前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
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(一服ざる)

バーン=ジョーンズ展 (三菱一号館美術館)

2012-08-12 18:09:26 | 美術関係
三菱一号館美術館で『バーン=ジョーンズ展』を観てきました。

ロセッティ、アーツ・アンド・クラフツ、ラファエル前派・・・
という"キーワード"は前々から好きでしたが、特に詳しい知識もなく、
バーン=ジョーンズの作品をまとめて観たのも初めてでした。


ちなみに物識りの"wikipediaさん"の説明によると、ラファエル前派とは

  中世や初期ルネサンスの芸術を範とし、(略)主題としては中世の伝説や文学、
  さらに同時代の文学にも取材している点が新しい。
  また従来のキリスト教主題を扱うにしても、伝統的な図像を無視する場合が多い。
  画風は、初期ルネサンスや15世紀の北方美術を真似て、明暗の弱い明るい画面、
  鮮やかな色彩、そして細密描写に特色がある・・・。

というものです。


ギリシャ神話を題材とした作品などは、構図や色調など古い宗教画を思わせますが、
同時に強烈な現代性も感じさせます。
ポスターにも使われた「ペルセウス」などは、CGで描かれた(現代の)作品だったとしても
違和感を感じません。


(1882年頃、今から130年前の作品です)

日本でいうと江戸末期から明治にかけて活躍した方ですが、
神話世界などをモチーフにしたゲームやアニメが人気の今の方が、
好まれそうですね(すでに人気があるのかな?)。


聖書を題材にした作品もありましたが、会場内の解説には
「聖書の世界もロマンとしてみていたのでは・・・」とありました。

確かにキリスト教の教えを説く、というより美の題材として描かれている
という印象を受けました。
故に、ギリシャ神話を題材とした作品と並列に観ても違和感がない。
(バーン=ジョーンズ自身はかつては聖職者をめざし神学を学んだそうですが)

あと、美術史の流れとしては直接関係ないのかもしれませんが、
この世界観がクリムトなどの世紀末ウィーンの芸術(ウィーン分離派)へと
繋がっていったのかな、という感じも受けました。


そしてもう一つ、改めて強く印象に残ったことがあります。
これはバーン=ジョーンズだけでなく、
ロセッティの作品やジョン・エヴァレット・ミレーの「オフィーリア」など
以前からラファエル前派の作品全般に感じていたことなのですが、
女性の(特に顔の)描き方の特異性です。

中性的というか(誤解を恐れずにいえば男性が女装したような顔立ち)、
男性が描く(思い描く)"(自分がそうなりたい)美人"というか。
もっといってしまえば、現代のマンガ・アニメ的、「二次元キャラ」的というか。
(萌えカワではないですけど)


こんな感じ・・・

絵の題材へのこだわり(神話・中世オタク?)といい、女性キャラ?といい
「元祖オタク芸術」などといったら、怒られるでしょうか。




ポストカードを買いました(ちなみに「自画像」です)。