上善如水

ホークの観察日記

『パコと魔法の絵本』

2009-03-26 16:30:04 | 映画

久しぶりに映画をレンタルしてきました。

監督は「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」などの作品で知られる中島哲也。

事故の後遺症で一日たつと記憶が消えてしまう少女のために、大人たちが絵本の世界を演じてみせる、ドタバタ+お笑い+ファンタジー+そして思いっ切りの感動映画!!

『パコと魔法の絵本』(2008年)です☆

CGと特殊メイクを多様して、ギャグありお笑いありで大人の考えた絵本の世界を見事に映像化しています!

物語が進んでいくともう涙が止まりませんでした!

出演は、役所広司、上川隆也、妻夫木聡、土屋アンナ、加瀬亮、小池栄子、劇団ひとり、國村隼、阿部サダヲ、木村カエラ、などなど超豪華。

主人公の少女「パコ」は、今度公開される映画『ドラえもん 新のび太の宇宙開拓史』で声優も務めるカナダ人ハーフのアヤカ・ウィルソンちゃんが演じています♪

ストーリーは最初からコントみたいな設定で、リアルさはかけらもありませんが、だからこそ、映画でしかできない演出がされていて、とってもユニーク☆

つじつまだとか、常識だとか、細かいことを考えるのはまったくの無駄。

その気になれば、夕日の光が次の瞬間月の光に変わってしまっても大丈夫!

役所広司さんが演じるのは、ありえない髪型をした、一代で会社を大きくした実業家の老人。

でもこの人、スクルージみたいな性格で、いつも怒鳴り散らしていばってばかりいるのでみんなの嫌われ者。

そんな老人が入院した病院には、ピーターパンの衣装を着た医者(上川隆也)や、お色気たっぷりで老人の財産を狙う看護婦(小池栄子)や、消防車にはねられた消防士(劇団ひとり)や、ノイローゼで自殺を繰り返す天才子役のなれの果て(妻夫木聡)や、ヤンキーですぐ手が出る看護婦(土屋アンナ)なんかがいて、いつも大騒ぎ!

その中に、一日たつと記憶をなくす少女パコがいるのですが、この少女との触れ合いが、役所広司演じる老人の心を変化させていきます。

登場人物はとにかくみんなどこかしらヘンで、天井からミラーボールが降りて来たり、手の平から金の粉(ピーターパンに出てくる「妖精の粉」です♪)が出たりと、何でもアリの世界なのですが、その中でもベテラン俳優、國村隼さん(サントリーウィスキーのCMに出演中のガンコ親父が似合うしぶい俳優さん)がオカマ役を怪演していて、これがもう似合いすぎていて必見です♪

パコがいつも持っている絵本「ガマ王子対ザリガニ魔人」

ワガママなカエルの王子さまが、家来のアメンボやミズスマシにイジワルしたり、家をこわしたりする物語なのですが、記憶を無くしてしまうパコにとっては、毎朝初めて目にする絵本。

何度も7歳の朝に目覚め、何度もプレゼントの絵本を枕元で見つけ、何度も何度も初めての物語の先を楽しみにする…

老人の名前だって覚えていません。

どんなに一緒に過ごしても、翌朝には初めて会う人なのです。

絵本の中のワガママなカエルの王子さま。

バチャーン。ケローン。

バチャーン。ケローン。

今日もいっぱい暴れたぞ。だけどぜんぜん楽しくない…

みんなをいっぱい困らせた。だけどぜんぜん嬉しくない…

ワガママで当り散らしてばかりいた老人は、しだいにどうにかしてパコの心の中に残りたいと願うようになります。

老人は医者にたずねます。

教えてくれ、涙はいったいどうしたら止まるんだ…

パコに絵本を読んであげる老人。

しかし、すでに時間はあまり残されていませんでした。

この作品は「MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人」という舞台を映画化したものだそうで、確かに映画というよりは演劇に近いかも☆

映画ではCGアニメとの合成で絵本のキャラクターを描いていますが、それもよかった♪

何より真剣なバカっぽさがイイ!

日本でもこんな映画が作れるんだと、感動しました。

ボロボロ泣けたし。

あぁ、面白かった☆


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