上善如水

ホークの観察日記

『●REC/レック』

2009-11-21 21:22:59 | 映画

ホラー映画 『●REC/レック』 を借りて来ました。

TVレポーターが消防士への密着取材中にとあるアパートで体験する恐怖の一夜…

「何が起こっても撮り続ける―」

のキャッチコピー通り、全編一台の取材カメラが捉えた映像という形で進んでいくドキュメンタリータッチのパニックホラー映画。

監督はジャウマ・バラゲロ、パコ・プラサ。

2008年公開、R-15指定。

スペインの映画です。

登場人物が持つビデオカメラが映した映像…

という手法の映画は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』が面白かったのでこれも見てみました。

同じ手法の映画『クローバーフィールド』も見ました。

『ブレア・ウィッチ』は自主映画の撮影、『クローバー』の方は友人のパーティーで回されていたビデオカメラがどんどん恐ろしい映像を録画していくのですが、この『レック』を見た後の感想は、

やっぱり『ブレア・ウィッチ』が一番怖い…

どんなに衝撃的な映像より、夜の闇に囲まれた心理的な恐怖…こういうのが本当に怖いんですよね。

ほとんど夏の心霊特集♪

でも、『●REC/レック』 も怖かったです。

こちらはゾンビもの…かな?

アパートに閉じ込められた住人と警察官。

そして駆けつけた消防士と女性レポーター&男性カメラマン。

状況もわからないまま、いきなりアパートが外から封鎖され、誰も外に出られなくなります。

そして始まる惨劇…

なぜ? どうして? 何が起こっているのか?

何もわからないまま、咬まれた仲間が次々とゾンビ化していく恐怖。

それでもテレビカメラは回り続け、そのアパートに隠された真実を映し出していく…

とにかく出演者が叫びまくるのでとってもうるさい。

アパートの住人には日本語をしゃべる日本人らしき人もいるのですが、生の魚を食べるとかスペインの人に苦情を言われてしまっています。

高校生の時、友達数人と順番でお金を出すという取り決めで、レンタルビデオの映画鑑賞会をしていたのですが、その時見たホラー映画の中に亀を食べた後の甲羅の吊るされたシーンがあってとっても怖かったのを憶えています…

ま、日本でもスッポンとか食べるから、冷静に見たらホラーとして成立していないかも知れませんが、音楽と映像の撮り方で怖かった。

ホラーてある意味心理的な物が大きいですね。

つっこみどころはたくさんありますが…

ガラス窓を破って外に出ろよ…とか、ウロウロしないで部屋の中でじっとしてたら? とか(笑)

さすがに暗い映画館の中で見たら怖いだろうなぁ~

この映画はスペインで大ヒットして、ハリウッドでリメイク版が制作され、本編のラストシーン直後から始まる第二弾、『●REC2/レック2』 も今年(2009年)公開されました。

こういうドキュメンタリータッチの映像手法はホラー映画にはうってつけかも。

お金をかけるだけが映画じゃないということがよくわかる映画です。


『ペネロピ』

2009-11-08 21:54:36 | 映画

ブタの鼻と耳を持つ女の子、ペネロピがありのままの自分を受け入れるまでを描く映画、

『ペネロピ』を見ました。

監督はマーク・パランスキー。

主演は『アダムス・ファミリー』で、おでこちゃんのウェンズデーを演じたクリスティーナ・リッチ。

恋人役には『ナルニア国物語/第一章ライオンと魔女』でタムナスさんを演じたジェームズ・マカヴォイ。

2006年制作。2008年公開の映画です。

                            

先祖がかけられた呪いのため、ブタの鼻と耳を持って生まれた名家の一人娘ペネロピ。

社交界でも有名な名士の両親は、スキャンダルを狙うパパラッチや世間の好奇の目を避けるため、娘は死んだと発表し、大きなお屋敷から一歩も出ることなくペネロピは成長していきます。

ペネロピにかけられた呪いを解く方法は一つだけ。

                          

ブタ鼻のペネロピを愛する者が現れること…

                                 

何とか娘を”普通の人間”にしたいと願う母親は、ペネロピが18歳になると、名家の独身男を集めてペネロピとお見合いをさせます。

ところがどの男もどの男も、ペネロピの素顔を見たとたん逃げ出すしまつ。

そんなことが7年間も続いたある日、かつてスキャンダルの匂いをかぎつけて忍び込んだこともある新聞記者が、ある男をお見合い相手に仕立ててペネロピの元に送り込みます。

狙いはペネロピの顔写真を撮ること…

                           

カラフルだけれど、どこか閉じ込められた世界を象徴しているペネロピの部屋が個性的で魅力です♪

鳥の羽のようなウェディングドレスや、シャボン玉の飛び交う遊園地など、心象風景のようなセットや衣装もファンタジーのよう☆

そして何より、ブタ鼻の主人公、ペネロピがとってもキュート!!

                                 

ペネロピはブタの鼻をしていますが、母親との関係は普通の親子と変わりありません。

言い争いもするし、押し付けられる価値観に反発もするし、自由になって自分の力を試してみたいとも思っている。

でもやっぱり自分の容姿にコンプレックスがあって、強がってはいてもお見合い相手に拒否されるたびに傷つくし、両親を悲しませている自分に罪悪感も持っている。

だから親の望み通りに生きることも考え、結婚式なんかにものぞんだりするペネロピですが、「普通の人間に戻れる」「生まれ変われるのよ」と叫ぶ母親に言い返します。

                 

「私は変わりたくないの! 今のままの自分が好きなの!」

                         

王子さまが現れてお姫様の呪いを解く昔話じゃなくて、これはコンプレックスを抱えた普通の女の子が、ありのままの自分を受け入れるために悩んだり葛藤したりジタバタする映画です☆

ペネロピが家を飛び出して自活しようとする姿がいい♪

町で知り合うペネロピの親友アニー(リース・ウィザースプーン)のキャラクターがいい♪

自分を幸せにしてくれるのは他人じゃなくて、自分自身なんだというメッセージがいい♪♪

                   

娘のことを思うあまりすれ違ってしまう母親の行動もうまく表現されているし(ちょっとかわいそうだけれど…)

「話をするブタ」としてペネロピを追い掛け回す新聞記者が、しだいにペネロピを1人の人間として見るようになっていく姿もちょっとジーンと来ました。

そして何より、タムナスさんを演じたジェームズ・マカヴォイが、ペネロピと接するうちに人間の外見に囚われず、その人の中身を見て変わっていく様子がよかった。

それはペネロピも同じで、自分の容姿にコンプレックスを持つ人すべてに見て欲しい映画。

とくに中学生のような若い人に見て欲しいと思いました。

いい映画だったなぁ~☆