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前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 (庄司紗矢香)

2025-03-29 21:43:05 | クラシック音楽
シベリウスのヴァイオリン協奏曲にすっかり魅了されて
庄司紗矢香さんのショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番をYouTubeで観ました。


https://www.youtube.com/watch?v=Ng0aLWqh_Z4

ヴァイオリン:庄司紗矢香
指揮:クリストフ・ポッペン
香港小交響樂團
2024年4月香港

ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番は十二音技法が使われたり
全4楽章形式で第1楽章が「夜想曲」と題する静かな楽章だったりとかなり前衛的な作品です。
オーケストラ編成も変わっていて打楽器が増強されている一方でトランペット、トロンボーンが使われていません。

交響曲第15番などもそうですが編成自体は大規模だけれどオケ全体が大音量で鳴り響く箇所が少なく
響き自体は室内管弦楽風なところも魅力の曲ですね。

ショスタコーヴィチ作品の緩徐楽章はどれも静謐で緊張感があり曲調は難解でも息を殺して聴き入ってしまいます。
一方、スケルツォや終楽章はどこかユーモラスな雰囲気が漂います。
このメリハリこそがショスタコーヴィチの魅力の一つです。

今回もYouTubeでいろいろな演奏を聴き比べましたが
曲全体を通して同じ印象であったり、終楽章の超絶技巧が強調されている(如何に速く完璧に弾くか)
演奏が多い気がしました。
(若干、庄司さん贔屓になっているからかもしれませんが)

それに比べて庄司さんの演奏は何といっても聴いていて面白い!
特に第4楽章は目まぐるしく曲調、調性が変わりますが、庄司さんの演奏は正に変幻自在。
この曲を得意としているようですが納得です。
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マルタン: 無伴奏二重合唱のためのミサ

2025-02-24 21:11:23 | クラシック音楽
先日、妻と音楽の話をしていた際
~因みに妻はピアノ、ヴァイオリン、箏などが弾けるマルチプレイヤー!
「合唱曲の演奏(歌声)は(基本的に)純正律(の方向)になる」旨の話を聞きました。

専門的(音楽理論的)には正確な表現ではないかもしれませんが
言っている意味はわかる、というか腑に落ちます。
歌声は無段階に音程を変化させられる楽器ですから
最も綺麗にハモる音を探すと必然的に純正律になるのかなと。


その時思い出したのが大学時代のサークルでの出来事です。
クラシック音楽鑑賞サークルだったのですが
先輩がグレゴリオ聖歌と(無調の)現代音楽の無伴奏合唱曲を
作曲者名や曲名を言わずに続けて聴かせてくれたことがありました。

まだ今よりも全然音楽知識に乏しかったのですが、
それらはどちらも全く違和感なく耳に響いてきました。
その"違和感のなさ"の理由が少しわかった気がします。


音律についての正しい説明・解説は非常に難しいのですが素人のざっくりとした理解では
純正律・ピタゴラス音律:和音が完全に美しく響く音律
平均律:1オクターブを均等に分割した音律
程度のものです。

色々な楽器を使用し且つ移調する作品は純正律では演奏は難しく
音楽の発展と共に平均律が定着していきました。


グレゴリオ聖歌は「教会旋法」と呼ばれる、今の西洋音楽の調性とは異なる音階で歌われ、
ピタゴラス音律が用いられたようです。
無調音楽は、西洋音楽の調性の果てに辿り着いたものですから
平均律(平均律に調律された楽器で演奏される)音楽の範囲になるのかもしれませんが
無伴奏合唱曲となるとより「教会旋法」との親和性は高くなります。


フランク・マルタン『無伴奏二重合唱のためのミサ』
ダニエル・ロイス指揮
RIAS室内合唱団

フランク・マルタンの作品は完全な無調というわけではありませんが
調性は不確かで不安定です。

フランク・マルタンは以前に「小協奏交響曲」について書きました。
チェンバロ、ピアノ、ハープと弦楽合奏という変わった編成の曲ですが
それも今思うとバロック、もしくはそれ以前の音楽という趣です。


『無伴奏二重合唱のためのミサ』は、そもそもグレゴリオ聖歌の影響がみられるようですが
時空を超えた美しさの繋がりを感じます。

妻の何気ない一言が自分にとっての新しい発見(再発見)を導いてくれました。
ありがとう。
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R・シュトラウス:4つの最後の歌(習志野フィル)

2025-02-11 19:10:25 | クラシック音楽
チケットを頂いたので習志野フィルハーモニー管弦楽団の
第104回定期演奏会を聴きに行ってきました。



チャイコフスキー:幻想序曲『ロメオとジュリエット』
リヒャルト・シュトラウス:4つの最後の歌
チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調
指揮:湯川紘惠
独唱:中江早希(ソプラノ)

所謂アマチュアオーケストラ(市民オーケストラ)ですが、
今年創立55周年の伝統あるオーケストラで想像の10倍上手かったです。

チャイコフスキーの2曲はコンサートで何度も聴いたことがありますが
リヒャルト・シュトラウスは初めてです。

『4つの最後の歌』
第1曲:春
再2曲:9月
第3曲:眠りにつくとき
第4曲:夕映えの中で

リヒャルト・シュトラウスの『4つの最後の歌』は熱狂的ファンの多い曲です。
クラシック音楽の中でも「最も美しい歌」などと言われることがありますが
正直、独唱曲はあまり好きではないので
CDで聴いてもあまり心を動かされることはありませんでした。

ですが、生で聴いて考えが改まりました。
なんと美しい歌なんでしょう。

第1曲の途中から、涙が溢れてきました。
というよりも4曲を通して、ほぼ号泣。
何も考えず目を閉じて、只々美しい音色に酔い痴れました。
まさに天上の美しさ。

今更ながら、こんなに感動できる曲に出逢えるとは思っていませんでした。
思い出に残るいいコンサートでした。
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シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調(庄司紗矢香)

2025-02-02 18:42:40 | クラシック音楽
You Tubeでシベリウスのヴァイオリン協奏曲を聴きました(観ました)。

ヴァイオリン:庄司紗矢香
指揮:ラハフ・シャニ
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
2022年10月、テルアビブでのライブです。


https://www.youtube.com/watch?v=d388O4WxOD4

庄司紗矢香さんには「若手ヴァイオリニスト」のイメージがあったのですが
1983年1月生まれなので、この演奏の時はすでに39歳だったのですね。

以前にCDで聴いた時は、正直あまり印象に残っていなかったのですが
このライブでの演奏は本当に素晴らしい。

最初は髪をピンで留めていましたが、終楽章の時には外れてしまったのか(外したのか)
俯き加減で髪を振り乱してヴァイオリンを弾く姿はに鬼気迫るものがあります。
小柄な体躯からは想像できないダイナミックな、何かが乗り移ったような神懸った演奏です。

私は楽器は全く演奏できない聴くだけの素人ですが、
ヴァイオリン曲を聴く時に注目するのは、音量と弓(ボウイング)の速さです。

You Tubeで他の人のライブも併せて色々聴いた(観た)のですが
この演奏は(少なくとも女性ヴァイオリニストの中では)圧倒的な名演だと思います。
特に終盤(33:00~辺り)、重音をグリッサンドで奏でる部分は鳥肌もので涙が溢れてきます。
グッと身体を捩じるところがカッコいいんですよね。

是非、生演奏を聴いてみたいです。
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『ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024』

2024-05-05 22:51:56 | クラシック音楽
『ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024 』に行ってきました。




ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲*
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 **

ピアノ:ナタナエル・グーアン*
ピアノ:マリー=アンジュ・グッチ**
指揮:キンボー・イシイ
東京21世紀管弦楽団



ナタナエル・グーアン

パガニーニの主題による狂詩曲はご存知の通り、パガニーニの「24の奇想曲」の主題が変奏されるのですが
改めて聴くと、グレゴリオ聖歌の「怒りの日」のモチーフも結構何度も出てくるんですよね。
「怒りの日」好きとしては、そっちを期待してしまいます。

ピアノのナタナエル・グーアンは写真とは違い長髪で、妻曰く「ジョン・トラボルタみたい」と大層お気に入り。



マリー=アンジュ・グッチ

ピアノ協奏曲第3番のマリー=アンジュ・グッチはN響との共演もしているそうです。
こちらも演奏時は眼鏡をかけておりラフなパンツスーツ?で登場。


個人的にはピアノ協奏曲第3番の方がよかったです。女性ですが、この難曲を軽々と弾きこなしているという感じ。
ラフマニノフの大曲2曲という、ある意味「ラ・フォル・ジュルネ」らしいお得プログラムでした。


あともう一つ「スカンディナヴィアの国民楽派」と題した
デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドの作曲家(グリーグ、シベリウス、ニールセン他)の
古文学や民謡に題材を採った歌曲集も聴きました。

ソプラノ:天羽明惠
ピアノ:村上寿昭

こちらは小会議室でのしっとりとしたプログラム。メインディッシュのあとのデザートのよう。
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