難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

難聴児の教育について

2007年11月30日 21時05分30秒 | エンパワメント
071111_1839~001.jpgハワイの風さんからの便りです

「成功する難聴者が持つ4つの特徴」というのは刺激的だ。
自分の体験を振り返っても、難聴は特別な障害でないこと、努力が必要なことは教わったが自信を持つこと、努力の具体的な方法は教えられなかった。

ろう者と違い、ピア・メンターやロールモデルになる難聴者との交流はない場合がほとんどだ。
中には血涙を絞るような努力をして、社会の一線にいる難聴青年もいなくはないが、コミュニケーション支援制度など社会資源の利用、開拓をせず、コミュニケーション・スキルの低いままでいる難聴青年の方が多いだろう。

普通に、社会の中で力を発揮できるように学校の中で力を身につけてもらいたい。エンパワメントで難聴者は力を発揮できる。


ラビット
………………………………
ラビットさん

昨日から明日まで、6年生のフィールドトリップで近くのキラウエア山へハイキングに毎日行っています。ハイキングコースがたくさんあるのです。一度ぜひいらしてください。


例の私が関わっている難聴の男の子のことです。

> アメリカの難聴の子供でも個人教授があるのですか?
難聴の為に学習が遅れてしまう点もあると思いますが、彼の場合、変な発音を笑われて以来友達ができずいつもポツねんとしています。休み時間なども一人でいることが多いです。
もしかしたら軽い欝か情緒障害があるかもしれません。授業にも身が入っていない様子。本当の学力はあると思いますが、勉強する気がでていない様子です。
難聴のために学習が遅れることは直接はないと思いますが、疎外感からやる気を失って徐々に学力低下、というコースは大いに考えられます。

私の役目はとにかく、私も難聴であるけど、情報保障さえちゃんとしてもらえば普通社会でちゃんとやっていけることを彼に伝えることだと思っています。

情報保障の一つとしての手話も言語の一つとして把握し誇りに思ってもらいます。クラスメートにも手話に関心を持ってもらうためいつでも手話を使っています。

勉強への意欲はこうした環境を整えてから初めて起こることです。聞こえないことをノーマライズする。
つまり聞こえなくても人間としての価値は減らない、ということを彼自身を含め周りのピアにも理解させること、が私の役目です。もちろん勉強も手伝いますが。


難聴児の親や先生方への講演会ではぜひ、上記のようなことに加えてセルフエステイーム 、ピアサポート、メンター、ロールモデルなど心理的側面についてもお話ください。

私も聴講(参加)してもいいですか。


先日送信されて来たHLAAのニューズレターに、今年のHLAAオクラホマ大会であったシンポジウムの記録がでていまして、それはまさに、一般社会にうまく適応し成功している難聴者の条件は何か、といったテーマでした。
パネラーの一人、クリコス博士の発言によれば、適応能力があって成功する難聴者には大別して次の4つの特徴があるといいます。

1)自覚と認識ーー自分が難聴であること、難聴がもたらすチャレンジ(障壁)の両方を認識している。

2)問題解決への責任を負うーー難聴になったのは自分のせいではないが、難聴であることから起こる問題に対しては自分に解決する義務があるという姿勢。
周りのせいにしない。問題解決への所有責任を持つ。

3)必要で適切な援助を周囲に求めるーー問題解決のために行動を起こす。つまり、周囲(カウンセラー、友人、家族など)にヘルプを求めたり、新しい知識を学ぶ(本、後援会
> 、ピアサポートグループなどに参加する)。

4)外交的、楽観的、リラックスしているーー難聴だからといって人間としての価値は減らないという自尊感情(セルフエステイーム)を持っている。心配したり悲観ばかりしない。

クリコス博士がいうには、上記の4要素を持っているかどうかは聴覚障害の軽重に全く関係ない、ということです。
難聴の度合いが軽くても悲観的で落ち込む人はいるし、重度の聾者でも立派に社会で適応できている人がいるのを見れば明らかですね。


こういった4条件を備えるには、障害の程度よりも性格と難聴になった年齢がむしろ関係しているといいます。そして、積極的な家族や友人のサポートがある難聴者の方がより適応能力が優れている、ということです。

ということは!!!難聴児には明るい未来がもう開けているのです。若いうちから難聴なのでそれだけで適応能力が備わっている、ということです。
それに、両親や周りの人の難聴に対する態度次第(周りのサポート)ではいくらでも楽観的、積極的な大人になれるということです。

いまから悲観しているご両親へは叱咤激励をしてあげなければなりません。
難聴児にいくら優れた積極的な資質があっても親がそれを潰してしまうようじゃ元も子もありません。

ロールモデル、メンター、親の積極的楽観的な態度、サポートすべて必要です。
そういう社会環境を小さいときから作ってあげることが親としての最大の責務と思います。


おっしゃるとおりで日本の難聴児教育はいまだに補聴器のフィッティング、人工内耳、スピーチ訓練ばかり科学的な面ばかる強調していて片手落ちです。
心理的社会的側面を取り入れたバランスのとれた教育システム、養育環境を確立することが急務です。


ハワイの風




JDF国連障害者の権利条約セミナー

2007年11月30日 16時21分52秒 | 権利
070716_0742~001.jpgJDFセミナーの案内が来たので紹介する。


ラビット 記
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■1.12月5日、JDFセミナー開催
<JDFからの案内>
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日時 :2007年12月5日(水)10:00~16:00
場所 :中野サンプラザ コスモルーム
http://www.sunplaza.jp/access/
(中野区中野4-1-1TEL:03-3388-1151)
定員 :200名
参加費:1,000円(介助者は無料)

テーマ「障害者権利条約と国内法整備」
~批准に向けた各分野の課題はなにか? 教育・労働を中心に~

 昨年12月13日に国連総会において障害者の権利条約が採択され、日本も今年9月28日に署名を行いました。
現在政府では、批准に向けて関連する分野の国内法の整備を進めていますが、我々は権利条約の理念がどのような形で国内法に反映されるのか非常に大きな関心を持っています。
 今回のセミナーでは、教育と労働の分野を中心に、権利条約の理念を国内法に反映させ、真に差別のない社会を実現させるための方法について、参加者とともに考えて行きたいと思います。

・申込方法 下記ホームページから参加申込みができます。
または文末の事務局にお問い合わせください。
http://www.normanet.ne.jp/~jdf/1205/

・プログラム(敬称略)
10:00 開会挨拶 小川 榮一(JDF代表)
10:05 基調報告 森 祐司 (JDF政策委員長)

10:30 特別講演 厚生労働省職業安定局障害者雇用対策課長
         文部科学省初等中等教育局特別支援教育課長

12:00 ~ 昼休み ~
13:00 パネルディスカッション
     コーディネータ 藤井 克徳 (JDF幹事会議長)
  パネリスト  厚生労働省障害者雇用対策課
           関係省庁より(依頼中)
           大曽根 寛 (放送大学教授)
          平野 みどり(熊本県議会議員/DPI日本会議副議長)
            大久保 常明(全日本手をつなぐ育成会常務理事)
  コメンテータ  東 俊裕  (JDF権利条約小委員会委員長/
元権利条約特別委員会政府代表団顧問)
     指定発言あり

16:00 閉会
 *プログラムは変更することがあります

・申込先・問合せ
  JDF事務局 原田、松田
  電話: 03-5292-7628 Fax: 03-5292-7630
  E-mail: jdf_info@dinf.ne.jp
  http://www.normanet.ne.jp/~jdf/1205/
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●高岡理事長のメッセージ

 JDF国連障害者権利条約のセミナーに参加をしましょう。
12月5日、日本障害フォーラムJDF主催の障害者権利条約に関するセミナーが開かれます。

 日本政府は、9月28日にニューヨーク国連本部で昨年12月13日に採択された「国連障害者の権利条約」に署名しました。

このことの意義の1番目は、普通の人と同じ基本的人権を持つこと、人間としての尊厳が守られるべきことが条約(国際法)として明確に打ち出されたことです。この障害者の権利条約は高い理念を示すとともにそれを実現するための国と社会の義務も示しています。また、障害は身体的、知的、精神的障害を持つ人と社会の理解と障
壁との相互作用により発生することを打ち出しています。

 2番目の意義は、我が国の障害者の基本的権利を実現する法的な礎がおかれたことです。難聴者、中途失聴者にとっても、難聴者等の利用するあらゆる手段、様式がコミュニケーションとして定義されたこと、合理的配慮の否定が差別になること、情報などアクセシビリティの保障などの条項は、教育、就労、文化等生活全般にわた
る私たちの権利を実現するためにも重要なものです。

 3番目の意義は、コミュニケーションを含む難聴者問題が国、行政、一般社会、障害者組織等に理解され、解決されるきっかけになるということです。今後、難聴という障害の国際生活機能分類ICFによる定義をすることを通じて、社会に正しく認識してもらうことと関係機関、関係団体等と難聴者の権利を守る具体的な施策を打
ち出す必要があります。

 4番目に、この条約は世界の障害者運動と各国の努力によって結実されたことです。
全難聴と国際難聴者連盟は短期間ながら集中した力を合わせることで難聴者等のニーズを条約に反映させることが出来ました。

 今後、この条約の画期的な内容と署名の意義を一人でも多くの会員にそして社会、行政に説明して行く必要があります。社会の理解こそ、私たちの権利実現の基礎です。

 この権利条約の内容をよく理解するために、各協会は参加をお願いします。
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観光ツアーの難聴者の情報保障

2007年11月30日 08時14分26秒 | バリアフリー
071127_1518~002.jpgJTBが難聴者向けのツアーの企画を発表した。
少し、遅きに失した感があるが、高齢化社会の中で大きなニーズがあると思う。

全国の難聴者協会は、会員の旅行を実施する場合には、添乗員と要約筆記者と協力して、ガイドの内容や集合時間等の連絡はホワイトボードなどを使って伝え
ることはもちろん宴会の場での要約筆記も手配したりしている。
各地では多彩なノウハウがある。例えば、移動するバスの中でホワイトボードに筆記するのは困難なので事前に紙に書いておいたりするが、OHC(オーバ
ヘッドカメラ)を使って、平らな場所で筆記したものをバス内のテレビに映す方法やあらかじめ書いたものを字幕としてビデオに収録してガイドとともにバス
内のテレビに映す等の方法も実際に行われている。
また、磁気ループを車内に設置することも行われており、一部の観光バスには磁気ループがついたものがある。

全難聴が行った国際難聴者会議の観光ツアーで好評だったのはワイワレスガイドだ。ガイドが話した声を無線で参加者に聞くのだが、イヤホンの代わりに首に
かけるループで聞く方法だ。これは、大きな声を出さなくてすむし、離れていても聞こえるので最近は普通の観光ガイドでも使われている。

今後は、普通の企画のツアーに難聴者が一人で参加した場合も、情報保障を行うだけでなく、参加者からも協力がが得られるように、ツアー会社が社会と参加
者に啓発することとも必要だ。


ラビット 記
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> -JTBバリアフリープラザ、ハーモニー補聴器と共同商品を発表-
> ふくしチャンネル (会員登録)
> 手話通訳を必要としない中度・軽度難聴者向けのツアー企画は初めて。
> 補聴器を使用している人々は現在全国で200万人前後いると言われている。その多くは高齢などの理由により聴力が落ちるなどで、音を補うために補聴器
> をつけそれを頼りに生活をしている人々が中心。 ...
> http://www.fukushi.com/news/2007/11/071102-a.html>





早稲田大学の聴覚障がい学生への支援

2007年11月30日 08時14分13秒 | バリアフリー
071123_1530~001.jpg早稲田大学の障がい学生支援室のwebを見た。
http://www.waseda.jp/student/shienshitsu/chishiki/chokakusyougai/index.html

聴覚障害を持つ学生に様々な支援がある。
ノートテイクの説明に、「記録として書くのではなく、「今、何が話されているのか」を書きます。」と同時性を目的とした情報保障の手段であることが説明
されている。記録や音声教材の文字起こしは別の支援手段として整理されている。
これは、東大の場合も同じだ。手書きとパソコンによる文字化は別に考えられている、また別途テープ起こしをしたものを提供すると言う。

要約筆記は、その場の情報保障をするための「通訳」として機能しているものだ。要約筆記に、より多くの文字を表示するとか固有名詞もとか話しの趣旨に関
わらない要求をすることは「通訳」として機能しなくなる。要約筆記は要約筆記なので、記録や音声の文字表示の要求は別途考える必要がある。
要約筆記は文字通訳であり、話し言葉の文字化は字幕制作や文字表記とでもいう情報「保障」手段だ。


ラビット 記
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> 多くの参加者でにぎわった。「ダイバーシティ・カフェ」 (ICC国際コミュニティセンター)
> 早稲田ウィークリー
> 例えば、補聴器具を使用している場合でも、器具はすべての音を同じに増幅させるので、雑音が入ると先生の声が聞き取りにくくなってしまう。つまり、私たちが発する何気ない私語や足音によって授業に困難が生じているのである。
> 先日ICC(国際コミュニティセンター)で ...
> http://www.waseda.jp/student/weekly/contents/2007b/140h.html





ミュージシャンの難聴は社会への大きな警鐘

2007年11月29日 22時16分32秒 | 生活
071127_1517~001.jpg071127_1518~001.jpg普通のミュージシャンが難聴になって、難聴であることを公表して音楽活動をするのは珍しい。

他にもいるだろうがミュージシャンは自分の聴覚の衰えにもっと気を付けて欲しい。

浜崎あゆみが突発性難聴から復帰したのは良く知られているが、ミュージシャンは大音量の音響にいつもさらされているだけに、聴覚に与える影響も少なくないはずだ。

おそらく、かなりの人が難聴に悩んでいるに違いないと思う。

著名なミュージシャンが難聴であることをカミングアウトすれば、それだけ社会の難聴に対する関心と対策に気をつけるようになる。


同じようにウォークマンや携帯型音楽プレーヤーを聞いて育った団塊の世代以降の人たちは、高齢期に入る前から一般の人よりも早いスピードで聴力が低下するかもしれない。かなり大量に販売されて普及しているので社会問題になることは必須だ。


ラビット 記
…………………………
音楽通し障害者支援/13組集いCD
沖縄タイムス

難聴障害を克服したオカリナのプロ演奏者の仲里尚英さんは、障害のある人たちの演奏を聴いたことがきっかけで演奏活動を始めたことを説明。
「勇気をもらった分、今度は皆さんに楽しんでほしい」と語った。
今年のコンサートは十二月十二日に開かれる。 ...
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200711271300_04.html




NTTドコモが難聴者対応のワイヤレス骨伝導レシーバーを開発

2007年11月29日 22時16分03秒 | 機器について
071127_2226~002.jpgNTTドコモがこれまでのケーブルで接続していた、サウンドリーフをワイヤレスにした「サウンドリーフプラス」を開発した。発売は来年2月とある。
http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/page/071127_00.html

骨伝導でも、補聴器のTコイルでも聞くことが出来る。マイクに無指向性マイクと指向性マイクをダブルで備えている、通話中に低、中、高の音域の変更が可能、着信バイブレータを備えているなど、新しい機能で聞こえの向上が期待できる。


ラビット 記
---------------------- Forward
NTTドコモ、携帯用ワイヤレス骨伝導レシーバマイクを開発
デジタル ARENA
製品には、電気信号を磁気信号に変換して補聴器へ送信するための「テレホンコイル」も搭載しており、対応する補聴器との併用が可能。聴覚障害者は通話している相手の声質によって聞き取りが困難になる場合があるため、低音域/通常/高音域を切り替え、一番聞き取りやすい...

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20071128/1004839/




人工内耳でちょっと心配なこと。

2007年11月28日 22時45分09秒 | 人工内耳
071127_2227~001.jpg昨夜、家で畳くぎが右足裏に刺さってしまった。
そんなに痛まないが、ばい菌が入っても困ると心配になっている。

手術後の最初の診察で人工内耳について基礎的なことを調べているので心理的には落ち着いていると話したら、医師がフリーダムについて調整方法をいろいろ調べましたみたいなことを言われた。
新しい機能も生かして、適応してくれるようだ。

ただ、こちらもデータの提供の意思はあるけれども、それなりにいろいろなことを悩んでいるので、あまりに楽観的な期待をされてもと思った。

ヤンキースの松井秀樹選手と同じ日に手術したことがわかった。 


ラビット 記



アメリカの難聴児への多角的な支援(エンパワメント)

2007年11月27日 22時52分24秒 | エンパワメント
071127_2226~002.jpg071127_1520~001.jpgサンフランシスコの風さんが、ハワイに移住して、初めてのメールが届いた。

引っ越したばかりで始めたのが、難聴の中学生の男子に個人教師をするという。
こちらも来年の始めに、難聴学級の先生と親に対して講演を頼まれているが、権利条約のインクルーシブな教育の方向は難聴児の場合、どういうもになるのか具体的なイメージが浮かばないこともあり、何を話すべきか迷っていることを伝えたら、早速返事がきた。

個人教室と言っても、自宅で教えるのではなく、難聴児の通う中学校で普通教科の先生や特別クラスの先生と個人別教育計画の策定に加わり、教室内で特別指導もするという、補助教員のようなかなり幅のある役割を持つらしい。

こうした対応が取れるアメリカの教育システムは、その資格や費用の負担はどうなっているのだろう。
聴覚障害者に対するカウンセリングの資格を持っている彼女にはぴったりたが。
我が国の難聴児教育はろう教育と違って当事者団体の関与はないに等しい。
我が国ではかなり重度の難聴児のみ難聴学級のクラスに編成され、聴覚活用だけを強いられて、難聴者としてのロールモデルを与えられていないような気もしている。


ラビット 記

…………………
ラビットさん
私の仮の仕事は内容によってはカナダバンクーバー大会まで続くかも知れません。

私が個人教師をするのは中学生6年生(アメリカの中学は6、7、8年の3年間)の男の子で、去年までは小学5年にいたので担任も授業も皆同じでクラスの規模も小さかったのでそんなに遅れが見られなかったのですが、今年に入って様々な専門教科とその数いる教師、クラスのたびにかわるクラスメートと教室、といった変化が原
因なのか、学力が急に落ち込んでいるのです。
先週と今日見学したところ、上記のような要因もさることながら、休み時間やお昼休みに友達と一緒にいないでぽつんとクラスにいるところを見ると、どうも難聴のため仲間から疎外されている?感じなのです。
それか、本人がうつ状態になっている可能性もあります。

いずれにしても私の仕事というのは、専門教科の先生方と協力して、彼のためにさらに補助チューターとして手話を使ったり、専門教科の先生にどういう風に話したら難聴児が聞き取りやすいかとか、補聴援助装置の正しい使い方とかを説明したり、場合によってはその子を教室の隅に呼び出して苦手科目のところを特訓してあげたり
、手話を教えたりとかなりフレキシブルな業務内容です。

特殊学級にも通っている子なのでそこの先生とも話し合って彼の特別プログラムをこれから考えるところです。

なお、これは日本でも最近始まった特別支援教育?だったか、そういう個人別教育プログラムと大いに関係しています。
その子のために年に最低一回は関わる教員すべてによる(それと親)個人教育計画ミーテイングがあります。私はそれにも参加して難聴者の立場から意見を言うことになります。

そうですね、小さいお子さんの場合、親がまず障害をどう受け止めているかでその子の受けられるプログラムがかなり決まってくる場合が多いです。

私が働く学校はかなり僻地なので、その子の親が難聴児学級の或る都会へ通わせたくないのです。何しろ片道バスで2時間かかるので。
ということで普通学級の中でなんとかがんばってくれという親の希望なのです。
障害が恥ずかしいとかそういうことではないのですが、ただでさえ気難しい12歳前後の中学生のことなのでどうなりますやら。

音入れのレポートして下さい。

ハワイの風より




【人工内耳】「ちょっと入院しています」と「勤務に復帰しました」

2007年11月27日 12時29分08秒 | 人工内耳
071113_1149~001.jpg人工内耳の手術に当たって、勤務先に以下のようなメールで説明をした。
あまり話す機会もない人も含めて、この際、説明文を送ったのは、手術後の正しい理解につながることを期待している。

シクラメンは、ある女子社員が面倒を見てくれていた。
クリスマス・プレゼントをしないと。


ラビット
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いつも、難聴の私にいろいろ気を使っていただき、ありがとうございます。
今日から、22日くらいまで入院しています。
人工内耳という聴覚器官の蝸牛内に電極を挿入して、音を鼓膜やあぶみ骨
などを経由しないで直接聴神経を電気信号で伝える装置を耳の後ろに埋め込む
手術を受けます。
入院は電極を埋め込むだけで、これに音の信号を加えるのは傷が治った後で
12月初めに予定しています。
補聴器と違って、微弱な電流で音を伝えるので、きちんと聞こえるようになる
まで1年から2年かかるそうです。
右の補聴器はそのまま使い、左側に人工内耳をするのです。

人工内耳による聞こえの仕組みのアニメーションがあります。
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難聴になると、有毛細胞が少なくなって、音の信号が弱くなっている様子が分
かります。
http://www.youtube.com/v/SmNpP2fr57A&rel=1
http://www.youtube.com/v/M_ADR9LpMmU&rel=1
http://www.youtube.com/v/ej3WYhQEuLY&rel=1
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入院中は、大変ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。
窓際のミニシクラメン枯れないように時々お水をお願いします。

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おはようございます。

今日から出社していますので、よろしくお願いします。
術後の経過は良好で、予定より3日早く退院しました。
来月4日、5日に、音を処理するコンピュータ装置を接続して
聞こえを調整していくことになります。
数百ヘルツから1万ヘルツ以上の聴覚を22本の電極で補うので
すぐに聞こえるというわけには行かず、1年くらいのリハビリが
必要になります。
いろいろな音や会話を聞くということがリハビリになりますので、
その節はよろしくお願いします。





人工内耳の総合的開発の推進

2007年11月27日 08時19分48秒 | 人工内耳
070716_0715~001.jpg070819_1206~002.jpg人工内耳の総合的開発を呼びかける論文を見つけた。人工内耳はまだ開発途上であり、医学、工学、情報処理、福祉、教育の分野のエキスパートが集まって総合研究センターを設置して推進する構想だ。
この研究開発は海外の拠点とも連携する必要があることから国内に限らないとある。
非常に良い構想だが、2002年の執筆時から設置される方向になったのかは聞かない。ぜひ、実現して欲しいものだ。
http://www.star.t.u-tokyo.ac.jp/vr-lab/symposium/6th/kado.pdf


人工内耳は、総務省のe-japan計画にも出てくる。「新しい産業領域の開拓」の部分だ。人工網膜と同じような知覚的な聴覚構造を持ったデバイスでも開発するのだろうか。
http://www8.cao.go.jp/cstp/project/export/ITPT-A/ITPT2/shiryo.2-2.pdf


人工内耳装用者は「健常人よりも視覚情報を頼りに会話を理解することに長けていて、聴覚情報も組み合わせて会話を理解する能力も健常人より長けている」
という記述のあるブログに、それは知人を見ても実感している、今度は自分に興味があるとコメントしたら、すぐ返事があった。
http://blog.livedoor.jp/brain_network/archives/50757319.html


脳機能、言語部門の研究もある。装用者の積極的なデータ提供が不可欠だ。


ラビット 記





今日は人工内耳埋め込み後初めての診察

2007年11月27日 08時15分14秒 | 人工内耳
071113_1049~001.jpg071115_1746~001.jpg今日は、11月14日の人工内耳埋め込みから初めての診察日だ。
音入れは、来月4日から一泊で行う予定だ。


現在の手術後の状況は、左耳に耳鳴りが発生することと、舌の先の真ん中あたりがかすかにしびれていることだ。

左耳の耳鳴りはこれまで感じたことがなかったが、キーンという音やゴロゴロという音が聞こえるようになった。手術後はそんなに意識しなかったが、最近は毎日しょっちゅう感じる。長期にわたる麻酔の影響があるのかわからないが、麻酔の効果が消えるにつれ、耳の機能が活性化して来たのかもしれない。

味覚は、甘い、辛い、酸っぱい、しょっぱいなど感じることが出来るが、全体的に薄いかも知れない。舌の先の金属の味がそれらの味覚を妨げているかも知れない。

よく聞くめまいについては、余り感じない。車の運転も近距離だが普通に出来ている。音を入れた後はどうなるか分からない。

人工内耳を埋め込んだ部分は触ることが出来るようになった。耳の上部が少し膨らんでいる。触ってみると頭の他の骨の部分と感触は変わらない。ここだと思うが、今日確認しよう。

勤務先では、もう手術終わったのかとか聞こえるようになったのかとか聞かれるが、体内の装置を埋め込んだだけでこれから外部の音声処理装置を付けて、調整する等と説明する。

「病院から追い出されちゃったんですって」とすれちがった女子社員から声をかけられたので、えっどうして知っているのと思ったら、相変わらず声が大きいから部屋の端で他の人に話したことがみんなに聞こえていることが分かった。


体重は入院前は67.5Kgだったが65.0Kgだ。


ラビット 記





場違いな質問は講師にも要約筆記者にも失礼です

2007年11月25日 12時52分32秒 | 要約筆記事業
071125_1151~001.jpg071125_0909~001.jpg昨日は、名古屋から来た要約筆記者のの講演で、講演の趣旨とは違う質問をした人が二人もいた。

障害者スポーツに熱中していた車椅子の彼女が、難聴の女性に出会ったことから、手話通訳と要約筆記者として活動するようになった話、ダイビングに挑戦し海外では車椅子の彼女が普通に扱われるが、日本では間違った理解から食事に行ってもどの席が良いか聞かれずに車椅子のままの席に案内されたり、ミュージカルの高い席買ったのに車椅子優先席に案内されたりした経験談は、私たちに「障害」とは何か、自立とは何かを考えさせてくれるとても良い話だった。

しかし、質問した二人は何を考えたのか「二人書きをどう思うか」と聞いたのだ。これは昨夜から十分寝ないで準備した彼女に失礼だ。
この質問で皆が感じていた感動を一挙に覚めさせてしまったことを悪びれずにもいるのでは、要約筆記を語る資格はない。

プラネタリウムに字幕を付ける活動の紹介では、難聴者とともに生きるという高い思想を実践してきた「まごのて」と彼女の活動が私たちの自立、共生社会を支えていると名古屋の難聴者がうらやましく思ったことだ。

私が要約筆記のスクリーンから感じた感動を彼女たちは普段から利用している手話通訳と読話で感じなかったのだろうか。
アメリカの障害者リーダー研修事業の「ダスキン」を書かずに「とある」と書いたことが「突然聞こえなくなった人の情報保障にならない」のだろうか。

講演から感動を感じられなかったから、全く関係ない「二人書き」を質問出来るのだろう。
要約筆記の情報量以前の問題だ。

彼女の初めて聞く話をループを使えない私が要約筆記と読話で感じた感動は要約筆記の有効性を示している。


手話の分からない人のために今の要約筆記をおかしいと「代弁」するのではなく、その人たちにコミュニケーションとは何か、要約筆記とは何かを考えるように話した方が良いと思う。


ただね、グルメだのミュージカルだの高い趣味に気が合うとは言え、あまり誘わないでね。


ラビット 記
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071110_1438~001.jpgad[es]が気になっています。この前の病室のようにパソコンのない環境では困ったことになるので、乗り換える気になっています。
パピヨンの携帯キーボードですが利用感想レポートがありました。
http://www.wmstyle.jp/archives/2007/03/05_030707.php
を見ると便利そうです。新幹線の中で打てそう。
ヨドバシで見ると、難聴者の生活にものっていましたが4980円です。
楽天で見ると3850円のもありますが送料が1050円別にかかります。
http://esearch.rakuten.co.jp/rms/sd/esearch/vc?sv=2&v=2&e=0&s=6&oid=000&sitem=FILCO+Papillon+%A5%D1%A5%D4%A5%E8%A5%F3+FKB66PU+&f=A&nitem=&g=0&min=&max=&p=0

ところが携帯キーボードではなく、普通のUSBキーボードをつないだ人がいました。
なんだー、USBホストケーブルと会社にいっぱい余っているキーボードで使えそうです。
もしかしたら今のWX310Kでもできるのかしら。やってみよう。

もう一つのキーボードはブルーツースで通信する携帯キーボードです。
http://www.reudo.co.jp/rboardk/rbk-2000bt2.html
これは[es]はブルーツース機能がないのでアダプターを付ける必要があり
ます。
http://www.ibsjapan.co.jp/Catalog/WiFi/Bluetooth/IMUB-01.html
接続する方法のレポートもありました。
http://mobaio.cocolog-nifty.com/pickup/2007/09/wzero3_ades_blu_4c62.html

ブラウザの遅いのは気になりますが、NetFrontは早いらしい。






政府与党の障害者自立「負担軽減策」

2007年11月24日 13時18分28秒 | 福祉サービス
071124_1259~001.jpg071124_1300~001.jpg政府与党の障害者自立支援法「負担軽減策」案が報道された(東京新聞11月24日朝刊)。

政府与党の障害者負担軽策減は、一割負担の原則はそのままで、負担上限を引き上げることで、負担対象者を拡大するというが、介護保険法との統合を視野に入れたための「一割」の意味がなくなれば、廃止するか、応能負担に戻せば良い。
元々、一割負担の「収入」は数千億もないらしい。

国連障害者の権利条約であらゆる障害者の基本的人権が「権利」として打ち出しているが、これに政府が署名した以上、施策の根本的転換が必要だ。
「権利」を応益負担とみることは出来ないからだ。


ラビット 記



手話の動画にユニークな字幕が

2007年11月24日 02時48分27秒 | 生活
難聴、あるいは難聴者の「動画」を探していて、たまたま、見つけたのがいとこがろう者で子供の頃から、手話と指文字で会話して覚えた少女の動画があった。

この動画には、変わった字幕がついている。手話で語りかけるビデオブログなのだが、画面に手話の表現とともに字幕がタイプされるように表れるのが面白い。
手話の学習ビデオに使えるかも知れない。

【手話と字幕】
<object width="425" height="355"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/q4wVoIdlJ3E&amp;rel=1"></param><param name="wmode" value="transparent"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/q4wVoIdlJ3E&amp;rel=1" type="application/x-shockwave-flash" wmode="transparent" width="260" height="180"></embed></object>

【手話のみ】
<object width="425" height="355"><param name="movie" value="http://www.youtube.com/v/y-7XbRis7_g&amp;rel=1"></param><param name="wmode" value="transparent"></param><embed src="http://www.youtube.com/v/y-7XbRis7_g&amp;rel=1" type="application/x-shockwave-flash" wmode="transparent" width="260" height="180"></embed></object>

彼女が、ビデオを見た読者からの質問に答えて、自分はASL(アメリカ手話)はできない、signed English(英語対応手話)を知っているだけだと答えている。
そして、アメリカ手話は文化的な手話の言葉だと言っているのが
興味深い。
障害者の権利条約のDeafをろうと訳すか、聴覚障害者と訳すかが議論されているからだ。
ASL is the cultural sign language... I know signed English


http://jp.youtube.com/watch?v=q4wVoIdlJ3E


人工内耳手術後10日目

2007年11月23日 13時22分09秒 | 人工内耳
071123_1011~002.jpg
本当は昨日退院だったが、月曜に退院し、昨日から出勤した。
会社ではいろいろなコミュニケーションがあるので、さすがにちょっと疲れ、今朝目が覚めるとふらふらして、また寝床に入った。今日が祝日で良かった。

傷痕はふさがって少し盛り上がって来ている。抗生物質の薬も今日で終わりだ。痛み止めを飲んだ。

人工内耳の装用者に音楽を聴く試みがある。もちろん誰でも音楽が聞こえるという訳ではないが、どのように聞こえるかということを確認するのは良いかもしれない。左耳に補聴器を付けた時にはコンサートにも行った。知らない曲は聞き取れないが、「千の風になって」だけは聞き取れたという経験がある。

横浜で開かれた人工内耳装用者の全国大会で、人工内耳装用者のための音楽を演奏した洗足学園音楽大学で「Senzoku冬の音楽祭2007」が開かれて
いる。補聴器を使用している人も耳を傾けてはどうだろうか。
http://www.fuyuon.com/concept.html


ラビット 記