難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴者向け障害福祉サービス事業の提案

2018年05月27日 18時24分47秒 | 福祉サービス
今日は認定NPO法人東京都中途失聴難聴者協会の総会に参加しました。会員599名中107名が参加していました。

総会で障害福祉サービスの難聴者向け事業を実施する事業所を作ることをの提案をしました。難聴者のデイサービス事業を例にしましたが多くの方がうなづいていました。

障害者総合支援法の障害福祉サービスは、自立支援給付と地域支援事業があるが自治体と契約して事業を行うのは自立支援給付事業の中の訓練等給付です。難聴者が手話や読話を学ぶ、補聴器の使い方、筆談など難聴者の自立には多くのことを学ばなければなりません。これを事業化します。
実際に聴覚障害者生活支援事業として難聴者教室を開いている自治体もあります。

全米難聴者大会の参加のおすすめ(言葉の問題とチャレンジ)

2018年05月27日 04時40分36秒 | 2018全米難聴者大会ミネアポリス
全米難聴者大会と関連施設ツアーをご検討いただいている皆さん、

言葉の問題も心配されているかと思います。それは参加を考える上でいちばんの問題ではありません。私たちが英語を話せない、聞けないとしても、それはアメリカ人も同じです。コミュニケーションの基本はしっかりしたアイコンタクトとスマイルですよ。

それと私たち、難聴者、ろう者が新しい場所に行ったりする時はまずよく見ることが大事ですね。日頃から視覚情報をたよりに生活、仕事をされていると思います。空港に着いた時からその雰囲気、空気を感じてください。広い街、行き交う人々、カフェの店員さん。
昨年のソルトレイクシティの大会の時は、早朝ホテルを出てグーグルマップで見つけた近所のピザ店で指差しながら注文したピザの美味しかったこと、ウェルカムパーティでウェスタンスタイルになって、ダンスをしたり、アトラクションを楽しみました。

今回のツアーは国際会議のように同時通訳を同道するツアーではありません。
大会の分科会、前大会の全てに速記者によるリアルタイムキャプションが付きます。もちろん英語ですがGoogle翻訳による日本語字幕も提供されますので、話されているテーマと表示された英語を合わせると少しずつ意味がわかります。最初はそれで良いと思います。
もっと詳しく知りたい方は分科会の資料はすべてアップロードされますし、出発前後にインターネットで発表者のフェイスブックページを見たりすれば徐々にわかります。

私がこのツアーの参加をお勧めするのは、私自身が40年前に渡米して、アメリカの障害に対する考え方、情報アクセスに対する熱意、チャレンジ精神などを強く感じたことから、私の難聴者としての人生が始まりました。難聴に対するスティグマ、劣等感、消極さ、そうしたものを払拭するきっかけとなったのです。

ぜひ、チャレンジしてください。5月いっぱいお待ちします。

【全米難聴者大会スタディツアー2018 in ミネアポリス】
全米難聴者協会(HLAA)のウエブサイトがリニューアルされました!

うれしいのは日本語への自動翻訳機能。Japaneseを選択すると、全ページが自動的に翻訳されます。翻訳の精度はそれなり(笑)ですが、全体の意味はつかむには十分ですね。
大会のページだけでなく、リソースのページも見てみて下さい。

こちらからどうぞ↓
https://www.hearingloss.org



NHK技研公開2018に行って来ました。手話アニメも実用域だが。

2018年05月24日 03時31分34秒 | 放送・通信
NHK技研公開2018に行って来ました。
個々の技術の紹介は後にしても、これらを現実の社会の中でどう生かすのか、特に障害者の情報アクセスにどう生かすのかは「技術」ではなく政策の問題と感じました。

例えば「スポーツ情報の手話CG制作システム」は東京オリンピックの競技の情報を手話アニメで提供する目的で開発されています。IOC傘下のオリンピック放送組織OBSが競技場ごとに映像と文字データ(競技の選手名、成績、競技の勝敗など)をXMLで提供します。このデータを文字化して、手話アニメで表現するというものです。
競技情報を手話アニメで見られるとして、緊急情報を含む場内のアナウンス、テレビ放送の音声を手話通訳で見るか、オリンピックまで日がない中、当事者の関与がないまま進んでいるようです。

一方でぜひ早期に実施してほしい技術もありました。「音声認識による書き起こしシステム」はこれまでスタジオ内の音声中心の音声認識技術の活用が、屋外の現場の音声の文字化にも活用できるようにするものです。音声認識の認識率の低下をオペレータによる修正を可能にしています。これはテレビ放送への適応の期待が大きいです。

技術が現実の障害者のニーズに基づいて開発されているのであれば社会への適用には当事者の関与が必要です。その当事者はニーズと技術、政策に通じていなくてはなりません。

日本マイクロソフトのde:code2018に日本語字幕が!

2018年05月23日 05時19分04秒 | バリアフリー
昨日は、日本マイクロソフト社の「de:code2018」の基調講演を日本語字幕付きで聞く機会がありました。マイクロソフト社の最先端の技術情報を字幕付きで見られるのは願ってもないことでした。
https://www.microsoft.com/ja-jp/events/decode/2018/

字幕はMicrosoft Azureの上で富士通LiveTalkが作動する『日本語字幕アシスタントモニター』と名付けられていました。同社が全力で開発する字幕サポート、今後に大いに期待します。
#decode18



全米難聴者大会2018ミネアポリスのプログラム(再)

2018年05月22日 19時19分07秒 | 2018全米難聴者大会ミネアポリス
全米難聴者大会のプログラムです。全部で30以上の全体会、分科会があります。アドボカシー、補聴技術、難聴者の生活、聴覚に関わる政策、補聴器と人工内耳、支部活動などに分かれています。

<英語版はこちら>
http://www.hearingloss.org/sites/default/files/docs/HLAA2018_Workshop_Schedule.pdf …

全米難聴者大会スタディツアーの第二次募集です。観劇、ライブ、ウォークデモなど多彩なイベントがあります。会場に日本語字幕サービスもあります。
https://eco.his-j.com/html/minneapolis/

人工内耳の両耳装用の利点、特徴(個人的まとめ)

2018年05月21日 20時06分06秒 | 人工内耳
両耳人工内耳の利点、特徴を具体的にはどういうことかと聞かれました。

1)自分の声が変わります。難聴特有の発音が減ります。

2)音が細かい部分も聞こえるようになります。「立体的に聞こえる」と表現する人もいます。

3)うるさいところでも相手の話が聞こえます。人工内耳の片側だけより、補聴器よりという意味です。

4)音源の方向がわかるようになります。私は異機種装用なのでわからないですがそう言われています。

5)1番のメリットは聞こえが改善されて、自分のQOLが高まることです。いろいろなことに挑戦しようとする気持ちが湧いて来ます。

私個人の聴覚歴(オーディオグラフィ)※2による感想です。
私は両側性感音性難聴。生後間もなく注射したストマイのせいと思い込んでいましたが、遺伝子検査でストマイで難聴になる遺伝子変異がありませんでした。このことから厚生労働省の指定難病の「若年発症型両側性感音難聴」※1ではないかと疑っています。

※1:
http://www.nanbyou.or.jp/entry/4628

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000101132.pdf

※2: 小学校入学前に難聴の診断、14歳の時に補聴器装用、22歳で身体障害者手帳申請(6級)、30〜40代で手話獲得、55歳で人工内耳装用、60歳で両耳人工内耳に。

世界でただ一人の人工内耳ジャズベーシスト。オリジナルCD発表。

2018年05月16日 02時45分47秒 | 人工内耳
世界でただ1人の人工内耳ジャズマン、ディジー吉本こと吉本信行さんのオリジナルCD。

3年前、セントルイスの全米難聴者大会にご一緒し、雷雨の中現地のジャズクラブに行き、ジャズメンとセッションをしたことが思い起こされます。

その時の映像がこれです。全く音程、メロディーが取れないのに、セッションを申し込まれています。
https://www.facebook.com/tadashitzn/videos/1744172365671571/?l=3017049691433902601
現地のジャズクラブの人と一緒にセッションをしています。
https://www.facebook.com/tadashitzn/videos/1744175045671303/?l=4396386477145865628

今年の全米難聴者大会はミネアポリスです。有名なジャズクラブがたくさんあります。また演奏を楽しみたいですね。
参加申し込み受付中です。
【全米難聴者大会スタディツアー2018 in ミネアポリス】
今年の6月21日(木)から、米国ミネアポリスにて全米難聴者大会(HLAA)が開催されます。それに伴いスタディツアーを企画しました。シンポジウムやパーティーの他、難聴シンガーのライブやミュージカルの観劇、補聴器メーカーの視察もします。ぜひご一緒しましょう!
ツアーのウェブページはこちら↓↓
https://eco.his-j.com/html/minneapolis/
大会の情報はこちら↓↓
https://www.facebook.com/HLAAJPN




聞こえない人への通訳派遣拒否は「差別」と大阪府が職員を処分

2018年05月13日 18時43分55秒 | 障がい者制度改革
この行政処分の意義は大きいです。障害者差別解消法に基づく処分だからです。しかも大阪府です。各自治体にも大きなインパクトがあります。

手話通訳、要約筆記者の派遣を相当たる理由がない限り、自治体に拒否出来ないことを知らしめたと思います。
相当たる理由というのは予算がないとか手話通訳者がいないというだけでは通らず、聴覚障がいを持つ市民の人権を制限するに足る理由が必要です。ましてや、回数制限、時間制限など根拠がなくなることを示しています。

もう一つのポイントですが、自分で申請する手話通訳派遣制度を利用せず、実際に利用する行政部局に要求して手話通訳が用意されなかったことがそれが合理的配慮義務を果たさないために「障害を理由とした差別」になったということです。
 自動車免許更新時の手話通訳は警察が用意する、公立病院は病院側が用意する、公立学校は学校側が用意するということです。警察等が手話通訳派遣事業所に派遣を依頼して、費用は警察等の負担になります。障害者福祉課の費用ではないです。

私個人の見解ですが、障害者差別解消法に基づく大阪府の処分が出たことは行政は重く受け止めなくてはならないです。


https://www.asahi.com/articles/ASL5B3FT4L5BPTIL003.html

全米難聴者大会スタディツアーのお勧め

2018年05月09日 00時36分25秒 | 2018全米難聴者大会ミネアポリス
全米難聴者大会と難聴者関連施設見学スタディツアーの参加をお勧めする理由。

一つは、アメリカが難聴者のユニバーサル社会の最先端の一端を示しているからです。障害を持つアメリカ人法ADAを背景に様々な優れたユニバーサル技術が発達しています。

二つ目に、アメリカも高齢化社会が進展しつつあり、大統領科学諮問委員会が難聴者対策を報告し国レベルの大きな課題になっています。我が国にも大きな影響を及ぼすその内容と取組みを探ります。

三つ目に、会員2万4千人の世界最大の難聴者組織が難聴者の聞こえのためにどのような活動をしているか、大会やイベントを企業とどのようにコラボしているかを視察します。

さらに、今回のスタディツアーの参加者は会社内でも社会においても情報バリアフリー活動や地域の障害者支援など様々な活動をしているアクティブな難聴者ばかりです。道中の交流でお互いに学ぶことは多いと思います。

ぜひ、ご一緒しませんか。
ツアーのウェブページはこちらです。↓↓

https://eco.his-j.com/html/minneapolis/