前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

東京都現代美術館

2021-11-27 16:17:41 | 美術関係
東京都現代美術館は今までに何度も訪れていましたが
大規模改修工事のため2016年5月30日から2019年3月28日まで休館でした。
リニューアルオープンしたらまた行こうと思っているうちにコロナ禍が。
ようやく再訪することができました。



アルナルド・ポモドーロ「太陽のジャイロスコープ」
以前は外に設置されていましたが1階アトリウムにあります。


今回「Journals 日々、記す vol.2」と題して収蔵品が展示されていました。
企画展のチケットがあれば無料で観られます。


大岩オスカール「オリンピアの神:ゼウス」



クリスチャン・ボルタンスキー
左「死んだスイス人の資料」
右「D家のアルバム、1939年から1964年まで」



宮島達男「それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く」

東京都現代美術館を代表するコレクションの一つ。
1728個の赤色のデジタル・カウンターがそれぞれ異なったスピードで1から9の数字を表示し続けています。



東京都現代美術館は広大な敷地を贅沢に使い、展示室も広くて天井も高いためとても解放感があります。
訪れるだけでワクワクしますし、と同時に癒されもします。








どこを切り取っても「絵」なる美術館ですね。


地下1階の「水と石のプロムナード」も一つの作品として眺めることができます。
この"水と石と光の景色"、東京オペラシティ(新国立劇場)の地下空間に似ているなあと思ったのですが、
どちらも建築家・柳澤孝彦氏の設計とのこと。






"木場"という、少し都会の喧騒から離れた場所にあるのもいいんですよね。
本当に素晴らしい美術館です。

『ユージーン・スタジオ 新しい海』(東京都現代美術館)

2021-11-26 00:14:29 | 美術関係
東京都現代美術館で『ユージーン・スタジオ 新しい海』を観てきました。



ユージーン・スタジオは寒川裕人(1989年アメリカ生まれ)による日本を拠点とするアーティストスタジオで
平成生まれの作家が東京都現代美術館で個展を行うのは初めてだそうです。



〈ホワイトペインティング〉シリーズ

唯の白いキャンバスに見えますが人々の接吻が重なっているそうです。



海庭

ガラスと鏡で囲われた一部屋にきれいな水が湛えられています。
海庭であり海底であり 臨界であり臨海であり





私にはすべては光り輝いて映る

特殊な加工をした真鍮に油絵具やオイルパステルなどを用いて色やモチーフが描かれています。
光り輝く「私(真鍮)」に作品の外側にあるものが映ることで成立する作品とのこと。

真鍮は最初、金箔かと思いました。琳派の作品のよう。



私は存在するだけで光と影がある

紙に塗布した翠色の水性染料が自然光で退色しグラデーションが生じた作品。
紙を折り曲げて多角柱にし、立てて太陽光に曝したそうです。

平面と立体 光が当たる面と当たらない面(光と影) 発色と退色



善悪の荒野

映画「2001年宇宙の旅」(1968年)の終盤に出てくる部屋を再現し、
それを破壊、焼失させたオブジェで再構成したもの。



こちらが映画の場面






ゴールドレイン

金箔と銀箔の粒子が雨の様に擦り注ぎます。


現代○○、コンテンポラリー○○と呼ばれるものは、絵画であれ音楽であれダンスであれ、
ジャンルを問わず「言葉」で説明されなければ、その作品の意図が分からないものもが多いです。
というよりも殆どがそうかもしれません。

本展の作品もそうです。
ここに書いたものも、後でパンフレットの内容を要約したものです。

ただ、会場では解説などは読まずに観て回りました。
作者の意図は分からずとも、というより意図がわかる必要もなく
美しいなあと感じたり、息を吞むような緊張感やハッとするような驚きなどを感じさせてくれる作品、
現代アートもあります。

本展はまさにそういう展覧会でした。
平日で人も少なく、ゆっくりと作品空間に浸れたのもよかったです。

教会探訪【File.069】:カトリック成城教会

2021-11-23 20:45:36 | 教会など
都内近郊にある色々な教会を観て回っています。
旅行先でも観光地だけでなく、その地の教会を訪れたりしています。
それぞれに歴史と個性がありますね。

整理と備忘録を兼ねてアップしていこうと思います。

★聖堂内は「祈りの場」なので
 信者の方々の邪魔にならないよう
 可能な場合のみ撮影しています。


◆カトリック成城教会(教会堂名:聖タデオ)
住所:東京都世田谷区成城(小田急線成城学園前駅)
創立:1955年


成城学園前駅より徒歩2分という好立地にあります。



コンクリートの落ち着いた外観です。



聖堂内です。白い壁は漆喰でしょうか。
前方の光る祭壇に目が吸い寄せられます。



左にマリア像、右は聖堂名にもなっている聖タデオの像。
聖タデオは十二使徒の一人で聖タダイとも呼ばれています。



十字架を囲んで輝く七つの星は
アンジェリコの「キリストの変容」をモチーフにしたそうです。



祭壇左奥に十字架をデザインしたステンドグラスがあります。



壁のガラスも十字架をデザインしているようですね。



聖堂二階にはパイプオルガンがありました。



屋根は瓦です。

聖堂内を観た時、
温かみのある白壁や入口脇にある丸みを帯びた十字の形、ステンドグラスの色使いなど
長崎で訪問した【File.030】聖フィリッポ教会を思い出しました。

調べてみたら聖フィリッポ教会と同じく、今井兼次氏の設計でした。

70年近く前の建物とは思えない、とても美しい教会です。



プーくん、里帰り?の巻

2021-11-21 18:14:41 | スナップ
我が家のプーくんが妻と里帰りしてきました。
といってもランドではなくシーのほうですが。

アラビアンコースト

ちょっと近いです




全身ショット


ミステリアスアイランド



ロストリバーデルタ



メディテレーニアンハーバー

少し引きの絵で


まさに旅先でのスナップ写真って感じ




プロメテウス火山の柱状節理


マーラー:交響曲第5番(17人の奏者のための編曲版)

2021-11-17 23:41:39 | クラシック音楽
ナタリア・アンサンブル(NATALIA ENSEMBLE)による
マーラーの交響曲第5番(17人の奏者のための編曲版)を聴きました。



ナタリア・アンサンブルは、グスタフ・マーラー・ユーゲント・オーケストラで出会った
若きミュージシャン達によって結成されたプロジェクトです。

編成は
ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット
ホルン、トランペット
ティンパニ、パーカッション×2
ハープ、ピアノ、ハーモニウム
の17人


マーラーの交響曲第5番ハ短調は1901年に作曲が開始され1902年に完成しました。
まさに新世紀(20世紀)の幕開けを飾るに相応しい作品です。

音楽史において古典派・ロマン派などの区分けは年代でハッキリとは分けられませんが
マーラーの新世紀以降の交響曲(第5番から第9番)はロマン派絶頂期の作品でもあり
また「ロマン派の終焉(の始まり)」でもあります。


第4楽章「アダージェット」の耽美な旋律のイメージも強いですが
一方で第5楽章の対位法的書法など、古典回帰を目指した面もあります。

マーラーに認められ親交もあったブルーノ・ワルター指揮の演奏を聴くと
モノラル録音であることも影響しているかもしれませんが
早めのテンポで過度にロマンティックになり過ぎないスッキリとした印象です。


1947年2月10日カーネギー・ホールでのライブ
ブルーノ・ワルター指揮 ニューヨーク・フィル


そういえば、以前にN響定期公演・セミョーン・ビシュコフの指揮で聴いた第5番も
古典派交響曲のようなアプローチが新鮮な演奏でした。


ナタリア・アンサンブルは17人という少人数ですので
通常のオーケストラでは気付かなかった旋律(声部)も聴こえてきてちょっとビックリです。
編曲版ですがより"古典度"が増した感じです。

ただ、何よりも特筆したいのは演奏が素晴らしいこと。
こんな少人数(ほとんどのパートがソロ)でマーラーが演奏できるんだ。
若手ばかりですけど本当に上手い!


当分の間、第5番はこの演奏ばかり聴くことになりそうです。
ほかの作品の録音が出ることに期待!