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前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

ゴルトベルク変奏曲(オーケストラ編曲版)

2025-03-30 18:59:48 | ゴルトベルク変奏曲
ゴルトベルク変奏曲のオーケストラ編曲版を聴きました。



指揮・編曲:ロビン・オニール
フィルハーモニア管弦楽団

弦楽合奏版はシトコヴェツキー編曲のものがありましたが
管楽器が加わったオーケストラ版は初めて聴きました。

とはいえ管楽器はフルート、オーボエ、コール・アングレ、ファゴットの木管楽器のみで
金管楽器、打楽器は含まれておりません。
因みに指揮・編曲のロビン・オニールはフィルハーモニア管弦楽団の首席ファゴット奏者です。

全ての曲をフル・オーケストラで演奏するわけではなく
変奏によっては管楽器群のみ、弦楽器群とソロ楽器、ヴァイオリン・ヴィオラと管楽器など
楽器の組み合わせは様々です。

編曲版の楽しみというか利点の一つは普段(原曲)ではあまり聴こえない声部が浮かび上がって
新たな発見があることです。
第2変奏ではピアノの低音(左手)パートをファゴットが担当していますが
速いテンポで軽やかに吹かれると一瞬「あれ?こんな旋律あったっけ?」と思ってしまいます。

今まで聴いてきた同じカテゴリーの楽器群
例えば弦楽器のみ(3人から弦楽合奏まで)、木管楽器のみといった編曲
もしくは違う楽器(ギター、ハープ、アコーディオンなど)のソロ用編曲とは
かなり趣が変わります。

それから、これはちょっと難点に感じたのですが、3の倍数ごとの変奏曲で出てくるカノンは
カテゴリー群の違う楽器だとちょっと違和感がありますね。
第24変奏(8度のカノン)がフルートと弦楽器
第27変奏(9度のカノン)がフルートとチェロ
なのですが、あまりカノンに聴こえないというか、カノンの面白さを感じないというか。

雰囲気としては同じくバッハの管弦楽組曲やブランデンブルグ協奏曲を聴いている感じです。
全曲繰り返しありですが、個人的には全て繰り返しなしでの演奏だったらよかったですね。

ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調 (庄司紗矢香)

2025-03-29 21:43:05 | クラシック音楽
シベリウスのヴァイオリン協奏曲にすっかり魅了されて
庄司紗矢香さんのショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番をYouTubeで観ました。


https://www.youtube.com/watch?v=Ng0aLWqh_Z4

ヴァイオリン:庄司紗矢香
指揮:クリストフ・ポッペン
香港小交響樂團
2024年4月香港

ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番は十二音技法が使われたり
全4楽章形式で第1楽章が「夜想曲」と題する静かな楽章だったりとかなり前衛的な作品です。
オーケストラ編成も変わっていて打楽器が増強されている一方でトランペット、トロンボーンが使われていません。

交響曲第15番などもそうですが編成自体は大規模だけれどオケ全体が大音量で鳴り響く箇所が少なく
響き自体は室内管弦楽風なところも魅力の曲ですね。

ショスタコーヴィチ作品の緩徐楽章はどれも静謐で緊張感があり曲調は難解でも息を殺して聴き入ってしまいます。
一方、スケルツォや終楽章はどこかユーモラスな雰囲気が漂います。
このメリハリこそがショスタコーヴィチの魅力の一つです。

今回もYouTubeでいろいろな演奏を聴き比べましたが
曲全体を通して同じ印象であったり、終楽章の超絶技巧が強調されている(如何に速く完璧に弾くか)
演奏が多い気がしました。
(若干、庄司さん贔屓になっているからかもしれませんが)

それに比べて庄司さんの演奏は何といっても聴いていて面白い!
特に第4楽章は目まぐるしく曲調、調性が変わりますが、庄司さんの演奏は正に変幻自在。
この曲を得意としているようですが納得です。

ヴィオラ練習備忘録_004

2025-03-23 19:15:33 | ヴィオラ
2025.3.23(ヴィオラ練習30日目)

本日3回目のレッスンに行ってきました。
ヴィオラの練習を始めてから約1ヶ月が経ちました。
初日の何もわからない状態からみれば確実に"進歩"はしているとは思いますが
"一歩一歩前進"とはいかず"一進0.9退"くらいの進み方です。


前回のレッスンからの二週間、ロングトーンとニ長調の音階練習をしてきました。
ボウイングもまだまだ安定しないのですが意識すれば何とか真っ直ぐ弾けるようになってきました。
音(音量や音色)はまだちょっと安定しないのですが。

弓をきちんと持つことが基本中の基本なのですが、これもなかなか安定しません。
大きく間違ってはおらず変な癖がついているわけではないのですが
長くてそれなりに重い"棒"を摘まむように持っているので弾いているうちに"楽な握り方"にズレていってしまいます。

弾いている弦(D線かA線か)や弓の位置(根本か先端の方か)で微妙に指の角度も変わっていくようなのですが
強く持ちすぎていると柔軟性がなくなって逆に弾き辛くなるとのこと。

何事も力を抜く(余計な力を入れない)ことが大切なのですが難しいです。


音階を弾くために左指で順に弦を押さえていくのは相変わらず苦戦しています。
レ(開放弦)
ミ(人差指)
ファ(中指)
ソ(薬指)
と押さえますが、ミとファの間は全音なので結構間が空くというか中指で押さえる位置が遠いんです。
人差指でミの位置を押さえたままで中指がファの位置に届かない!
加えて人差指を固定したまま中指・薬指を独立して自由に動かすのもままならないので。

指が固く指と指(人差指と中指)の間が開かないのが原因かとも思いましたが
先生曰く「指を横に広げるのではなく前に持っていく(伸ばす)感じ」とのこと。

ピアノのように鍵盤に対して手を垂直に置くのであれば遠くの音(鍵盤)を弾くには
手(指)を広げなくてはなりませんが、
ヴァイオリン・ヴィオラの場合は指を手前(自分の方)に伸ばすような感じでしょうか。

なるほど~とは思いましたが頭でわかるのと身体がその通り動くかどうかはまた別の問題。
ですが練習する際に気を付ける点(方向性)がなんとなくわかったような気がします。

まあ、初めてやる動きなので「固い・思い通りに動かない」のは当然なので指の運動も少し教えてもらいました。


左右の手で別々の動きを同時にきちんと行うのは難しいので
・左手の音程は多少悪くても右手のボウイングに気を付けて音階を弾く練習
・右手のボウイングは多少ぶれても左手の運指に気を付けて引く練習
をそれぞれやった方がよいみたいです。

それ以外にも
・力をいれて弓を弦に押し付けるのではなく「弓の重さを弦に伝える(弓をしっかりと弦に置く)」感覚
(これは妻にも同じことを言われました)
・D線からA線に移るときは右手首の角度だけを変えるのではなく右肘を下げる
などなど。

まだまだ先は長い。



Gérard Caussé(ジェラール・コーセ)

好きなピアニスト、ヴァイオリニストを問われれば何人か挙げることはできますが好きなソロ・ヴィオリストというと難しいです。
自分が持っているCDの中でパッと思いつくのがジェラール・コーセです。

バッハ:ゴルトベルグ変奏曲(弦楽三重奏版)
フランク:弦楽四重奏曲(パレナン四重奏団)
フォーレ:ピアノ五重奏曲(ヴィア・ノヴァ四重奏団)
などの愛聴盤でヴィオラを担当しています。

映画『教皇選挙(Conclave)』

2025-03-20 21:54:04 | 舞台・映画など
映画『教皇選挙(Conclave)』を観てきました。



監督:エドワード・ベルガー
脚本:ピーター・ストローハン
音楽:フォルカー・ベルテルマン
出演:レイフ・ファインズ
   スタンリー・トゥッチ
   ジョン・リスゴー
   イザベラ・ロッセリーニ
製作:アメリカ・イギリス

※大事な部分のネタバレはしないように書きます。

カトリックの最高指導者・ローマ教皇の死去もしくは辞任後に行われる新教皇を選ぶ選挙のことを
「コンクラーベ(Conclave)」と呼びます。


物語はコンクラーベを執り仕切る首席枢機卿・ローレンスの視点で進みます。
このローレンス枢機卿役のレイフ・ファインズの演技が本当に素晴らしかった!
映画の評価は賛否あるかもしれませんが、これについては異論はないと思います。

投票前にローレンス枢機卿は「確信」という罪について話をします。
「確信」だけで「疑念」を抱かなくなれば不可解なことはなくなり「信仰」も必要なくなる・・・

このスピーチは作中の枢機卿団に言っていると同時に
映画を観ている我々にもその意味を問うているように感じます。

権謀術策が渦巻くドロドロの選挙戦・・・というだけの単純な物語ではありませんでした。


投票権のある枢機卿団は新教皇が決まるまでの間、隔離された状態で選挙に臨みます。
しかし、投票に影響を及ぼさないよう外界からの情報を遮断することは
見方を変えると世間(世界)で起きていることから目を逸らしているようにもとれます。

実際、舞台はバチカン市国の中だけで、司祭と修道士以外の一般人は全く現れません。

投票会場となる「システィーナ礼拝堂」と宿泊施設である「聖マルタの家」という閉ざされた空間の中で
扉を閉める音や鍵がかかる音が殊更強調され、密室感、閉塞感が増していきます。


その閉塞感に文字通り"風穴"を開けたのは皮肉にもローマ市内で起こった自爆テロの爆風でした。

カトリックにおいて聖霊(の息吹)は、しばしば"風"として表現されます。
最後の投票の際に割れた窓から吹き込んできた風の描写は印象的でした。
それにはやはり、何らかの意図(意志)があったのだと思います。

そしてもう一つ、そこにいるのにまるで"空気"のように扱われているシスター達も"風穴"を開けた一因かもしれません。
最後のカットがそれを象徴しているように感じます。

イザベラ・ロッセリーニが演じるシスター・アグネスは「聖マルタの家」の運営責任者であり
シスター達のリーダー的存在ですが、彼女が放つ「神は目と耳を与えてくださった」
という台詞はとても重く響きます。


最も相応しい人物が選ばれるよう"疑念"に誠実に向き合うローレンス首席枢機卿は前教皇の最も近くにいた人物ですが
シスター・アグネスもまた、ローレンスと同様に最も近くにいた人であり誠実な選挙を望んでいたでしょう。

表でコンクラーベを執り仕切るローレンス枢機卿と陰(裏)で支えるシスター・アグネス。

聖霊の息吹に導かれた枢機卿達は(自分達の意図を超えて)"結果"として最も相応しい人物を選んだのだと思います。


~私の証人となる主キリストを呼びます~
~主は私の票が選出されるべき方に与えられることを審判なさる~


サスペンス、ミステリーの様に喧伝されていますが、見ごたえのある重厚な映画です。
感動というのとは少し違いますが映画館で観てよかったと思いました。


インノケンティウス(Innocentius)[ラテン語]
イノセント(Innocent)[英語]:無罪の 潔白な

ヴィオラ練習備忘録_003

2025-03-14 07:08:52 | ヴィオラ
2025.3.13(ヴィオラ練習20日目)

前回のレッスンで音階練習の楽譜?を頂いたので、それに則って左手(左指)を動かす練習をしています。

C線(ド)
G線(ソ)
D線(レ)
A線(ラ)
の4本ある弦のうち、D線、A線を使って1オクターブ弾きます。

D線では
「開放弦」(指で弦を押さえない状態)で「レ音(D)」
人差指で押さえて「ミ音」
中指で押さえて「ファ音」
薬指で押さえて「ソ音」
を弾き
A線では
「開放弦」(指で弦を押さえない状態)で「ラ音(A)」
人差指で押さえて「シ音」
中指で押さえて「ド音」
薬指で押さえて「レ音」
を弾きます。

通して弾くと「レ-ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド-レ」のニ長調の音階が完成します。

と、説明するのは簡単ですが左手指はそう簡単には動いてくれません。
左手に力が入ってしまいネック(指板)部分をガッチリ握ってしまいます。
これはまだヴィオラを落としてしまうかもという恐怖感も関係していると思います。

ただそうなると指は自由に動きません。
親指の位置に気をつけつつネックを柔らかく包み込むようにしますが
そもそも中指、薬指を各々(独立させて)自由に動かす事自体が難しい。

その上で、正しい音がでる位置に指を順番に置いていくというか順番に弦を押さえていきます。
どこを押さえれば正しい音が出るかは身体で覚えるしかないので
指板の上で探るのはダメと妻に注意されます。

左手に気を取られていると今度は右手のボウイングが疎かになる。
肘と肩に注意しながら弓を真っ直ぐ動かすのを忘れてしまう。
なので、まずは開放弦でボウイングだけやって真っ直ぐ弾く感覚を思い出してから音階練習に入るようにしています。


左右の手で違う動きをすることは楽器未経験者にとっては至難の業なのですが
今までやったことのない動きなので仕方ありません。
まだ脳の中の回路?ができていない、というか何もない状態なので。

でもこれは毎日少しずつでも練習を続ければいずれは・・・。
若い人ほど神経細胞は元気?ではありませんが脳の中でニューロン君が頑張ってくれているのを感じます。


頑張れ!おいらの神経細胞