難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

三重県の要約筆記者派遣事業実施要項

2012年10月12日 11時35分13秒 | 要約筆記
三重県の要約筆記者派遣事業は失語症など聴覚障害者以外の障害者にも対象としている。
それぞれの対象に応じた表記にしているとのことだ。

ラビット 記
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手話通訳・要約筆記 - 三重県聴覚障害者支援センター
手話通訳・要約筆記者派遣事業
実施要綱. Download.
手話通訳・要約筆記者派遣事業実施要綱.pdf
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派遣料積算 基準.Download.
通訳・筆記者派遣料積算基準.pdf
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http://www.deaf-mie-center.com/%E6%B4%BE%E9%81%A3%E4%BA%8B%E6%A5%AD/%E6%89%8B%E8%A9%B1%E9%80%9A%E8%A8%B3-%E8%A6%81%E7%B4%84%E7%AD%86%E8%A8%98/

要約筆記にいらだつ。

2012年10月10日 23時25分36秒 | 要約筆記
二日間続けて、要約筆記の限界にあって、いらだってしまった。
パソコン要約筆記者が2名で、少人数の会議を要約筆記をしている。難聴者は2名がノートパソコンを見ていた。
司会をしている要約筆記者がかなりの部分をしゃべる。
質問や意見があると瞬発を入れず答える。
これがパソコン要約筆記者が打てない、入力画面をみていないがすぐに文字が出ない、聞こえる人同士の間でポンポン意見が交わされて、文字が出ないままだ。
出てきた文字列を見てこれは何かと聞いたりしていたが、とうとう堪忍袋の尾が切れた。
「そっちで何を話しているのか全くわからない、パソコンの画面を見て発言して欲しい。そっちにも画面が見えるようにしろ。」
日頃は全国で要約筆記の指導的立場にあたる人が聞こえる人だけのように話すのは納得が行かない。

翌日、立場の異なる相手との協議の場でまた一緒になった。ほとんど一人で話しているが、手書きのノートテイクが何が書かれているのか一顧だにしない。
相手に気を使って言葉をやりとりしているが、もう一人の同席している難聴者から話が出てこないことを不思議に思わないのだろうか。相手が緊張していたということが後で報告を見てわかったが、そうしたことは要約筆記の文字の中には出てこない。
途中で話を遮って割り込んだが、どういう話をしていくか、前もって打ち合わせが足りなかったが、手話通訳者ならろう者に話を促したりしながら進めるだろうにと思ってしまった。
その辺を言葉にして、要約筆記で伝えるように話し方を工夫すれば良かったが相手をなんとか自分たちの方に向けさせようということが先にたって、要約筆記でその場に「参加」している難聴者のことまで気が回らなかったのだろう。

自分は饒舌的に話しても、それが要約筆記でどのように伝えられているのか確認する姿勢が必要だ。
言葉の細かいニュアンスの嗅ぎ取りが必要な交渉ごとには、要約筆記は不向きだ。それを可能にする要約筆記者を育てようとしているが・・・

ラビット 記

リアルタイム字幕制作者の倫理性

2012年09月09日 10時15分36秒 | 要約筆記
いろいろな現場で聴覚障害者の情報保障のための字幕制作が行われている。リアルタイムもあればオフラインもある。
この字幕制作者は聞こえない人の情報保障のために文字で情報を保障しているということは理解していても、テレビ番組の字幕配信の場合は著作権者の権利を制限して行われていること、入手した情報は第三者に提供したり出来ないこと、情報には個人情報も含まれていることからログも残すべきではないことなどが理解されているかどうか確認しなければならない。
個々の入力者がログを残す意味はない。
講演や会議で入力して表示された内容は入力者を派遣した事業者の責任。
主催者から記録は別作業になる。

ボランティアから内容と機会の責任を持つ字幕制作者になるなら、情報保障者の倫理性が確立しなければ社会の理解はえられない。

ラビット 記
※宿泊したホテルの朝食は、大根サラダと味噌汁だけにした。ポテトサラダはひとさじ分食べたがマッシュドポテトは久しぶりの感触だった。

忘れられた難聴者、何が根幹か?

2012年06月17日 08時46分43秒 | 要約筆記
全要研大会が滋賀県米原市で開催されている。

大会の内容を記した冊子を受け取った時から、違和感が拭えない。
それは、全要研の活動の中に難聴者と難聴者協会がどのように関わっているのか、難聴者がどのような状況に置かれているかがよく見えないからだ。

この違和感は、第六分科会の通訳論の最初の報告を聞いたときも感じた、通訳観を過去の文献の中でどう変遷していったのかを研究したものだが、報告者たちがそのことを日々の実践の中で検討しようと思ったきっかけがあったはずだ。
東京の要約筆記者は、内閣府の障害者制度改革推進会議やJDFなど制度改革推進に関わる会議の通訳を担っている。また、日々多くの企業や大学、難聴者個人からの依頼による通訳を行っており、他の地域よりは要約筆記の通訳に関する状況がかなり異なる。

毎日の会員と非会員の難聴者と出会い、難聴者協会の活動の中から、出てきた課題は何なのか。
東京の登録要約筆記者は「現場」で何を感じ、何を課題としているのだろうか。

ラビット 記
※のぞみ社内でiPadでモバイルした。最前席で

全要研集会in滋賀の全要研WEBからの申込方法

2012年05月06日 01時18分14秒 | 要約筆記
1)全要研ホームページにアクセス。
真ん中の大きなボタン「集会申し込み」をクリック。
http://www.normanet.ne.jp/~zenyoken/index.html

2)トップツアー(株)滋賀支店による集会申し込み頁に移動する。
https://conv.toptour.co.jp/shop/evt/youyaku30/

3)「初めての申し込みはこちらから」というオレンジ色
のボタンをクリックする。
次のページに移動するので、「同意する」をクリックする。

4)新規ユーザー申し込みの画面になるので入力して登録する。

5)参加申し込みをする。

※3)に気づかないと、エラー表示が出て進まない。

ラビット 記
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第30回全国要約筆記問題研究集会in滋賀
開催日 : 2012年06月16日(土) ~ 06月17日(日)
会場 : 滋賀県立文化産業交流会館他

ごあいさつ
謹啓  皆様方には益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
 この度、「第30回全国要約筆記問題研究集会in滋賀」を滋賀で開催のはこびとなりましたことを、心より歓迎申し上げます。
 ご参加いただきます皆様方のご便宜を図る為、大会事務局様のご了承を得て、参加登録、懇親会、宿泊、弁当申込等の受付をトップツアー (株)滋賀支店にてお手伝いさせていただきます。

 大会の成功をお祈りいたしますとともに、皆様方にご満足いただけますように誠心誠意努力いたす所存でございます。
皆様方の多数のご利用を心よりお待ち申し上げます。
敬具 
【旅行企画実施】トップツアー株式会社 滋賀支店 

政府「対話集会」に要約筆記と磁気ループが。

2012年02月21日 00時35分44秒 | 要約筆記
長野県長野市で開かれた18日(金)の政府主催の対話集会に参加した長野県中途失聴・難聴者協会会長によると、手話通訳の他に要約筆記と磁気ループも付いたとのことだ。


こうした集会に手話通訳と同じように磁気ループと要約筆記が付けられることの意義は大きい。
今後の政府主催の会議のユニバーサルデザインとして、当たり前になって欲しい。

しかし、「字幕」だったのか「要約筆記」だったのか確認したかった。ニュースの映像を見てみたが、手話通訳は移っていたが要約筆記のスクリーンのようなものは見えなかった。
音声をそのまま文字化する文字表記を「リアルタイム文字表記」あるいは「字幕」とすると高齢者や難聴者等が誰もが見て理解出来る文字表記が要約筆記だ。
要約筆記は要約するから要約筆記ではない。
岡田副総理が早口だったとしよう。それを全部あるいはほぼ文字表記で来たとしてそれで良いのか。ほぼ文字表記したんだから後はしっかり読んで下さい。読めなくても私に責任はありませんでは「通訳」とは言えない。
相手に分かるように伝えるのが「通訳」だ。
文字を読んで理解出来る字数や表現というのがある。やたらと丁寧な言い回しで言うと聞いている方はだからなんなのだと言いたくなることはよく経験する。これを分かるような文章で伝えるのが要約筆記だ。
やむなく要約するのではなく、意味を伝えるために要約するのだ。

要約筆記者のことを「ようやく」「ようやく」という手話通訳者はもう一度出直してもらいたい!
高速入力を誇る文字入力者は「伝える」意味を考えてもらいたい。

ラビット 記
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フジテレビ系(FNN) 2月19日(日)0時39分配信
http://bit.ly/wiK0Pq
全国で一体改革への理解広げる対話集会 岡田副総理、消費税率5%引き上げの必要性訴え
社会保障と税の一体改革に対する国民の理解を広げるため、政府は、全国で閣僚らによる対話集会をスタートさせ、岡田副総理は、消費税の5%引き上げの必要性をあらためて訴えた。
岡田副総理は「なぜ消費税かと、ここには書いてあります。1つは税収が安定している」、「消費税が一番望ましいというふうに考えているわけです」と述べた。
長野市の集会で、岡田副総理が消費税引き上げに理解を求めたのに対し、およそ160人の参加者からは、負担増への懸念や、行政改革など歳出面での努力が不十分との指摘が相次いだ。
岡田副総理はまた、通常国会で提出を目指す行政構造改革実行法案に、「国家公務員総人件費の2割削減」を明記する考えを示した。

3年間の勤務先の要約筆記者の派遣

2012年02月07日 17時43分50秒 | 要約筆記
勤務先の書類を整理していたら、2006年5月15日から2009年7月まで派遣を受けていた時のノートが出てきた。
丸3年で終わってしまったが、会社の負担で会議等に要約筆記が付いていた。
派遣元も聴覚障害者自立支援センターから手話通訳等派遣センターに変わったが双方向のメールは800通近い。
34年間の勤務の黄金時代だ。

最後はこのメールで終わっている。

派遣等センター
要約筆記派遣ご担当者様

毎週火曜日の受注担当者会議に要約筆記者の派遣をして頂いておりましたが、 受注業務の外部委託に伴い、私が会議に出席することがなくなります。
2006年5月15日の初めての派遣以来、丸3年間、ほとんど毎週派遣をして頂き、 ありがとうございました。

要約筆記が会議に付いて、その場で理解できることはもちろん、継続して要約 筆記が派遣されることで、会議煮における理解が積み重なって、日常のコミュ ニケーションにも業務の把握にもつながることが分かりました。

今後は月1度の派遣になりますが、よろしくお願いします。

ラビット 記
※このノートは記録には使われず派遣費用支払いの記録として残っていた。

要約筆記者の対人援助の硬直性

2011年12月21日 10時33分24秒 | 要約筆記
要約筆記者は、通訳として通訳行為をするが一方で、利用者である難聴者の状況に応じた対人援助をする。
それを要約筆記者は通訳だから、言葉の通訳以外のことをするのを断る要約筆記者がいるという。

対人援助技術を利用者にあわせた通訳行為をするという一面的な理解をしているからでないか。

要約筆記者はそれだけではなく(言葉の通訳以外に)、生活の場の家族や住民、会議の主催者、医療現場の医者や看護師、学校の教師、企業の上司、雇用主などその場のキーパーソンに利用者の自立の方向で、丁寧に「つなぐ」必要がある。

「つなぐ」とは、口頭で説明すると言うことも自らの行為で示すことも、利用者から話すように説明するとか、その場に応じて対応が違う。

そのために「権利擁護」や対人援助技術を学んでいるはずだ。権利擁護は専門用語で、憲法や社会福祉論、障害者福祉論の中から段階的に理解する必要がある理念だ。

登録要約筆記者同士の研修が欠かせない。これは、要約筆記者が専門性を持つと言うことだ。

ラビット 記

会議の休憩中は要約筆記者に話しかけない。

2011年12月20日 20時23分00秒 | 要約筆記
会議の前には、主催者が司会、発言者とどういう話をするか、流れはどうかを「打ち合わせ」する。

しかし始まってしまえば、通訳としての要約筆記者がいるだけなので、休憩になっても話しかけない、私語や雑談もしない。進行上、話す内容の変更とかあっても余ほどのことでないと言わない。
それは休憩後聴衆に説明すればよい、要約筆記者もそれを聞いて聴き方を変更する。
会議後も、何か問題があれば派遣元に言うがその場ではほとんど話しかけない。

通訳者は、始まって終わるまで緊張しているので話しかけると緊張感が解けてしまうこともある。休憩は要約筆記者も自分なりに休息したり、他のメンバーと打ち合わせするので話しかけない。

もし話しかけるなら、主催者、聴衆に話しかけるべきだろう。その時に要約筆記者は頼めない。「休息」だから。もし必要なら、事前の打ち合わせで織り込んでおくべきだろう。

ラビット 記

要約筆記派遣事業の専門性」提言論文

2011年10月23日 12時08分12秒 | 要約筆記
今年の全要研の討論集会の提言論文の一つ。
難聴当事者からの提言論文はない。

ラビット 記
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「要約筆記派遣事業の専門性」提言論文 吉田 久美子

「派遣」の実施にあたり、派遣の内容、どのような経過からそこに参加するのか、初の利用なのか、継続的に派遣を
受けているのかなど、情報が事前に要約筆記者に提供されていると、要約筆記者も安 ...
http://www.normanet.ne.jp/~zenyoken/pdf/14touron3.pdf>

立教大学院を修了した要約筆記者が立命館大学シンポジウムで報告

2011年08月12日 09時00分06秒 | 要約筆記
要約筆記が大学院で探求される時代になったのか。
立教大学大学院で、要約筆記を学位論文にした方を知っているが、社会人入学だった。

ラビット 記
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第9章 文字情報支援とインクルーシブな社会 ――要約筆記と字幕の活動を通し
というのは、私自身も要約筆記者でありますし、それから手話と要約筆記の派遣事業所で仕事をしています。それから立命館と関係ができた1つのきっかけともいえますが、社会人で立教大学の大学院に行っていました。いましたというのは、25日に卒業する予定 ...
http://www.ritsumei-arsvi.org/publications/read/id/238


ラビット 記

シュールな通路 原稿出来たあ!

2011年06月29日 07時45分32秒 | 要約筆記
毎月の巻頭言には何を書くか頭が痛い。日々の出来事や難聴者協会の活動の中から会員や社会に伝えることを書こうと思うがあれこれ1週間近く「推敲」する。「迷っている」だけか。

今月号は全要研東京集会に合わせて要約筆記のことを取り上げて書いた。本来なら集会の前に取り上げて参加を呼びかけるところだが、この地の要約筆記の個人派遣は9割くらいが非会員の利用だ。
逆に考えると要約筆記を無料でバンバン使っているからあまり協会に入る必要を感じないくらい自立できているのかもしれないと考えたりする。
会員は要約筆記を利用しないで間に合っているのか。2年間の中途失聴・難聴者対象の手話講習会を終了して入会する会員が多いので手話を使う歴史的に多いということはある。
手話が仲間同士の語らいには効果的なことはあるが何かの話をきちんとしようと思ったり、きちんと聞かなくてはいけない時は要約筆記が役に立つ。相手が早口や小さな声だったりまわりがうるさい時は分からない。わかりにくい話し方をされると聞こえる人でもお手上げだ。
こういう時は要約筆記を利用するに限る。

ノートやスクリーンに視線が張り付け(磔?)にならない要約筆記がされていれば他を見たり考えたりする余裕ができる。
難聴者の「聞くように読める」要約筆記というのはレベルが高い。これが提供されていないから難聴者は要約筆記不信になったり、出来るだけたくさん書かれた「文字入力」を求めるのだ。

ラビット 記
※通勤時団地から駅に行く通路はけっこうシュールだ。
サンダーバード1号出動って?

あすから全要研集会。参加者約500名に。

2011年06月18日 01時03分21秒 | 要約筆記
帰宅なう。明日の準備をしなくちゃ。

第29回全国要約筆記問題研究集会はまさに障害者運動が大きな力を発揮して、国会で障害者基本法改正案が成立せんとする最中に開かれる。

また東日本大震災後難聴者関連では初めての全国集会となり、これまでの対策と今後の支援活動の方向が問われる機会となる。

要約筆記者養成カリキュラムが通知されて最初の集会だ。その意義は権利条約の実現を追求している今こそ大きい。

要約筆記者養成カリキュラムのツボは要約ではない。社会福祉事業を担う人材を養成することだ。だから障害者自立支援法で市町村の必須事業を担える。
 考えてみると難聴者のために法律でサービスの提供が義務つけられている対人援助サービスはこれだけと思う。

ラビット 記