「将棋の神様は、なぜこの少年を選んだのだろうか」
将棋の大会で負けて激しく泣きじゃくる8歳の少年の姿にこの言葉が重なります。
NHKスペシャル『藤井聡太二冠 新たな盤上の物語』を観ました。
史上最年少(14歳2か月)でプロ棋士となり、史上最年少(17歳11か月)で
初タイトル(棋聖)を獲得した藤井聡太さんのドキュメンタリーです。
将棋は駒の動かし方やルール、多少の専門用語を知っている程度で「指せる」とまでは言えませんし
解説などを聞いても、その意味や凄さは正直理解できません。
興味を持ち始めたのは、やはり羽生善治さん(永世七冠)が登場した頃からでしょうか。
トッププロの思考や将棋を極めようとする姿は、数学や物理学の難問と格闘する
天才数学者・物理学者のそれと似ています。
何がどう凄いのかはよくわからないが、途轍もなく"凄い"ということはわかる
という感じでしょうか。
前に「ドキュメンタリー番組はカッコいい」というエントリーでも触れましたが、
羽生善治さんが七冠を達成した時のドキュメンタリー番組にこんなナレーションがありました。
「誰もが皆、思っていた。チャンスはもう二度と廻っては来ないと。だが、将棋の神様はこの青年を愛していた」
それからおよそ30年。また一人、将棋の神様に愛された棋士が現れたのです。
将棋のトッププロ達の実力の差は"紙一重"だと言われます。
その中で勝ち続けるための"差"はどこにあるのか?
羽生さん自身のインタビュー記事や、羽生さんについて書かれた本などを読むと
勝敗とは別に「将棋」というものの本質を見極めようとしているように感じました。
七冠達成後、芥川賞作家・保坂和志さんが書かれた「羽生 21世紀の将棋」という本の中に
「コンピュータとの将棋」についてのインタビュー記事が転載されています。
当時(1995年)は、コンピュータ将棋は人間(プロ棋士)に歯が立ちませんでした。
その原因を羽生さんは「人間のレベルが低いから」と答えていました。
コンピュータといえども人間がプログラミングするものである。
その人間がまだ、将棋のことをよく理解できていないのだから・・・という意味です。
近年のAIの急速な進化に伴い、AIを搭載した将棋ソフトはすでに人間(プロ棋士)を凌駕しています。
(2017年、当時の名人・佐藤天彦九段が将棋ソフト<ponanza>に二連敗しました)
現在最強といわれるAI搭載の将棋プログラム「アルファゼロ」は
人間の考え方がいっさい入っていないAIだそうです。
「人間vs(人間がプログラミングした)コンピュータ」から
本当の意味で「人間vsコンピュータ(AI)」となった時代に現れた、将棋の神様に愛された青年。
インタビューなどを聞いていても、藤井さんはまだ自分が言いたいことを
上手く言葉にできていないように感じます。
(羽生さんは「将棋語」を「人間語(日本語)」に"翻訳"するのが上手でした)
ある"5つの条件"を満たすゲームには必勝法が存在するそうです。
(ツェルメロの定理と呼ばれています)
将棋もその条件を満たしているので(理論上)必勝法が存在します。
「この先、もしAIが将棋の必勝法を見つけてしまったら・・・」という問いかけに対して
羽生さんはこのように答えました。
「その時は、駒の動かし方を変えればいいんです」
今後、藤井さんが将棋について、そして"世界"について何を語るのか興味深いです。
将棋の大会で負けて激しく泣きじゃくる8歳の少年の姿にこの言葉が重なります。
NHKスペシャル『藤井聡太二冠 新たな盤上の物語』を観ました。
史上最年少(14歳2か月)でプロ棋士となり、史上最年少(17歳11か月)で
初タイトル(棋聖)を獲得した藤井聡太さんのドキュメンタリーです。
将棋は駒の動かし方やルール、多少の専門用語を知っている程度で「指せる」とまでは言えませんし
解説などを聞いても、その意味や凄さは正直理解できません。
興味を持ち始めたのは、やはり羽生善治さん(永世七冠)が登場した頃からでしょうか。
トッププロの思考や将棋を極めようとする姿は、数学や物理学の難問と格闘する
天才数学者・物理学者のそれと似ています。
何がどう凄いのかはよくわからないが、途轍もなく"凄い"ということはわかる
という感じでしょうか。
前に「ドキュメンタリー番組はカッコいい」というエントリーでも触れましたが、
羽生善治さんが七冠を達成した時のドキュメンタリー番組にこんなナレーションがありました。
「誰もが皆、思っていた。チャンスはもう二度と廻っては来ないと。だが、将棋の神様はこの青年を愛していた」
それからおよそ30年。また一人、将棋の神様に愛された棋士が現れたのです。
将棋のトッププロ達の実力の差は"紙一重"だと言われます。
その中で勝ち続けるための"差"はどこにあるのか?
羽生さん自身のインタビュー記事や、羽生さんについて書かれた本などを読むと
勝敗とは別に「将棋」というものの本質を見極めようとしているように感じました。
七冠達成後、芥川賞作家・保坂和志さんが書かれた「羽生 21世紀の将棋」という本の中に
「コンピュータとの将棋」についてのインタビュー記事が転載されています。
当時(1995年)は、コンピュータ将棋は人間(プロ棋士)に歯が立ちませんでした。
その原因を羽生さんは「人間のレベルが低いから」と答えていました。
コンピュータといえども人間がプログラミングするものである。
その人間がまだ、将棋のことをよく理解できていないのだから・・・という意味です。
近年のAIの急速な進化に伴い、AIを搭載した将棋ソフトはすでに人間(プロ棋士)を凌駕しています。
(2017年、当時の名人・佐藤天彦九段が将棋ソフト<ponanza>に二連敗しました)
現在最強といわれるAI搭載の将棋プログラム「アルファゼロ」は
人間の考え方がいっさい入っていないAIだそうです。
「人間vs(人間がプログラミングした)コンピュータ」から
本当の意味で「人間vsコンピュータ(AI)」となった時代に現れた、将棋の神様に愛された青年。
インタビューなどを聞いていても、藤井さんはまだ自分が言いたいことを
上手く言葉にできていないように感じます。
(羽生さんは「将棋語」を「人間語(日本語)」に"翻訳"するのが上手でした)
ある"5つの条件"を満たすゲームには必勝法が存在するそうです。
(ツェルメロの定理と呼ばれています)
将棋もその条件を満たしているので(理論上)必勝法が存在します。
「この先、もしAIが将棋の必勝法を見つけてしまったら・・・」という問いかけに対して
羽生さんはこのように答えました。
「その時は、駒の動かし方を変えればいいんです」
今後、藤井さんが将棋について、そして"世界"について何を語るのか興味深いです。