.co.jp/op?a=1051975-neta
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【Web 2.0 Expo】オープンソースのP2P映像配信システム「Joost」を披露
「Skype」の共同創立者が始めたピアツーピア(P2P)の映像配信システム「Joost」(運営はルクセンブルグJoost)。Joostの取締役であるDirk-Willem van Gulik氏(写真1)は,4月18日(米国時間)にサンフランシスコで開催された「Web 2.0 Expo」の基調講演で,「JoostはP2Pのテレビだ」と述べ,様々なデモを披露した。 (以下略)
(中田 敦=ITpro) [2007/04/20]
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20070420/269011/?ST=ittrend






2008年度全難聴大会決議(3) 放送など、権利条約

2008年11月21日 07時09分47秒 | PHSから
081120-235658.jpg地上デジタル放送の完全移行のスケジュールに関わらず、全ての障害者に対して、放送のアクセスの放送事業者の責任を法律で義務付ける必要がある。これは、合理的配慮にあたるものだ。
地デジ放送番組が、放送と同時にインターネットで提供される(マルチキャスト)ならば、放送と通信の違いはあっても、アクセシビリティは同等に保障されるべきだ。

交通や防災などの各分野のアクセシビリティの中で、文化に対するアクセシビリティの重要さを指摘したい。


ラビット 記
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6.障害者向けの放送を義務付ける放送法の改正とガイドラインの制定を求めます。
(説明)
地上デジタル放送や衛星放送、放送大学放送、IP放送も含めて、字幕放送・手話放送の実施を義務付けることを求めます。地上デジタル放送の完全移行にあたっては、これまで視聴していた人が見られるようにするのはもちろんのこと、視聴覚障害者等放送アクセス問題の解決には当事者を含めた協議を行い、図ることが必要です。

通信のユニバーサルサービスとして、通信事業者の電話リレーサービスの義務化を求めます。

7.交通、防災、教育、文化施設等のバリアフリー法制定を求めます。
(説明)
 列車・航空機・船舶・乗合自動車等の交通機関および施設への運行情報等の文字表出や、地震・火災等の災害時情報の文字伝達を求めます。また教育現場における講義保障やコミュニケーション支援と環境整備、公衆の集まる劇場や娯楽施設その他文化施設での文字による情報保障、DVDなどの記録系メディアの字幕義務付けなどを求めるものです。

8.難聴者等の諸権利の保障について、国連障害者権利条約への批准に向けた国内法の整理を求めます。
(説明)
 2008年5月3日、国連障害者権利条約が20カ国の批准を得て発効しました。日本でも障害者団体と政府との意見交換会が継続的に実施され、批准に向けての国内法整備の議論が続けられています。本年度中に条約批准という動きもありますが、条約履行のために国内法の確実な整備が何より大切です。

9.難聴者等が関わる施策形成の場への当事者の参加を求めます。
(説明)
 行政機関の設ける各種福祉施策策定に関わる委員会等に、当事者の参加を保障して下さい。障害者自立支援法の障害認定の審議会や、障害福祉計画策定の場に当事者の参加を求めることと、各省庁または外郭団体の設ける委員会に参加を求めるものです。

以上

2008年11月2日
社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会





2008年度全難聴大会決議(2)

2008年11月21日 07時08分52秒 | PHSから
081120-235514.jpg要約筆記事業は、社会福祉法第二種事業にふさわしい形で実施されるべきだ。要約筆記者が奉仕員と違うことは難聴者の権利を擁護することと要約筆記に必要な知識と技術を順序をだててきちんと学習していることであって、たんなる「技術レベル」の違いではない。


ラビット 記
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4.障害者自立支援法に則った、要約筆記事業のすみやかな実施を求めます。
(1)厚生労働省に対して
要約筆記者養成事業の実施要綱をすみやかに通知して下さい。また要約筆記指導者養成講習会等の実施を都道府県に通知して下さい。

(2)都道府県に対して
要約筆記指導者養成事業、要約筆記者養成事業を実施してください。また要約筆記者として派遣するために、現任登録要約筆記奉仕員に対する補習研修事業を行なってください。さらに要約筆記者の認定制度を設け、一定の試験等により認定を行ってください。

(3)市町村に対して
手話通訳と同様に要約筆記者派遣事業を実施して下さい。要約筆記・手話通訳者派遣事業のコーディネーターを設置し、派遣事業の専門性を確保して下さい。
当事者活動への派遣も個人派遣同様に更に推進してください。
(説明)
難聴者等の権利の保障となる要約筆記事業を全ての都道府県、市町村(特別区を含む)での実施を求めます。社会福祉法第二種事業の要約筆記は専門性のある通訳者が担うことが必要です。このことは難聴者等の権利擁護と要約筆記者の身分の保障に繋がります。

5.複数の難聴者等に対する要約筆記の派遣を制度化して下さい。
(説明)
難聴者等は地域社会で集団で活動することが社会参加の重要な形となっています。  団体やグループ(当事者活動)への派遣を都道府県や市町村のコミュニケーション支援事業として実施してください。また障害者自立支援法施行後、事業の縮小や廃止をした自治体においては、復活してください。また従前の予算を増額してください。

 障害者自立支援法では障害福祉サービスは個人に対する給付ですが、難聴者等は障害受容の上でも、継続的に同じ障害を持つ仲間と出会って、交流することが非常に重要です。
(続く)




2008年度全難聴大会決議(1)

2008年11月21日 07時08分01秒 | PHSから
081120-235446.jpg11月1日から3日まで、岡山県で開催された第15回全国中途失聴者・難聴者福祉大会で決議された、大会宣言が公表されている。

ラビット 記
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大 会 決 議
(第15回全国中途失聴者・難聴者福祉大会in岡山)

難聴者・中途失聴者(以下、難聴者等)が地域等で自立し生活していくために以下の要望をここに決議します。

1.障害者自立支援法は、難聴者等の社会参加を保障するものにして下さい。
(説明)
コミュニケーションの成立を保障する要約筆記の派遣は無料で実施すべきです。重度の難聴者ほど、あるいは積極的に社会参加しようとする人ほど通訳費用負担の大きくなる応益負担制度に反対します。

2.聴覚障害の認定の基準の見直しを求めます。(デシベルダウン運動)
(説明)
中途失聴・難聴は生活の場面におけるコミュニーション障害であり、ICF(国際生活機能分類)に基づき、身体障害者福祉法の聴覚障害の基準を緩和するとともに、聴覚障害認定の在り方を見直して下さい。
聴覚障害の認定基準を下げるとともに、聴覚障害を医療モデルから社会モデルに 変更することを求めるものです。聴覚障害の認定基準が変更されないため、認定基準と聴力損失のはざまで差別を受けている難聴者等が支援の対象になりません。

3.難聴者に必要な補聴器と補聴援助システムの給付を求めます。
(1)補聴器の機種選択は本人の装用希望・評価も反映できるよう求めます。
(説明)
障害者自立支援法では給付機種・給付額の見直し等を含まず、本人負担額のみが一方的に一割負担となっています。新しい補聴器はデジタル補聴器が主流を占め、同時に高額になっています。給付額との差額も多くは自己負担を強いられているのが現状です。自立支援法下での補聴器活用は二重苦を強いられています。
また補聴器の手帳等級や職業による機種指定が公然となっており、「聞く」権利が侵害されています。また、QOL(生活の質の向上)の為には両耳装用が必須のアイテムですので、基準内交付をしてください。

(2)難聴者等への「聞こえを補う機器」補聴援助システムを日常生活用具給付品目に入れてください。
(説明)
補聴器に接続し、あるいは送受信できる補聴器と補聴援助システムは、中途失聴・難聴者の社会参加やより良い聞こえを待望している私たちにとって、必要不可欠のものです。電波法改正によるFM補聴器関連機器が発売され、聞こえの向上に資する顕著な例があります。私たちの「聞こえのQOL」に、なくてはならないものであります。
(続く)