難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

障害者団体の監視機構設立の要望と政府の介入

2007年02月28日 07時44分25秒 | 生活

携帯のワンセグ画面総務省の「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」の障害者委員は、字幕放送や解説放送、手話放送の普及の状況をモニターする機関を設けることを要望している。
これは、字幕放送に比べ、解説放送、手話放送がこの10年間ほとんど進展しなかったことから、新しいガイドラインによる達成状況を懸念するからだ。

関西テレビの「発掘!あるある大事典2」のねつ造問題から、政府の干渉が強まっていることが、朝日新聞で報じられ、「放送倫理・番組向上機構(BPO)」が2003年にNHKと民放による苦情受付機関等を統合して設立されたことを知った。
放送局への強制力がないので、政治介入を防ぐための自浄能力を果たすには弱い。
政府は、放送法の改正で再発防止策の報告義務を加える案があるようだ。この動きは、有事の際の「指定公共機関」に放送事業者が指定されたことやNHKに対する拉致問題の命令放送等最近とみに政府による放送の支配が強まっている時に、さらに国家権力の介入を招かないか、危惧される。

放送事業者は、障害者側の要望をもっと積極的に受け止めて、BPOに障害者団体の委員も加え、放送バリアフリーの問題も含めることを提案するとか、自主的に第三者を加えたモニタリング機関を設けるとか動いて欲しい。そうでないと、さらに政府の介入を招く。
放送事業者と障害者団体がもっと結束する必要があるのではないか。危機感のない研究会での議論は低調だ。

ラビット 記
写真は携帯のワンセグの字幕放送受信画面


アメリカでは、イベントなどの手話通訳はどうなっているの?(1)

2007年02月26日 12時20分33秒 | 生活
サンフランシスコの風さんから、便りがありました。

ラビットさんのブログなど情報を送ってくださってありがとうございます。
日本の聴覚障害者の状況がよく分かってうれしいです。以前イラク反戦集会のジェーンフォンダスピーチの手話通訳について聞かれたとき、何人かの聾の友人に尋ねました。それについてちょっと書きましたのでご笑読下さい(添付)。
それではまた。

ラビット 記
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アメリカの聴覚障害(主に聾)者が、地元の集会などのイベントに参加するときにどのようにして手話通訳を派遣してもらっているのか、聾の友人のクリスさん(オハイオ州出身)にたずねてみたところ、通常、以下の2つのどちらかの方法で手話通訳を要請しているそうです。
1)イベント主催者に連絡をして地元の手話通訳協会に連絡をさせ、手話通訳を雇ってもらう、
2)懇意にしている手話通訳者(協会)に先に頼んでイベント主催者に連絡させ、手話通訳を手配してもらう。

サンフランシスコにはいくつか活発な聾者団体があるので、主催側に頼まなくても手話通訳がついているような劇や映画などやイベントがよくあります。もちろん時間帯とか日にちには限りはありますが。クリスさんは、あまり気の乗らないミュージカルのようなものでも手話通訳がついているものにはなるべく行くようにしているとのこと。とにかく参加することで、手話通訳の質や主催側の努力に対してコメントすることができ、社会一般の意識を高めることになるからということです。

今では堂々と自分の権利を主張して人生を楽しんでいるように見えるクリスさんですが(なんと若年30歳!)、もっと若かったころの失敗談も教えてくれました。それは、とある人気TV番組のライブ観覧チケットが当たったときのこと。手話通訳がつく、と聞いて安心して何もせずに出かけたら、2時間の番組に対して通訳は40分しか契約されていなかった。残りは全く理解できずに非常に不愉快な思いをしたとか。この失敗以降は、手話通訳がつきます、といわれても確認の連絡を必ずしてからイベントに出かけることにしているとのことです。
(続く)


アメリカではイベントなどの手話通訳はどうなっているの?(2)

2007年02月26日 12時16分43秒 | 生活

新宿の吉本のあるビルサンフランシスコの風さんから、便りがありました。
続きです。

ラビット 記
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サンフランシスコの大きなイベントには、何も期待せずに出かけてみたら手話通訳がすでについていた、というようなことがよくありますが、それも背後に強力な聾者団体の後押しかクリスさんのような積極的な個人の努力があるからです。それから、教会などでも手話通訳がいるところがありますが、これはおそらく教会メンバーか家族に聾者がいることなどがきっかけではあるでしょうが、通訳サービスが一般化しているようなところは、その教会運営者(牧師など)の哲学によるところが大きいでしょう。

ちなみに難聴者のわたしはどこへいっても補聴援助装置を借りることができますが、質についてはいまいちのことが多く、自分でFMシステムを持参したりしてしまい、これでは自己満足で、社会の啓蒙にはあまり貢献していないな、とクリスさんを見て頭が下がった次第です。これからはイベントや会場主催者が提供する補聴援助装置を使ってみてそのよしあしについてコメントするようにしようと思います。そういえば以前、バッテリーの入っていないヘッドホンとかありましたね。



反戦集会の手話通訳(2)

2007年02月23日 08時34分02秒 | 生活
先に、アメリカの反戦集会の手話通訳について投稿したが、
http://blogs.dion.ne.jp/rabit/archives/5018556.html
 ワシントンならばギャローデッド大学の側(アメリカの「近く」と言うのは100km単位)なので、学生が要望したのだろうと在米の知人が教えてくれた。
アメリカでも必要な人が要望しなければ何も変わらないのは日本と同じと。
アメリカの手話通訳は大学の通訳課程を経ないとなれないので資格のある人がボランティアで行っているだろうということだった。

ラビット 記



放送バリアフリーに放送事業者が萎縮?

2007年02月22日 20時00分57秒 | 生活

放送への圧力
監視を求める声もあるある大事典の捏造問題で、総務大臣が新たな罰則を設けるために放送法を改正すると言う。
総務省が、2月初めに民放各社とNHKを事情聴取し、20日に、再発防止を通知したという。
しかし、放送業界としての反応が遅すぎた。民放連が、関西テレビの会員停止処分をしたのが2月15日だ。放送倫理・番組向上機構(BPO)放送番組委員会の有識者の委員8人が政府の干渉が民主主義の危機を招くと放送事業者の自主・自律的な全容解明と効果的な再発防止の取り組みを求める声明を出したのも2月の7日になってからだ。

放送業界の対応は極めて遅すぎた。事件が発覚してから、もっと早い段階で自主的に調査し、次々と対策を打ち出さないと、総務省、政府の口出しを招くことを指摘していた。
何故遅れたのかといえば、業界全体の体質だったので手を付けにくかったのではないかと思うが、それでも放置していれば政府の介入を招くことは目に見えていた。

問題は、デジタル放送時代を控えて、字幕放送普及の行政の指針の最終年度を迎えて、新しい指針を策定しようという時に、放送事業者が当然国に対して要望すべき問題を提起しにくくなっているのではないかということだ。

障害者団体は、法的な義務化も求めて意見を提出しているが、放送事業者が及び腰になっている。
放送事業者と理解を深めて、国に必要な施策を提起しなくてはならない時に放送事業者の自律的な対応が強く求められる。

ラビット 記




難聴者の社会に聞こえない音 タクシーの呼び出し

2007年02月21日 05時47分10秒 | 生活
東京都中途失聴・難聴者協会では、東京のタクシー業界団体や福祉輸送業界団体に、電話ではなく、メールで呼び出せるように要望書を出している。

ラビット 記
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社団法人東京乗用旅客自動車協会
会長 新倉 尚文 様
 
聴覚障害者の外出支援策への要望について(案)

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
日頃より、私ども聴覚障害者の福祉向上にご理解ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、当協会は、平成18年6月に成立した【高齢者・身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律】(通称:バリアフリー新法)に関して、鉄道の駅、バスターミナルにおける通路の段差解消や手すりの設置など物理的なハード面のバリアフリーは評価しております。
また、新法において「公共交通事業者等」に一般乗用旅客自動車運送事業者の皆様が新たに加わったことで、高齢者、障害者等に移動に必要な情報を適切に提供、社員に対し教育訓練を行うよう努めることとなり期待しております。高齢者・身体障害者等の社会参加を広げていくためには、心のバリアフリーである精神的なソフト面が抜けていると考え、新法成立を機に下記のとおり要望いたしますので、その早期実現をお願い申し上げます。


1.聴覚障害者が自由に気兼ねなくタクシーを利用し、社会参加を広げていくために、文字(携帯メールなど)による情報伝達を行う音声不要の迎車サービスの必要性を加盟会社に訴え、その外出支援策の早期普及を要望いたします。

【説 明】
近年、障害者に対するバリアフリーが進み、障害者の社会参加が広がり、外出する機会も増えています。
タクシーで迎車依頼(外出)する場合、その利用方法は主に無線となり、オペレーターと電話にて通話する必要があります。聴覚障害者にとって通話自体がバリアであり、一般の方々には理解できないストレスを感じます。オペレーターの音声が十分に聞こえないため、迎車依頼できない状況があり、聴覚障害者の外出(社会参加)バリアとなっています。固定電話やFAXでは、迎車場所が固定されてしまい、外出支援策としては不十分です。
このような状況は、タクシー業界にとってもビジネスチャンスを失っていると思います。高齢化社会をむかえ、現在、全国には約600万人を超える聴覚障害者が、通話による無線に不便を感じています。迎車サービスは音声必要な無線と音声不要な文字(インターネット)の併用運営を望みます。
今後、加齢などにより、マイカーによる外出も困難になります。個人宅への迎車も積極的に対応していただきたいと思います。個人宅への迎車サービスは、タクシーにしかできない優位性があり、他の交通機関との差別化を図るうえでも大切な消費者向けサービスだと思います。よろしくお願い申し上げます。
                                                  以上



補聴器メーカーの感性

2007年02月20日 13時30分28秒 | 生活
070220_1233~002.jpg
リオン(株)が新しいカラーバリエーションの補聴器を販売する。リオネットロコ。
http://www.rion.co.jp/dbcon/html/news_070201_1.html
特別にカラーペインティングした限定モデルも発売するとのことだ。
プロボディボーダー甲地由美恵さんをスポンサードする契約も発表した。
http://www.rion.co.jp/dbcon/html/news_070215_1.html
甲地さんの出演した「情熱大陸」も放映されたが、ボードとスイムスーツにリオネットのロゴが踊っていた。

国産補聴器メーカーがやっと欧米のような感覚になってきたのならば期待したい。
補聴器の利用者をもっと満足させるような製品とサービスを待っている。
私も14歳から40年間使っているので、少し持ち上げすぎかもしれない。

ラビット 記


地デジ放送チューナー配布を検討

2007年02月20日 10時32分28秒 | バリアフリー
070216_2037~001.jpgNIKKEI NET2月17日のニュースで、政府、与党が低所得者へ地上波デジタル放送チューナー配布の無償を検討していると報じられている。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070217AT3S1602Q17022007.html

池田信夫氏のブログでは、それでは皆が地上波デジタル放送受信機を購入しなくなり、政府が地上波デジタル放送切り替えが2011年までに出来ないことを認めたことになると書いている。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/c23ab4d446dbd44691ae65e4221c44e3

一概にそうとも言えないと思うが、ニュースでは「機能を制限した簡易型」なら数千円とある。これがどういうものかわからないがアメリカのようにならないように気をつけなければならない。

(3/5追記)
アメリカでは2008年からの地上波デジタル放送の全面移行に備えて、米政府がセットトップボックスの配布をしようとしているが、政府が出す仕様書に視聴覚障害者の放送アクセスに必要な字幕放送、解説放送、その他の機能が削られないか懸念されている。
わが国では、オンデマンド手話放送を実現するには今のデジタル放送の規格では大変困難なために他のチャネル(IPマルチキャスト放送、インターネット、CS通信、BS放送など)を用いた併用方式を実現するための機能を備えたものにすることを聴覚障害者団体等がが求めている。


ラビット 記



「聴覚障害者のためのヒューマンインタフェースおよび一般」

2007年02月20日 00時50分41秒 | PHSから
全難聴からの情報
ラビット 記
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■【3月9日(金) 第42回ヒューマンインタフェース学会研究会】
(滋賀医大の北原氏より情報提供をいただきました)
午前中は、手話アニメーションや、聴覚障害児・学生への情報保障に関する演題があり、午後には、CS障害者放送統一機構の柳さんが報告します。僭越ながら、北原も報告させていただきます。事前登録は必要なく、非会員の方も参加自由です。
受付は当日8:50より開始。情報保障はすべての演題にあります(手話通訳と要約筆記両方とも)。

第42回ヒューマンインタフェース学会研究会
「聴覚障害者のためのヒューマンインタフェースおよび一般」
主 催: ヒューマンインタフェース学会
共 催: 国立大学法人 筑波技術大学
期 日: 2007年3月9日(金)
会 場: 筑波技術大学天久保キャンパス大会議室
      〒305-8520 茨城県つくば市天久保4-3-15
地 図: http://www.tsukuba-tech.ac.jp/accessmap.php
テーマ担当:ヒューマンインタフェース学会ノンバーバルインタフェース専門研究会(SIGNOI)
資 料:「ヒューマンインタフェース学会研究会報告集Vol.9 No.1」に掲載いたします。当日、会場でご購入いただけます。(1000円程度との事)
参加費:  無料

プログラム
9:20-9:45 画像表示条件と手話アニメーション読取りの関係
浜上 和也, 和泉 千絵, 森本 一成, 黒川 隆夫(京都工芸繊維大学)
9:45-10:10 3次元手話アニメーションの開発とわかりやすさの評価
才原 崇文, 川村 昌平, 森本 一成(京都工芸繊維大学)
10:10-10:35 日本手話の文意とリズム
田中 紗織, 西田 昌史, 堀内 靖雄, 市川 熹(千葉大学)
10:45-11:10 聴覚障害児に対する遠隔指導・支援
石原 保志(筑波技術大学), 堀之内 恵司(鹿児島聾学校), 土田 理(鹿児島大学),三好 茂樹, 西岡 知之, 加藤


政府が地上波デジタル放送受信機器購入補助?!

2007年02月18日 12時39分36秒 | 生活

総務省入り口のテレビNHKによれば、2月の衆議院予算委員会(16日?日は未確認ラビット)において、菅総務大臣は、所得の低い人が地上波デジタル放送が受信できるように機器の購入時の何らかの補助など措置を取る必要がある考えを示した。

http://www3.nhk.or.jp/knews/news/2007/02/17/t20070216000292.html

これは、障害者放送協議会が提出した要望書で要望していたことなので喜ばしいことだ。
どういう人たちを対象にするのか、どういう措置をするのかを確認したい。
いち早く地上波デジタル放送に移行するアメリカでは同じような措置が行われるが、問題は政府調達の地上波デジタル転換アダプターの規格がコスト削減のために、アクセシビリティ確保のために必要な規格がはずされないかということだと、昨年12月9日の「視聴覚障害を持つ人々の放送バリアフリーシンポジウム」で報告されていた

日本で同様の問題が起きないよう、政府に釘を差しておく必要がある。

ラビット 記



TBS「情熱大陸」【デフプロボディボーダー甲地由美恵】

2007年02月18日 11時59分41秒 | 生活
知人のろう者から情報をもらったので紹介する。

ラビット 記
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TBS 情熱大

放送日:2007年2月18日(日)
放送時間:午後11時~午後11時30分
テーマ:プロボディーボーダー・甲地由美恵(こうちゆみえ)、33歳。
昨年参戦した世界ツアーでは、わずか一年目で日本人最高位という快挙を成し遂げた。
身長わずか153cmと小柄でありながら、男性並みの筋肉、そして強い精神力の持ち主だ。
実は耳が聞こえないという大きなハンディーを抱える彼女のトレーナーは、元水泳選手である夫。日々過酷なトレーニングを積みながら、夫婦二人三脚で世界に挑む。
2007年1月、世界ツアーの最終戦がハワイで開催された。舞台となったのは、ボディーボードの聖地と言われる「パイプライン」。ここの大波は世界一危険と言われる。
大会史上最高の10メートル級の大波で世界一決定戦の死闘が繰り広げられる。果たして世界一の座を手にする事が出来るのか。
なぜ彼女は命をかけてまで危険な大波に挑むのか?そこには、ある理由があった…。




とかく不評のリモコン 字幕ボタンがない

2007年02月16日 21時07分00秒 | 生活
070216_2030~001.jpg070216_2032~002.jpg総務省のデジ研(デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会)でもデジタル放送のリモコンは不評さくさくだ。
メーカーも気を使って、これならというのを頑張って開発し、これでどうだ、使ってみて下さいと店頭でデモをしていた。
しかし、リモコンに字幕ボタンがない!オート字幕かなと思ったがチャンネルを変えて待ってみたが出ない。リモコン下部のカバーを開けると字幕ボタンがあった。字幕ボタンを押すと画面に「字幕オン」と表示されて、字幕が出た。

私たちのニーズがメーカーに届いていない。届く仕組みがないし、メーカーも聞く気がないのが問題だ。

ラビット 記



言葉にならない感動 絵画と要約筆記講習会修了式

2007年02月16日 00時33分22秒 | 要約筆記事業
070215_2054~001.jpg070215_2053~001.jpg知的障害を持つ子供たちが書いた絵だという。
エッフェル塔と東京タワーをモチーフにしたものだがどうしてこんなに自由な絵になるのかわからない。あのスマートなエッフェル塔の鉄骨は決して点描画にはならないし、あんなに太い鉄骨の塔には見えない。
特異な美的感覚が解き放たれたと説明文にはあるが、人間は誰しもこうした感覚や能力を持っているのだろう。
何かがそれを覆い隠してしまうのだ。

今日は要約筆記奉仕員養成講習会の修了式だった。最後の講習会は三つの事例をどう考えるか対応についてグループワークをしていた。
受講生たちは最後の最後まで通訳としてのあり方を学んでいた。
最後の修了式では障害者自立支援法で派遣される形が変わるが、自立した難聴者がしっかりとした要約筆記を求めていることは感じているのだろうか。皆緊張した面持ちだった。

講師陣の講評が厳しい。皆さんは自分に何が足りないのかわかっているはず、それを補うために、絶え間ない学習が必要。文章を書くのも良いし、日本語を鍛えるためにゲームだってよい、幅広い知識を吸収しなくてはならないとか、まるで新入社員への訓辞かと思って聞いていた。
皆さんに期待している。

ラビット 記




聴覚障害者と病院バリアフリー(3) 指さしで説明する受診便利帳

2007年02月14日 22時32分39秒 | バリアフリー
聴覚障害者だけではないが、病院で診察を受ける際に、自分の病状を説明しようとして、どこから説明すれば良いか分からず、あれこれ話し始めることは多い。今日、昨日の体調や食事内容、便通ではなく、自分の出生からはては家庭内の不和まで話す人もいるそうだ。
病院で診察や薬の調法、受付等、コミュニケーションが必要な場面は多い。しかし、医療に関わることだからよけいきちんとコミュニケーションが必要にも関わらず、おっくうがって病院に行かないか、あるいは家族に代わりに聞かせたり、よくわからないのにはいはいと曖昧に聞いて、薬の飲み方も分からないで帰って来たとか、よくある。
そうした、医療の場面のコミュニケーションをスムーズにすすめるために考案されたのが、この

診察用指さし本「聴覚障害者のための受診便利帳―病院で役立つ指さしでわかる」 (出版社 法研、著者 高橋 英孝)
だ。
医者や医療機関が、「どこが痛いのですか」「熱があるのですか」「いつからですか」とか設問が文字で示され、回答は口頭でも書かれている選択肢を示してもよいように書かれている。
聴覚障害者と言っても手話が分かる人とは限らないので、文字によってコミュニケーションが出来るようになっている。
もちろん手話による表現もたくさん掲載されているそうだ。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4879546437.html

昭和大学の聴覚障害者外来にも、この本が採用されるとのことだ。

ラビット 記


聴覚障害者と病院バリアフリー(2) 聴覚障害者外来の誕生

2007年02月14日 22時08分34秒 | バリアフリー
昭和大学は、3月3日に、聴覚障害者外来を始めることを発表した。
http://www.showa-u.ac.jp/hospital/hatanodai/SUH/

滋賀県の琵琶湖病院の聴覚障害者外来が有名だが、都内に内科疾患全般を診てもらえるようになるのは大変嬉しい。特に内科疾患はその病状を説明するのがなかなか困難であり、手話通訳が付いた診察が行われれば、
聴覚障害者は、ややもすると診察や受付のコミュニケーションがスムーズにいかないことから、病院から足が遠ざかっている人も多い。そのために、病気が慢性になってしまったり、重病になってしまうことも珍しくない。
いつでも、きちんと診察を受けられることは聴覚障害者にとっていのちと健康を守る上でも重要な問題だ。

昭和大学の取組みが成果をあげ、全国に普及して欲しい。

ラビット 記
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昭和大学外来





聴覚障害者外来について(昭和大学ホームページの案内より)

現在、聞こえの障害をもつ人は、全国で400万人以上の人がいるといわれています。これらの方々が医療機関に受診される際、コミュニケーションの不自由さから不便さを感じられているのが現状です。
当院では、聞こえの障害をもつ方々に、患者様と医療スタッフがコミュニケーションを取り、安心かつ十分な医療が受けられるように、聴覚障害者外来を設置いたしました。

http://www.showa-u.ac.jp/hospital/hatanodai/SUH/notice1.html