前略、ハイドン先生

没後200年を迎えたハイドン先生にお便りしています。
皆様からのお便り、コメントもお待ちしています。
(一服ざる)

『印象派を超えて-点描の画家たち』 (国立新美術館)

2013-10-31 20:53:38 | 美術関係
国立新美術館で
「クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に
 印象派を超えて - 点描の画家たち ゴッホ、スーラからモンドリアンまで」
を観てきました。

ジョルジュ・スーラで有名な点描という技法は、
美術用語では「分割主義」と呼ばれるようです。

絵の具をパレット上で混ぜず純色ままの小さな点に分解(分割)し、
さらに補色を配置することにより、色を際立たせる効果を追求して
画面が輝くような印象を与える技法、ということのようです。

ゴッホが分割主義に影響をうけ、点描で描いた「種まく人」などの
展示もありました。


ただ、個人的には点描で描かれた絵はあまり好きではありません。
なんか"ブツブツ"してて気持ち悪いというか・・・。


展示の終盤にはモンドリアンの作品もありました。
(というかモンドリアンが目当てだったのですが)
モンドリアンと分割主義(点描)はちょっと結びつかなかったのですが、
点描を通過した後に、色の分解(分割)を推し進めて三原色の抽象画に到達した
とのことです。


<赤と黄と青のあるコンポジション>


会場出口の即売場でモンドリアン・キャンディーを買いました。

残念ながら、白と赤と黄の三色の飴しか入っていないので、
青と黒の飴を追加して"完璧"にしようかと思っています。



国立新美術館に行く途中で乗り換えた、大江戸線・中野坂上駅。
なんかモンドリアン風。



で、これは別の機会に買った絵葉書。完成度が高いのでついでにご紹介。

色合いがハロウィン風なので、ハロウィン・カードスタンドと共に。
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『オルドス警察日記/To Live and Die in Ordos』 (東京国際映画祭/祝!最優秀男優賞)

2013-10-20 09:18:05 | 舞台・映画など
第26回東京国際映画祭に行ってきました。

招待券を引き換えるために、9時半に六本木ヒルズに行きましたが、
お目当てだった
 「ドリンキング・バディーズ」
 「27℃ - 世界一のパン」
 「リゴル・モルティス/死後硬直」
はすでに予定枚数終了。

大変失礼ながら、仕方なく?『オルドス警察日記』を観ることに。


パンフレットの作品紹介では

  内モンゴルのオルドス市で、ひとりの警察官が死ぬ。
  彼のキャリアを振り返ると、そこには驚きの実像があった…。
  実在した人物の足跡を、中国を代表する女性監督のひとりである
  ニン・インが骨太のドラマとして丹念に映画化。

とありました。

内モンゴルの警察官・・・実在の人物・・・
「まあタダで観られるんだから」と全く期待していませんでしたが・・・。


面白かった!! そして、とても素晴らしい作品でした。


優秀な警察官だったハオ局長が急死し、
彼の記事を書いて欲しいと公安局から依頼されたジャーナリストが
彼の実像を知るために取材を始めます。

かつて、美談として記事にした人物が、
実はそうではなかったことがネットの"裏情報"で明らかにされるという
"裏切り"を経験していたジャーナリストは、
急死したハオ局長の「英雄像」にも初めは疑いの目を向けます。

しかし、彼が残した膨大な業務日誌と、彼と共に働いた上司や部下、
家族や関係者へのインタビューから浮かび上がってきたのは、
自分の信念を貫き、最期まで正義のために戦った男の姿でした。


教師から警察官に転職し、28歳で刑事課に配属されてから、
公安局長まで昇り詰め、激務のため41歳の若さで心臓発作で亡くなるまでの
約13年間が淡々と、でも丁寧に丁寧に描かれていきます。



誰もが知っている歴史上の有名人の波乱に満ちた物語ではなく、
市井に生きた「名も無き英雄」の人生。

派手な銃撃戦も、息詰まる心理戦も、劇的なラストのどんでん返しもありません。
お涙頂戴のヒューマンドラマでもありません。

それでも、113分間決して飽きさせることなく、弛れさせることもなく、
激しい感動ではありませんが、確実に何かがじんわりと心に染み込んできます。


終演後の質疑応答で、監督のニン・インさんは、

  主人公のハオ・ワンチョンは、決して完璧な英雄ではない。
  時に迷い、悩み、間違いもおかす。その姿も同時に描きたかった・・・

という意味のこともおっしゃっていました。


そのハオ局長を見事に演じたワン・ジンチュンさんが本当に素晴らしい!!
彼の演技で、我々観客も、まるでハオ局長のことをよく知っているような、
実際の彼の人生を見てきたような錯覚にとらわれます。


質問にこたえるワン・ジンチュンさん。
左隣りが彼の奥さんを演じたチェン・ウェイハンさん。左端がニン・イン監督。



こういう機会がなければ、恐らく(映画館やDVD等で)観ることのない映画でした。

『オルドス警察日記』 忘れえぬ作品となりました。
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