難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

カーナビと難聴者

2005年06月29日 02時02分48秒 | 機器について

050628_2000~001.jpg車を替えたので、ディーラーの代車に乗ったら、最新のカーナビが付いている。何かしゃべっているが、ラジオを消しても聞こえない。後何メートルで交差点とかしゃべっているらしい。聞こえる人は画面を見なくても良いので便利だろう。交差点に近づくと別ウィンドウで拡大されるので聞こえなくても何か分岐していることは分かる。
車の窓を閉め切ると外の救急車のサイレン等は聞こえない。アメリカには緊急自動車のサイレンや信号を補足すると車内で光等で知らせる装置が、ディーラーオプションである。日本も高齢者や介護の必要な人向けにオプションが出ているが、こうした機器はまだだ。

環境規制をらくらくクリアしたり、ハイブリッド自動車を実用化した世界有数のメーカーがこれはどうしたことか。

ラビット 記



障害者自立支援法と難聴者

2005年06月27日 21時24分28秒 | 福祉サービス

050626_1628~001.jpg賛成する障害者がいるのかと思う位、反対の声が強い障害者自立支援法だ。
中途失聴・難聴者にも弊害は大きい。中途失聴・難聴者の関心の多くは補聴器の給付だろう。現在の身体障害者手帳を持つ重度難聴者※の79%が補聴器または人工内耳を使ってコミュニケーションしているからだ。
※両耳70dB以上の聴力レベル
補聴器の給付は自己負担一割りとなり、電池は全額自己負担となる。しかも、40dBで日常生活の様々な場面のコミュニケーションに支障をきたすが、法律上なんの支援の対象にもならない。
聴覚障害は、身体障害者福祉法では聴力検査により聴力という機能の低下をみるが、これは実際の生活におけるコミュニケーションの困難度を反映していないことが問題だ。車中や町中など騒がしいところでは話が聞こえない。会議室でも離れた人の話はわからない。
障害の定義をデシベルからニーズに転換する必要がある。つまり医学的基準から社会生活基準にするということだ。

ラビット 記

(写真)26日の障害者自立支援法の学習会で、要約筆記の方が汗を流して書いて下さいました。



難聴者に優しい信号機

2005年06月27日 08時03分08秒 | 機器について

050623_1210~001.jpgK県に行った際、歩行者用の信号が青から赤に変わるまでの秒数が表示されているのを見た。
信号は視覚障害者のために音楽で信号の変わるまで知らせているようだが、この秒数表示の信号は難聴者でも青信号でも歩き始めるかどうかの判断ができるので便利だ。

だいぶ前に都内でも見たような気がするが、今は見かけない。
何か危険が増すようなことがあったのだろうか。側方の車両がこれを見て急発進するようなドライバーがいたとすれば、悲しい。電車のシルバーシートと同じで、女性専用車みたいにしないとならなくなる。

ラビット 記



積極的な孤独

2005年06月26日 19時27分55秒 | 生活

050625_1400~001.jpg聴覚障害者コミュニケーション教室で、「孤独力ー人間を成熟させる「ひとりの時間」」※を書いた津田和寿澄氏の講演会があった。
消極的な孤立Lonlinessから積極的な孤独Solitudeへの転換を奨めるもので、人は誰しも成長の過程で一人になる力を持つようになる。
勇気や決断の要るときは一人になる時間が必要と述べられた。孤独の効用として他にも自己バランスがとれること、など5点ほどあげられていた。
※講談社 ; ISBN: 4062594544 ; (2003/09)

聞こえなくて嫌応なしに、孤立させられてしまう難聴者は、それを積極的な孤独に換えるためには何が必要か、伺ったら、自分の軸を持つのがソリチュードだから、難聴には関係なく必要だし、できるということだった。
つまり、聞こえないという環境や人とのコミュニケーションが持てないという状態から、聞こえないということを越えた意識になるのがソリチュードということのようだ。


イチローやタイガーウッズは間違いなくソリチュードの人だというので、清原もソリチュードでないかと質問したんだけれどなあ。

ラビット 記



地下鉄の行き先はわからない?!

2005年06月25日 13時59分12秒 | 生活

050625_1350~001.jpg今日は、協会の理事会。いつもと違って、地下鉄を乗り継いで行く。急いでホームに到着した電車に乗ったが、直通なのか途中の駅で分岐するのか分からない。
放送で言っているのだろうが、走行音や反響音で聞こえないので困る。地下鉄の行き先表示はその駅を発車しないと次の駅を表示しないので、分岐する駅で降りるべきか迷ってしまうことになる。
分岐したり、複数の路線走っている場合は、車内の電光掲示板にどこ行きなのか、乗換駅かどうかを表示すべきだ。

聞こえる人だけを考えて作られた世界は、聞こえない人のことは分からないのだ。


ラビット 記



難聴者は密室が怖い!?

2005年06月25日 04時00分30秒 | 生活

050624_0701~001.jpg四国から日帰りで帰京しなければならず、寝台列車「サンライズ瀬戸」に乗った。
寝台に乗るのは何十年振りかだ。
外からかける鍵がデジタルで設定する方式なのにも驚いたが、室内に入ると鍵が三つもかけるようになっている。
これでは全くの密室になってしまう。外から何か聞かれても、何も聞こえない。それで、改札が来るまでドアを開けておいた。
しかし、寝る時は鍵をかけないと不用心だし、施錠すれば何かあっても気付かないことになる。
これは、運を天に任せるのは聞こえない人の定めと割りきるしかない。

しかし、この寝台列車は急な狭い階段はあるし、乗るにも大変。トイレも狭い。バリアフリーとは無縁の乗り物だ。

誰もが快適な旅ができるようにして欲しい。

ラビット 記


讃岐うどんと難聴者

2005年06月24日 20時35分36秒 | 生活

050623_1210~002.jpg讃岐うどんの本場に行ったので、やはり何をさておいてもうどんを食べるところを探した。駅から600m位も離れた商店街に行列の出来ているうどん屋があった。
並んで入ると具を皿に取って、湯釜を担当している人にうどんの種類やご飯などを言っている。
せっかくだから、珍しい牛しゃぶうどんを食べたかったが注文して何か聞かれても困るので、無難な冷やかけうどんにした。

これはちょっと前に、新宿でやはり同じシステムの讃岐うどんの店でとろろのかけだかを頼んで、つゆをもっとかけてくれと言ったところ、何か言われてわからず、そのまま食べたという苦い経験をしたばかりだからだ。

聞こえない人は注文したのと違うのが出てきて、違うとは言えずにそのまま食べるというのはしばしばあることだ。
店の人とのやりとりが聞こえないとあれこれ言えないからということもあるし、知人などと一緒ならやりとりのちぐはぐなことが恥ずかしく思えて、なおさら言わない。

本場の讃岐うどんは、そういう悲しい思い出になってしまった。
いつか思うとおりに食べたい。

ラビット 記



あなたの耳は大丈夫?  

2005年06月22日 22時26分43秒 | PHSから

050622_2133~001.jpg「あなたの耳は大丈夫?」は難聴とはどういう障害か、どのように対応すれば良いか、分かりやすいイラスト付きで解説された本でチョーおすすめ。
筑波技術大学学長の大沼直紀先生が執筆されたものだ。
PHP研究所発行だが、今は絶版になっているので、リサイクルや古本屋で見書けたら即ゲットを薦める。図書館にあるかもしれない。

ラビット 記


同大は聴覚障害と視覚障害を持つ学生を対象にした国内唯一の筑波技術短期大学が今年四年制大学に昇格した。


会社の会議で補聴支援機器を試す(2)

2005年06月21日 22時03分00秒 | 機器について

050621_0854~001.jpg今朝の始業前の課内ミーティングで昨日のシステムを使ってみた。
今度は少し小さい応接室で8人くらいが顔を向かい合わせて、話をする。
顔が見えるので、口も読めるし、送信器も話している人の目の前におけるので、昨日よりは聞こえるかなと期待していたが、逆だった。
狭い四角い部屋なのと壁に何も置いていないので、声が木の壁に反響して、それがマイクに入るので話がくぐもって聞こえる。
これは座る位置を変えるか、指向性のマイクにしないとだめかもしれない。
午後から昨日と同じ部屋で行われた別の会議でも使ってみた。外部の業者がほとんどだが、開口一番に今日は補聴支援システムを使うのでマイクを各自の前に順に置いてくださいと言った。
私が会議や会話が聞こえていないことを皆が知っているので、この支援システムに興味を持ってくれたようだ。
無線送信器のスイッチを入れたら、ピーッ、がガーッと凄いノイズが入って、聞こえない。何度かスイッチを入れ直してみたがだめ。今日の会議は自分が司会役なので焦る。
思い付いて、右耳にデジタル補聴器をして、左に支援システムの受信機のイヤホンで聞いてみた。つまり、ワイヤレスの送信器の音は聞かずに手元の受信機の音だけ聞いて見た。思いの外、聞こえる。
不思議だ。

しかし、耳を澄ませて聴くのは本当に疲れる。今日は都合3時間、集中していたので疲れた。

やはり、補聴器と支援システムにはどうしても限界がある。

ラビット 記

この補聴支援システムは、友人が試作してくれたもので、市販されていない。場面によっては、非常に良く聞こえるので、勤務先で試している。

会社の会議で補聴支援機器を試す(1)

2005年06月20日 22時27分38秒 | 機器について

050620_0942~001.jpg勤務先の毎月曜朝の定例会議で補聴援助機器を試してみた。
ロの字形に約15人くらい座るが、私はできるだけ全員が見通せるように角に座る(写真の手前側)。
マイクの付いた無線送信器を手元に置き、発言者に向けて、両耳にイヤホンを付けて聞くと補聴器だけより良く聞こえる。しかし、自席から離れた人の声はボリュウムを上げても聞きにくい。
席を立って発言者の近くに置く。良く聞こえる。
勤務先の三番目の古参になってしまったので、会議中でもずうずうしく、歩き回れる。順に報告するような場合は良いが、歩いている内に発言が終わったり、同時に話すような場合はアウトだ。
ラジコンカーに送信器を乗せて部屋の中を操るか、机の端を伝うロボットでも作るか。こういう時のために聴導犬がいるのかも知れない。

補聴援助機器は送信器の位置の問題さえ片付けば効果がある。会議の出席者がマイクを回してもらうのがいいかも知れない。マイクが回ってくるまでは話さないようにするのが良いが、私は聞こえないのでと、いちいちお願いしなくてはならないのがシャクだ。一番古参の部長がこのシステムに興味を持ってくれた。素直に、ありがたい。来週は皆に協力を依頼しよう。

ラビット 記



電車の旅

2005年06月19日 15時44分30秒 | PHSから

050619_1030~001.jpg050619_1457~001.jpg信州まで足を延ばした。引き上げ式の窓なんて数十年ぶりではないか。
梅雨入りのはずだがM駅には外国人のハイカーも。
着いてすぐ帰路の切符を購入したが、駅員さんが何かを言っている。
アクリルの板越しではよく聞こえない。身体障害者手帳を示してもカンオンセイナンチョーなんて分からないだろうなあ。
禁煙、通路側をお願いしますと質問にかまわずしゃべるが、まだ聞いている。何かと思ったら指定席を取るかと聞いていたのだ。14:50発なので自由席もあると気を使ってくれたようだ。

帰路の特急は新しい型で行き先の表示板がある。しかし10字程度しか表示されない。シートの背もたれの裏に何かを表示できないか。
普段は必須情報を出していて、有料コンテンツは100円入れると映るとか。

ラビット 記



補聴援助システム用電波

2005年06月18日 21時30分34秒 | 福祉サービス

050618_0932~001.jpg補聴器はどうしても構造上、話している人や音源から離れると聞きにくくなる。
それを補うために各種の補聴援助システムがある。電話拡声器も聞えを補うものだが、システムというのは補聴器や他の機器あるいはシステムと連携して使うものだ。
話し手の近くにマイクを置いて、その声を電波で補聴器や受信機に飛ばすものがある。

この補聴援助システム用の電波は混信を避けるために専用の周波数が平成九年に認可された(追記参照)。筑波大学の斉藤佐和教授や筑波技術短期大学(現筑波技術大学)の大沼直紀教授たちが中心に研究会をもって、総務省に働き掛けた結果だ。
我が国は電波資源が不足している中、こうした用途に認められたことは極めて異例だ。

ラビット 記

写真は、田植えを始めたばかりの今日の田んぼ

第96回電気通信技術審議会議事録
第1 開催の日時及び場所   平成9年1月27日(月
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/japanese/teletech/70327b01.html

電波監理審議会(第793回)議事要旨(平成9年3月7日公表)
http://www.japanpost.jp/pressrelease/japanese/sonota/970307d901.html

75Mhz帯の一部が、特定小電力無線局補聴援助ラジオマイク用となっている。
補聴器装用者向け補聴援助システム
http://www.tuins.ac.jp/~takao/deaf/commaid.html


難聴者が会議に参加するために

2005年06月17日 20時29分29秒 | 福祉サービス

050617_1600~001.jpg050617_1544~001.jpg今日は午後から、情報通信のアクセスに関わる委員会に出た。
通信事業者や機器メーカー、それらの業界団体、各種の障害者団体が加わっている。
会議は、パソコン要約筆記が付いているので、発言が表示されるまでワンテンポあるが普通に参加できる。
資料とパソコンの画面を見るのに忙しいが、資料を見ていても数行分は画面で見られる。
パソコン要約筆記は、話された言葉をパソコンのキーボードから入力するが全てを文字化はしないし、できない。入力するパソコンは普通の市販のもので、ボランティアの方によって開発された専用ソフトを用いる。
最近は、聴覚障害者の参加する国や行政、関係機関の会議や学会などには用意されることが多くなっている。今後、手話通訳と同じように増えていくと思う。しかし、こうした会議のパソコン要約筆記が出来る人は多くはない。
資格みたいなものはないが、厚生労働省が養成のための標準的なカリキュラムを策定している。今後、自立支援法制定もあり、一定の技術、知識を持った人を認定することも必要になってくる。

ラビット 記




テレビは全ての障害者のために

2005年06月17日 08時28分09秒 | 福祉サービス

050519_2228~001.jpgテレビを見ていて、あっ字幕放送やっていないかとリモコンの字幕スイッチを押すと、数秒後画面に字幕が映る。
前は新聞の字幕放送のある番組を選んで見ていたが、今はそんなことはしないで、見たい番組にチャンネルを合わせて、字幕放送をやっていなければ違うのを見るというだけだ。
考えてみると20数年も前、1980年代の始めに聴覚障害者教育会議に参加するのために渡米し、ろう者と手話通訳者の家庭に泊めて頂いた時、どのチャンネルを見ても字幕が見られることにとても安心感を覚えたことを思い出した。自分は聞こえなくても社会から取り残されていないという安心感をある。
ちょうど今が当時のアメリカと同じでないか。その頃のアメリカの字幕放送は週300時間程度だった。確か全体の70%位だ。驚くことは年間2千万台のテレビを販売するアメリカで字幕放送を見られるデコーダーはたった5万台しかなかったことだ。つまり見る人が少なかろうと視聴者の権利を守るために、国や放送事業者は莫大な経費をかけて字幕を制作していた。
我が国は、1997年に郵政省(現総務省)が字幕放送普及行政の指針を策定し、2007年までに字幕付与可能な全ての放送番組に100%字幕放送を実施するという目標を打ち出している。字幕付与可能なというのは、当時の技術では不可能と思われていた生放送や音楽番組などだ。NHKは来年の2006年までに目標を達成し、キー局も90%台の目標を持って、懸命に拡大している。
2007年以降、字幕放送だけではなく、全ての障害者のための放送の実施目標を掲げるべきだ。地上波デジタル放送の拡充、インターネットとの融合など国連の障害者の権利条約の制定とも絡んで大きな曲がり角にある。

ラビット 記

指針
字幕放送普及の指針は、1995年、平成7年11月17日に総務省(当時の郵政省)が定めたもので、正確には「字幕放送へのアクセスの機会拡大に向けてー字幕放送普及行政の指針」。
放送事業者全体に対して、放送事業者の種類ごとに2007年までに全ての番組に達成する目標を掲げている。
http://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/h16hakusho/zenbun/html/zuhyo/fig01_01_74.html


個人情報保護法と聴覚障害者

2005年06月16日 06時32分06秒 | 生活

代掻き個人情報保護法がスタートして、聴覚障害者に大きな問題が起きている。
実際にあった例で、聴覚障害を持つ人がプロバイダーのトラブルでメールで問い合わせることが出来なかったので、聞こえる人を介して対策を問い合わせても、個人に関わる情報があるので本人でないと答えられないとか、ファックスで返事を欲しいと言っても受信した人が本人であるかどうか確認できないとして、対応を断られている。
これでは、聴覚障害者が電話リレーサービスやファックスを使って、生活や仕事をするのが不可能になってしまう。
聞こえない人に替わりの電話を頼まれた人が、代理であることを告げないで、電話で用件を済ませることが出来るかもしれない。これでは、なりすまし犯罪の恐れがあり、今のクレジットのように本人であることを生年月日や特定の語句で確認したとしても不安が残る。

ラビット 記


勤務先の目の前の田んぼは会社が借りている。明後日、田植えをするので代掻き中。マンションの見えるところの田んぼです。
田植えをした。2時間の予定が参加者が多かったので、1時間で終わった。
品種は黒米だ。